「やさしさ。ルンビニ」

世界一周221日目(2/4)

 

おばあちゃんが
持って来てくれたヌードルが
ビジェイの家でいただく最後のご飯だった。

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ビジェイとの繋がりは、
インドのラクナウから国境まで向かうバスに、
たまたま乗っていた
奥さんのお父さんと居合わせただけ。

ただそれだけなのに

ビジェイは僕を家に招いてくれて、
家族の一員として温かく迎えてくれた。

 

ネパールに来る前は、
もっとタフな旅を想像していたんだ。

泊まるところも
ろくすっぽ調べていなかったし
(っていうか安宿は調べても出てこない)
一体どんな旅が待っているんだろう?

そんな期待と不安を胸に抱えていた。

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ビジェイの家で3日間を過ごすことによって、
家族の温かさと素晴らしさに気づかされた。

ビジェイがこれを手に入れるまで
どれだけ頑張って来たのかも
よく分かった。父は偉大だ。

 

 

 

 

パッキングを済ませると
ビジェイは僕をバスターミナルまで
バイクで送ってくれた。

外はこの3日間で一番霧がかっている。
10メートル先も見えないくらいだ。

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バイクの後ろに座った僕に
「寒いだろ?」と言って、
自分のジャケットのポケットに
手を入れるように言う。

優しいなぁ。

 

 

ターミナルに到着すると、
ビジェイは「ちょっと待ってな」と言って、
チケットオフィスの知り合いと何かを話している。

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「ショート・カットだ。
途中のパーラインという場所で降りれば
ルンビニまですぐ行けるよ」

 

400ルピー(411yen)のチケット代を支払い、
僕はバスの荷台にバックパックを置いてもらった。

 

「これー…、
すくないけどさ。
これでミーマンとビパスナに
何か買ってあげてよ」

と言って僕は
1,000ルピーをビジェイに差し出した。

「おいおい。そんな必要はないって。
それにヨスケは子供たちに
ボールをプレゼントしてくれたじゃないか」

「ビジェイ…、
君の家族はマジでナイスだ…!」

 

握手とハグで別れを告げ、
僕はバスに乗り込んだ。

席に着くと、ビジェイは中にまでやって来て
集金係に僕がどこで降りるのかを伝えてくれた。

 

「それじゃ、気をつけてな」

 

ビジェイともう一度握手をした時、

涙が滲んだ。

 

 

その優しさが嬉しかった。

乗客たちに食べ物を売るヤツらは
窓の外で「チャイナが泣いてるぜー!」
みたいに冷やかしてきたけど、
そんなのどうだっていい。

この何もない小さな町で
僕は大きな何かを手に入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

バスは
霧の中を走る。

 

『僕も彼の様に
誰かに優しくできるだろうか?』

 

そんなことをしばらくの間考えていた。

 

たとえば日本で一人暮らしをしたとして、
そこにやって来た誰かを
もてなすことはできるだろうか?

寝る場所はもちろんのこと、
食事のことだったり、通信手段、
Wi-Fiのことだったり、
住んでいる場所の案内だったり。

 

「ゴメン!
締め切りに間に
合わないかもしれないんだ!
悪いけどベタ塗ってもらっていい?」

とか平気で言いそう(笑)

 

まだまだ僕の未来はこの霧と同じで
モヤモヤしたままだ。

ただ僕には最高のイメージと
グリーンのライトが見えている。

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にしても寒いな。

8部袖にpatagoniaのフリースと
アウターの三枚を着ているので、
それなりに温度は保っていられるのだが、

窓から入ってくる隙間風に当てられると
その部分だけひんやりする。
もちろん車内が寒いってこともある。

 

トイレに行きたい…。

そうだ。朝、コーヒーも頂いたっけ?

 

2時間走ってトイレ休憩。
ハイウェイの片側には大きな木々が見える。

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なんとなく、
BUMP OF THE CHICKENの
「スノースマイル」をiPodで聴いた。
僕が中学生のころによく聴いていた曲だ。

 

「君と出会えてほんとによかった」

 

という歌詞から始まる歌。

そんな出会いがこの旅に
あとどれだけあるのだろう?

 

バスの窓から外を見上げると太陽が見えた。
ずいぶんと久しぶりな感じがする。いい旅先だ。

霧に覆われていたコホルプルの町でも
この太陽が見えているのだろうか?

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朝食休憩をとった後
ノンストップ。

6時間後。
僕はパーラインという場所で降ろされた。

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バスの集金係は
「ここで待っていれば
同じ様なバスが通るから」と言う。

ビジェイも
「トラックやミニバスに乗れるけど、
本数が少ないんだ。
大丈夫。近くのレストランで
コーヒーでも飲んでいればいいさ」と言っていた。

まぁ、待っていれば
ルンビニ行きのバスを
捕まえることができるだろう。

 

近くの売店でチャイと
お菓子を食べながらタバコを吹かす。
ガキんちょたちはここでも元気いっぱいだ。

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「これからどこへ行くんだ?」

「ルンビニにバスで行こうかと」

「バスなんてこないぞ」

 

 

「まーーーーーじーーーーーでーーーーー!!!!????」

 

 

舞台「ライオンキング」の
「サーーーバンナーーー(実際あれ、なんて言ってんの?)
の要領でシャウト。

 

「えっ?だってさっき
バスのドライバーが言ってたよ?」

「だからバスは来ないって」

「えっ?あのバスなんて違うの?」

「あれは結婚式のバスだね」

なにそれ?

 

ルンビニまでは一本道。
27キロの道のり。あ、歩くか?

 

 

「あ~、困っちゃいましたねぇ。
どーしましょっかぁ?」とまったりしていると、
売店のおっちゃんが
ルンビニ行きのトラックを見つけて来てくれた。

 

90ルピー(93yen)で話をまとめ、
バックパックを荷台に乗せ、
僕は運転席と助手席の窮屈なスペースに座った。

ヒンドゥー・ミュージックをガンガンかけ、
車がすれ違うのがやっとの一本道をトラックは進む。

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運転手の兄さんは分かれ道にさしかかると窓から顔を出し
「なぁ!ルンビニはどっちだい?」と近くの人に尋ねる。|
彼らもルンビニへ初めて行くんだろう。

助手席のインド人顔の男の子は
ジェスチャーで下ネタしてくるし、
僕がギターを持っていると分かると

「ギター!ギター?」
(たぶん「ギターを俺にくれよ」ということなんだと思う)

としつこかった。

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そんなファニーなメンバーで向かったルンビニ。
小さな村が点々と存在し、菜の花畑が広がる。

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トラックから降りる際、
100ルピー札で支払うと、
最初は渋っていたが、
ちゃんと10ルピー返してくれた。

そういうところがネパールだね。
インドだったらちょろまかされるもん(笑)

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降ろされた場所から宿の集まる場所へは
1キロほど離れていた。

時刻は16時前。
まだ太陽が昇っているので寒くない。

 

バックパックをかついで一本道を僕は歩く。

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ルンビニはブッダが生まれたとされる場所だ。
観光地となっているその場所は
どこまでも続く長い塀で囲われ、
同じ様な木がいくつも生えている。

それがどこか幻想的だった。

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宿の集まる場所に辿り着き、
ひとまず目についたレストランで
晩メシにサモサとチャイ。

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「ここで一番安い宿ってどこかな?」

「それならこの上だ」

「で、いくらなの?」

「弟が経営してるから知らん」

 

やって来た弟さんは一人の僕に
値下げしてくれると言う。
話がスムーズな時は何かありそうだ。

 

 

「これシングルじゃなくて
ダブルルームじゃん!」

インドではよくある手。
安い部屋は先には見せない。

 

「シングルは空いてないんだよ。
本来なら400ルピーだけど、
300(309yen)で使っていいよ」

 

安っ!
てか両親的じゃないっすかぁっっっ!!!

 

 

停電のため真っ暗な部屋。

だけど、床にはカーペットが
敷いてあるし、清潔感がある。

 

Wi-Fiはあると言うのも
はばかられるような代物だったけど、
とりあえず僕は安宿にありつくことができた。

 

日が沈むと町は再び霧に包まれた。

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余談ですが、露店はボってきます。

ふつうに2倍くらいの値段でふっかけてくることもある。
(それでも20円30円ですが)

ここで見かけたモモ(餃子みたいな食べ物)も
宿の近くの露店では60ルピーでしたが、
少し歩いた場所では20ルピーに
カップに入ったスープまでついてきましたもん。

20ルピーのはハーフサイズだったんですけどね。

ベジ(野菜)か肉かの違いにしても高いよなぁ。

 

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