世界一周564日目(1/13)
朝食が
食べられるのが
10時までだとは思わなかった。
10時ぴったしに起きて、屋上のテラスに上がったら
もう朝食の盛られたトレイは全て片付け終った後だった。
「7時から10時」までって、
やけに早い時間帯しかありつくことができないのだ。
ここのビュッフェ形式の朝食には!
朝から朝食喰いそこねた。
ここはエジプト、ルクソール。
泊まっているのは
ブーメラン・ボブマーリー・ピース・ホテル。
たぶんこれが正式名称なんだろうけど、
いくらなんでも名前に突っ込み過ぎやしないか?
僕はそのまま朝食がわりのコーヒーを注文した。
朝食の時間に間に合わなかったので一杯4ポンド(67yen)かかる。
ルクソールの町は見所が沢山だ。
昨日行ったカルナック神殿の他に、
ナイル川の向こう側に渡れば
「王家の谷」というのも観にいくことができる。
昔、細美さんがラジオで(Hedgehog Diarydあったかな?)
「気球に乗ると、王家の谷は
谷間に隠れるようにしてあある」
とか行ってたっけ。
正直、僕がその王家の谷のあるエジプトに来るだなんて、
しかもこんなに長く滞在するだなんて思わなかった。
だが、
僕は王家の谷に
行くつもりはない!
や、なんでって、
なんか気が乗らないから(笑)
カイロのスルタンホテルで会ったオオタケさんが
「あんなの「行った」って言えるくらいのもんでしたよ」
と言っていたのを聞いて、
「あ~、そんなもんなんですかぁ」
と妙に納得してしまったからだよ。
やっぱ気球に乗らないと感動できないんじゃない?
しかも高いんだよ!観光にかかるお金がさ!
「どうしても観たい!」ってものだけでいいの!
全部なんて行けっこないんだから!
今日は一日ここでアフリカに入る前の
情報収集をしようと考えている。
「今日は一日中ずっと情報収集していた」
の一言で終る日記も、サボらず書きますよ。
マジでこいうどーでもいいことばっか書くのが
僕のブログですからね!
それに『この日一日何してたっけ?』って、
その日が空白みたいになるの嫌じゃん。
「◯月×日」形式でブログを
書いている以上、なるたけ書くのです。
情報収集
という旅のタスクがどうも好きじゃない。
僕はこの日一日、まず何から始めたかと言うと、
新しいノートに漫画を描くことから始めた。
逃げだ。
自分でも無意識なくらいに、
情報収集を先延ばしにしている。
二冊目のノートはアイルランドで買った
「Travel Journey」と書かれた横開きのノートだ。
紙の厚さは前回使っていたものに比べると少し厚い。
ベタを塗ってもあまり裏面が目立たないのがポイントだ。
だが、紙質はスケッチブックのように
表面が少しザラザラしている。
紙がインクを吸い込んでしまうので、
インクの乗りが悪いように感じる。
今まで引いていた線が細く感じる。
このノートに合ったペン選びに
慣れるのに時間がかかりそうだ。
そんな風にして漫画を書いていると、
あっという間に時間は過ぎてしまった。
やべっ!情報収集しなくちゃだったのに!
僕はサブバッグからパソコンを取り出し、
延長コードを駆使してコンセントから電源を確保し、
テーブルの上でMacBook Proを起動させたたのにも関わらず、
やることは情報収集ではなく、ブログのアップだった。
ここのWi-Fiはカイロに比べてかなり早い。
リアルタイムに追いつこうと一日に
3~4記事を乱暴にアップしているのだけど、
一向にリアルタイムとの差は縮まらない。
ここに泊まる宿泊客は長期で滞在する人はいないようだった。
あらかたここの観光地に行ってしまうと、
みんなすぐに別の場所へ移動してしまう。
だから、この時間帯にWi-Fiを使っている人間は
僕くらいしかいなかった。
作業をしていると、ここのオーナー夫妻の子供が
テラスに遊びに来た。
クリンクリンに天然パーマがかかった男の子は
ネイティヴの英語を話た。
ガキンちょなのに、何を言っているのか
わからない時があったくらいだ。
手にはゴムのボールにゴム紐がついた
ヨーヨーみたいなおもちゃを持っていた。
僕は気分転換に男の子と遊んだ。
子供特有の「自分ルール」があるらしく、
灰皿をふたつ使ってそゴムボールを包んだり、
それを投げ飛ばしたり、
ちょっと見ていて危なっかしくも見えた。
歳は4歳くらいだろうか。やんちゃな子供って感じだ。
男の子は僕の漫画道具に興味を持ち始めた。
僕が作業に使っているテーブルに顔を寄せて、
「それなに?」と沢山種類のあるペンに興味を占めている。
こういう時に道具の管理をしっかりしていないと、
あとで痛い目を見るのは分かっている。
適当なペンとコピー用紙を彼に渡してその場を凌いだ。
だが、次にやって来たのは彼の妹だった。
ずんぐりしたお腹で、指をくわえている。
「お兄ちゃんだけズルイ!」と
今にも喧嘩が起こりそうだったので、
僕は妹にも同じようにペンとコピー用紙を貸してあげた。
テラスに子供の様子を見にやって来たヒッピーのお母さんに
「あとでちゃんと返してくださいね」と念を押しておいた。
男の子は僕の考案した
「モンスターの形に目玉や口を描き込む」
という遊びを気に入ってくれたみたいだった。
「モンスターズインク」は見ているらしく、
サリーやマイクっぽい
モンスターのシルエットを書いてあげると、
それに毛を生やすことに夢中になっていた。
妹はまだペンが上手く持てなかったために、
すぐに興味をなくした。
幼い兄妹と遊んでいると、
あっという間に夕方になってしまった。
ひとまず荷物を片付けて近くにご飯を食べに行き、
帰りにシーシャを吸ってホワッホワになると、
もう何もする気が起きなくなってしまった。
宿に戻ってシャワーを浴びて、
ギターを抱えてテラスに出た。
テラスからは町の灯りが見えた。
どこかしんみりさせるような眺めだった。
適当にコードを弾いて唄っていると、
なんだか新しい曲ができた。
それに即興で歌詞を当ててフレーズを繰り返して唄っていると、
日本人の女のコと中国人の女のコがテラスにやって来た。
「日本人だ~♪」
「あ、どもっす」
いきなり背後から声をかけられると恥ずかしい。
「このコ、唄っているのは
アメリカ人だとか言ってましたよ?
唄うまいですね」
「あざっす..」
日本人の女のコの方は
(歳上っぽかったけど、ここでは”女のコ”ということにしておこう)
世界一周を何回かに分けて旅をしていた。
中国人の女のコの方はドイツに留学しているらしく、
博士号を取る勉強をしているそうだ。
どちらも英語が堪能で、
特に日本人の女のコの方は会話にしょっちゅう
「ファック」や「ファッキン」というワードが出て来た。
思わず「アメリカに留学してました?」
と訊いてしまったくらいだ。
話に聞く所によるとアメリカではなく、
オーストラリアに短期留学していたみたいだ。
なんだか女のコがファックファック言っているのは
あんまり上品に感じないなぁと思ったのはここだけの話だ。
日本人の女のコの方はこれからアフリカを旅するらしく、
明日スーダンビザを取りにアスワンに行くと行っていた。
「お兄さんは明日アスワン行かないんですか?」
「ん~~~、もうちょっと情報収集したいから、
明日までここいます。
アスワンの宿はここほどよくないみたいしだし」
「まぁ見つけたら声かけますよ」
「ああ、髪の毛お団子にしているヤツがいたら僕ですね」
二人はペチャクチャお喋りして、そのまま部屋に戻って行った。
女子二人がいなくなってしまった後で
僕はテーブルの上にパソコンを広げて電源を入れた。
だがやることと言えば、情報収集ではなく、
お気に入りのブログを見たり、Facebookページに
自分の漫画をアップするとかその程度ばかりだ。
Facebookの面白いニュースのシェアとかが飛んでくると、
もう戻って来れない。
そんな風にして夜遅くまで作業をしてドミトリーに戻った。
ドミトリーには欧米人の男性がやって来ており、
ベッドでスヤスヤと寝ていた。
僕はシャワーも浴びずに、そのまま毛布をかぶって寝てしまった。
そんなに動いていないから、汗もかいていない。
最近寒いとシャワーを浴びるのが億劫なのだ。
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はぁ~~~、プチ沈没日記いかがだったでしょうか?
「いかがだったでしょうか?」
って訊くほどのものでもないね。
ただの近況報告。とりたてて面白くもない。
今日のブログに教訓があるのなら
「旅をしていても、毎日が楽しいことばかりではない」
ってことですかね。文字に起こすとね。
☆「旅する雑貨屋 Drift」
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