「こんなところでテンション上がるヤツは変態だ」

世界一周326日目(5/20)

 

何度も二度寝を
繰り返した。

いや、二度寝以降は
「三度寝」「四度寝」になるのか??

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ベッドの中がふかふかで温かいせいもある。

外に通じる扉を開けると
冷気が中に入って来た。ここはどこの山の中だ?

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ステファンツミンダ(通常カズベキ)
から見える山はクライマーだったら
きっとテンション上がってしまうだろう。

だが僕はクライマーでなければ、
体力に自信があるわけもない。

室内に籠る漫画家。

そしてくだらないことを
くどくどくどくど書く
マイナーブロガーの一人だ。

 

 

他の人のブログを拝見させていただいた。

ほとんどの人は夏に訪れて

「やべ~カズベキ!
ぱねぇ~~~!
ひゃっほ~~~!」

ってなってる。

ステファンツミンダの風景は
「風の谷のナウシカ」を彷彿させる
フンザの谷に似てる
(こちらはパキスタンにあるんだけど)
だのだと言う。

フンザに行ってないからそんなの分かんないし、
なんでそんなにジブリに当てはめたがるのだろうか?

おかげでイメージが先行してしまい、そこに着いた時に

『やっぱり違ぇなぁ…』

って妙にがっかりした気分になる。

そこはそこでいいじゃないか。

誰でも彼でも

「芸能人の◯◯と△△を
足して2で割った感じだよね」

って無理矢理当てはめられている感じだ。

 

 

僕がここにやって来たのは、
ただ何となく。

グルジアを訪れた方々がカズベキに行っていたからだ。

だけど、そのオススメしてくれた人たちが
ジブリの呪いに取り憑かれていたら、
僕も間接的にその影響を受けていることになる。

まぁだけど、カズベキを取り囲む山々を見ると
ここが見応えのある場所だなと思った。

 

曇り空だけど。

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今にも雨が降ってきそうな空。

こんなんでテンション上がる人は
変態か何かだ!

なぁ!教えてくれよ!
一体どうやってテンション
上げればいいんだっつーの!

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ニワトリに言ってもしかたないか… 

 

 

 

それに最近カメラの調子がおかしいんだよ。

「Err 01 カメラとレンズの接触不良です。
レンズの接点を清掃してください 」

ってエラーをたびたび吐き出しやがる。

清掃ったってどこをクリーニング
すりゃあいいのだ?

僕ができることと言ったら、
レンズをボディから外してつけ直すくらい。
そうするとまた写真を撮れるようになるのだが、
しばらく操作するとまた同じエラーを出しやがる。

スーファミのカセットを入れるあの感覚に近い。

てか今のゲームッ子どもはあの
「イライラする感覚」なんて
全然分からないんだろうな~。

今のゲームってやり込み度合いが
ハンパなさそうだよね。
取り憑かれたらずっとやっちゃいそうだ…。怖いね。

 

 

まぁ、そんなテンションの中、
雨が降る前に僕は小高い山の上にある
教会に行ってみることにした。
そこから村を見下ろせるようだ。

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昨日村を歩いていたら
「明日、タクシーをチャーターしないか?」
と営業をかけてきたおっちゃんがいた。

きっとツーリストの中には車をチャーターして
教会まで行く人もいるんだろう。

僕はもちろん歩くけど。

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歩いて15分くらいの隣り村。

食べ物が帰るだろうと思っていたので、
何も買わずに宿を出て来た。朝ご飯は食べていない。

だが、ここの村の小ささを舐めていたようだ。
どこにも売店が見当たらなかった。

近くで水飲み場を発見したが、
いくら水を出しても不純物が混じってしまうものだった。

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手持ちの食料は
持って来た飲み水250mlくらい。

偶然通りかかったツーリストに
ミネラルウォーターを分けてもらい、
教会に行くより先に売店を探すことにした。
なかったらそのまま突き進むしかない。

 

 

かろうじて、家の敷地内に
入っている売店を発見した。

ほんとうにたまたま家の門が開いて、
「あっ!売店がある!」
ってな具合で発見したのだ。

とりあえず大きなパンを0.7リラ(40yen)で購入する。

スニッカーズなんかお菓子もおいてあったが、
今現在朝食/夕食なしで15ラリ(867yen)で
ニナさんの家に泊まっているわけであって、
ここで無駄な出費をするわけにはいかない。

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デカくね???カワイイヤツだったけどね。

 

 

パンをかじりながら
教会までの道のりを歩いてた。

パンが喉を通らないと
残り少ない飲み水でそれを押し込んだ。

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教会までの道のりは坂道になっており、
屏風折りにするようにいくつも折り返している。

『ショートカットできそうだな…』

そんな僕と同じことを考えたヤツが
他にも何百人といることだろう。

そうじゃなかったら人が歩いた跡なんてできない。

僕はショートカットの道を歩いた。

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だが、正規のルートではない。

道は急だし、なんだかトレッキングを
しているような気分になる。

しだいに呼吸が荒くなった。

汗だくにならないようにゆっくり、
一歩づつ山を登っていく。

前日の雨で地面は滑り、
何度かコケそうになった。

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そしてついに

 

 

 

 

 

カメラが壊れた…。

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 もうそろそろで今日の写真もおしまいさ。

 

 

 

 

呆然と立ち尽くす僕。

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レンズとボディの接続不良。
「接続部を清掃してください」とでてくる。

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レンズとボディを外し、もう一度つけ直す。

シャッターを切ると、kiss X3は
か細い声で

 

「カシャッ…

 

と言った。

画面を見ると同じエラーメッセージ。

ふとした拍子に写真を撮れるがー…、

 

 

 

 

マジテンション下がったわぁ~~~~…

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曇り空が僕の気持ちを代弁してくれているようだ。

やるせない気持ちが僕を包む。か、カメラ…。

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だ、大丈夫だよ。
だっておれ保険入ってるもん!

それまでiPhoneでいいじゃん。
iPhone4s。デジカメみたいなもんっしょ!

てかどこで修理できるんだ…?

村の見下ろせる山の中腹で
僕は立ちながら脳内作戦会議を開いた。

 

 

 

 

よし!トビリシに帰ろう!

ここから一方通行に進んでいきたいと思ったけど、
ヤメヤメ!カメラが気になって旅も楽しめねーってばよ!

トビリシって首都でしょ?首都。
きっとカメラの修理もできるはず!

もうヒッチハイクなんてしないで
マルシェでトビリシ戻ろう。

 

 

僕は小高い山の上に会った教会の前まで来た。

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だがそこまで心に刺さってくるものは感じなかった。

誰かさんのブログに書いてあった通り、
中に入るために飲食店で使うようんな
前掛けをしなければならなかった。

前掛けは僕がバイト時代に働いていた
串焼き屋さんを思い出させた。

そしてブログに書いてあった通り、
寒かった。

そこまで高い山の上
というわけでもないのに、強い風が吹く。

 

 

教会には僕の他にも
何組かツーリストの姿があった。

薪式のストーブが設置されており内部は温かく、
黒い服を着た聖職者が物販コーナーで椅子に座っていた。

残念ながら仕入れたくなる様な雑貨は何もなかった。

木でできた十字架や、キャンドル。
アロマオイル的ななにか(なにに使うのだろう?)

教会の中はカメラ撮影禁止になっており、
キャンドルのいい匂いがした。

壁には美術の資料集に出てくる様な絵が
何枚か飾ってあった。

それを見にここにくるのもありかもしれない。

僕は10分も見学しないで外に出た。

帰りの道は行きに比べると楽だった。

まぁ、山登りをしたそんな感じだ。

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カメラが壊れた傷心から
ステファンツミンダの村に戻ると、
デカいパンとリンゴをふたつ買い、
中心地にあるコーヒーの自動販売機で
1ラリのコーヒーを飲んだ。

僕を慰めてくれるかのように
大きな野良犬が歩み寄って来た。

撫でてやると体毛はごわごわとして分厚かった。

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近くの売店で4.5ラリ(260yen)のタバコを一箱と
2.5ラリ(144yen)のパッケージングされた
ロールケーキのようなお菓子を買った。

もう節約なんてどうでもよくなってしまった。

ニナさんちでご飯も食べてしまおうか?

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「ニナさん、晩ご飯って
追加5ラリ払えば食べれますか?」

「はっ?
追加10ラリだよ!
5ラリは朝ご飯!」

 

ぐぬぬぬぬ…。

10ラリって言ったらトビリシで泊まっていた
「Comfot Plus」と 同じ値段じゃねえか!
あっちは晩ご飯もついたぞ!

ていうか他の宿だったら
晩飯もついて20ラリだったし!

このニナさんというおばさん、
部屋のパソコンでずっとパズルゲームをやっている。

そうでないときはFacebookを覗いているか。

僕もパソコンに向かう時間は長いが、
やることがなくてパソコンでゲームかFacebookって
なんだか味気ないよ…。

何も生産しない。時間が浪費されていく。

もちろんニナさんには掃除をしたり、
宿泊客のご飯を作ったり、
いろいろやることがあるのだろう?

僕がタバコを吸うように、
ニナさんにはそれがパスルゲームなだけだ。

だが、その後ろ姿はどこか僕を
寂しい気持ちにさせた。

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Wi-Fiの方はトビリシに比べるとかなり遅かった。

それでもこんな山奥でネットが使えるってのは
ありがたいことなんだろうな…。

カメラの修理がどこでできるのか
情報収集したがグルジアで僕と同じ様な
トラブルに陥った人は他にはいないらしい。

英語で検索してみても、
新しい情報で2011年のものだった。

質問をするフォーラムにはの中には

「グルジアに修理できるところなんてありませんよ。
アルメニアかトルコに行った方がいいでしょう」

なんて書いてあるのもあった。

まぁ、ちょっと古い情報だし、
3年もあれば修理できるお店もあるだろう。

おれは帰る!帰るぞ!なくてもトビリシに帰る!

 

 

 

ニナさんのうちに泊まりに来た
3人くらいのツーリストはここでご飯を食べていた。

食べ終わると「おいしいご飯をありがとう♪」と
言っていたから、きっとすげえご飯だったんだろう。

どこで財布をぬくかは僕次第だ。

僕のようにケチるヤツもいれば、
お金を払う時に払うスマートな人もいる。

そんな風にして世界は
まわってるんだから何も問題ない。

 

 

外に比べると室内は温かかったが、
それでもシャツやアウターを着ないと
手がかじかんだ。吐く息が白かった。

 

 

相棒からLINEでメッセージが来た。

アルメニアで仲間の披露宴のイラストを描いた
原稿用紙が他の雑貨と一緒に届いたらしい!

おっ!アルメニア!意外と早かったじゃないか!
これでサプライズプレゼントができるー…

 

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ガッツシ折り目ついてたけど…

 

あぁ、殺意の波動にとりこまれてしまいそうだyー

ってあの郵便局のオヤジ!

あんなに折らないでくれって言ったのに
どこが「大丈夫」だ!!??
コロスッッッ!!!

 

 

僕はリビングのテーブルで日記を書いて
早々にベッドに入った。

テンションガタ落ち。

こんなんでテンション上がるヤツは変態だ。

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旅先でカメラが壊れるのはどうやら僕だけじゃないらしいっす。

他の方々も悪戦苦闘してました。
でも、どこで直したのかは書いてなかった。
別に書かなくてもいい内容だからなか?
『や!そこは書いてくれよ!』
そんなもどかしい思いでパソコンの画面とにらめっこする一日でした。

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さぁ!どうなる!次回
「めくるめくカメラ修理屋捜索編」
乞うご期待(笑)!

 

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イイネください(笑)だってあと数人で100人なんだよ?
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