「アカバの町で」

世界一周531日目(12/11)

 

 

アカバ行き

のバスは9時半にやって来る。

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昨日、同じバスに乗った人は
6時半に迎えが来るため、
相当早起きしなければ行けなかったのに、

どうして今日は3時間も
時間に余裕があるのだろうか?

 

 

パッキングを済ませてレセプションに上がると
お調子者の宿のおっちゃんが
「朝食はいるか?」と声をかけて来た。

またどうせお金を取るのだろうと
「ハウマッチ?」と訊くと、

「あんた次第さ」と朝から
イラっとする返答をしやがる。

マサトさんが
「あれ?シミくん、
朝食代も払ってなかったっけ?」
と言ってくれたおかげで、
僕は朝メシを喰い損ねずに済むことができた。

 

 

 

ここはヨルダン、ペトラ遺跡のある町、
ワディ・ムーサ
このイラっとするおっちゃんがいる
ホテルの名はヴァレンタイン・イン。

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少し遅れてやって来たアカバ行きの
バスに僕とマサトさんと
イシイさんの三人は乗り込んだ。

どういうわけだか走り出して
10分も経たずに意味も無く
バスを乗り換えさせられたが、
それ以降はバスは快調に荒野を飛ばした。

 

 

 

 

町から出てしまうと回りは乾燥地帯だ。

草木はほとんど生えておらず、
時々ポツンと岩山があるだけ。

あまりヨルダンの町を行くことはできなかったが、
どうやらここはそういう国らしい。

バスの中はほとんど寝ていた。

目を覚ましては何も考えずに外の風景を眺め、
飽きると再び目を閉じた。

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バスが

アカバに着いたのは12時だった。

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イシイさんとはアカバで別れた。

これからエイラット経由でイスラエルに向かうらしい。

パスポートにイスラエルスタンプが
押されることを拒否しなければ、
イスラエルへ行くルートは
ヨルダンのキングフセイン橋以外にもいくつかある。

5千円以上払ったイスラエルの出国税も、
入ると場所が異なれば値段も変わってくるらしい。

 

 

 

これから向かう先は

エジプトだ。

フェリーに乗り、向かうは
バックパッカーたちの楽園ダハブ

 

 

 

 

「ダハブ」

あぁ、日本にいた時から、
一体何回この名前を聞いただろう?

ある者はここを「沈没する場所」と言い、
(バックパッカーが長期間同じ場所に滞在し、
何もせずにひたすら無意味な時間をダラダラと過ごすこと)

ある者はここが「恋が芽生える場所」と言い。

ある者は
スキューバダイビングの
ライセンスが格安で取れる場所」
と言った。

 

 

みんなが行くなら僕も行ってみよう。

ダハブは世界一周する全ての
バックパッカーが通過する、
いわばシルクロードのような町なのかもしれない。

スキューバダイビングにはあまり興味がなかったが、
体験談を聞くうちに僕もライセンスを
取ろうかという気持になってきた。

持っていて損なことはあるまい。どれものは試しに。

 

 

それに女のコがついてくれば

言うことはない。

 

 

 

 

だが、まずはヨルダンから
出国することが先決だ。

僕とマサトさんはフェリーの
チケットが買えるオフィスを探し始めた。

おかしなことにフェリー乗り場では
チケットは手に入らないというのだ。

こういう時に他の旅人が書いたブログは
ほんとうに役に立つ。

僕のブログは単なる日記でしかないので
(それも無駄にクドクド書いている日記だ)、
他の旅人の役立つということはないだろう。
毎回ブログのタイトルもかなり適当だ。

 

 

 

 

タクシーの運転手たちの勧誘をするりと抜けて、
僕たちが向かったのは近くにあった中級ホテルだった。

ホテルのスタッフはわざわざ地図までくれて
フェリーのチケットが買えるオフィスの場所を教えてくれた。

オフィスはタクシー乗り場から歩いて
5分くらいの距離にあり、
僕たちの他にチケットを買い求める人間はいなかった。

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オフィスの奥からホワイトカラーの
服装をしたやる気のなさそうなスタッフが出てくる。

そのくせエジプトまでのチケットの値段は
はなかなかに高かった。
50ジュディール(8,337yen)もするのだ。

調べておいた情報によるとこの値段は
スピードボートの値段だ。

これより10ドル安いスローボート
というのがあるはずなのだが、
スタッフは「そんなもんない!」の一点張りだった。
騙されているのだろうか?

 

 

マサトさんと僕はとりあえず値段を訊いて、
他のオフィスにも当たってみることにした。

マサトさんが事前に調べておいた情報によると、
チケット取り扱いのオフィスが
タクシー乗り場のすぐ近くにあるとのこと。

何人かの人の訊いてまわっているうちに、
親切なおっちゃんがわざわざ電話をかけて
スタッフを呼んでくれた。

 

 

もうひとつのオフィスは雑居ビルの中の
こじんまりとしたスペースに入っていた。
あまりの暇さにスタッフが帰ってしまう始末だ。

やって来たスタッフが提示した金額は
52ジュディールだった。わずかに高い。

しかも
スローボートはなくなってしまった
という事実が発覚した。

スローボートもスピードボートも
エジプトまでの時間がほとんど変わらないのだと言う。

 

 

 

 

僕たちは先ほどのオフィスに戻って
フェリーのチケットを買った。

マサトさんはクレジットカードの
支払いをしようと思ったのだが、
「機械の調子が悪い」と言われてしまい、
一時間後に戻って来て買うことに。

この国では本当にクレジットカードが使いにくい。

出航時間は24時。現在13時。まだまだ時間がある。

 

 

 

 

 

どこかで僕たちは
時間をつぶす必要があった。

と言っても、僕はヨルダンの出国税分の
10ジュディール(1,667yen)を除いたら
800円ほどそしか余裕がなかった。

どこかWi-Fiが使えて作業ができる場所がいい。
お互いブロガーということもあり、
カフェに何時間も籠るなど容易いことだ。

 

 

ビルの中にあるひっそりとしたカフェは
ヨルダンのカフェにしては珍しくWi-Fiがあったが、
アメリカーノに600円以上もした。

そしてさらに付け加えるなら
僕たちの他に客はおらず閑古鳥が鳴いていた。

お店のスタッフもやる気がなかった。
スタッフの女のコはこれまでに
見たことがないくらいの仏頂面だった。

とりあえずコーヒーを一杯だけ注文すると
マサトさんと僕はコンセントに近いテーブル席で
パソコン電気を供給しながら各々に作業をした。

 

 

ここは特に書くべき面白いことはない。

僕は集中力が低下してくると
外のテラスでタバコを吹かした。

ギターを弾いてCARAVANの
「Trippers’ Anthem」を弾き語ると
暇そうにしていたスタッフが
スマートフォン片手に寄って来た。
能面みたいだった女のコの顔にようやく笑顔が見れた。

 

 

夕方になると、
町のスピーカーからアザーンが流れ始め、
空が茜色に染まり、
僕はどこか切ない気持になった。

だってロマンチストですもの。

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17時にはお店のスタッフから
追加注文するか退店するかの二択を迫って来た。

女のコは「申し訳ないんだけど…」
という感じではあった。長居してごめんね。

 

 

「どうします?
またどっかで
時間つぶせればいいんですけどね」

 

 

僕たちがプラプラ歩いていると、
人のいいおっちゃんから紅茶をおごってくれた。

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「シミ」って書いてあるらしい…。

 

 

 

マサトさんと僕は地元のおっちゃんたちが
シーシャを吹かすテーブルに混じって、
青春トークを繰り広げた。

残念ながら僕の日記と
その青春トークはまた別にところにある。

 

 

や、スンマセン、

あんなに語ったのに、

ほとんど覚えてません(笑)

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「豊かさとは何か」とか

「どういう想いで旅をしてるのか(パート2)」
みたいな内容です。

あ、マサトさんが日本で
何をしてたかみたいな話もありました。

もちろんカエルダッシュネタで
談笑してたはこの日と限らずいつものこと。
ネタを提供してくださっている
ツバサさんには頭が上がりません。

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「はーい。じゃあ、煙吐いてる絵もらいまーす!」
「ははは♪」

 

 

 

 

なかなかこういう話題を
真面目に語らえる人とは巡り会わない。

やっぱり旅を続けて行くうちに、
その人が会いたいと思っている人に
巡り会えるようになっているのかもしれない。

 

 

マサトさんと話していると、
僕はやっぱりこの人はピュアだなぁと思うのだ。

クリスマスにフィジーからブログの読者さん宛に
140枚のクリスマス・カードを書いた
(それもプリントアウトではなく直筆で!)

そんな話を聴くと、
どこか心がじんわり温まる。
カードが届いたら嬉しいだろうなぁ…。

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みんなの視線の先には液晶テレビがあり、
サッカー観戦をしているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

フェリーターミナル

まではタクシーで向かった。

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二人合わせて5ジュディール(834yen)。

タクシー乗り場からではなく
流しのタクシーだったので、

おっちゃんはフツーに
(そういう言い方はおかしいんだけど)
いいヤツだった。

 

 

 

 

10kmほど離れた場所にターミナルはあった。

歩いては行けない距離だ。

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タクシーを降りた僕らは
イミグレーションで出国税を払い、
そのままの流れでパスポートに出国スタンプをもらった。

エジプトへのフェリーを待つ
他の乗客の群れの中でギターを披露すると、
あっという間にここでも人気者になれた。

今日はいつもよりずっと心に余裕があるのは、
ここに頼れる先輩がいるからだと思う。

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「あ~、
なんか眠くなってきましたね。
寝ていいっすか?」

「あれ??!!
なんかすごいことになってるよ!」

 

 

後ろを振り返ると、
さっきまでなかった

長蛇の列が!

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急いでiPhoneの時刻を確認すると10時半。

出航まで24時まで一時間半もあるじゃねーか!

列に僕だけ並んで、マサトさんに
この列で正しいのか訊いてきてもらった。

こういう時に二人いるのはほんとうに助かる!

 

 

「シミくん!この列だって!
あと、外国人は先に入れって呼んでるよ!」

 

 

僕は後ろに並んでいたオーストラリア人にも
声をかけて急ぎ足でゲートを通過した。
そのままフェリー乗船の列に並ぶ。

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中では入国カードを手にした人たちが列を作っていた。

船自体はかなり大きい。

それなのに、対応するスタッフの数が
二人しかいないのはどういうことだろう?

 

 

並んでいるのはみな、
緑のパスポートを持ったエジプト人たちだった。

ニヤニヤしながらマサトさんの列に割り込んでくる。

そうするとそこが
ひとつの割り込みスポットになってしまう。

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4人も横入りされても涼しい顔をしている
マサトさんはよっぽど人間ができた方なのだろう。

「これで神を信じてるって、おかしいよね?」

っていうマサトさんの意見には激しく同意だ。

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入国カードと引き換えに
一旦パスポートを預けて引換券を受け取った。

席を確保すると僕たちは
余ったお金でコーラを買い、簡単な祝杯を挙げた。

 

 

 

 

もうエジプトは目の前だ。

 

また新しい世界が

すぐそこにある。

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は~~~~…、なんだか一章終った気がするなぁ。

ジャンプで言う、新章突入みたいな感じ?

そんな感じでエジプトです♪

今日も読んでくれてありがとう♪
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