「ペトラ遺跡にはロバが多い」

世界一周530日目(12/10)

 

 

アラームが

鳴る前にドミトリーの宿泊客たちは
ゴソゴソとうごめき始めた。

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うぅぅ…

まだ寝てたいのになんてこった。

 

 

 

根性で毛布から抜け出て、僕も準備をした。

時間ギリギリまで寝ている
マサトさんに声をかけた。

いつの間にかドミトリーにいる人間は
僕たち二人だけになってしまっていた。

 

 

 

ここはヨルダン、ワディ・ムーサ
ペトラ遺跡のある町だ

 

 

 

僕が有名ブロガーさんと
一緒にいるのには訳がある

つい先日、エルサレムでバスキングをしていた時に、
日本人の女のコ二人をはべらせている
Masato世界一周学校」のマサトさんに
ばったり出くわした。

その時はブログキング10位以内に入れば
女のコからモテるものなのだなぁと、
指をくわえて颯爽と去って行くマサトさんの
後ろ姿を見送ったものだ。

 

 

 

 

それからマサトさんからFacebookの
友達申請が届いていた。

なんとも律儀な人だなぁと思った。

どこの馬の骨かも分からない僕なんかと
連絡先を交換するなんて、
物好きな方以外に他あるまい。

Facebookの友達の数が
1000人を越えているのに驚いた。

 

 

 

しばらくして、マサトさんから
Facebookのメッセンジャーに連絡があった。

分かったことは、今後の旅の針路が
かぶっていることと、おそらく僕が
ペトラ遺跡を訪れるタイミングと
マサトさんの旅程が合っているということだった。

 

 

 

何より

 

 

「ペトラで待ってるよー(^O^)/」

 

 

という言葉に僕の
『マサトさんに会ってみたい!』
という想いで僕はここまでやって来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

ペトラ遺跡に向かう送迎バスは
七時に来る予定だったが、
ここはヨルダンだ。

そうスムーズにバスは
やって来るとは限らない。

バスが来ない間にコーヒーを飲んだり、
iPhoneでいつもの暇つぶしをしたりして、
時間を過ごした。

 

 

 

 

送迎バス、というかミニバンは
ここに泊まっている日本人たちを
あっという間にペトラ遺跡の入り口まで運んでくれた。

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歩いて行けなくもないが、
徒歩30分はかかりそうな道のりだった。

ここはバスを使って正解かもしれない。

 

 

 

さて、ここで

今僕が直面している
問題をお話しようと思う。

(僕は本題まで行くのがうんと長いのだ!
それは毎度のことだ)

 

 

 

 

お金が降ろせない。

 

 

ATMから通過が引き出せないのだ。

妄想癖のある僕は一瞬
『スキミングされているのでは??!!』と
すぐにネットで楽天銀行の口座を調べたが、
スキミングされた形跡はない。

国によってATMが使えなかったりする。

マサトさんもトルコでは3万円までしか
おろせなかったと言っていた。

この町のATMに問題があるのだろう。

きっとそうに違いない!

 

 

 

 

幸いペトラ遺跡はクレジットカードで
入場料を支払うことができるらしい。

遺跡の中で入場料は世界一高い
言われているペトラ遺跡。

「インディージョーンズ、最後の聖戦」の
ロケ地で使われただけあって、
男子の心をくすぐるのだ。

その壮大さから一日では回り切らないらしく、
二日かけて回る人もいるくらいだ。

そのため、ペトラ遺跡には
「二日券」というものが販売されている。

 

 

「エクスキューズミー、
クレジットカードって使えますか?」

「ノー」

 

 

 

ええっっっ…!!!
話と違うじゃん!!!

 

 

「いや、使えるんだが、
今機械の調子が悪くてね。今は使えない」

その場で硬直する僕。
マサトさんが「お金貸そうか?」と
助け舟を出してくれるが、
ここで大金を借りるわけにはいかない。
今抱えているATMの問題もあったからだ。

 

 

 

 

僕はダッシュでATMを探した。

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ペトラ遺跡の敷地内にはATMはないのだ。

クレジットカードは使えるのに!

外に出ると親切にも標識に
「ATM→」と書かれている。こっちか!

 

 

お団子頭を揺らして駆けて行ったのだが、
どういうわけだかATMは一向に見つからない!
回りの売店の人も知らない始末ときた!くそったれ!

なんとかホテル内のATMがあることを聞きつけて、
信用のおけるホテルなら大丈夫だろうと
クレジットカードをATMにぶっこんだが、

お金は引き出せないまま…。

 

 

ぐぬぬぬぬ…こうなったらと、

持っていた緊急用のアメリカドルを切り崩して
入場料分のジュディールを手に入れることができた。

 

 

ペトラ遺跡に戻った僕は念のためもう一度、
クレジットカードの支払いができるか聞いてみた。

 

 

「あぁ。できるとも!
さっき機械が使えるようになったんだよ」

 

 

て,,,、てんめぇ…!!!!

 

 

目の前のスーツの中年おやじの頭を
後ろから思いっきりひっぱたきたくなるような
衝動をなんとかこらえた。

 

 

「おたく何カード?」

「ま….、マスターです」

「あ、ごめーーーん。
うちVISAだけなんだよね」

 

 

こ、コロス…!!!

 

 

外にマスターカードのマークがついているのは
観光客をコケにするためだろうか?
思わず「蹴っ飛ばしてぇ…」と声が漏れた。

先ほど両替して来たお金で二日券を買った。
55ジュディール(9,006yen)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心優しきマサトさん

は僕のことを待っていてくれた。

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貧相な入り口でチケットをゲートに通過させ、
よいよペトラ遺跡の探索が始まったのだ!

 

 

「なんだか
カッパドキアみたいじゃない?」

「あ、おれもそう思いました」

 

 

遺跡へと続く道は、
どこか見覚えのある印象を受けた。

ニョキニョキと生えた岩山。
時々人が住んでいたような空洞が目についた。


 

そこを抜けると、
まっぷたつに割れた大きな岩の壁の間を
縫うようにして道が延びている。

岩の断面は層になっており、
その壁面を見るとなんとも
自然とはすごいものだなぁと思った。

声に出すなら「すげぇ~…」の一言に尽きる。
僕はそれ以外に言葉を知らぬ。
ボキャブラリーの少なさが露呈されたことだろう!

 

 

「マサトさん、
カメラ貸してください。
写真撮りますよ?」

「あ、うん。ありがとう」

「それじゃ、
“テンション高い感じ”
でお願いします」

「ははは。カエルダッシュみたいにね!」

「カシュ!
『あ、もう一枚いいっすか?
今度はジャンプする感じで!』」

「ははははは♪」

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共通の知り合いである
「カエルダッシュ」のブロガー、
イズミ・ツバサさんは
僕たちに笑いを提供してくれる尊いお方だ。

まぁ、何が言いたいのかって言うと、
体からテンションが滲み出るようなことは
そうそうないということです。

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そしてエル・カズネは岩の切れ目を
抜けたところにある、スペースに
凛と僕たちのことを待っていた。

僕はこれが見たかったのだ。

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思わず遺跡の前で立ちすくむ。

一体どういうわけで、
こんな岩場ができたのか?

誰がここに遺跡を建てようなどと考えたのか?

 

 

大昔に想いを巡らす。

写真の断片的なイメージはここに来る前から
持っていたので、「ペトラ遺跡」は
敷地内全てが遺跡なのだと思い込んでいた。

実際に来てみて分かったのは、
ここは遺跡以外に、
何本かトレッキングコースがあるということだった。

 

 

二日あるのだからと、
マサトさんと僕はあえて脇道に逸れる様なかたちで
トレッキングコースに入っていった。

ここにはどういうわけかロバが沢山がいた。

キルギスでロバと一緒に旅をしていた
マサトさんがロバに言及すると、
他の人が喋るよりも説得力があるのは間違いない。

陽気なヨルダン人がロバに乗って
険しい山道を登って行った。

ロバの持つポテンシャルの高さには驚かされる。
悟りを開いたような
ボケェ~~~っとした顔してるのにね。

 

 

一本目のトレッキング・コースの最後まで行ったが、
この道がメインの道へ戻るということはなかった。

つまり、引き返さないと元の道に戻れないのだ。

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道を戻る途中に、
ロバを引き連れた母親と小さな娘に会った。

どこからともなくロバを引き連れ現れると、
僕たちと一緒に歩き始めた。

娘をロバに乗せるからとマサトさんに手綱を持たせて、
お母さんは娘がロバから落ちないように抑えておく。

すかさず「カメラ貸してくだい」と僕は言う。

ああ、なんておれは献身的なカメラマンなんだろう?

 

 

トレッキングコースの途中で母親と娘とは別れた。
どうやらここでお土産を売っているらしいのだ。

実際、彼女たち以外にも、
こうして道の途中で同じ様なお土産を
売っている人たちを何組か見た。

だが、果たしてこんな辺鄙なところで
お土産を買う観光客がいるのかは疑問だ。

 

 

「う~~~ん、ごめん、
そんなに欲しくはないかなぁ~~~」

女のコが僕の持つレックスくんを
ちょうだいちょうだいとジェスチャーしてきたので、
写真を撮らせてもらったお礼に
0.5ジュディールを渡しておいた。

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これは比較的まともな方のお土産。

 

 

 

 

 

 

一度休憩を挟み、僕たちは
ペトラ遺跡の探索を続けた。

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個人的な感想を言わせてもらうなら、
ここは「遺跡」という言葉ひとくくりでは
言い表せないということだ。

トレッキングコースと終わりが
どこか分からない砂利道。

遺跡というよりかは「自然公園」に
近いのかもしれない。

 

 

 

 

観光地という割には
まったりした空気が流れる。

もちろん僕たち以外に観光客がは要るが、
もし僕とマサトさんのお喋りがなければ
静かな場所になっていただろう。

そのくせロバの数は多い。

遠くから嗚咽のような鳴き声が聞こえる。

ロバの鳴き声は可愛くないのだ。

きっと人間にこき使われて、
そのことを嘆いているに違いない!
可哀想なロバたちよ!

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ロバの写真はマサトさんのブログに出てくるはずだから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入り口から

ずっと行った所に
エド・ディルという修道院がある。

そこまで行くのには険しい山道を
登っていかなければならない。

トレッキング好きには
たまらない遺跡なんだろうけど、
歩く以外にこれと言って運動してこなかった僕には
なかなかヘヴィな道のりだった。

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相変わらず道端では物売りが暇そうに
「ワンダラー?」とか声をかけてくるが、
特に商売熱心というわけではなさそうだ。

中では身を寄せ合ってスマートフォンの画面を
楽しそうに見ている女性二人組もいた。

彼らの財源はどこにあるのだろう?

っていうか
もっとしっかりとしたオリジナリティある
雑貨を売ってくれれば僕のこころも
ときめいたのになぁ。

ラクダの骨で作ったアクセサリーには
僕の心は惹かれないよ…。

 

 

 

 

汗でじんわりTシャツを湿らせて
トレッキングコースを登り切ると、
そこからの長めはなかなかに良いものだった。

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山道を登り切るとどこか達成感がある。

きっとこれを味わいたくて、
人はトレッキングをするのだろう。

登らなければ見れない景色もあるからね。

 

 

 

「あ!あのロバ、
おれの持ってたロバに似てる!」

 

 

ロバに敏感なマサトさんは
頂上で灰色のロバを見つけた。

よくキャラクターとして描かれる際に描かれる
たて髪もしっかり生えていた。

飼い主はどこにいるのだろう?
手綱はあるからいるんだろうけど。

 

 

ロバは一体何を考えているのだろうか?

あの物悲しい瞳の奥に
一体どんな過去があるのだろうか?

 

 

マサトさんが手綱を引くと、
灰色の毛をしたロバはゆっくりとついて来た。
いや、そこは抗えよ(笑)

さすがにロバを引き連れて
下山するのは骨が折れたので、
途中でロバをほっぽいて僕たちは
元来た道を引き返した。

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地味に大変だった登り道も、
帰りは大変だなんてことない。

ただ、どういうわけだか、
階段を降り切ると膝がプルプルしたのは、
日頃の運動不足のせいだろう。
階段を下りる方が足の筋肉を使うらしい。

 

 

 

「あー、もう一日で十分っすね」

「そうだね」

「ってか、僕、お金おろせないから
どっちにしろ明日ヨルダン脱出しないと
ヤバいっすわ」

「おれもどうしようかなぁ…?」

 

 

考えてみれば、僕たちは
ペトラ遺跡に7時間以上もいた。

ずっと歩きっぱなしというわけではなかったが、
ずっと休憩しているというわけでもなかった。

 

 

帰り道はどこか足取りが重く、
この歳になってお父さんさんの気持が理解できた。

子供たちを遊園地に連れていって、
ヘトヘトになって、ここから家まで片道2時間の
ドライブが待ち受けていると考えると、
僕にはかなりのハードワークに思えた。

やはり父は偉大だ。

 

 

 

 

 

行きに通った岩の切れ目を歩いていると、
朝には見かけなかった物売りたちがいた。

相変わらず同じ様なお土産品を
やる気無さげに観光客に売っている。

僕はタバコが吸いたくなったので、
物売りのおっちゃんの一人に
「一本だけタバコが買えないか?」と尋ねてみた。

おっちゃんの横には娘と息子とおぼしき
二人の子供が座っており、12歳くらいの娘は
いっちょまえにタバコを吹かしていた。
きっとここの教育方針は放任主義なのだろう。

 

 

僕は0.5ジュディールと、
タバコにしては少し高めにお金を払って
タバコを売ってもらおうとした。

ここには町でみかえるような小さな売店もない。
相手側の利益も考えた上での交渉だ。
ってか小銭がこれしかなかった。

最初ためらっていたおっちゃんも、
「タバコの一、二本でお金はいらないよ」
と僕にタバコを渡そうとした時、

 

 

急に娘がキレ始めた。

 

 

言葉は分からないが、
何を言っているのかは
表情とジェスチャーから理解できる。

 

 

「ちょ!
それ!あたいの!」

 

 

てめぇーは
未成年だろーが!

 

 

僕の手のひらから0.5ジュディールコインと
タバコ二本をひったくり、側にあった棒切れで
僕をぶったたこうとするじゃじゃ馬ぷり!

怒っちゃいかん。怒っちゃ。
これくらい楽しめるくらいじゃないと…。

 

 

おやじさんは娘からタバコを奪還し、
僕に渡してくれたのだが、このじゃじゃ馬、
何を思ったか僕に石を投げつけてきやがった!

マサトさんには石を投げつけない。人徳か?!
なぜか僕に対する敵対心だけが露わになっている。

 

 

 

「はっはっはっは~~~!
逃げろぉ~~~!」

とその場はダッシュで逃げだす僕。

女のコの投げて来た石が足下で跳ねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

16時に

宿から迎えのバスが来るらしい。

マサトさんと僕は夕日の中でバスを待った。

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「いやぁ、意外と疲れましたね。
僕は親父って偉大だなって思いましたよ。

ところでマサトさんのお父さんて
どんな人でした?」

「うちの親父はねぇ~、
けっこう厳しい人だったんだよね。
兄貴もヤンキーみたいなところがあったからさ、
よく親父と喧嘩して、殴ってたりしてたからさ、
『ああいう風に厳しい人間にはなりたくないな』
って思ってたかなぁ?」

「へぇ~」

「てか、二日券なんていらなかったっすね」

「あ!そうだ!これってもしかして売れるんじゃない??!!」

「え?どういうことですか?」

「名前入ってるけど、
パスポートは全然確認したかったじゃん?
これを宿に新しく来た人に売れれば
どっちもオトクじゃん!」

「おぉぉ~~~!
マサトさんあったまいい~~~!!!」

 

 

やって来たバスに乗り込んだ。

二日目からはパスポートのチェックが
厳しくなるというのは、宿に帰ってから知った。

 

 

朝、一緒に出発したはずの
イシイさんというお兄さんは
僕たちよりも遅れて戻って来た。

何やらトレッキングが大好きらしく、
今日も思う存分ペトラ遺跡を歩きまわったそうだ。

イシイさんの話を聞くと、
『そんな楽しみ方もあったのかぁ』と
自分たちがもったいないことを
している気持ちになった。

と言っても、一日券と二日券では
800円ほどしか値段が違わない。

ヨルダンもいい商売をしている。
ペトラ遺跡を二日にわたって楽しむ旅行者は
そうそういないだろう。

 

 

午後から観光して、
翌日に行けなかった分を
まわるのがいいのかもしれないが、
宿から出るバスはなぜか朝イチしかない。
よくわからない。

 

 

 

 

イシイさんの持っているオススメの音楽を
USBを介していただいた。

ゴスペル調のライオンキングのサントラ
アフリカ旅にはバッチシだし、
初期のArctic Monkeysが好きな僕は
Jake Buggが気に入った。

 

 

 

そんな風にして、
ペトラ遺跡のある町での一日は幕を閉じた。

明日はバスでエジプトへのフェリーが出る
アカバという町まで向かう。

 

 

お金は降ろせるのだろうか?

一抹の不安はぬぐい去れないままだ。

IMG_2881

———————————————–
★世界一周ブログランキングに参戦しております。

ブログを通して知るのと、
実際に行ってみるのとではやっぱり違いますね。
トレッキングが好きな方にはペトラ遺跡は最高の場所でしょう。

ただ、僕のようにインドア系の旅人にはー、

まぁ一日で十分だということです。
宿も高いしね。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

「旅する漫画家」。世界一周後(2013-2016)、現在は海沿いの町に潜伏中。そろそろ旅がしたいぞ!