世界一周485日目(10/26)
周りがフェンス
で囲われ、
それでいてちょっとアクセスしにくい
小山の上にある遊具の脇。
それが昨日僕が選んだ
テントの設営場所だった。
![IMG_8697](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
人が来ないという意味では
ベストなチョイスだったが、
地面が少し斜めになっておいり、
あぁ!もうッ!
なんで寝れねえんだ畜生!
それでも昨日みたいに
警官に起こされるのはもうこりごりなので、
8時前には撤収した。
ここはオランダ、アムステルダム。
向かうはハーグ。
![IMG_8701](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
僕はハーグまで
ヒッチハイクで向かおうとした。
![IMG_8702](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
だけど、朝8時の郊外を歩いていて
その静まった感じに先行きが不安になった。
オランダの人たちは
ヒッチハイカーには優しいようだが、
肝心の車が走ってなけりゃあ…、
どうなのだろうか?
ヒッチハイクのポイントまで
30分以上かけて歩いて向かった。
そして辿り着いた場所は
只今絶賛工事中。
![IMG_8706](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
はぁーーーーー…、
もう、うんこしたいから電車で行こっと。
ハーグまでは11ユーロだった。
![IMG_8709](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_8710](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
電車は30分ほどでハーグに到着した。
これだったらヒッチハイク
しなくてもよかったかもな。
それにオランダって
そこまで電車の料金が高い気がしない。
ドイツやイタリアに比べたらだけど。
![IMG_8712](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
朝の目覚めのコーヒーが飲めないものかと、
駅構内で一番最初に見つけたキヨスクみたいな場所で
2.1ユーロ(287yen)のコーヒーを買った。
値段の割にはそこまで容量もなくて、
紙コップに入ったシロモノだった。
そしてふと後ろを振り返るとスターバックス。
1.9ユーロでもっと美味しくて
たっぷり入ったコーヒーが飲めたのに…。
この20セントの差は
何から生まれるんだろうと考えてしまう。
お店のお姉さんが言っていた
「have a good day」の分だろう。
そう思うことにしよう。
駅構内にそのようにある
ライバル店のベンチに座って
僕はさっき買ったコーヒーをすすった。
![IMG_8717](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ここへ来たのは
“会いたい娘”
がいるからだ。
![IMG_8737](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
僕はずっと彼女を知ってるけど、
彼女は僕のことを知らない。
わざわざ日本から会いに来るなんてさぁ?
一途だなぁ、おれ。
マップアプリを頼りに進んで行った。
彼女は美術館にいる。
![IMG_8734](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
僕は昔っから彼女のことを知っていて、
彼女が出ている映画を弟のトシと一緒に観た。
マウリッツハウス美術館のチケットは
14ユーロ(1,916yen)。
バックパックとギター、サブバッグも
預けなければ中に入ることができない。
受付のスーツを来たオランダ兄さんの表情からは
『オイオイマジかよ。
なんで美術館にバックパックで来るんだよ??!!』
というのが表情から読み取れた。
「ゴメン、このあとすぐに
電車に乗らなくちゃいけないくてさ、
チェックアウトしちゃったんだよね」
どーでもいい嘘をつくが、
オランダ兄さんの耳には届いていない。
午前中の来館だったので、
美術館はそこまで混み合ってはいなかった。
![IMG_8729](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
それでも僕の他には観光客の姿があったし、
絵を見るためには並ばなくてはいけなかった。
浪人時代に世界史を選択したおかげで、
美術史なんかも勉強してきた。
そこで幾度となく世界中の名作の名前と
作者の名前を頭に詰め込んだ。
今ではもうすっかり忘れてしまったけどさ。
大学の一般教養の授業でも
美術史を一度だけ選択したことがある。
教養レベルになると、
複雑過ぎてもう誰が何を描いているんだか
さっぱりだ。
それでも、あの暗い講堂で
プロジェクターに映し出された絵画を
今自分が見ることになるだなんて思わなかった。
「真珠の首飾りの少女」
![IMG_8728](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
は見たかった絵の一つだ。
フェルメールが描いた作品。
映画はどこかの病気みたいに
色の白い女優さんが(まぁ、きっとメイクだろう)
フェルメールの家で働く下女を演じていた。
一体どれくらいの人が
彼女の前に立って写真を撮っていったんだろう?
館内で写真撮影をしているのは
日本人か中国人くらい。
欧米人はここではほ
とんど写真を撮っていなかった。
それは作品に対する
リスペクトの形なのかもしれない。
だけど、この絵の前では違う。
どうせここで写真を撮ったところで、
ネットや資料集の方が綺麗な画像で
絵を見ることができるってのに、
なんで人はこの子の絵を写真に撮るのだろうか?
暗闇に浮かぶ、ハッとさせるような女性の絵。
世界中の人から愛されるいい女。
僕は彼女に会いに来たのだ。
絵の正面にあるソファに座って、
入れ替わる人の背中越しに
彼女のことをずっと見ていた。
![IMG_8731](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
さてと、そろそろ僕も行くか。
バイバイ。また、どこかでね。
ハーグの街で
バスキングをしてみようと思った。
![IMG_8746](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
アムステルダムはかなり厳しいのは、
あの街が自由を謳っているからだろう。
決められたルール内での自由。
だから、勝手にバスキングなんてやると
罰金をくらうのだと思う。
だがここはハーグだ。
あそこほど厳しくはないに違いない!
しゃーーーーっっっ!!!やったらーーな!
街はバスキングしやすい路地があるだけでなく、
僕の他にはバスカーの姿はなかった。
もはや敵なし!
だけど、初めてバスキングする国では
どこか緊張する。
この国の人たちのレスポンスは
どんなものなんだろうか?
![IMG_8736](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
よさそうな場所を見つけると、
反応を確かめるようにバスキングをしていった。
「うるさいからここでやってくれるな」と
ストップがかけられたり、
自分からどこでやっていいのか訊いてみたり。
そんな感じで移動を繰り返し、
ショッピングストリートを一本抜け、
誰からも注意されない場所に行くと、
![IMG_8741](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
久々に感じる手応え。
そして僕は新しい技を身につけた。
カズーという声帯を震わせて
ファニーな音を出すおもちゃみたいな楽器を
持っていたのだが(お値段なんと3ユーロ)、
演奏のさなかに口にくわえると、
曲がぎこちなくなってしまうのだ。
だが!
僕の編み出した技は
ピックを持つ右手の指の間に挟み、
アップストロークとともに口にくわえるとうもの!
ガキンチョのウケはいい!
それに自分のパフォーマンスにも幅が出た。
やべぇ…!!!これは来たよ!
ハーモニカとかは吹けない代わりに、
カズーで出す音を増やす。
ハーグの街のみんなが
ニコニコしてコインを入れてくれた。
合計5カ所くらいで
バスキングをやっただろうか?
夕方になってパフォーマンスを終了し、
コインをかき集めると、久々に
「ずしっ…」という感じがした。
うへへへへ…。
![IMG_8757](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
さっき、小腹を満たすために
入ったケバブ屋で
アガリを集計したのだが、
44ユーロ手元にあった。
食費に加え、毎日コーヒーを飲み、
カフェに行く僕にとってはありがたい収入だ♪
![IMG_8753](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
いつものように寝るまでの時間は
マクドナルドで過ごした。
20時になり、少し早めの
二階のフロアが閉まる時間になった。
![IMG_8759](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
とりあえず僕は荷物とともに外に出た。
今日、バスキングができなかった
ショッピングストリートを歩いていると、
夜のアーケードで二人のバスカーが
ギターを弾いていた。
![IMG_8762](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_8764](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
僕は20セントほどコインを入れ、
演奏を聴かせてもらった。
静かなアーケードに唄が気持ちよく響いた。
「このあと21から近くのバーで
セッションがあるんだけど、見てくかい?」
「うわッ!なにそれ!
超面白そうじゃん!
行くよ!行く行く!」
ははは。
まったく一日の最後の最後まで
何があるかなんてわからないもんだぜ。
それに自分も路上で
ギター弾いているからこそのつながりだな。
ハットをかぶった一緒に
スタンバイミーを熱唱すると、
どこからともなくアジア人の
ちっちゃい子供がやって来て、
二人の演奏にノり始めた。
![IMG_8761](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
こんな小さな子供でも音楽にノれるってー、
うんうん。君はわかってるよ!
だが、いつまでも二人の
パフォーマンスは続かなかった。
「うるせぇぞ!
さっさとやめねえか!」
近くのバーのマスターが
鼻息を荒くして苦情を申し立ててきたのだ。
二人の曲は全くうるさい選曲じゃない。
どこか心に沁みるのびやかなものばかりだ。
「そんな!いつもここでやってるけど、
うるさいだなんて一度も言われたことないですよ?」
「うるせえったらうるせえんだ!
次やったら警察呼ぶぞ!
ファックオ~~~フッッ!」
「あぁ!てめえだよ
ファックオフなのは!」
どちらの会話も英語だった。
「残念だったね。
全然うるさくないのに…」
「あぁ、全く分からないよ」
「今日はもう行くよ。
これ、いい演奏だったぜ!」
僕はそう言って1ユーロと
小銭をギターケースに入れた。
「オイオイ!いらないって!
むしろこっちが2ユーロ渡すよ!」
「いや意味わかんねーって!」
なんだこのお金の譲り合いは…???
「実は今日のお昼に
この近くでバスキングやらせてもらったんだ。
だから、僕は君らからコインを
もらうことはできないよ」
「そうか。
だけど、この1ペンスはもらってくれ。
君の幸運を願って!」
「サンキュー!」
真夜中の粋なバスカーとハグをして別れた。
そして余った時間は
ケンタッキーでコーヒーをすすりながら日記を書いた。
今日の寝床は静かな公園。
つい先日まであんなに寒かったのに、
今日は意外なほどに温かかった。
![IMG_8774](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
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★世界一周ブログランキングに参戦しております。
絵も見れた。バスキングもできた。
素敵な出会いもあった。
もうこれ意外に何を臨もうか?
求める物はシンプルでいい。
心の豊かさは自分次第。
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![IMG_8771](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
カエルダッシュさん用に絵も描いたことだし。
満足満足。
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