世界一周484日目(10/25)
雨降ってんのかなぁ~?
テントを打つ雨音みたいなのが
「パララ…」って聞こえるんだよなぁ。
8時?
起きるの超めんどくせっ。寝よ寝よ!
ここはオランダ、アムステルダム。
ゴッホ美術館のすぐ近くにある公園。
起きてすぐに美術館に行けるなんて、
僕はなんて頭がいいんだろう!
所要時間なんと徒歩5分くらいの距離だ。
だから寝坊助さんでも平気さぁ~。
あぁ、明け方になって
ぐっと冷えこんで必ずと言っていいほど起きるし、
寝られないしで、この温度が上がり始める
8時くらいからの二度寝が救いの時間…
「ハロー?」
僕の静寂は
二度寝開始30分後に破られた。
ってか…、やっちまった。
このパターンか…。
「はいはいは~~~い♪」
「ちょっとごめんなさいね。
今お料理をしてたものですから
手が離せなかったもので~♪」
みたいな主婦の爽やかさでテントを開けた。
そこには女性警官が二人。
「あなた、
ここでテントなんて張っちゃいけないのよ?
中にはあなた一人よね?
パスポート見せて」
「は、はい…」
「それより何でここで寝てたの?」
「え、えっと、
ホテルが見つからなかったんです!
いや、あはは。
(テント持ってたなんてたまたまですよ)
このテントはドイツで友達と
トレッキングした時に買ったヤツでして、
はははぁ♪」
「安いホテルね。
ここに”OKstay”ってのがあるから。
ここに行くといいわ。
もうここで寝ちゃだめだからね!」
「ひゃっ、ひゃい!
30分以内に撤収します」
ホテルの名前を書いたメモ用紙を僕に渡して、
女性警官二人はそこから去って行った。
まぁ、
「しょうがない子ね」みたいに
和やかモードだったんだけどね。
うまく彼女たちの母性本能を
くすぐることができたようだ。
はぁ~…
冷静に考えると危なかったな…。
ここで喰らう罰金はかなりデカいことは知っている。
バスキングで180ユーロって、
どこかで中華鍋を持って旅している
男の子のブログで僕は学んだ。
だいすけくん、サンキュー♪てか彼の旅の今後が気になる!
だけど、
野宿することも厳しいらしい。
ここはマリファナや売春が合法だったりして
自由な空気を持つ街だけど、
それはもちろん決められた範囲での自由ってことだ。
なんでもかんでも許されると思ったら
そうは問屋が許さないってやつ(かな?)
決められたルールから
はみ出た行動は厳しく取り締まる。
そういうことだね。
オランダでの野宿は8時前には
起きてないとダメそうだ。
テントから顔を出してみると分かったのだが、
外は雨なんて降っていなかった。
木の枝葉からしたたり落ちた露が
テントを打つ音を雨の音と勘違いしたのだ。
昨日は吐く息も白く、
小雨が降ったりやんだりを繰り返して
イギリス以上にご機嫌斜めな天気だった。
だけど今外に出てみるとどうだろう?
それなりに晴れたし、
昨日に比べれば温度もずっと上がった気がする。
撤収を
終えると僕はゴッホ美術館へと向かった。
9時前の美術館は
10人も並んでいなかった。
チケットは15ユーロ(2,053yen)。
ケチな僕だけど、見たいものにはお金を払う。
「ゴッホ」。
誰でも一度は中学か高校の美術で
学んだのではないだろうか?
あの独特の「うねり」のあるタッチが特徴の絵だ。
僕はそこまで絵画に知識がないけど、
後から調べ直すと、あぁ、あれもゴッホだったのかと
思い出すくらいに、印象に残っている絵が多い。
僕としては大好きなバンドの「藍坊主」の
ボーカルのhozzyが描く絵が、
彼から影響を受けているように思えるんだよね。
hozzyの絵も好き。
4枚目のアルバムの
「フォレストーン」の表紙が好き。
最近日本の新しい音楽聴いてねえなぁ。
荷物は美術館にあるクロークで
預けることができた。無料で。
や、バックパックとギターを預けた時の
申し訳なさと言ったらなかったよ。
あれは金とられてもおかしくなかった(笑)。
美術館ではゴッホの他にも
彼が影響を受けた画家や、
ゴッホと切磋琢磨した
ゴーギャンの自画像なんかも飾ってあった。
うん。面白いよ。
でも、先に彼の生涯を勉強しておくと、
より一段と味わい深いものに
なることは間違いない。
僕はあとから彼の生涯を調べたんだけど、
ゴッホの生涯っていったら、
もう波瀾万丈なんだ。
牧師の家庭に生まれ、親父のコネで画商になり、
教師だとか牧師だとか職を何度か変えて、
画家を目指したのは27歳なんだそう。
しかも、最初の方は題材にしていた
農夫たちの仕事に密着するために、
かなりハングリーな暮らしをしていた。
ゴッホはメンタル面がモロに生活に現れちゃう人で、
それでいてけっこうややっこしい恋を煩っていた。
失恋で仕事が手に着かなくなったり、
娼婦と恋に落ちて性病を患ったり…。
慕っていたゴーギャンとの衝突で
耳たぶを切り落としたり、
仕送りをしてもらっている弟から
見切りをつけられそうになると勘違いして
発狂してしまうなどなど…。
そして、37歳で死ぬまでに
売れた絵はわずか一点。
悲劇の画家としても知られるゴッホだ。
って、美術館行った後から
勉強しなおしたんですけど…。ボソッ。
パッと見、ゴッホの絵は
どこか拙いように感じてしまう。
だけど、その表面を間近で見ると、
百年以上経過したキャンバスから
「迫力」が伝わってくるのだ。
キャンバスから油絵の具が
浮き出るように描かれている。
というかそのくらい油絵の具が
固形のまま塗りたくられている。
遠くから見るとどう見えるのかを
計算して描いているのか?
そのくらい遠くから見るのと
間近で見るのとではゴッホの絵は違った。
いや、そうじゃないな。
インスピレーションだろう。
ほんとうに自分の描きたいように
描いたんだと思う。
今じゃ絵を描く手法は腐るほどあると思う。
センセーショナルに描きたければ、
そういう風なイメージを持って描くことができるし、
それはさして新しいことではない。
地球の反対側のアートもちょっと調べれば
簡単に知ることができる。
でも、ゴッホが生きた時代は、
そんなことなんてなかった。
すごい画家がいれば
そこに会いに行くような時代だ。
感情の籠ったキャンバスをじっくり見て、
僕は美術館を後にした。
お昼過ぎには美術館の入り口には
けっこうな数の人が並ぶようになっていた。
美術館に行くのは午前中がオススメだね。
その後はアムステルダムの街をフラフラ歩き、
いつものようにカフェやマクドナルドなんかで、
情報収集をしたり、絵を描いたりして過ごした。
最近、絵を描くのが
楽しくてしょうがない。
ヨーロッパでの僕の旅のスタイルは
確実に定着して来た。
午前中は観光や、機会があればバスキング。
そして日の沈んだ時間になってからは
深夜まで営業しているファストフード店で作業だ。
先進国のヨーロッパの国々では
マクドナルドがどこにでもあるし、
営業時間はだいたい24時くらいまで。
だから作業をするのに適している。
野宿している僕には
マクドナルドが部屋の一部みたいなもんだ。
今回はたまたま深夜営業の
ファストフード店があったけどね。
コーヒーは国によって
1ユーロだったりそれ以上だったりするけど、
遅い時間までコーヒー一杯で粘っていても、
何も文句は言われない。
連日同じ場所で遅くまで作業するようなら
『また来たよ…』みたいに思われるだろうけど…。
まぁ、次の日には別の街に行っちゃうからね。
『あ、なんかバックパッカー来た!
23時まで居座って帰って行った~…。
今日は変なヤツがいたなぁ』
くらいだろう。
好きなことを先にやってしまう僕は
なかなか絵を描くことをやめることできない。
『あとちょっと描いたら日記を書こう!』
とか思っていても、気づいたら22時とかだ。
寝床を探しに行く23時までの一時間で
書く日記なんてちっとも書けやしない。
描いた絵も、せっかく相棒が作ってくれた
Facebookページにアップすらできていない。
まあ、そういう時もあるさ。
今日もそんな感じだった。
次の目的地はハーグ。
ちょっとね、
会いたいコがいるんだ。
ヒッチハイクができる
近くの公園でテントを立てた。
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宿があったらあったで快適なんでしょうけどねぇ~。
でもマクドナルドってすごいよね。
まぁ、味とか使ってるものは体に悪そうだけどさ、
客層をビジネスマンとかも狙うようになったって、
大学の時知ったな~。勉強机があるのが良い!
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シミ君ゴッホは画法を独学で物凄く勉強した画家です、特に日本画の遠近法に注目して自分の絵に取り入れて居るし、日本画の模写もして居る数少ない画家です。
ゴッホは人間的には駄目人間ですが、私が1番好きな画家です、ピカソやダリも基礎のデッサンが出来ているので、作品が素晴らしいのです、何事も基本が出来ていないと駄目ですね。
シミ君の絵には独創性が有ります、でも基礎の画法の勉強も怠らない様にね。
>JOSANさん
確かに、あとからゴッホのことを調べると、
最初の数年は素描を
ものすごい数こなしたと書いてありました!
そして日本画の模写も美術館にありました。
漢字とかも写してましたね。
そうかぁ〜〜〜〜〜…
最近基礎力の必要性については
改めて感じています。
基礎がなくちゃ本番でそれ以上は出せない。
なんだか浪人生に戻った気分です(笑)
ためになるコメントありがとうございました!