世界一周656日目(4/16)
「んはっ!!??」
![IMG_0125](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
案の定、出勤して来たスタッフのお姉さんに叩き起こされた。
「どうしてここで寝ているの?
ちゃんと自分のベッドがあるでしょう?」
と少し怒っていた。
おいおいちょっと待ってくれよ?
せっかくカナダでの都市型キャンプ生活を終えて、
一泊30ドルというクソ高い宿泊代を払ってここに泊まっているんだ。
何を好き好んでソファの上で寝るものか!
まぁ寝心地は最高でしたよ。外に比べれば、ね。
僕は割り当てられたベッドで他のヤツが寝ていたのだと
お姉さんに事情を説明した。
お姉さんは二階のドミトリーに確認に行き、僕もそれに続いた。
昨日も確認したのだが、
僕のベッドで寝ていたソイツ(たぶんイタリア人)のレシートにも
同じ番号が書かれていた。
一階のパソコンで宿泊客の
ベッド状況を管理しているであろうエクセル表を見て、
お姉さんは「あらごめんなさい。何かのミスね」と謝った。
そこまで申し訳なく思っている様子はなかった。
「でも、ソファも寝心地よかったでしょ?」
と言っているようだった。
僕は腑に落ちなかった。
特に
イタリア人のアホンダラ
に関しては。
君さ、よく考えてみてくよ?
ベッドメイクしてあって、
かつ洗濯物がかけてあるベッドが自分のベッドだと思うかな?
「あれ?おかしいな?スタッフのミスかな?」って思うでしょう?
なんでそのまま寝ちゃったの?
昨日は深夜三時ということもあり、ことを荒だてまいと
「いいよいいよ」と言ったものの。
そのことを問い直すような発言をすると、彼は
「昨日君は『ノープロブレム』だって言ったじゃないか?
何か問題あるのかい?」
と開き直っていた。
やれやれ。
![IMG_0141](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ここの宿は9時に朝食がつく。
内容は簡単なものでティーとベーグルとサンドイッチだが、
貧乏バックパッカーにはありがたい限りだ。
機嫌を直すために多めに食べておいた。
10時になると僕は外に出た。
![IMG_0045](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ニューヨーク
には長くいるつもりはない。
だからこそ今日はNYの街をトコトン歩きまわってやろうと思っていた。
まず一番始めにすべきことは手持ちのカナダドルの両替だった。
キャンプのかいもあり、クレジットでの支払いを除けば
(ギターの200ドルとか…ね)、
入国した際におろした140カナダドルは12日間の滞在で全く
と言っていいほど減らなかった。
バスキングをしたのもあるし、似顔絵が売れたってのも助けになった。
近くのCHASEという銀行で両替ができないかと訊ねたのだが、
ここではアメリカの口座を持っていないと
両替はできないと言われてしまった。
手っ取り早いのは観光地であるタイムズ・スクエアで
両替屋に行けばいいのだが、調べたところによると
かなり手数料をとられるらしい。
それでは先に別のやりたいことを済ませてしまおうと、
僕が向かった先は
“patagonia”
だった。
![IMG_0057](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
4thアベニュー駅から地下鉄に乗り、
ボロードウェイの近くで降りた。
入店した段階で僕は
まるでマラソンのゴールテープを切ったかのような仕草をする。
「あぁ!ついにここまで来たぞ!」ということを
手っ取り早くスタッフさんたちにアピールすることだ。
三人いたスタッフのうち、
一人が苦笑いして僕の対応をしてくれた。
ノーリアクションよりもマシ…さ。
だが、僕が世界一周をしていること、
パタゴニアの会社のコンセプトが好きなことを伝えると
「よく来たね」とフレンドリーに対応してくれるようになった。
パタゴニアのお店のいいところは
このように遊びにこれることだと僕は思う。
いつものように話を聞いてもらい(僕の一方的な愛の告白だ)、
店内をゆっくりと見てまわった。
![IMG_0063](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_0068](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
スタッフさんが言うには
今日は映画の上映会があるとのことだった。
![IMG_0073](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
日本のパタゴニア渋谷店でも
一度だけ映画の上映会に参加したことがある。
アウトドアメーカーの店舗で上映される映画ということもあり、
内容はもちろんアウトドアだ。
今回ここで上映されるのは、サーフィンの映画らしかった。
接客を担当してくれた若いスタッフは
「普段はお客さんにこんなことしないんだけど」と言って
連絡先を書いた紙切れを渡してくれた。
どうやら家に泊めてくれるらしいのだが、
僕は明日にはここを出ようと思っていたので、
お礼だけ言って胸ポケットにしまっておいた。
僕は夜になったら来ますと言い残して、お店をあとにした。
今回もご当地ステッカーを何枚かもらった♪
そのまま僕は
地下鉄に乗らずにひたすらNYの街を歩き始めた。
![IMG_0097](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
これと言って行きたい場所が定められているわけではない。
強いて言うならセントラルパークを見てみたいくらいだ。
立ち並ぶ高層ビルの森を通り抜けて、大都会の空気を胸一杯吸い込んだ。
街には日本と同じ様な匂いを感じた。
人々がせわしなく行き交い、面白そうな店が立ち並ぶ。
銀行で両替も済ませたのだが、
なんと10ドルも手数料がかかってしまった。
結局はそういうことなんだと思う。
どこでやっても外貨を両替するとロスが出てしまうのだ。
アフリカなら200~300円程度のマージンが加わるだけだったが、
先進国ではそれは顕著になる。
あぁ、スイスフランをユーロに替えた時は酷かった。
あれはイタリアのヴェネツィアでやったんだけど、
手数料20%近くあったもんな。マフィアかよっての。
結局12000円くらいあったカナダ・ドルが
1万円未満になってしまった。こればかりは仕方がない。
僕は諦めて街の散策を続けた。
![IMG_0086](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
NYの街は歩けば歩くほど楽しさが分かってくるような気がした。
とてもじゃないが、一日で見てまわることはできない。
『またいつか来る時が来るさ』と思うことにして、
ずんずんとセントラルパークのあるマンハッタンへと歩いて行った。
![IMG_0089](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
こういうひとコマもいいね♪
その途中に教会を見つけた。
![IMG_0109](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
中に入りベンチに腰掛けて一休みをした。
教会は改装工事中らしく、内部には足場が組まれている。
ドリルの音や足音が聞こえるが、不思議と会話はほとんど聞こえない。
教会の静かさをここで感じることができた。
目を閉じると心が穏やかになった。
足場の組まれた教会の内部はどこかSFチックな感じがした。
後からやって来た女のコが「beautiful!!」と呟くのが聞こえた。
『そう言うあなたの方が
ビューティフルですよ』
と僕は心の中で呟いた。
セントラルパークの手前で見つけたのは
Appleストアだった。
![IMG_0116](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
その未来的な店構えに、僕は店内へと続く階段を下りて行った。
地下は明るく、多くの客で賑わっていた。
そのうち3分の1の客はAppleストアのWi-Fi目当てのように思えた。
各々がスマートフォンの画面を見ていた。
僕はとうとうUSBケーブルを買うことにした。
と言うのも、日本から持って来たUSBケーブルがダハブで疾走をとげた後、
僕は何本ものUSBケーブルを買ってきた。
そのいずれもが純正品ではなかった。
ご存知の通り僕はケチって安物を買うタチなので、
純正品に近い形をした「それっぽいもの」を買い続けてきたわけだ。
今まで手に入れて来たUSBケーブルはあっという間に壊れた。
二日後に壊れるのもあれば、
あろうことかサイズが合わないものさえあった。
そして不可思議なことに、USBを売っていたのは
(というか僕が買ったのは)
全員インド人だった
ということだ。
インドは大好きな国なので、
「インド人だから〇〇だ!」という風に彼らを非難したくはないのだが、
USBケーブルに関して言うと、いや、電化製品類に関しては、
もう二度とインド人からは買わないことを僕は誓った。
だからこそ、”Apple”本場のアメリカで買うことにした。
僕の使っているのは未だにiPhone4Sで、
それ専用のケーブルを購入した。値段は19ドル。
安いように思えて、日本円に換算すると2400円もしやがる。
だが、また安いものを買ってすぐに壊れることによる損失を考えると、
そこはブランドと品質を優先すべきだなと僕は考えた。
良い物は高いのだ。
USBケーブルを手に入れて、
僕はようやくセントラル・パークへと足を踏み入れたのだ。
最初に
目についたのが、公園のすぐ外にある本屋さんだった。
売られているのは古本ばかりだったが、
サリンジャーの短編集や面白そうな本があって、
僕は思わず財布の紐を緩めそうになった。
こんな青空の下でMOLESKINノートも売っているのだ。
なかなかにお洒落な本屋さんだった。
![IMG_0119](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
僕はそのまま公園には入らずに東側の公園の塀沿いを歩いた。
公園の外にも平日の時間帯から観光客たちの姿が見えた。
セントラルパークは観光地でもあるようだ。
公園の端の方を突っ切り、僕はセントラル・パークの西側に出た。
そのままフラフラと通りを歩き、はっと足を止めた。
なんとここにもパタゴニアのお店があったのだ。
![IMG_0142](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
僕は先ほどと同じように入店した。
今度は誰も無反応だった。変な目でしか見られていない。
その空気を察っした僕はすぐにポージングを解除し、
『あれ?なにか僕の顔についていますか?』
と一瞬で大人しい客に早変わりした。僕の持つ演技力の賜物だろう。
こちらは先ほどの店舗よりも古いものだった。
スタッフも中年のおじさまだった。
僕はさりげなく、旅をしてきたことを伝えた。
すると、おじさまは「スッ」とステッカーをくれたのだ。
どこの店舗でも同じ流れだなぁ。
まぁ、同じお店でも、空気感がお店ごとにことなる。
ここでも写真を撮りながらゆっくりと店舗を見て回った。
パタゴニアを出た後は道端で売られている
1.5ドルのシナモンロールを頬張りながら
やって来た方面へと戻った。
途中で見つけたマクドナルドで「世界新聞」に寄稿する
漫画の二作目を完成させると時間は20時を回っていた。
![IMG_0160](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ブロードウェイ
近くのパタゴニアで上映会があるのを思い出した。
マップアプリで店舗の位置を確認して最寄りの駅まで歩いた。
その途中でかの有名なタイムズ・スクエアを通り抜けた。
夜のタイムズスクエアはそれこそSF映画に出てきそうなくらい
多くのネオンで彩られていた。そして観光客の姿も大勢あった。
![IMG_0169](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
僕はそんなタイムズ・スクエアを足早に通り抜け、
地下鉄駅へと降りたのだが、
なんと券売機はお釣りがないとか抜かしやがる!
たぶんこのタイミングで「fuck!」と言うのが
正しいニューヨーカーなのだと思う。
エフ・ワードは汚い言葉だということは間違いないだろう。
だが、いざネイティヴの英語圏に入ってみるとどうであろうか?
どこもかしこも
「fuck」だらけじゃないか!
女子供お年寄りもみんな「fuck」だの「Shit」だのを言っている。
「fuck」に関して言うと「fucking〇〇」と言うように
何かを形容したり装飾したりする時に使うことが多い。
日本の感覚で言うと「マジで〇〇」の感覚に近いのかもしれない。
ただ、聞いている側としてはONE PIECEのサンジ並に
「クソ」を連発しているので、あまりいい気持ちはしない。
おっと、話が逸れてしまった。
地下鉄の券売機では切符が買えなかったために、
僕はさらに駅ひとつ分歩かなければならなかった。
映画の上映会なら20時くらいだろうと思っていたのだが、
実際に店舗に足を運んでみると、もう上映が終る間際だった。
店内は人で溢れており、後ろの方(入り口付近)では
立ち見客が大勢いてスクリーンがほとんど見えない。
![IMG_0181](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
後ろの方にいると、スタッフさんが僕を見つけて
無料で配布されている缶ビールを一本僕にくれた。
上映会は二部もあるらしいことをスタッフさんが言っていたので、
一部目の上映が終わり他の客が掃けた後、
僕は最前列のベンチに座りで次の上映を待っていた。
だがそれは単に僕が英語を聞き取れなかっただけで、
二回目の上映は行われることはなかった。
なんだ。僕はここに缶ビールを一本飲みに来ただけだったのかよ。
悔し紛れに宿の近くの売店でサンドイッチを買って宿に戻った。
変更されたドミトリーは4階だった。
バスタブにお湯を張り、貯めた湯船の中で体を伸ばすと
気分は大分スッキリした。よし。明日NYを出よう。
今度こそちゃんとありつけたベッドでの睡眠は
なかなかに心地よかった。
![IMG_0187](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
——————————————————
★世界一周ブログランキングに参戦しております。
NYはまた訪れたい街ですね。みたいものが沢山ある。
でも、さすが世界一の大都市ってこともあって金がかかるんすよね。
到着の三日前に事前にカウチサーフィンのホストを探したのですが、ダメでした。残念。
きっとビッグなアーティストになってこの地に戻ってきたいと思います。
★旅する漫画家(Facebookページ)
★Twitter”Indianlion45“☞リアルタムっす♪
コメントを残す