「NYを歩き回る」

世界一周656日目(4/16)

 

 

「んはっ!!??」

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案の定、出勤して来たスタッフのお姉さんに叩き起こされた。

 

 

「どうしてここで寝ているの?
ちゃんと自分のベッドがあるでしょう?」

 

 

と少し怒っていた。

 

 

おいおいちょっと待ってくれよ?

せっかくカナダでの都市型キャンプ生活を終えて、
一泊30ドルというクソ高い宿泊代を払ってここに泊まっているんだ。
何を好き好んでソファの上で寝るものか!

まぁ寝心地は最高でしたよ。外に比べれば、ね。

 

 

 

僕は割り当てられたベッドで他のヤツが寝ていたのだと
お姉さんに事情を説明した。

お姉さんは二階のドミトリーに確認に行き、僕もそれに続いた。

昨日も確認したのだが、
僕のベッドで寝ていたソイツ(たぶんイタリア人)のレシートにも
同じ番号が書かれていた。

一階のパソコンで宿泊客の
ベッド状況を管理しているであろうエクセル表を見て、
お姉さんは「あらごめんなさい。何かのミスね」と謝った。
そこまで申し訳なく思っている様子はなかった。

「でも、ソファも寝心地よかったでしょ?」

と言っているようだった。

 

 

 

僕は腑に落ちなかった。

特に

イタリア人のアホンダラ

に関しては。

 

 

君さ、よく考えてみてくよ?

ベッドメイクしてあって、
かつ洗濯物がかけてあるベッドが自分のベッドだと思うかな?
「あれ?おかしいな?スタッフのミスかな?」って思うでしょう?
なんでそのまま寝ちゃったの?

昨日は深夜三時ということもあり、ことを荒だてまいと
「いいよいいよ」と言ったものの。

そのことを問い直すような発言をすると、彼は

「昨日君は『ノープロブレム』だって言ったじゃないか?
何か問題あるのかい?」

と開き直っていた。

 

 

やれやれ。

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ここの宿は9時に朝食がつく。

内容は簡単なものでティーとベーグルとサンドイッチだが、
貧乏バックパッカーにはありがたい限りだ。

機嫌を直すために多めに食べておいた。

 

 

10時になると僕は外に出た。

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ニューヨーク

には長くいるつもりはない。

だからこそ今日はNYの街をトコトン歩きまわってやろうと思っていた。

 

 

まず一番始めにすべきことは手持ちのカナダドルの両替だった。

キャンプのかいもあり、クレジットでの支払いを除けば
(ギターの200ドルとか…ね)、
入国した際におろした140カナダドルは12日間の滞在で全く
と言っていいほど減らなかった。

バスキングをしたのもあるし、似顔絵が売れたってのも助けになった。

近くのCHASEという銀行で両替ができないかと訊ねたのだが、
ここではアメリカの口座を持っていないと
両替はできないと言われてしまった。

 

 

手っ取り早いのは観光地であるタイムズ・スクエアで
両替屋に行けばいいのだが、調べたところによると
かなり手数料をとられるらしい。

それでは先に別のやりたいことを済ませてしまおうと、
僕が向かった先は

“patagonia”

だった。

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4thアベニュー駅から地下鉄に乗り、
ボロードウェイの近くで降りた。

入店した段階で僕は
まるでマラソンのゴールテープを切ったかのような仕草をする。

「あぁ!ついにここまで来たぞ!」ということを
手っ取り早くスタッフさんたちにアピールすることだ。


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三人いたスタッフのうち、
一人が苦笑いして僕の対応をしてくれた。
ノーリアクションよりもマシ…さ。

だが、僕が世界一周をしていること、
パタゴニアの会社のコンセプトが好きなことを伝えると
「よく来たね」とフレンドリーに対応してくれるようになった。

 

 

 

パタゴニアのお店のいいところは
このように遊びにこれることだと僕は思う。

いつものように話を聞いてもらい(僕の一方的な愛の告白だ)、
店内をゆっくりと見てまわった。

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スタッフさんが言うには
今日は映画の上映会があるとのことだった。

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日本のパタゴニア渋谷店でも
一度だけ映画の上映会に参加したことがある。

アウトドアメーカーの店舗で上映される映画ということもあり、
内容はもちろんアウトドアだ。

今回ここで上映されるのは、サーフィンの映画らしかった。

接客を担当してくれた若いスタッフは
「普段はお客さんにこんなことしないんだけど」と言って
連絡先を書いた紙切れを渡してくれた。

どうやら家に泊めてくれるらしいのだが、
僕は明日にはここを出ようと思っていたので、
お礼だけ言って胸ポケットにしまっておいた。

僕は夜になったら来ますと言い残して、お店をあとにした。
今回もご当地ステッカーを何枚かもらった♪

 

 

 

 

 

 

 

 

そのまま僕は

地下鉄に乗らずにひたすらNYの街を歩き始めた。

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これと言って行きたい場所が定められているわけではない。
強いて言うならセントラルパークを見てみたいくらいだ。

立ち並ぶ高層ビルの森を通り抜けて、大都会の空気を胸一杯吸い込んだ。

街には日本と同じ様な匂いを感じた。
人々がせわしなく行き交い、面白そうな店が立ち並ぶ。

 

 

銀行で両替も済ませたのだが、
なんと10ドルも手数料がかかってしまった。

結局はそういうことなんだと思う。
どこでやっても外貨を両替するとロスが出てしまうのだ。

アフリカなら200~300円程度のマージンが加わるだけだったが、
先進国ではそれは顕著になる。

あぁ、スイスフランをユーロに替えた時は酷かった。

あれはイタリアのヴェネツィアでやったんだけど、
手数料20%近くあったもんな。マフィアかよっての。

結局12000円くらいあったカナダ・ドルが
1万円未満になってしまった。こればかりは仕方がない。
僕は諦めて街の散策を続けた。

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NYの街は歩けば歩くほど楽しさが分かってくるような気がした。

とてもじゃないが、一日で見てまわることはできない。

『またいつか来る時が来るさ』と思うことにして、
ずんずんとセントラルパークのあるマンハッタンへと歩いて行った。

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こういうひとコマもいいね♪

 

 

 

 

 

 

その途中に教会を見つけた。

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中に入りベンチに腰掛けて一休みをした。

教会は改装工事中らしく、内部には足場が組まれている。
ドリルの音や足音が聞こえるが、不思議と会話はほとんど聞こえない。
教会の静かさをここで感じることができた。
目を閉じると心が穏やかになった。

足場の組まれた教会の内部はどこかSFチックな感じがした。

後からやって来た女のコが「beautiful!!」と呟くのが聞こえた。

『そう言うあなたの方が
ビューティフルですよ』

と僕は心の中で呟いた。

 

 

 

 

 

 

セントラルパークの手前で見つけたのは
Appleストアだった。

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その未来的な店構えに、僕は店内へと続く階段を下りて行った。

地下は明るく、多くの客で賑わっていた。
そのうち3分の1の客はAppleストアのWi-Fi目当てのように思えた。
各々がスマートフォンの画面を見ていた。

 

 

 

僕はとうとうUSBケーブルを買うことにした。

と言うのも、日本から持って来たUSBケーブルがダハブで疾走をとげた後、
僕は何本ものUSBケーブルを買ってきた。
そのいずれもが純正品ではなかった。

ご存知の通り僕はケチって安物を買うタチなので、
純正品に近い形をした「それっぽいもの」を買い続けてきたわけだ。

今まで手に入れて来たUSBケーブルはあっという間に壊れた。
二日後に壊れるのもあれば、
あろうことかサイズが合わないものさえあった。

そして不可思議なことに、USBを売っていたのは
(というか僕が買ったのは)

全員インド人だった

ということだ。

インドは大好きな国なので、
「インド人だから〇〇だ!」という風に彼らを非難したくはないのだが、
USBケーブルに関して言うと、いや、電化製品類に関しては、
もう二度とインド人からは買わないことを僕は誓った。

 

 

だからこそ、”Apple”本場のアメリカで買うことにした。

僕の使っているのは未だにiPhone4Sで、
それ専用のケーブルを購入した。値段は19ドル。

安いように思えて、日本円に換算すると2400円もしやがる。

だが、また安いものを買ってすぐに壊れることによる損失を考えると、
そこはブランドと品質を優先すべきだなと僕は考えた。
良い物は高いのだ。

USBケーブルを手に入れて、
僕はようやくセントラル・パークへと足を踏み入れたのだ。

 

 

 

 

 

 

最初に

目についたのが、公園のすぐ外にある本屋さんだった。

売られているのは古本ばかりだったが、
サリンジャーの短編集や面白そうな本があって、
僕は思わず財布の紐を緩めそうになった。

こんな青空の下でMOLESKINノートも売っているのだ。
なかなかにお洒落な本屋さんだった。

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僕はそのまま公園には入らずに東側の公園の塀沿いを歩いた。

公園の外にも平日の時間帯から観光客たちの姿が見えた。
セントラルパークは観光地でもあるようだ。

 

 

 

 

 

公園の端の方を突っ切り、僕はセントラル・パークの西側に出た。

そのままフラフラと通りを歩き、はっと足を止めた。

なんとここにもパタゴニアのお店があったのだ。

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僕は先ほどと同じように入店した。

今度は誰も無反応だった。変な目でしか見られていない。

その空気を察っした僕はすぐにポージングを解除し、
『あれ?なにか僕の顔についていますか?』
と一瞬で大人しい客に早変わりした。僕の持つ演技力の賜物だろう。

こちらは先ほどの店舗よりも古いものだった。
スタッフも中年のおじさまだった。

僕はさりげなく、旅をしてきたことを伝えた。

すると、おじさまは「スッ」とステッカーをくれたのだ。
どこの店舗でも同じ流れだなぁ。

まぁ、同じお店でも、空気感がお店ごとにことなる。
ここでも写真を撮りながらゆっくりと店舗を見て回った。

 

 

 

 

パタゴニアを出た後は道端で売られている
1.5ドルのシナモンロールを頬張りながら
やって来た方面へと戻った。

途中で見つけたマクドナルドで「世界新聞」に寄稿する
漫画の二作目を完成させると時間は20時を回っていた。

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ブロードウェイ

近くのパタゴニアで上映会があるのを思い出した。

マップアプリで店舗の位置を確認して最寄りの駅まで歩いた。

その途中でかの有名なタイムズ・スクエアを通り抜けた。

夜のタイムズスクエアはそれこそSF映画に出てきそうなくらい
多くのネオンで彩られていた。そして観光客の姿も大勢あった。

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僕はそんなタイムズ・スクエアを足早に通り抜け、
地下鉄駅へと降りたのだが、

なんと券売機はお釣りがないとか抜かしやがる!

たぶんこのタイミングで「fuck!」と言うのが
正しいニューヨーカーなのだと思う。

エフ・ワードは汚い言葉だということは間違いないだろう。

だが、いざネイティヴの英語圏に入ってみるとどうであろうか?

どこもかしこも
「fuck」だらけじゃないか!

 

 

女子供お年寄りもみんな「fuck」だの「Shit」だのを言っている。
「fuck」に関して言うと「fucking〇〇」と言うように
何かを形容したり装飾したりする時に使うことが多い。

日本の感覚で言うと「マジで〇〇」の感覚に近いのかもしれない。
ただ、聞いている側としてはONE PIECEのサンジ並に
「クソ」を連発しているので、あまりいい気持ちはしない。

おっと、話が逸れてしまった。

 

 

 

 

地下鉄の券売機では切符が買えなかったために、
僕はさらに駅ひとつ分歩かなければならなかった。

映画の上映会なら20時くらいだろうと思っていたのだが、
実際に店舗に足を運んでみると、もう上映が終る間際だった。

店内は人で溢れており、後ろの方(入り口付近)では
立ち見客が大勢いてスクリーンがほとんど見えない。

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後ろの方にいると、スタッフさんが僕を見つけて
無料で配布されている缶ビールを一本僕にくれた。

上映会は二部もあるらしいことをスタッフさんが言っていたので、
一部目の上映が終わり他の客が掃けた後、
僕は最前列のベンチに座りで次の上映を待っていた。

だがそれは単に僕が英語を聞き取れなかっただけで、
二回目の上映は行われることはなかった。

なんだ。僕はここに缶ビールを一本飲みに来ただけだったのかよ。

悔し紛れに宿の近くの売店でサンドイッチを買って宿に戻った。

 

 

 

 

 

変更されたドミトリーは4階だった。

バスタブにお湯を張り、貯めた湯船の中で体を伸ばすと
気分は大分スッキリした。よし。明日NYを出よう。

 

 

今度こそちゃんとありつけたベッドでの睡眠は
なかなかに心地よかった。

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NYはまた訪れたい街ですね。みたいものが沢山ある。

でも、さすが世界一の大都市ってこともあって金がかかるんすよね。
到着の三日前に事前にカウチサーフィンのホストを探したのですが、ダメでした。残念。

きっとビッグなアーティストになってこの地に戻ってきたいと思います。

 
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