「旅について」

世界一周721日目(6/20)

 

 

清掃員の

お兄さんから「そろそろ片付けな」と
ハンドサインが送られているような気がした。

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掛け布団のように使っているテントのフライも寝袋も
まだ乾いていなかったので、
僕は近くでそれらを乾かさなければならなかった。

ビーチ沿いを歩いている人たちやサーファーの姿がチラホラ見えた。

 

 

 

ここはアメリカ、ロサンゼルス。ベニスビーチの端の方

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ちぇっ..。分かってるよ。起きればいいんだろ?

 

 

 

 

近くのスターバックスの外でWi-Fiにありつき、
ルートを調べると僕はバスに乗り込んだ。

向かうはマンハッタン・ビーチ

 

 

 

バスの運転手は無愛想だった。

「トランスファー(乗り換え)チケットをください」と訊ねたが、
しっかりと伝わっておらず運転手は「あぁっ??」と言った。

僕はすぐさまスクリーンショットに残している画像を見せて
行き先を伝えようとしたが、彼女は
「そんなん見せられても分からないから!」と代案を即時却下した。

なんとか乗り換えチケットを手に入れることができたが、
そのあからまさま不愛想さに腹を立て、すぐに

 

 

『バスの運転手って大変だよな。
こんな分けわからないヤツも
乗せなくちゃいけないんだもんな』

と考えるとすっと気持ちが落ち着けた。

まぁ、つまるとこ、半ホームレスのこの僕だ。

 

 

 

 

 

乗り換え場所には黒人が三人たむろしていた

小さなバス停だったが、近くにはゴミが散乱し、
どこからか小便の臭いがした。
5mほど離れた場所ではホームレスが死んだように眠っていた。

僕は乗り換えのバスを待っていたのだが、バスはなかなか来なかった。

横にいる彼らを見ていると、
彼らもバスを待っているわけではなく、
ここでぺちゃくちゃとお喋りをしているだけのようだった。
かすかにマリファナの臭いが鼻をかすめた。

癖のある英語で何を喋っているのか全部は理解できなかったが
「おれの彼女が~」とか「アイツの仕事が~」とか、
そんな些細なよもやま話だった。あぁ、平和だな。

 

 

 

僕がバス停を間違えているのに気がついたのは
30分も経ってからだった

気分直しにすぐ近くのドーナツ屋でコーヒーと
歯がとろけそうなくらいに甘いシナモンブレッドを買って
朝食代わりとした。

 

 

 

 

ローカルのバスで長距離を移動するには地味に時間がかかった。

次の乗り換えるバスターミナルに着く頃には12時を回っていた。

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乗り換えのバスターミナルには
これからマンハッタンビーチに向かうのだろうか?
ぽちゃぽちゃした体系の家族たちがパラソルを持って
バスを待っていた。

僕ものんびりとバスを待った。

 

 

三回目の乗り換えは新たに乗車料を払え絞ければならなかった。

きっと乗り換えが適用されるエリアが変わったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

マンハッタンビーチ

に着いた頃は13時を回っていた。

 

ビーチのある地区はそこまで大きくなく、
サンタモニカやベニスビーチと違ってテーマパークのような
賑やかさはなかった。

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僕はひとまずスターバックスに入った。

店内の壁際にはコンセトがある席がいくつかあり、
店の端にあるテーブル席には大柄の男がでんっと陣取っていた。
口をへの字にまげ、テーブルを他人とシェアする気が一切ないことは
よく分かった。

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僕はなんの気なしにiPhoneで
SNSだかブログだかを読んでいるうちに

胸くそ悪い気分になってきた。

 

 

 

どうしてったって人は、他人の成すことに対して
難癖つけずにはいられないのだろう?

 

 

 

というか、僕は日本人なので
他の国の人がどのようであるかは分からないのだが。

特に言いたいのは

「人のすること」に対して
あれこれ言うヤツが多過ぎる

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そりゃ僕だって批判する心は持っている。

だけどそれは心の中に留めておく。

理由は「違いは存在して当然」であり、
「批判そのものは自分のものに過ぎないから」だ

 

 

何か自分の主義主張と違うことを目にしたとしても、
そんなの放っておけばいいのだ。

なんでそんなに他人のことに首をつっこまなきゃいけないのだろう?
自分が正しいことを他人に押し付けたいのだろうか?

 

 

浅野いにおの「海辺の女の子」と言う作品で

「自分の理論を押し付ける馬鹿が多過ぎる」

というセリフが出てくる。

まったくね。その通りだよ。
自分もそうならないように気をつける。

100%正しいものなんてないだろうし、
「正しい」と思われているものも
見方を変えれば「悪」になる。

勝てば官軍負ければ賊軍。
世界は勝者と強者によって作られたものの
積み重ねのようにも思える。

人生をかけて首相にまでなったのに非難されてしまう時代だ。
(僕は戦争はビジネスだと思っているから立場は「NO」)

 

 

反対意見の発生はごく自然なことなのかもしれない。
コインに裏表があるように。

だが、それを鵜呑みにすれば何もすることはできない。

じゃあどすればいいか?

 

 

 

ツベコベ言ってねーでやるしかないだろ!

 

いいよ。バカで。笑いたきゃ笑えばいい。

行動を起こさなきゃ何も変わらない。何も生まれない。

 

 

 

よーし!やってやんよ!!

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自分の

ことじゃないのに、僕はムキになっていた。

集中力もプッツンしてしまったので、
外に出たのはいいが、時間は早過ぎた。

 

マンハッタンビーチを見ながら服を脱いで体を焼き、
煙草を吹かした。そしてギターの練習をした。

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多くの人間が僕の前を通り過ぎていった。

うひょぉっ!
あの子露出度高ぇっっ!!!

 

 

 

 

16時になるとパンツ一丁でシャワーを浴びて
ベトベトした体を洗った。

準備は万全だ。あとは歌うだけ。

 

 

桟橋の上には紙袋に入った沢山のベーグルが置かれていた。
何も置き書きはない。毒が盛られているかもしれない。

そんな見るからに怪しいベーグルを誰もが素通りだったが、
一人の男の子が僕の目の前でそのベーグルを手に取った。
僕は彼に「これって食べても平気なの?」と訊ねてみた。

男の子は「ん?平気なんじゃん?君も食べれば?」と言うので、
クンクンと臭いを嗅いで変な臭いがしないことを確かめると
それを一口食べてみた。

どこか固いような気もするが
なんの変哲もないただのベーグルだった。

 

 

 

ベーグルを二個もらうと僕は桟橋でギターを構えた。

僕は自分の生き様を歌いたかった。
自分のしてきた旅を声に変換して放出したかった。

新しく看板を描き直してアップのCARAVAN、”Feed Back”。

 

 

 

すぐに三人家族が声をかてきた。

僕の出している看板を見て似顔絵を描いて欲しいと訊ねてきた。

ぺちゃくちゃとお喋りをしながら、立ったままスケッチする。

書くのと喋るの一緒にするのはなかなかに大変だったけど、一枚完成。
似顔絵ってその時の自分が写った写真のようなものに思える。

10分そこらの即興で風におあられながら描いたイラスト。
いつものように絵と一緒に渡した人も写真に撮らせてもらえば
僕は満足だ。

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立ったまま描くと難しいのさ。

 

 

 

「じゃあ、これ」

「あ、あざっす!」

 

 

そう言ってお父さんから手渡されたのは20ドル札が二枚

自分でも驚きだった。

 

 

即興・トーク・ストーリー。

 

 

その三つが絶妙に混ざり合って人を動かした。

今こして自分の描いた絵を見ると
『ここはこうすればよかったな』と思う点ばかり目についてしまう。

果たしてこんなにお金をもらってもいいのだろうか?

 

 

いや。いいのだ。

僕は似顔絵に値段を決めていない

「いくら?」と訊ねられると
「アップトゥー・ユー(貴方次第)っす♪」と答える。

1ドルでも50セントでも構いやしない。

これが路上のパフォーマンスだし、
僕は彼らと話をすることで何かを得ているからだ。

 

 

僕の演奏そのものに対するレスポンスはそこまで多くはなかった、
だが、自己紹介を書いた看板を行き交う人が目にし、
そしてニコニコして行った。

「あ、今日はもうこれだけで十分だわ」

僕はそう思った。

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とりあえず動くこと。

自分では何かがしたかっただけなのに、
レスポンスも返ってきた。

それが嬉しかった。

 

 

 

 

韓国人のハーフのマットという男の子
が声をかけてきてくれた。

1ドル札を数枚入れてくれただけでなく
立ち止まって演奏も聴いてくれた。ちょっと近かったけど(笑)。

 

 

日が暮れる頃に一人のおばちゃんが声をかけきてくれた。

「あなた一年前もここで歌ってたわよね?」

と僕に尋ねる。

すぐにそれが誰であるか分かって嬉しくなる♪

 

 

「いや、僕は彼じゃありません。
あなたが一年前に会った彼は世界一周を成し遂げて
今は日本にいます」

「あら?そうなの?
それよりあなた似顔絵描くのね?私も書いもらえる♪」

「もちろんです!
インプレッション(印象)で描きますからね!」

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似顔絵を仕上げているとマットが戻って来て
「僕のも描いてくれない?」と言った。

「やっぱアジアン・フェイスだと楽だわ♪」
なんて冗談を言いながらサラサラっと仕上げた。
潮風で紙が若干しけっている。

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絵を描き終わるとマットは5ドルを渡してくれた。

「いや、さっきもお金いれてくれたじゃん!いいって!」

「いいんだよ。渡したいんだよ」

粋なヤツだ。

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その後、少しの間マットと話た。

今年から大学に行くこと。
いつかは旅がしたいこと。僕が旅から学んだこと。

 

 

旅は可能性の連続だ。

やるかやらないかで言ったら

「やったほうがいい」。

 

 

旅先で出会う人は、
自分が旅に出なかったら出会えなかった人たち。

そして人々は自分の知らないことを知っている。

 

 

 

旅に出よう。人と会おう。そして話そう。

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映画「LIFE!!!」に出てくる出版社の社訓みたいだな。

でも僕はそう思うんだよ。

 

 

 

西の空が藍色に染まる。

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そしてそのままスタバで〆(シメ)っていうね!そこは変わりません(笑)
ちなみにアガリはなんと70ドルでした。すげ~~~。
いや、ありがとうございます。そうだよね。

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8 件のコメント

  • うわー!似顔絵がめっちゃ似てて驚きです!即興で芸ができるなんてかっこいいですね!これからも旅頑張って下さい☻

    • >ホーリンさん

      ありがとうございます!
      あと4〜5ヶ月で終わりです(たぶん)

      今さっきホームページに行ってポチしてきました!!
      えっと、現在はどこにいらっしゃるのかな?旅中?

      ホームレス仲間として共感が持てます(笑)
      世界を生き抜く術を僕にご教授くだせえ。

      放浪活動ホーリンさんもがんばってくださいね♪

  • シミ君ありがとう^^
    らしくなく、凹んでた部分もあったんだ。
    「ツベコベ言ってねーで、やるしかねえだろ!!!!」
    これを残りの旅のテーマにしていくね!!!!
    ありがとうね(^O^)/

    • >Masatoさん

      あれは僕自身にも問いかけることだったんですよね。

      僕にだってもちろん迷いもあります。
      『漫画でやっていくことはできるのだろうか?』
      『っていうか日本で生きていけるだろうか?』
      とか。

      でも、今更メインストリームの生きた方を
      100%合わせるなんて無理な話。
      人と違うからこそ。自分の生き方を探してトライ。

      正論というのは大多数の人のメジャーな意見だと
      思っています。
      もちろんそれが正しい場合もありますが、
      必ずしもそれが正解ではない。

      ぶっちゃけると、
      「完璧な正解」というのは存在しない。
      そう思います。

      いいんですよ。やれば。
      ただ、やればいい。

      意味付けなんてあとからいくらでもできるから。

      いつも応援してます。お互い頑張りましょう。

  • シミさん

    本当に似顔絵うまいですね。
    ・・・いつも感心して見てるんですが、良く特徴をつかんでらっしゃるわ。それもその人の一番「暖かい」ところを描き出してるって感じ!これは描いてもらう方もうれしいやね。

    • >ウタさん

      に、似てますか?
      そう言っていただいたののは初めてです。

      漫画の絵って笑う時にできるシワひとつを描いただけで
      歳をとったようになっちゃうんですよ。
      いかに少ない線で表現するかが難しいです。
      (実力不足ってんのももちろんありますが笑)

      そろそろ30ページあったスケッチブックもなくなりそうです。
      新しいの買わなきゃな。

    • ウタさんどうもありがとうございます。 
      まあ、いつも早さ第一で書き方にはコツがあるので、なれてしまえばどうってことはないです。
      これからメキシコに2ヶ月ぐらいいるので機会があればぜひ
      PSテント生活はもうやめました。

      • >マイルドブルーさん

        えっと…、
        ウタさんのお知り合いの方でしょうか?

        それとも時空がねじれてそっちの世界では僕は
        「マイルドブルー」って名前なのでしょうか?

        (ちなみにメキシコでも野宿してました。)

        あのぉ〜、そのですね、
        コメントは承認制になっておりまして、
        なかなかユーモアが利いていたので公開させていただきました♪

        今僕もメキシコにいるので是非僕の似顔絵描いてください!

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