「シンパシー」

世界一周７７８日目(8/16)

メキシコ

は雨期になったようだ。

メキシコシティにいた頃はほぼ毎日、
夕方頃になると雨が振り出していた。

だいたい１時間程度で止んでいた。

僕が今いるサンクリストバドルの雨は一日中降り続くものらしい。

夕方くらいはだいたいこんな曇り空、もしくは雨。

宿に泊まってるシュンさんたちが
「耐久レース」がどうのこうのと言っている。

バスキングでセッションをするみたいなのだが、
話を聞いている限り、
今日はやれるところまでトコトン演奏するつもりらしい。

雨は朝から降っていたが、降ったり止んだりを繰り返していた。

ふと気がついた時には、
宿には宿泊客じゃない謎の日本人が出入りするようになっていた。

「!!!」

股のゆったりした旅人パンツを穿き、裸足。素肌にパーカー。
これだけでかなりインパクトがあるのに極めつけはモヒカンだ。
そんでもって眼鏡をかけているんだから目立たない方がおかしい。

アキオさんは近所に
月額４００ペソ(3,200yen)の部屋を借りて住んでいるらしい。

宿に泊まっているシュンさん、ジュンさん
(こういうとどこかのご長寿みたいですね)の知り合いだというのだ。
それもここで偶然会ったらしい。地球とはこんなに狭いものだったか？

アキオさんもここでバスキングをしているようで、
オーストラリアで買ったというワインレッドの
アコースティックギターを持っている。
ストラップがただの紐なのもある意味いい味出している。

そんなキャラ立ちをしているアキオさんが
ちょいちょい宿に遊びにくるのだが、
カオリさんたちは完璧にご近所さん扱いをしているため、
フツーに宿に入ることができる。
そして庭でアコギをポロンポロン引きながら唄っているのだ。

ある意味ヒッピーだと思う。

サンクリストバドルは路上演奏に向いた場所として
バスカーの中では定評があるらしい。

観光地なので、外からも人間がやってくるのと、
いい感じの歩行者道があることだ。

演奏はライセンスがあれば好きなだけやっていいらしい。
役所に行けば一時間程度ですぐにライセンスが発行されるそうだ。

今日もバナナパンケーキ♪

雨が止んだ

タイミングで僕たちは外に出た。

僕はカフェで今日も作業をしようと思ったのだ。

シュンさんたちもアンプや各々の楽器を持って宿を出た。
三人組の姿からは玄人っぷりが出ていた。

だが、５分も経たないうちにまた雨が降り出した。
雲の切れ目からは青空が見えていたので、すぐに止むだろう。

ジュンさんたちには「後で演奏見に行きますから」と言って別れた。

僕は昨日と同じカフェで作業をしていた。

注文するのもアメリカーノだ。
カプチーノとかはミルクの味が強いのでいいよ。
名前の響きは好きだけどね♪

１６時を過ぎると
僕はアキオさんたちのバスキングを見に外に出た。

雨は降ったり止んだりしていたので石畳の表面はまだ濡れていた。
空にも薄い雲がかかっている。
空気は湿度を含み、ほんの少し肌寒かった。

歩行者天国のグアダルーペをソカロに向かって歩いたが、
日本人バスカーたちの姿を見つけることはできなかった。

今日の晩ご飯は親子丼。

円卓はいいなと思う。
みんなの顔が見れるからだ。

もちろんみんなでご飯を食べるのもいい。
賑やかでご飯がおいしく感じられる。

夕食の後、シュンさん(パチカ)とアキオさん(モヒカン)が
パソコンで動画を観ていた。

ジョン・バトラーの”ocean”というインストの曲だ。

ジョンバトラーはオーストラリアのアーティストで
バスキング時代からこの”ocean”という曲を演奏していたそうだ。

年を追うごとに曲はバージョンアップされている。
ジョン・バトラーが言うには
「オーシャンはまだ完成されていない」らしい。

その”ocean”のライブ映像を二人は食い入るように観ていた。
見終わるとほっと息をついた。

ちょっと音質悪いけど２０１５年のオーシャン。

シュンさんに今日のバスキングはどうだったか尋ねると
今日は頻繁に警官にストップをかけらたらしい。
雨もあって耐久レースは明日に持ち越しになったようだ。

ここで僕はバスキングはやらなくてもいいかな？と思う。

別に稼ぎを競うわけでもないし、
路上パフォーマンスを楽しそうにやっている人たちの邪魔を
したくはないなと思ったからだ。

なんだかこうして他のバスカーを見ていると親近感が湧く。

それも自分よりもずっと上手い人たちが曲のレパートリーを増やしたり、
コードを教え合っているのなんかを見ると。特に。

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