世界一周782日目(8/20)
あれだけ
メキシコシティやオアハカでウダウダしたのに、
どうやら僕はまだ懲りないらしい。
ケンさん。ベジータのTシャツだなんて微妙なところ攻めましたね..。
3日くらいの滞在にしようと思っていた
サンクリストバドル・デ・ラスカサスだったが、
どうしてか分からないけど、
今日で滞在8日目だ。
南米には人を引き離さない魔力があるのかもしれない。
自分でもどうしてこんなにスローに旅しているのか分からない。
バスのチケットはタケシさんに言って手配してもらった。
ここからグアテマラのシェラという町まで移動しようと思う。
そこには日本人宿もあるし、
そこで面白そうな情報が得られるかもしれない。
陸路からコレクティーボやボートを乗り継いで
自力で国境を越える道もあるらしい。
そこも楽しそうだなと思ったが、
僕は安全で確実な方を選ぶことにした。
まず雑貨がある状態で冒険をしたくない!
これで失くしたりしたら相棒や仲間たちから非難囂々だろう。
出発は明日の朝7時。
シャトルバスで値段は300ペソ(2,400yen)。
直通で向こうの宿まで送ってくれるらしい。
サービスの高さに驚くばかりだ。
出発前にnudie jeans縫っとこっと♪
そんなわけで今日がサンクリストバドルの最終日だ。
雑貨も仕入れてしまったので、
これと言って特別何かしよう!ということはない。
向かった先は行きつけのカフェだった。
アメリカーノを注文してトタン屋根の下のテーブルに着く。
僕の旅のアクティヴィティの30%は
「カフェに行くこと」が占めているんじゃないだろうか?
大体いっつも安い場所なんだけどさ。
まぁ、カフェ巡りは好きですなぁ♪
作業内容も変わらない。
一体いつになったら追いつくんだ?という日記の執筆に、
いつもの漫画描き。
低予算のスロー・トリップ。
まぁ、こんなグダグダする旅もあるんですよ。
というご紹介だ。
日本にいた頃の自分がこのブログを読んだら
『おいおい、コイツ、何も面白いことやってねぇじゃねえか』
と思うに違いない。
いやいや、面白いことはしょっちゅう起こらないんだよ。
ね?
涼しく
なってきた夕暮れ前に僕はカフェを出て、
メキシコ最後のバスキングに向かうことにした。
一番いい通りでギターを構えると、レスポンスがボチボチあった。
似顔絵のウケもいい。
大体は子供連れの親御さんが
「この子の顔を描いてくれないかしら?」と言って来る。
名前入り♪
絵を描きだすと人垣ができるので、
作業が見やすいようにしゃがみながら絵を描く。
必要最低限の線を使っていかにその人を表現をするのは難しい。
細部に捕われれば変に老いさせてしまう。
「クワント・クエスタ?」と値段を訊かれると、
僕は「アップ・トゥー・ユー」と答えた。
あぁ、英語だと伝わらないんだっけ。
「貴方次第です」
ってスペイン語でなんて言うんだ?
「ウノ(1)ペソ・シンコ(5)・ディエベ(20)。
オッケー!シィ~!シィ~!」
苦しいボディランゲージでも伝わるもんだ。
大体20ペソ札が一枚。
ハナちゃん。
そんな中でインディヘナの女のコが
背中におんぶした弟を描いて欲しいと僕に言ってきた。
「クアント?(いくら)」
と訊くので、いつもと同じように答えてやると、
安心したようにポケットに手をツッコんで小銭を握った。
雨が降り出したので
近くのアパレル店の屋根の下で似顔絵を描いた。
むっつりした表情の弟くんを
どのように描いたらいいのか手こずった。
マリオくん。
似顔絵が描き終わると女のコは「グレシャス♪」と言って
大事そうに絵を受け取って、代わりに6ペソを僕に渡した。
あぁ。いいパフォーマンスだな。
歌も調子がよかったのだが、
弦が切れてしまい一時間程度で宿に引き上げることにした。
アガリは107ペソ(777yen)。高校生の時給くらいかな?
いや、今の子はもっともらってるかー。
ジュンさんのソロ・バスキング。それでも様になってる!
「お金なくなってもいいからブラジルに辿り着ければいいかな?」
なんてカッコイイこと言ってた。
宿で
食べる食事も今日で最後だ。
ほぼ毎日栄養のあるものが食べられるのも
しばらくないかもしれない。
「野菜食べたいです」
とカオリさんにリクエストしていたのだが、
今日の晩ご飯は中華丼。
野菜がふんだんに使われ、あんと白米の相性がたまらない!
それに乗じて女子アナのタケくんが
「ビールいる?」と当然のようにビールを注いでくれた。
マジありがとう。
食事が済むと洗い物をして、パッキングもある程度終らせた。
タケシさんが「渡したい物がある」と言って僕に渡したものは、
自身がレコーディングした14曲入りのCDだった。
「レコードみたいなパッケージングにしたかった」
という紙ジャケットの表紙はブルックリンのメキシカン・フード店の前で
髭をたくわえたタケシさんの横顔だった。
裏面にはタケシさんが自ら描いたイラストと曲名表記。
そしてプレスした場所に「Taiwan(台湾)」 と書いてあったが、
曲を録った場所はオーストラリアやベルギーなんかも含まれていた。
まさにこれは旅をしてきた中で生まれた音楽だった。
「ブーツク!ブーツクッ!」「ちょっ..!!」
「カッ!カッッッ!プッツッッ!」「だから写真撮るんでーー..」
「ボボボッツ!ボッツッッ!!!」「ブレてーーー..」
僕は何かレスポンスがしたかった。
日本だったらいくらだ?
一枚1000円~1500円がおれの中のマックス。
えっと100ペソだと足りないよなぁ。
そんなみみっちい計算を頭の中でしていたが、
ここに泊まっていた間に何杯も朝のコーヒーをいただき、
話を聞かせてくれた他、
居心地のいい場を提供してくれたタケシさんに
ちゃんとレスポンスがしたかった。
財布から200ペソ(1,600yen)札を取り出し、
タケシさんに感謝の気持ちと共に渡した。
タケシさんは少し驚いたようだが、それを受け取ってくれた。
200がおれの限界でした(笑)。
長かったメキシコともこれでお別れ。
中米の南下の旅は次の国へ。
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