世界一周816日目(9/23)
プチ断食
のせいか、いつも朝7時半に目が覚めた。

起きた瞬間は食欲が湧かない。
時間が経つと徐々に空腹感を感じるようになっていった。
ちなみに昨日食べたものは朝食のバナナとパン。
夜7時くらいにまたバナナを食べたくらい。
「少食」とも言うみたいだけど、ネーミング的にはこっちの方が好き♪
中米最後の国。僕が今いるのはパナマシティだ。
胃の調子が悪いことをきっかけに自然に食欲がなくなった僕は
「食べない健康法」という電子書籍を昨日買ってみたのだ。
果たして本当に食べないほうが体にいいのか?
自分で実験する分には誰も文句は言って来ないだろう。
本を読んだところによると、食べないことによって免疫力が上がるという。
なら試してみようじゃないか。
確かに体の調子は少しよくなった気がする。
朝食も食べずに僕は宿を出た。
今日中に
やらなければいけないことは
コロンビア行きのボートの手配をすることだ。
宿で頼んだら187ドルから270ドルに値上がりしていた。
冗談じゃない。
ぜったい探せば安く行く方法があると思うんだ。

手がかりは別のホステルのスタッフが教えてくれた旅行会社だった。
まず第一ステップは
パナマシティからボートの出るカルティという小さな港まで行くこと。
これは30ドル~25ドルらしいのだが、
町に16ドルで行ける場所があるらしい。
昨日通った海沿いの道をサクサク歩いて向かった。
腹にほとんど何も入っていないはずなのに体は動くから不思議だ。
早歩きで歩くと一気に汗をかいた。
今日も海沿いではランニングをしている人の姿を見かける。
プチ断食と言っても、厳格に何も口にしないわけではない。
「食べない健康法」の中にも朝食を抜きの代わりに
生姜紅茶やジュースなどに置き換えてあったので、
ジュースは飲んでいいことにした。ただし極力生絞りのものにする。
歩いているとさっそくオレンジの生絞りジュースを見つけた。

小さなテーブルの前におじいちゃんおばあちゃんがいて、
開店の準備をしていた。
僕はバナナとミックスしたものを飲みたかったのだが、
バナナの生絞りはやっていないらしい。
バナナはそのまま手渡された。
確か2ドルくらいだったと思う。まぁ生絞りだしね。
健康にはお金がかかるな。
考えてみればバナナだったら宿で無料で食べられるのだ。
とりあえずエネルギーをちょびっと補充し僕は再び歩きだした。
自分の想像以上に体が動くものだから、
気がついたら旅行会社のオフィスがある場所を
かなり通り過ぎてしまっていた。
いや、いつもの方向音痴だ..。

おお!けっこうなオフィス街。
肝心の旅行会社は
「GUNA YALA(発音的にグナイジャラて聞こえる)」
という名前らしい。
僕はそれとオフィスのある大体の場所しか知らなかった。
話にきくところによると
なんと16ドルで港まで行けるらしいのだ。
会社の宣伝はホステル内でされていたのだが、
肝心の連絡先が書かれていないのだ。
いや、マジどうなってんの?馬鹿なの?
いや、腹に何も入ってないとイライラすんだよ。許してちょんまげ。
ホステルのオーナー(僕が泊まっているのとは別のところだ)は
「教会の近くだよ」とだけ教えてくれた。
まぁ、目印になるものが近くにあるのだから
すぐに見つかるだろうと僕は楽に考えていた。

これか。
実際にその教会の近くにやって来た。
すぐに近くの人に
「グナイジャラのツアー会社のオフィスってどこにありますか?」
と訊いて回った。
知らない人もいれば、見当違いの方向を指す人もいる。
そのオフィスが果たして存在するのかさえも怪しくなって来る。
いかに彼らがとても狭い自分の生活圏でしか
生活していないかということが分かった。
いや、日本にそれを当てはめてみたらそれは同じかもしれない。
なんとかそのオフィスを見つけたのだが、看板には
「KUNA YALA」
と書かれていた。
そもそもスペルが違ぇじゃねえか!アホ!

そりゃ見つかんねーわ。
中はうすぐらいオフィスで
民族衣装をまとったクナ族らしき人たちが周辺でたむろしていた。

カウンターにはでっぷりしたおばちゃんが座っている。英語が喋れた。
「すいません、カルティまで行きたいですけど、いくらですか?」
「25ドルね」
「え..?!16ドルって聞いてきたんですけど?」
「何言ってんの?16ドルなわけないじゃない。
ちなみに20ドル追加で
クナ族に対する入域税がかかるから!」
「さよなら」
一体なんなんだ!!??

明らかに値段が上がっている。
ボートでコロンビアを目指す場合、
クナ族の住むエリアを通るためいくらか税がかかることは知っている。
だが、20ドルだなんて金額は聞いたことがなかった。
肩を落として宿のある旧市街まで帰った。
念のため別のホステルの
「ルナズ・キャッスル」でも値段を聞いてみた。
ここはビリヤード代があったりしてより、欧米人向けになっている。
スタッフもちゃんと英語が喋れるのだが、ツアーは高め。
コロンビアの国境カプルガナまで500ドルもするのだ。
しかも話に聞きところによると
「ボートを個人で乗り継いで行くことはできない。
パーミッションが必要だ」とか言い出す始末だ。
おいおいなんだよ!また新しい情報かよ!?
「安く行くんならビバ・コロンビアを使って
飛行機で行っちゃった方がいいわよ」
そう宿のスタッフは教えてくれた。
この時に初めて知ったのだが、
パナマシティからメデジンまでは164ドルで行くことができた。
断然そっちの方が安上がりじゃないか。

だが、僕は迷っていた。
カリブ海に浮かぶサンブラス諸島を横目に
ボートトリップする夢は簡単には諦めきれなかったからだ。
果たして個人で行くのに許可証が必要なのか真偽を確かめるべく、
僕はツーリストインフォメーションを探すことにした。
だが、ここにはそんなものは存在しないことはすぐに分かった。
旅の情報なら宿か航空会社のオフィスの人間に尋ねるしかないのだ。
情報通らしい英語の喋れるタクシーのおっちゃんは
「なぁにライセンスなんて必要ないさ」と楽観的なことを言っている。
ああ!もう一体何が正しいんだ??!!!

と、とりあえず精神を安定させるためにカフェ行くべ。
そんな風にして旧市街で情報を求めて彷徨っていると
一軒の旅行代理店を見つけた。
オフィスのドアは閉まっており、
入り口のたたずまいから安い旅のプランを提供している会社には
思えなかった。

中から英語の喋れるスタッフが対応してくれた。
ここに来て一番まともなサービスで僕は感動してしまったくらいだ。
スタッフのデイヴィッドは親身になって話を聞いてくれた。

「う~ん、値段ばかりはしょうがないよね。
やっぱり最近値上がりしているんだよ」
「ボートを個人で乗り継いでカプルガナまで行くことは
できないんでしょうか?」
「いや、できるよ?
もしよかったら明日カルティまで妹とその友達と車で行くから
乗せていってあげてもいいよ?25ドルさ。どうする?」
「え?本当ですか??!!お願いします!」
頭の中でゴーサインが出た。
もうパナマ運河なんて見なくったっていい。
見えた突破口。流れに乗れ!
16時に再びオフィスに戻り、話をまとめた。
どうやらデイヴィッドの妹の個人の移動に
お邪魔させていただくみたいだ。お礼の意味を込めて似顔絵を描いた。


年々上昇する物価。
それに加えてクナ族に対する20ドルの入域料の存在は本当だった。
『個人でボートに乗れるのか?』という不安はあったが、
やれないこともないだろう。
同じルートを使用してコロンビアまで渡った人のブログを読む限り、
カルティ以降は旅行会社の丸投げに近い状態らしい。
ただボートが用意されているだけで無駄にマージンがかかる。
時にはボートの運転手との連絡ができておらず、
余計に請求されることもあるのだとか。
そんなずさんなボートの手配で
いっちょまえにマージンだけ抜かれることの僕は納得できなかった。
いや、そんなユルいなら自分でも行けるはずだ!
夜になるにつれて、空腹でイライラするようになった。
プチ断食中の煙草はちっとも美味しく感じなかった。
味覚なども正常に戻っているのだろう。
空腹を感じるのは胃の中がからっぽだからではなく、
血糖値が下がるかららしい。
外にいるいる時にハチミツを買っておいた。
小さなプラスチックのボトルから飲む姿は
まるでウィスキーをあおっているみたいだ。
明日は朝5時15分に迎えが来るらしい。
パッキングを途中まで済ませて早めに眠ることにした。
いよいよ明日から船旅の始まりだ!

とりあえずニャンコ。
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シミさん
腹痛、大丈夫ですか?
なるべく食べずに胃腸を休めると良いですよ。
さすがに偏食を余儀なくされた生活がたたって、内臓がギブアップしちゃったんでしょう。
ボクもインスタント食品とか食べることがつづくと、すぐ体調が悪くなるんですヨ(〃´o`)=3
あと、海外は「キナ臭い」ことが多いんでしょうから、身体も心もストレスにさらされてなかなか休まりませんよね?
国際情勢も何だかやばそうですし、早めの帰国をされた方がいいのでは・・・なんて勝手に心配しています。
>ウタさん
コメントありがとうごあざいます。
今は朝食だけは抜く「一日1.5〜2食方式」に変えて
大分回復しました。
ただし、バナナチップスの食べ過ぎで口内炎ができちゃいましたよ。
日本食も恋しくなって来たので、2〜3月には帰国です。
あぁ〜〜〜〜…味噌汁飲みてぇな。