世界一周212日目(1/26)
レストランから
見え少し離れた場所にある
大きな岩のてっぺんに建てられた奇妙お寺。

もしかしたらあそこへ行けば
最高の眺めなんじゃないだろうか?
フォート(要塞)の入場料400ルピー(659yen)が
どうしても払えない僕は、
この街を見下ろすことのできる別の場所を探していた。
よぉし!今日はあそこへ行ってみよう!

朝食はガッツり食べてしまう。
いつものところでサモサ・サンドから始まり、
インド・チャーハン(プロウ)を食べて
シメのチャイとお菓子は忘れない。
近くの売店で見つけた
パイ生地の中にクリームが入っている
コロネのようなお菓子(5ルピー/8yen)が美味しかった。

ヤバい…。ぜってえ太ってる。
ブラウンの街を抜け、
あの奇寺に向かって進んでいく。

ジョードプルは少し歩いただけで
ガラっと町並みが変わってしまうのが面白いな♪
さぁてあの奇寺はどこかなー…?

わんこ。

「箱入り娘」ならぬ「桶入り娘」だ。

良い笑顔してんぜ!

オシャレなヤギだ。


あれ?あんなに遠かったっけ?

いつの間にか線路を越え、
大きな通りをいくつか通り過ぎたが
一向に目標う物は見えて来ない。

フォートを背に西に向かって進んで来たつもりが、
少し高い場所に立って後ろを振り返ると、
変な場所にフォートと絶壁が見えた。
おかしい…。
時空が歪んでいるとしか思えない。
…そうか!分かったぞ!
僕、方向音痴だった。

ここで少し弁解させて欲しい!
目指す奇寺は大きな岩の上に建ってるし、
目立つこと間違いなしなのだが、
ごちゃごちゃした街の中では
目標物を確認することができない。
おまけに街の中では思う様に進むことができない。
あっちへ曲がり、こっちへ切り返し、
どんどんずれた方向へと進んでいるのだ。
あのお寺は蜃気楼かなにかなのか!!??
何回も人に訊いて、
自分が変な方向に来てしまっていることに
ようやく気づいた。
僕は回送バスに乗ってターミナルまで戻ると、

靴の修理屋を見かけた。

今履いているKEENのシューズ。
靴擦れのせいで右足側の一部がボロボロになって
中のスポンジがむき出しになっていた。
一応防水使用の靴だけど、
破れたところから浸水してくるのも嫌だし、
このまま放置しておけば
もっとボロボロになってしまう。
「ここ、修理してもらいたいんだけど、いくら?」
「20ルピー(33yen)」
安い。良い機会だからここで直してもらおう。
横ではお客さんが片方靴を脱いで、
修理屋の仕事が終わるのを待っている。
だが、
修理屋は腕がそこまでよくないのか、
靴ひもを穴に通すのに苦戦しているようだった。
テープでコーティングされている靴ひもの先端は
無理やり穴に通すもんだから
ボロボロになってしまている。
それにもかかわらず、
修理屋は無理矢理靴ひもを通そうと躍起になっている。
横で見ているお客さんの表情が曇る。
こ、ここで直すのやめようかな?
「ちょっと時間かかりそうだから、
もう行くね」
「や!待て!」
やりかけの仕事そっちのけで、
修理屋は僕のシューズを直し始めた。

オイオイ、いいのかよ?お客さん待ってるよ?
まぁ、僕としてはすぐに直してもらうのは
嬉しいんだけどさ…。
破れた部分を覆う様にパッチを当ててくれと
お願いしたのにも関わらず、
修理屋は破れた部分を閉じるように塗って
それで修理終了。5分とかからなかった。

むう…。
まぁ修理する前よりかはマシか。
そして修理屋は再び先端が
ボロボロになった靴ひもを
無理矢理通そうとするのであった。
お客さんの表情は曇ったままだ。
「あのお寺には
どう行けばいいの?」
靴を修理してもらった後、何回も人に尋ねた。

英語で簡単に説明しても
よく分かっていないようだったので、
一眼レフで撮った写真を見せると
「ああ!あの寺ね!」と言って
あっちだのこっちだの教えてくれるんだけど、
やっぱり奇寺には辿り着かない。


街の中からだとあの大きな岩すら見えないのだ。


そして気づいたらフォートにいた。


なぜ!!!??

うん。そうだ
時空がねじれて
いるに違いない。
フォートには入らず、近くから街を見下ろす。

くそう…。
やっぱりフォートに入らないと
最高の眺めを拝むことはできないのか?
自分の部屋で
少し休憩し、レストランで
新しい漫画のネーム(漫画の構想)に入る。
大学2~3年生の時に所属した
ごみゼロナビゲーションの漫画を
描いて欲しいと仲間から依頼があったのだ。
去年の年末に依頼を受け、
何稿ネームを描き、やり取りをし、
今回もらったメッセージによると
ページ数が4ページから5ページになり、
本の体裁も変わったそうだ。
日本の漫画と同じの右綴じ。
簡単でいいので
もう一度下書きして欲しいとのこと。
自分の描く漫画だったらネームなんて描かない。
ノートに構想を書いて、そのまま原稿用紙に
下描きを始めてしまう。
だが今回は頼まれて描く漫画。
入れなくちゃならない要素が沢山あるが、
ページ数は限られている。
ノートに構想を書く。
どこが描かなくてはいけないシーンで、
どこは抑えたり削る部分なのか。
前回よりも良いものを描きたい。
だけど、どうしても
上手く締めくくることができない。
考えてるようで思考停止。
一体どう締めたらベストなんだ?
仲間はどう締めて欲しいんだ?
正解を求めるがあまり、
下描きの下描きであるネームすら着手できない始末。
時間だけが過ぎていく。
『ちょっと待て!ちょっと待てよ?
ネームってあくまで「下描き」だろ?
ミスってもいいものだろう?
納得いかなかったらまた直せばいいじゃないか。
なにをおれは固まってるんだ?』
そう思考を切り替えてようやく
コピー用紙にネームを描き始めたのだが、
どういうわけかペンがノらない。
同じ2Bの芯を使っているのにもかかわらず、
描き味がいつもと全然違う。
『あれ?おれってこんなに絵が下手だったけ?』
なかなかイメージするように絵が描けない。
音楽を聴いたりしてノろうとしても全然ダメ。
逆に音楽がうっとおしく感じてしまう始末。
とりあえず2ページ描いて
その日の製作は切り上げた。
バスキングに出かけると、
今日の路上はいつもよりも静かだった。
交通量も少ないし、唄いやすい環境。
だけど人も少ない。
まぁ、そういう日もあるさ。
自分の出す音を確かめながら唄えるのもいいじゃないか。
唄わせてもらっているカフェで挨拶をして
気持ちよく売ったっていると、
いつものように集まってくるガキんちょ共。
「ヒンドゥー・ソング!」
としつこくリクエストしてくるので
「Party on the night」を唄ってやると、
ますますガキんちょどもは盛り上がり、
何人か大人も聴きに来るようになった。
だが、それと同時にカフェにも
お客さんが入るようになってきた。
ここのロケーションは人が集まると
営業妨害になりかねない。
「悪いけど、今日はおしまいにしてくれ」
お店のスタッフにそう言われてしまい、
この日は宿に引き上げた。
そういう日もある。
きっと町田あたりで
時空のゆがみが発生しているんだろう。
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うーむ。描けない時にはどうしたらいいんだろう?
魔女の宅急便に出てきた画家の女のコは
「描く!それでも描く!」って言ってたっけ?
それでもダメなら何もしない。だったかな。
まだ描ける。てか描かなきゃ前に進まない。
ほんとうにメンタル面では
トップアスリートを見習うところがあります。
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