「コチャバンバ」

▷11月10日/ボリビア、コチャバンバ

 

 

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ラパスの街を離れた僕がやって来たのはコチャバンバという町だった。

ここへやって来た目的はお墓参りだ。

 

 

日本で一緒にドリフトをやることになっている仲間の”るりこ”の友達のお墓がこの町にあるというのだ。

彼女は僕がボリビアにることを知ると、代わりにお墓参りに行ってくれないだろうか?と僕に尋ね、僕はそれを引き受けた。

 

 

 

コチャバンバに到着したのは朝方6:00過ぎにだったが、話に聞いたところによると、人気の少ない時間帯は治安が悪いらしい。

 

 

僕はひとまず、次の目的地であるウユニまでの行き方を調べようと思った。

ターミナルにはインフォメーション・ブースがあり、そこで一人の女性スタッフが熱心に券にスタンプを押していた。

僕が「ペルミッソ(すいません)」と声をかけると、ものすごい不機嫌そうな顔で「今仕事してるんだから!」というようなことを口走った。

そんな彼女から聞き出せたことは、ここからウユニまで直通のバスはなく、オウラという町で乗り換えればいいらしい。

彼女の対応がものすごく悪かったので、別のバス会社のスタッフにも確認をとった。陽気な男性スタッフは「オウラに行けば夜行バスも出ているさ!」と移動にかかる所要時間さえも教えてくれた。

ったく、さっきのヤツとは大違いだぜ。どうやら、コチャバンバからオウラまでは4時間で行くことができ、オウラからウユニまでは8時間で行けるらしい。

 

 

移動の目安がつくと、ぼくはバスターミナル併設のカフェで5ボリ(¥89)のカフェ・コン・ラチェを飲みながら時間をつぶした。ショルダーバッグはちゃんと足元に置いて。

ってもう貴重品と呼べるものはほとんど入っていないけど。

 

 

 

 

 

 

10:00を過ぎると僕は墓参りに行くことにした。

墓地はバスターミナルから7kmほど離れた場所にあった。町の中心地まで歩けばそこからバスで一直線で行けそうだ。マップアプリを確認しながら僕はセントロを目指した。

墓地はまで一直線に続く道に出ると、僕はやって来たバスに「ラ・コンコーディアまで行きたいのですが」と尋ねた。

まさか訊いたバスが一発で墓地はまで行くバスだったことには驚いた。

 

 

 

バスはセントロを離れた人気の少ないのどかな場所へと入っていった。なんどか道をくねくねと曲がり、墓地の入り口の前でバスを降りることができた。

墓地の前には二軒ほど花屋があり、僕はそこで5ボリで適当に花をつくろってもらった。黄色い花束に一輪の白い花。それを手に持って僕は墓地へと入っていつまた。

 

 

 

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ボリビアの墓地は日本のものと違い、のどかで心落ち着く雰囲気だった。天気がいいせいもあっただろう。

僕はるりこに教えてもらった目印を探そうとした。だが、そこには目印となるようなものはほとんどなかった。地面に立つ墓石はほとんどなく、地面に墓標が埋まっているので、どこも同じように見えてしまう。

広い墓地からたったひとつの墓標を探し出すのは困難だった。

 

僕は墓地の清掃員に場所を尋ねると、清掃員は僕を事務所のような場所まで連れて行ってくれた。

パソコンの前に座った事務員のような男性が名前を打ち込むとすぐに場所が特定された。彼は小さな紙に何か書き込み、それを清掃員に渡した。

清掃員は僕の代わりに墓標のある場所を探してくれた。幸い事務所のすぐ近くにあったので見つけ出すのに時間はかからなかった。

 

 

 

 

そこには確かにるりこから教えられた名前が刻まれた墓標があった。数日経っているが、花束がふたつ供えられていた。

僕は先ほど買った花束を墓標の名前が隠れないようにして置いた。

今、ここに眠っている人物が男か女かも分からない。”Fabiana”と書いてあるから女のコだろうか?

彼女がどのような生涯を送って、どのようにその命を終えたのかを訊くのは、野暮なような気がした。それでも、きっと、短い一生だったんだろう。まだ生きたかったよな。当然だよな…。

 

 

僕は日本にいるるりこの代わりに今ここにいる。

誰かが今も君のことを想ってるんだね。

 

 

「じゃあ、またいつか」

 

 

 

なぜだか分からないけど、そう口にして僕は墓地をあとにした。墓地の前からバスに乗り、僕はコチャバンバのセントロへと戻ることにした。

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すぐにオウラ行きのバスに乗っても、向こうで時間を持て余してしまうのではないかと考えた僕は、コチャバンバの町をぶらつくことにした。

これといって特に面白いものは見つからなかったが、大きなメルカドでご飯を食べ、そこでパフェも食べた。ラパスでもそうだったが、メルカドでは安くパフェが食べられるみたいだ。チョコレートパフェで8ボリ(¥143)。女のコたちが美味しそうにパフェをほおばっていた。

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コチャバンバには大学もあり、僕はキャンパス内をぶらついてみたりもしたのだが、ここもさして面白くはなかった。僕はのんびり一息つけるカフェを探していたのだ。

 

街歩きをしているとどうも食が止まらない。美味しそうなものを見つけてはちょいちょいつまんでいった。

いくら100円以下の食べ物でも何度も口にしてれば出費もかさむ。いやさ、ボリビアってけっこう安いんすよ。

 

 

 

 

15:00にバスターミナルへと戻った。荷物は預けてあったので、今手元にあるショルダーバッグとギターを体にからませて、ベンチで昼寝をとることにした。

僕は16:30のバスに乗ろうとしたのだが、なぜだか17:30のを買わされた。そして、券を買って本日二杯目のコーヒーを飲んでいる時に気がついた。

 

 

「あれ?これってもしかして、ウユニ行きのバス乗れないんじゃね?」

 

 

 

 

 

 

 

17:30のバスは30分遅れて出発したばかりか、別のバスターミナルで乗客を乗せたりしたため、なかなか町から抜け出さなかった。

いやいや、今は絶賛ポジティブ・シンキング週間なんだ。後ろ向きなことは考えないぞ!

 

 

日はどんどん沈み、気づいた時にはバスは夜の山道を走っていた。

うん。そうだよね。ここはボリビアだもんね。遅れることは当然じゃないか。それに夜行バスって言ったって何時に出るか分からない。さっきのバスターミナルを見た感じ、最終バスは23:00くらい…。

あーーー…、これ、ウユニ行けないかもぉぉぉ〜〜…。

 

 

 

 

 

 

結局オウラに到着したのは22:45だった。何が4時間だよ!

僕はダッシュでバスターミナルに駆け込みウユニ行きのバスを扱っているブースを探したが、「UYUNI」という文字はあれど、どこのブースもシャッターが降りている。だぁっ!くっそ!

念のためターミナルのスタッフに片っ端からウユニ行きのバスがあるから尋ねたが、みな困ったように首を振るだけだ。

 

 

 

「ポトシィィ〜〜〜!ポトシィィ〜〜〜
‼︎」

出発前のバスの行き先が叫ばれる。ポトシはウユニの150kmほど手前にある町だ。そこで乗り換えができるはず!

ええいままよ!と僕はポトシ行きのバスに飛び乗った。

 

 


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