「ホワイトボードに落書きを」

1月14日/オーストラリア、メルボルン、製作2日目

 

 

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昨日はスケートパークの横で寝た。

こう書くとなんだか清志郎の歌詞みたいだな。

 

朝起きると外には小雨が降っていて、こんな天気でコンクリートも滑って危険だろうに、地元のティーンエイジャーたちが三人ほどヘルメットをかぶってスケートパークにやってきていた。これから彼らは学校なのだろうか?いずれにせよ。

雨が降る日ってのは都市型キャンパーのとってはなかなかやっかいな日なのだ。こんなムシムシと暑い夏のオーストラリアで雨まで降るのだ。悪態だってつきたくなる。

 

9時前には雨脚はだいぶ弱まってくれた。

僕はセブンイレブンで2ドルのラージサイズのフラット・ホワイト(コーヒー+ミルク。「ラテ」とはミルクも量が違うらしい)、仕事先のオフィスまで足を運んだ。

もちろん僕の格好はバックパックを背負って前にはショルダーバッグを下げ、手にはギター(それもケースのジッパーが壊れてアコギがむき出しになっている状態)でオフィスの中に入っていくわけだ。普通だったら門番やセキュリティに止められてもおかしくない格好だ。

 

入り口のドアを開けるとすぐにエレベーターに乗れるようになっており、各フロアはカードキーがないと入れないようになっているので、部外者が来れるのはオフィスの前までということになる。

そしてシステムパートナーズのオフィスワーカーたちはこんなホームレスみたいな格好をした僕にフレンドリーなのも嬉しい限りだ。

今日で壁画漫画製作二日目。昨日は一枚目のホワイトボードの1/3ほど描き進めた。今日はその続きからだ。

 

 

 

ホワイトボードに漫画を描くわけだから、下書きというものは存在しない。頭にイメージを浮かべて線を描いていく。ただ、ペンキと違うのは何度でもやり直しがきくということだ。思い通りも線が描けないと何度もやり直した。

 

 

ちょっと前だけど、キム・ジャンギ(Kim JunGi)という漫画家を発見した

「世界一上手い漫画家」と呼ばれ、2013年くらいから日本でもネットで話題になっていた韓国の漫画家だ。僕は彼のことをイラストレーター(絵師)だと思っている。原作者をつけて「スパイゲーム」という漫画は描いていたみたいだけどね。

 

彼のすごいところは、下書きなしで絵を描くことにある

それも複雑なパースを使った精密な絵を描くのだ。しかもしかも!彼の描く春画もかんなりエロい!ちゃんと彼なりのデフォルメもきいているのでオリジナリティもある。僕は密かに「ジャンギ先生」と呼ぶことにした。

 

 

今僕がやっているのも、ジャンギ先生のライブイラストに通ずることがある。彼は筆を使用し強弱のある線を引いているが、こっちは極太のマーカーのみ。線の強弱を出すために何度もなぞったりした。

絵を描いていると時間はあっという間に過ぎた。もう外へバスキングに行くこともやめた。休憩がてらにセブンイレブンにコーヒーを買いに行ったり、スーパーに食事を買いに行く程度だ。

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今はこの壁と向き合うことが僕のすべきことだと思う。

壁画漫画の依頼人であるバレットは、野宿している僕に気を利かせてオフィスで寝泊まりできるように計らってくれた。

マジで助かった。スプリンクラーに叩き起こされるのはもうこりごりだったからね。

 

 

今日は一枚目の壁画漫画の完成だ。

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