世界一周210日目(1/24,50th day of india)
子供たちが
宿の裏通りを楽げに駆け回る声で目が覚めた。
ここはインド北西にある青の街、ジョードプル。

歯を磨いて顔を洗い、
服を着替えて朝食を食べに外に出る。


昨日と同じ時計台の向こう側にある屋台で
インド・チャーハン(「プロウ」)を食べた。
20ルピー(33yen)。
他にもサモサ・ブレッドやら、
おせんべいのようにポリポリして
カレーにからめて食べるやつやら、
朝メシをがっつり食べて宿に戻り、
向かいの建物の2階にあるレストランで
漫画製作に入る。
今日でベタ塗って完成だ!
そしてらこの街を散策しよう。

それにしても、
ここ「Hill View guest house」には
韓国人の宿泊客が多い。
いや、
ジョードプルにいる韓国人が沢山いる。
ここで見かけるアジア人の
ほとんどは韓国人かもしれない。
この宿に泊まっている韓国人兄さんに
韓国版「地球の歩き方」を見せてもらったけど、
日本のと違い有益な情報が詰まっている感じがした。
きっとこの街は、
韓国のガイドブックで有名なのかもしれないな。

温かくなってきた11時から
ブラックコーヒーをお供に漫画製作を始め、
途中休憩を挟みつつ、
14時半でようやく短編が完成した。
いつも短い短編を描くけど、
一本終わると達成感があるし、気持ちがいい。
固くなった腰や肩を伸ばし、
ジョードプルの街を見下ろす。
ほんとうにここは気持ちがいい宿だ。
ギターを抱えて屋上に出た。

ジョードプルの街を見渡しながら唄う。
屋上で唄う僕の姿に気づいた
近くの家のにいちゃんが、
自分の家からギターを持ち出してきて
弾く真似をしていたのは面白かった。
そのあとは、Wi-Fiの感度がいいレストランで
ブログの更新をした。
ちょととずつだけど、
リアルタイムにおっついてきたぞ。
日が傾き、
16:30になってバスキングへと出かける。
まずは毎回3曲ぐらい終えた後に
変な味のする胡散臭いタバコを一本くれる
売店の前でアップがてらの演奏。

ここで僕は
「歌のお兄さん」
と化している。
演奏を始めると
ガキんちょたちが数人群がって来て、
ぺちゃくちゃと騒ぎ立てる。
そして何人か大人が遠巻きに見物する。

だいたいそんな感じだ。
みんなテンポの遅い曲よりかは
アップテンポのものを好み、
何人かは必ず
「ヒンドゥー・ソングを歌ってよ!」
と言ってくる。
「ごめん、悪いけど知らないんだ。
日本語のカバーソングと
英詩のオリジナル曲だけだよ」
と言っているのにも関わらず
「ヒンドゥー・ソング!」とリクエストしてくる。
中にはスマホやケータイに入った音楽を僕に聴かせて、
その曲を唄うように言ってくるヤツもいる。
ヒンドゥー・ミュージックって
弾き語りの様な音楽じゃないんだよ。
たぶんそういうのもあるんだろうけど、
メジャーなのはドコスカドコスカする音楽ばかり。
「ヒンドゥー・ミュージック!」
演奏中にも関わらずせがんでくるガキんちょども。
「いや、だからー…」
「プリーズ!
ヒンドゥー・ソング!
プリーズ!」
だから知らねえって言ってんだろうがよぉおぉぉぉおおお!!!!

そして出来上がった名曲が
「Party on the night」
誕生日の日に僕が唄った時も、
宿のママが「パ~ティ・オンザ・ナ~イト♪
パ~ティ・オンザ・ナ~イト♪」と
むちゃぶりをしてきたので
即興で作ってやった。
EコードとAコードを延々とリピートするだけ、
歌詞と原曲のワンフレーズの音程しか合っていない
ほぼオリジナル曲。
歌詞はその時、即興で英語で唄う。
バスキング3日目となると
顔なじみのガキンちょが出てきて、
いっつも「Party on the night 歌ってよ!」と
リクエストしてくる。
それ、君がここに来る前に唄わされたから。
もういいでしょ?
「ねえお願いだよぉ。
Party on the night」
一回唄っても、しばらくすると
またこの曲をリクエストしてくるのだ。
なんでそこまで好きなんだよ…?
てか原曲知らないし。毎回違うし。
カフェの前で毎日唄っていいよと
言ってくれたオーナーに至っては、
「ラブソング歌ってよ」とかリクエストしてくる。
つってもなぁ…。
ラブソングで僕が唄える曲って言ったら
ウルフルズの「バンザイ!好きでよかった」しかないよ。
でも、ここは唄わせてもらってるんだし、
そのリクエストに応えるのがパフォーマーの努め!
即興で3コードくらいのリピートで
ミドルテンポのラブソングを作った。
簡単な英詩をギターを弾きながら唄っていく。
もはやラップの即興性に近い。
「じゃあ、
そろそろ宿に帰ります。
今日も唄わせてくれてありがとう」
「まぁまぁ、
中でチャイでも飲んでいきなって」
「は、はぁ。あざっす」

ちょっとお金も入ったことだし、
ご飯も頼むか。
「じゃあ、
別注文でベジ・ビリヤニ」
「ボスがお代はいいってさ」
タダメシ、ゲットです!

チャイだけならまだしも、
ご飯までごちそうになるなんて
ちょっと申し訳ないなぁ。
ここは日本人としてお金を
払うそぶりだけでもしておかなきゃ払っとかなきゃ。
「いいって。いいって♪」
カフェのオーナーは他のお客さんと
テーブルでお喋りしながら、
振り向き様に親指を立てた。
「さ、Thank you very much!!!」
お腹を満たし
宿に戻って写真整理をした後、
Wi-Fiをキャッチしに外に出ると
宿のファミリーがジャケットを着て集合していた。
「今日はダンスパーティーがあるんだけど
シミも行く?みんなも行くよ。」
「なにそれ!行く行く!」
時刻は21時過ぎ。
宿泊客で行くのは欧米人のお姉さん2人と
韓国人の女のコ、それと僕。
ガキんちょの案内でママたちよりも
先に来過ぎてしまった僕ら。

オレンジ色の蛍光灯が
なんとも言えない雰囲気を醸し出している。


な、ナンパされてる!!!

狭い路地を抜け、
こじんまりとした建物にママたちは入っていく。

ここでダンス・パーティーがあるの?

建物の屋上。
簡易的なダンスフロア。

そうかここ数日深夜まで鳴り響いていた音楽は
ここから聞こえてきたんだ。
お姉さんのセクシーなダンス。



もうカメラ小僧の僕。
ここにいるだけで楽し過ぎて顔がニヤける。


なんかちっちゃい子、
さっきから乱入してるし!


最前列でノリノリの音楽に頭を揺らしていたら
近くにいたにいちゃんがフロアに上がるように
僕の腕を掴んだ。
「い、いやぁ、
いいよ。僕はここで。
だってほら?
今お姉さん踊ってるじゃん?」
「いいから!いいから!」
はい!
あなたならどうする?
①日本人としての自覚を持ち、
場を乱さないために遠慮する。
②断ることで逆にしらける場合がある。
ここは空気を読んでフロアに上がり、
少し踊ってすぐに退散する。
③えっ?いいの?踊っちゃうよ?
おれ、踊っちゃうからね!
言うまでもなく「③」(笑)。
仮にも僕はエンターテイナー。
やってやんよ!
フリースと帽子を脱ぎ、
最初はメガネをかけたまま踊ってたんだけど、
ええいっ!メガネも邪魔だ。
あっ、そっとね。
大事に扱ってくださいよ。
踊っているお姉さんに負けないくらいの
ダンスっぷりを発揮してやった。
曲が変わる効果音をそうだとは知らず、
3曲くらいぶっ続けでダンス。
てか…誰か止めて…。


一緒に来ていた韓国人の女のコが
荷物を見てくれていた。
ちょっと気になったんだよね。
夢中になり過ぎて荷物盗られたら
シャレになんねえぞって。
「あんなダンスするなんて、クレイジーね!」
「うん。知ってる!」
苦笑いする韓国人の女のコ。
その後もセクシーなお姉さんたちのダンスは続いた。
てかガキんちょども、
こんな遅い時間に超真剣に見ている。
こうやってエロが鍛えられるんだな。

なんだろあの子。衣装が可愛いな。


『いつかはあたしも…』


そしてお姉さんがフロアから降りた後、
男どもが咲き乱れた(笑)


お姉さんのダンスはけっこう上手かったが、
男どものダンスはそこまで上手くない。
時々ぐだぐだ感がある。けど、楽しそうだ。
この白シャツにジャケット合わせている人は、
「いやぁ、おれはいいって!」ってフロアに
無理矢理上げられたと思いきや、
一番ノリノリで踊ってたから(笑)

『さっきのは演技かーーーっ!』って
心の中でツっこまずにはいられなかった。
その後、またフロアに僕は
上げられることになった。
くっそ…楽しいじゃねえか!
そしてやって来たのは王子(笑)。

体中に10ルピー札を散りばめている。
「この中で一番の美女をつれてまいれ!」

「あの子なんていかかです?」

目つきがエロい。
そしてー…
王子はフロアで一番の美女を
めとりましたとさ。

何やら今日は結婚式前夜祭みたい。
王子は明日結婚なんだって。
聞いた話によると、このお祭りは
一週間くらいあるらしい。
明日、結婚式があるそうだ。

へー。そうなんだ。
運いいじゃん!僕!
フロアの後ろの方で軽くステップを踏んでいると、
宿のママがこう言った。
「あまり調子に乗ると
馬鹿だと思われるわよ!」
ば、馬鹿…。
いや、バカですけど、アホですけど、
宿のママからストップがかかったため僕は
それ以上フロアに上がることはなかった。
まわりの男たちは
「ナイス、ダンス!」と声をかけてくれた。
でもさ、バカになんないと楽しめないっしょ?
めちゃくちゃ楽しんでるのは
「恥ずかしさ」や「ためらい」といった
頭のリミッターをはずしちゃったヤツに決まっている。
ナオト・インティライミの言葉借りるなら
「Catch the moment!」
「この瞬間を逃すな」だ。
踊らにゃ損、損♪
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そしてこの後、僕は眠たい目をこすりながら
ブログの下書きをするのでした。
ほんとうにこの街は楽しいや。着たタイミングがよかった。
ジョードプル。インドで一番好きな街になりそうです。
一番見晴らしのいいフォートの入場料、くっそ高いけどね!
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