「初見」

2月25日/台湾、台北

 

 

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ベンチの上で目を覚ました。

もう屋外であれば大抵の場所で寝れる気がする。

 

ビュンヒーにもらったタバコの最後の一巻きを吹かすと僕は街へ出るこ

とにした。事前にちゃんとGoogleマップで行き方を調べてね。

市街の一番大きな駅である台北駅まではバスで行くことができるようだ。値段もあまり高くなかった。125台湾ドル。約430円。

 

 

台北駅に到着すると、僕は適当に中心地らしい場所に向かって歩き始めた。

ビルの群れやごちゃごちゃした看板を見ていると歩いているだけでワクワクした。それに野宿のしやすそうな空き地や公園が台北にはいくらでもあった。

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途中でパンやら小籠包を買って食べてみた。

ここに来て一気に食事が美味しくなったような気がした。それも日本に比べればかなり安いのかのだ。気をつけていなければ太ること間違いなしだ。

 

そして見つけてしまったのが、僕が日本にるときに愛煙してきた「CASTER(キャスター)」だ。

しかーーーも!お値段なんと110元!日本円に換算すると約380円。おいおい日本より安いじゃねえの!

僕はソッコーでキャスターの5ミリとライターを買ってしまった。オーストラリアにいたころはせいぜい人から勧められて吸うくらいだったのに、完全な喫煙者に逆戻りだ。さ、、、30までには辞めるよ?

 

それでも僕はどこか幸せな気持ちだった。

キャスターは僕が23歳の時のバイト時代に初めて吸ったタバコだ

当時はバイト先の新店舗ができるということで、工事に駆り出されていた。昼食休憩のときに後輩のオノくんがいい匂いのするタバコを吸っていたのがきっかけでタバコを吸いだしたのだ。まぁ、バイト先もストレスフルだったからね。

キャスターを吸うと日本にいた頃の自分を思い出した。タバコは旅に出てから吸ってはいたが、ほとんどが安い銘柄だった。キャスターを吸うのは二年八ヶ月ぶりということになる。

 

 

 

あの時はーーー、

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いつもバイトから帰ってきて、自分の部屋の窓際に腰掛けてプカプカとタバコを吹かしていた。

Sim Redmond BandやらCarly Giraffeの音楽。夜の香り。当時読んでいた世界一周ブログ。これから始める自分の旅のために準備していった装備品たち。机の上に置かれた描きかけの原稿用紙とか。

いつだって世界一周に対して夢を描いていた。一体自分はどんな旅ができるんだろうって胸を躍らせていた。

自分がアウトサイダーで、社会のレールから逸脱しているなんていう憂いは全く感じなかった。

今が一番自分の人生を生きている。そう思えた。

あまりパッとしない人生をそれまで送ってきた僕が、やっと自分の人生を生きている、そんな気がしたものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は街歩きを再開した。もちろんバックパックも一緒に。

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台湾にはいくつか有名な日本人宿があるのだけれど、そのどれも1500円くらいが相場のようだ。

ただ、台湾の宿には「長期滞在割引システム」というものがあり、一週間から一ヶ月単位で泊まることにより宿代を安くすることができるみたいだ。

だが、そこまで僕は一箇所に長く滞在しないだろう。治安もいい国だ。野宿でも全然大丈夫だろう。

 

 

 

この時僕が向かっていたのは「101」と呼ばれる世界貿易ビルだった。

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使っているマップアプリ「Maps Me」では市や街の名前をタップすると、その中心地にピンが落ちるようになっている。どういう基準でそこにピンが放たれるのかはわからないが、そこが街の中心地なのだと僕は信じきっていた。

中心地(らしき場所)へは地下鉄を使って簡単に行くことができるのだが、僕は歩いて向かうことにした。3kmくらい離れているのにもかかわらず。

 

どういうわけだか、新しい土地へ行くと「街歩きがてら」ということで2〜3kmくらいなら歩いて行こうというバカな癖が僕にはある。

それで半分くらい歩いた時に体力を消耗して『なんでおれはこんなアホなことをやっているのだ?」と後悔するのだ。

今回もまるで同じだった。街歩きするんならせめて荷物は宿に置こうよ?

 

 

久しぶりに買った箱で買ったタバコをバカスカ吸い、冬だというのにじんわり汗をかいて僕はどこか公園の石垣に腰を下ろしていた。

歩いてみた感想だが、どこもバスキングができそうな場所はないように思われた。

大通りから細い路地へ続いており、人はいるが、まとまった人の流れのようものはない。台湾はバスキングのやりやすい国だとは聞いたけど、一体これのどこがそうなのだろう?

 

 

それでやっとの思いで「101」へとたどり着いたのだが、そこもバスキングができそう場所ではないように思われた。

僕は探しているのは歩行者天国のような場所だったが、そんな場所は101のあたりには見当たらなかった。

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路上パフォーマンスにおいて、僕はあまり事前に情報収集することはしない。基礎知識程度のことえお押さえておいて、あとは自分の足で自分のバスキングのしやすそうな場所を探すことにしている。

この時ばかりは情報を知らなさ過ぎた。

台北は小さいようでデカい。日本のように人の集まるエリアが分散しているのだ。あとから知ったのは101の地下鉄付近はバスキングのいいスポットとなっているということだった。

 

 

 

 

僕はバスキングのやれそうな場所を求めて台北の街をさまよった。

 

セブンイレブンやファミリーマートなどのコンビニが腐るほどあり、飲食店はそれよりも多い。代わりにスーパーマーケットが見当たらない。確かにここは外食文化の国みたいだ。

 

そして日本語の表記の多さもカルチャーショックのひとつだった。

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確かに台湾は日本に植民地化されていた背景があり、その後は良好的な関係背を築いていき、日本のカルチャーが発信されているということは知っていたが、まさかここまですごいだなんて。

日本人が英語表記をカッコいいと思っているように、台湾人は日本語を同じように思っているみたいだ。コンビニの有線で時々日本語の歌詞が聞こえた。

 

ここはまるで小さな日本人のようだった。

話されている言語は違っていても、道行く人々の顔は日本人とほとんど同じだし、馴染みのある店がそこらじゅうにある。もし僕がいくらか中国語さえ話せればここに住めるんじゃないかって思うくらいだ。

 

それにやはり人が暖かい。

初対面の人間に対するバリアーみたいなものがあまり感じられなかった。

例えばコンビニで英語の単語を使って「コーヒー、アメリカーノ!スモールサイズ、プリーズ」と言ったとしよう。まず日本だったら間違いなく『あ?なんだコイツ、うぜぇ』みたいな顔をされるか、伝わったとしても業務的にコーヒーが出てくるだけだろう。

だが、台湾ではそんな冷たさを感じることはない。僕が小銭を取り出そうともたついている時ですらピシピシした空気感は感じないのだ。

まぁこういうのって、平均的な問題で、もちろんなかには「カッタリィ〜」って露骨に顔に出ているヤツもいるんだろうけどね。それにここでは僕は外国人だからってのもあるだろう。

そもそも、彼らが僕を日本人だと識別するのは簡単だ。中国語の話せない自分たちと同じ顔をした東洋人であれば、その人間はほぼ間違いなく日本人だ。

 

 

 

 

三時間くらい台北の地上をさまよって僕は地下道に入ってみることにした。

そこにはバスキングにピッタしの地下道が広がっていた。あまりに綺麗すぎて間違いなく怒られるだろうなと思ったくらいだ。

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だが、バスキングはトライアンドエラーだ。やってみなくちゃどんなレスポンスが得られるのか分からない。

地下鉄の地下道で始めたバスキング。人々がチラチラと視線を投げかけてくるのが分かる。30分くらいで最初のお客さんが僕に似顔絵のオーダーをくれた。

僕が絵を描いている最中に警備員がやって来て、僕にストップをかけた。僕は揉め事のないように「これを描いたらすぐに撤収します」と半分くらい荷物をまとめて作画を再開したのだが、別の警備員を呼ばれてしまった。

二人目の警備員はかなり威圧的で罰金でも喰らわせるんじゃないかってくらいプリプリと怒っていた。似顔絵を描いた二人が足止めしてくれなかったらちょっと面倒くさいことになっていたかもしてない。

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時刻はまだ17時でバスキングをやるにはまだ少し時間があるように思えた。

僕はZARAの前にいい感じのアーケードを見つけたので、そこで路上漫画を再開することにした。そこで受取人の来なかったケアンズの似顔絵が売れ(誰かの似顔絵を買うってどうなんだろう笑)、また別のオーダーが入った。

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調子も良さそうに思えたのに一時間もやらずにまた警備員が現れてた。

なんと地上にも警備員が現れるのだ。おいおい、これって台北のバスキングって相当キツいんじゃないの?

 

 

 

 

「淡水」という場所が、いいバスキングスポットだと書いてあったので、僕は夜のうちにそこへ行ってしまって、野宿は淡水ですることにした。

ありがたかったのは二十四時間営業という狂ったとしか思えたない飲食店の風習が台湾にもあったことだ。

 

僕は淡水のマクドナルドで深夜12時まで時間を潰し、小さな公園でテントを張った。

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4 件のコメント

  • 初めまして、高雄に来る予定はありますか?高雄まではバスが安いみたいです。

    • >takaさん

      ごめんなさい。
      今は台湾にはいないんですよ。

      機会があればお会いしましょう!

  • ついに旅もラストスパートですね!!
    日本では駅やショップ前でバスキングする人はいないので、街中で沢山のバスカーがいることが想像つかないです笑

    罰金食らわない程度にバスキング頑張って下さい(^^)
    良い出会いがありますように〜

    • >じゃっきーさん

      なんだかんだ、台湾のバスキングは最高でした!
      けっこう、ブログがリアルタイムから離れてしまったので
      乱暴に連投しようと思います!

      台湾、好きだ!

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