「休憩620円」

3月2日/台湾、台南

 

 

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いつものように市民プールにシャワーを浴びに行くと、日本語の(ほんの少し)喋れるキュウさんというおっちゃんが僕に話かけてきた。

市民プールのおっちゃんの何人かとは顔なじみだ。髪のクソ長いホームレスがやって来てたって、気持ちのいいスルースキルを持って僕を放っておいてくれる。まるで僕がそこにいることが元からそうだったように。

 

キュウさんは今日の僕の予定を訪ねてきた。

僕は安平(安ピン)にいくつもりだなのだと答えると、なんとキュウさんは僕をそこまで送って行ってくれるというではないか。朝からツイている。

 

 

 

 

アンピンのことを語るには、再びタカシさんのことに言及しなければならないだろう。

そう。昨日僕は台南駅の地下道でバスキングをしている時にタカシさんに会ったのだ。

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おれはね、これ見た瞬間に『台湾の野宿チョロいな』って思ったよ。
でも野宿は自己責任だからね。良い子は真似せずに。

 

 

 

タカシさんは台南駅の地下道で僕と同じようバスキングをする少し鼻にずれ落ちた大きなメガネをかけた初老の男性だった。キーボードをアンプにつないで演奏している。曲目は主にビートルズらしい。

タカシさん現在台南に滞在して三週間になるらしく、今は日本人宿に泊まっているとのことだった。台湾のゲストハウスには長期滞在によって割引になる制度があるらしく、台南には一ヶ月の滞在予定で訪れたそうだ。ちなみに一ヶ月滞在すると一日あたり300台湾ドルになるらしい。やすいな!千円ちょっとだよ!

タカシさんは僕にアンピンの情報を教えてくれた。アンピンは台南市内にある観光地のひとつでそこでなら昼から夕方までバスキングができるとのことだった。

 

そういうわけで僕は今日アンピンに行くことに決めていたのだが、まさか車で乗せて行ってもらえるなんて。

 

 

 

 

 

 

 

 

アンピンは僕が利用している市民プールから車で10分もかからない場所にあった。到着したのは昼前の11時で。ほとんど観光客の姿は見られなかった。

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「ふむ…。ここがアンピンか」

 

 

 

僕はしばらくあたりをブラついて時間をつぶすことにした。

小さな屋台を食べ歩き、なんだか久しぶりに観光らしいことをしているような気持ちになった。バックパックは一緒だけれども。

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ここの経済がどう成り立っているのか、とても気になるんだよね。

 

 

 

あまりに人がいないので僕は昼寝をすることにした。大きな公園のベンチにごろりと横になった。人のいない観光地ほど静かで平和な場所はない。

野宿続きで、しかも夜中に野良犬に叩き起こされるような毎日では睡眠もコマ切れだ。自分でも気づかないうちに睡眠不足になっていたらしい。二度寝をして起きると、15時前だ。

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「あちゃ〜〜〜〜…」

 

 

 

僕はノロノロと観光地のメインらしい大きな寺の前にある広場へ行ってみた。だが、そこに人がいないことは変わりなかった。近くにテキ屋がいくつか出ているほか、気合いの入った孫悟空の仮装した地元のパフォーマーがいたが、見ていると気が滅入るくらいにコインが入っていなかった。

僕はすっかりやる気をなくしてしまい、有名そうなマンゴーのかき氷を80台湾ドルで食べた。「日本からやって来た!」的なことが書いてあったが、それは気にしないことにしよう。

 

 

高い金を払ってやってきたかき氷はパフェなんかがよく盛られているような足の細いガラスの容器に盛られて運ばれてきた。

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テーブルにかき氷が置かれ、いざ食べようとして足を組むと、右足がテーブルの足に当たった。かき氷を持った容器がテーブルの上で転倒し、綺麗に盛られたマンゴーかき氷が巻き散らかされた。思わず間の抜けた声で「あ〜〜〜〜〜!」と言ってしまった。

テーブルには本来ならそこにあるはずのない奇抜なデザインが施されていた。テーブルの足がチューリップの球根のようなカーブで上に突き出ているんだ。そりゃ足が当たるよ。

 

僕は誰かに文句を言いたくなったが、ここで働いている見るからにお客が来なくて悲しくなるくらい暇そうにしているおばちゃんに怒ってもしょうがないし、このテーブルを利便性を無視して作ったキザなデザイナーももちろんここにいない。

僕はため息をついて、テーブルに散らばったアイスを再び容器に戻した。それをみかねた店のおばちゃんは小さなアイスをふたつ僕におまけしてくれた。ありがとう…。

 

 

 

 

 

 

 

 

結局僕はアンピンでバスキングをすることはなかった。

周辺を歩いてみたのだが、やっぱりここにはバスキングがやれそうな人の集まる場所はなかった。町は大きくても適度に人が分散しているのだ。渋谷のスクランブル交差点が外国人に受ける理由もわかる気がする。

トボトボと寝床にしている周辺まで帰った。

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これ、墓かな?すっげえ盛り上がってるけど。デコハカ?

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キッチンを道具と捉えるその発想は僕にはなかったな。キッチンって「場」じゃない??

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もはや野良犬なんだか飼い犬なんだか分からねぇよ。

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誰もいない。

 

 

 

 

時間をつぶすためにいつものようにコンビニに入る。今日は食べ歩きもしてきたので、コーヒーが胃にずずむぅと染み渡った。うえぇ..

うまくいかない日もある。出だしは好調だったのになぁ…。

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「あ!」

「?」

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「休息180NTドル(約620円)だって!休憩しない?」

「あそこで文字通り休憩するバカはいねえよ。」

そんな妄想を頭の中で繰り広げたり。はぁ…。

 


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ABOUTこの記事をかいた人

「旅する漫画家」。世界一周後(2013-2016)、現在は海沿いの町に潜伏中。そろそろ旅がしたいぞ!