「ツアー参加前にレビューなんて書けねえよ」

世界一周511日目(11/21)

 

 

明かりの
ほとんど差し込まない部屋で寝ていると
起きる時間も遅くなる。

 

 

だから僕は日本にいた時は、
就寝時はカーテンを開けて寝ていた。

そうすれば外が明るくなったのも分かるし、
そろそろ起きなければという気持になれるのだ。

それでも布団から出れない時はiPhoneを
カーテンレールの上に置いて
布団から出なければならない状況を作りだしていた。

日本にいたらどんどんそんな季節になっていくんだろうな。
冬の朝に布団から出るのってけっこう辛いよね。

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iPhoneで時刻を確認すると11時前だった。

全然そんな感覚ないなぁ…。

服を着て顔を洗い、
シンペイ兄さんにお別れの挨拶をしたあと、
僕はサハラ砂漠のツアーを探しにでかけた。

 

 

 

 

 

 

『サハラ砂漠に行きたい』

そう思ったのは旅する水墨画家のシンペイ兄さんが
ツアーに参加していたからだろう。

シンペイ兄さんはマラケシュからツアーに申し込み、
二泊三日で750ディルハム(9,964yen)と言っていた。

二日ベルベル人のテントで寝泊まりして、
三日目に最寄りの町からお金を払って
バスでフェズに来たそうだ。

 

 

フェズからツアーに申し込めれば、
そのままマラケシュに行くことができる。

さて、どこに行けばツアーに申し込めるのだろうか?

それより、ここからサハラ砂漠まで
けっこうな距離だぞ?

 

 

 

 

フェズの町を歩いていると
さっそくドレッドヘアのお兄さんから
「サハラ?」と声がかかった。

こっちがツアーの値段を知っているというのもいい。

二泊三日のツアーで750ディリルハムだと
予算を告げると、ドレッド兄さんは顔を曇らせた。

まぁ、あっちからしてみたら
『なんで値段知ってるんだよ??!』って感じだろう。
へへへ。悪いね。

 

 

ドレッド兄さんが
「着いて来きな」というので、ついて行ってみると、
営業しているんだかしていないんだかわからない
薄暗い雑貨屋に連れていかれた。

僕の他にお客さんの姿がなければ電気も灯っていない。

置くからおっちゃんが出て来て、
僕に「ハウマッチ?」と訊く。

同じように値段を告げたのだが、
「サハラ砂漠のツアーにそんな安くいけるはずはない。
お前は何か間違った情報を仕入れてきたんだ」と言う。

 

 

ははーん。よくあるパターンですね。

「あぁ、じゃあ他を当たってみるよ」と僕が告げると、
おっちゃんは「砂漠にはスカーフが必要だろう?」と
商売を切り替えて来た。

 

 

 

ドレッド兄さんに次に連れて行かれたのはホテルだった。
けっこう高そうなホテルだが、ここもがらんどうだ。

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レセプションではニコニコしたスタッフが
Facebookページをいじくっていた。

ウォールの画面は砂漠を歩くラクダの姿。

ここなら申し込んでもよさそうだな。

 

 

「えっと、知り合いが二泊三日で
750ディルハムでツアーに参加したというのですが、
その値段で行けますか?」

「それは何かの間違いじゃないのかなぁ~?
二泊三日だと150ユーロはするね。
一泊二日でも80ユーロ(11,725yen)だねぇ」

 

 

『えっ?やっぱりそんな
ツアーなんてないのだろうか?』

 

 

割としっかりしたホテルのスタッフに
そんなことを言われると
自分が間違っているような気になってしまう。

 

 

「ち、ちなみに80ユーロの
ツアーってどんな内容ですか?」

僕がそう尋ねるとスタッフは嬉々として
ツアーの内容が赤ペンで描かれた
A4ノートを広げて説明しだした。

話によると今日の夜中にバスで
メルズーガという町まで行き、
そこからホテルに荷物を置いて、砂漠ツアーへ。

そのままベルベル人のテントで
一泊して戻ってくるという内容だった。

 

 

うーーーーん。

サハラ砂漠だし、やっぱりそのくらいするのかなぁ?

でも、
もう一度シンペイ兄さんに確認してみようかな?

 

 

「すいません、一回、
友達に確認してきてもいいですか?」

 

 

その瞬間、
一気にスタッフの
眉が下がった。

 

 

「オイオイ、マジかよ。
ここまで説明させておいて、
ツアー申し込まないっての?
バカにしてんのか?」

まぁ、相手がどんなことを考えているか、
表情から読み取れるくらいの曇り顔だった。

そんな顔をされると僕も、
なんだか申し訳ない気分になってしまう。

たかだかあ1万円ちょっとだろ?
なんか考えるのもめんどくさくなきたな。
サハラ砂漠の入場料だったらそんなものなのかなぁ?

 

 

 

 

 

「あ、スイマセンっした。申し込みます」

 

 

手持ちの50ユーロ札と
300ディルハムでツアー料金を支払った。

スタッフはお金を受け取った途端、
またニコニコし始めた。

 

 

お金を払ったのに、
領収書のような物はもらえなかった。

そのことを尋ねたのだが、後から渡すというのだ。

今、僕は目の前のモロッコ人にお金を支払い、
受け取ったのはA4ノートに落書きのようにかかれた
ツアーの説明だけだ。

果たしてこれでいいのだろうか?

ホテルがしっかりしていただけあって、
“疑い切る”ということはできなかった。

 

 

 

 

 

『まぁ、トンズラってことはないだろう…』

僕は一度、Hotel Cascadeまで戻り、
荷物をまとめてチェックアウトを済ませた。

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シンペイ兄さんにお別れの挨拶をして、
さっき申し込んだツアーの話をすると、
「まぁ、バス移動も含めて
2泊三日ならそんなもんじゃない?」とのこと。

 

 

僕はバックパックを背負って
再びツアーを申し込んだホテルまで戻り、
荷物を置くと、ホテルのロビーWi-Fiを使って作業をしたり、
ギターを弾いたりして時間をつぶした。

ツアーを申し込んだ特典なのだろうか?

クスクスが振る舞われた。

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さっきのスタッフが
バスのチケットを取って戻って来た。

今夜の8時半に出発のバスらしい。
フェズを7時にタクシーで出発し、
バスターミナルに行くとのこと。

 

 

『えっと、
領収書は…???』

 

 

僕の質問に応えないどころか、
スタッフは僕にトリップアドバイザーの
レビューを書いてくれとお願いしてきた

泊まってもいないホテルなのに。

 

 

トリップアドバイザーで検索すると、
確かにここのホテルの名前がヒットする。

一晩50ユーロもするそうだ。
まず泊まらねえな。

 

 

そうこうしているうちに
ここに泊まっているであろう宿泊客の姿を
チラホラ見かけるようになった。

年配のイタリア人のご夫婦や
ツアーから帰って来たであろうグループなど。

泊まってもいないホテルの
レビューなんて書くことはできない。

 

 

かと言って、今ここでそれを拒んで
ツアーに支障を及ぼすのも嫌だ。

仕方なしに、「ここはスタッフが親切です」と
無難なレビューを書いておいた。

投稿しようとすると「写真も載せてくれ!」と
お願いされたので、めんどくせーなぁと思いながらも、
写真を撮ってパソコンに取込み(ちょこっと修正して)
トリップアドバイザーに投稿した。

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喜んだスタッフはターバンがわりの
ストールをプレゼントしてくれると言う。

お、マジで?

 

 

「それじゃあ、
ツアーのレビューの方も今書いてくれるかい?」

「今ですか?
さすがにそれはできませんよ」

「うーん。じゃあ、ツアーが終ったら
ちゃんとレンビューを書いてくれよ?」

「分かりました。
だけど、僕をがっかりさせないでくださいね。
期待してますから」

 

 

最後まで『ボラれるのではないか?』という疑いが
残ったままだった。

手に入れたのはバスのチケットとホテルの名刺だけだ。

 

 

“Don’t make me disappointed”
(おれを失望させるなよ?)

 

 

僕が口にしたというセリフには
少し刺があったと思う。

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なんだかんだで
すぐにバスの出発時間になった。

今日はツアー探しと日記書いて
アップするくらいしかしてねえな。

ここ数日に比べたら
ほとんど何もしていない気がする。

 

 

スタッフの案内で
タクシーが乗れる場所まで行った。

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「それじゃあツアー楽しみにしてますから!」

タクシーに乗る前に
スタッフと握手をして別れた。

スタッフの名前はムスタファと言い、
メルズーガに着いたらイディールという人が
迎えに来てくれるらしい。

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バス外車のオフィスで
お金を払って荷物を預けるためのタグをもらう。

8時半に来たバスに乗り込んだ僕は
日記でも書こうかとパソコンを広げたが、
モロッコのバスは微妙に揺れる。

ヨーロッパみたいにハイウェイに入ってさえしまえば
スムーズというわけではないみたいだ。

 

 

 

走行中のバスの中でパソコンの画面を見ていたら
軽く酔ってしまった。

もう諦めて寝るとしょう。

メルズーガに着くのは5時だ。
たぶん日も昇っていないだろう。

 

 

 

 

諦めて眠ろうと思ったが、
バスの中は寒くて眠れなかった。

どういうわけだかエアコンディショナーからは
冷風が吹き付けてくるのだ。

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国の印象って、そこで自分がどういう体験をしたのかに
左右される気がします。

ここまでとても楽しくモロッコを旅してきたので、
ツアーの申し込み後は悶々としていました。

やっぱりさ、いい気分で出たいから。

 

 

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