「いざ!ライブパフォーマンス!」

世界一周510日目(11/20)
【ライブパフォーマンス編】

 

 

『うぅ…、起きたくない。
できることなら毛布に包まって
二度寝していたい…』

 

 

 

野宿が終ると、
途端に体は府抜けた。

だけど、頑張って状態を起こし(二度寝から)、
着替えて顔を洗うと
テラスに出てコーヒーを注文した。

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今日は
旅する水墨画家、シンペイ兄さん
とコラボレーションで

ライブパフォーマンスをする。

 

 

その場でできるだけ
スムーズに絵が再現できるように
練習しておかないと!

 

 

シンペイ兄さんが起きてくるまで、
僕はずっとiPhoneで使えそうな画像を探して来て、
絵の練習をしていた。

いつもとは違う絵の練習もいい刺激になる。
毎日勉強だ!

 

 

 

 

シンペイ兄さんが
起きてきたのは13時過ぎだった。

 

 

「それじゃ、
昨日のところ行きますか?」

「う~~ん…、
今日天気悪くない?明日にしよっか?」

「明日ぁーーー…
にします?」

 

 

13時を回っても、
空一面に薄く雲がかかっている。

ここに住む人たちからしてみたら
今日は涼しくて動きやすい日なのかもしれない。

だけど、パフォーマンスをするには
晴れて目立っていた方がいいに決まっている。

テラスから地上の様子を眺めた。

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人通りもいつもに比べたら
ほんの少し減っている気がする。

いやー、できれば
今日ライブパフォーマンスをやってしまいたい。

 

 

自分の中で同じ街に滞在するのは
3日か4日が丁度いいことは分かっている。

フェズの町はそんなに大きな町じゃない。

滞在日数が伸びればグダグダしてしまう気がしたのだ。

それに、明日がもっと
天気が悪い可能性だってあるからだ。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

 

 

 

「あれ?
あそこの門なんていいんじゃないっすかね?」

「あー、そうだね。あそこにする?」

「あそこにしますか」

 

 

なんてゆる~く僕たちが
どこでライブパフォーマンスをするかが決まった。
昨日のロケハンはどこへやらだ。

 

 

 

 

 

荷物を持って門の下へ歩いて行った。

宿から徒歩45秒。

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絵を描く紙をボードに
マスキングテープで留めていく。

ボードと紙が一緒になったものに、
輪っかを作ったテープを
6カ所くらいに貼付けて門に固定する。

ボードとボードが等間隔になるように
固定していった。

 

 

 

今回二人でコラボするのは
水墨画を背景にした4コマ漫画

ボード一枚一枚がコマになっているのだ。

 

 

ボードを貼付け終わると、
シンペイ兄さんは水墨画の道具を準備し始めた。

硯(すずり)や墨汁や筆の数々。
他の人の道具を見るとワクワクする。

シンペイ兄さんが準備をしている間、
僕は告知の紙をすぐに仕上げた。

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対してクオリティも高くないのに、
シンペイ兄さんは「いいね~~~~!」
とポジティヴなレスポンスをくれる。

シンペイ兄さんは
ほんとうに褒めるのが上手い人だと思う。

 

 

準備が整う前からギャラリーが出来始めた。

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絵を描く前から地元の兄ちゃんが
「それいくらで売るんだ?」と値段を訊いてきていた。

作品は4コマで400ディルハム(5,337yen)に設定した。

一日の宿泊代と食費の4日分(一人当たり)。

きっとお金持ちの欧米人ツーリストが
買ってくれるはずぅぅぅぅぅ~~~~!

 

 

 

なんて下心はいい絵が描けてから!

準備はいいかーーー?おれ。

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「よし!そろそろ始めるか!」

 

 

そう言ってシンペイ兄さんは
インドで6千円で買ったブルートゥース対応の
小型スピーカーから音楽をかけた。

ノリノリのファンクなやつだ。

その瞬間僕もパフォーマーになる。

 

 

「イェーーーイ!」とハイタッチをして
各々の作業に取りかかった。

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同時に同じコマを描くことはしない。

砂場のトンネルを両サイドから
掘っていくように白い紙を埋めて行く。

壁に貼ったチップボックスに
コインが入れられる音がした。

「センキュ~~~♪」と言う日本人二人。

 

 

僕は初めてのライブだったので、
シャーペンで下描きをした後に、
水性マジックで清書していったが、

対するシンペイ兄さんは
一発で水墨画を仕上げていく。

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うわぁ~~~~…、

できることなら、その作業工程を
じっくり見させもらいたいけど、
今は自分の持ち場に集中だ。

 

 

 

 

描いているのは女のコの絵だ。

 

 

手には何かを大事そうに包み、
どこかに走っている姿。

その手にはスズメが包まれている。

開けた場所に出た女のコはスズメを空に放ち、

そのスズメは大空に飛び立って行くーーーー。

セリフのない4コマ漫画。

 

 

だけど、見る人には
ストーリーは伝わるはずだ。

どこか希望に満ちた作品。

それでいて水墨画のよさも出せているストーリー。

 

 

 

 

絵を描くのが楽しくてしょうがなかった。

パフォーマンス中ずっとニヤけてたと思う
(そしてたまにガチで集中した顔になってたと思う)。

突然始まったライブパフォーマンスに
モロッコの人たちもいい感じで食い付いて来てくれた。

完成した絵は水墨画によって引き立てられていた。

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絵は売れることはなかったが、
いいパフォーマンスをすることができた。

何より楽しかった。

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パフォーマンスそのものは
1時間もかからずに終った。

ライブを終えると、
もう一日やり切った感があり、
あとはひたすらにダラダラしていた。

 

 

昨日も行ったレストランで
タジン鍋を注文した。

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昨日お会いしたタカユキさんと
その友達のモロッコ人も合流して、
ぺちゃくちゃとお喋りをした。

 

 

 

夕飯を食べ終わると、
シンペイ兄さんの部屋で
今日の反省会が開かれた。

 

 

「まー、一コマ目は
走っているのが女のコか
分かりにくかった点ですかね?

二コマ目は手のバランスが右にズレました。
それでごまかすために、その角度からじゃ
見えない尻尾を描いちゃったわけです。
三コマ目はまぁまぁ。4コマ目はー…」

「これさぁ~~、
逆羽(ギャクバネ)だよね?
スズメの羽の付け方、違くない?」

「はうっっっ…!!!」

 

 

そのあとも、シンペイ兄さんのトークを
じっくり聞かせてもらってこの日も終った。

やーーーー。フェズ。いい出会いに恵まれたな!

 

 

ここらで次の街に行くとしよう!

シンペイ兄さん、日本に帰ったら
また話をきかせて下さい!
ありがとうございました!

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「この曲いい曲っすね。アーティストなんていう名前ですか?」

「これ?”ロドリゲス”。
この前「シュガー・マン」ってタイトルで映画化されたんだけど、
コイツがすげーヤツなんだよ!1970年代に
アメリカでデビューしたんだよね。
一流プロデューサーからも『お前はエルビスを越える!』って
才能を認められたのに、当時のアメリカは人種差別が厳しくて、
名前から分かる通り、ロドリゲスは南米にルーツのあるヤツでさ、
たった二枚のアルバムを残して引退したんだ。
それから時は流れ南アフリカで~…」

 

 

好きなアーティストひとつにしても、
それを人に話して聞かせることができる。

ほんとうにポジティヴなエネルギーに溢れた人でした。
いい影響を受けることができました。

ちにみにこのあとのシンペイ兄さんの旅はメキシコ、
キューバと行って終了するそうです。

残り2ヶ月の中でメキシコと
キューバをチョイスするセンス。

『カストロが生きているうちにしか
感じられないキューバがある』

からだそうです。

あーーー、キューバ、
楽しそうだな..

 
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