二年九ヶ月の世界一周から帰国して二日目。
僕はさっそくのばしっぱなしだった髪を切りに行った。
下の写真は僕が旅の最後の方で撮ったもの。
いかに髪の毛が長かったかお分かりいただけるだろう。

オーストラリア、パースにて。

こちらは台湾。
場所は新百合ケ丘にある「STYLE」というお店。
特にこだわりはないんだけれど、二回目以降の予約が1000円割引になるということから、大学生時代から利用してきた美容院。最初行くのにむちゃくちゃ緊張したのを覚えてる。
僕を担当してくれた初代スタイリストさん、ヒデリタさん(←インスタのアカウント貼っときました)は仲間とともに自分たちのお店を立ち上げるために退社。
二代目担当タカハシさんも別の店舗に移った後、退社していたのを知った。

現在はオーストラリアにいるそうです!ヒデリタさん!元気ですか?!
お店に行くのは約三年ぶり。
たまたま旅立ちの前に僕の髪を切ってくれたサイトウさんというスタイリストさんがまだ働かれていたので、今回も担当していただくことになりました。

あぁ、なんだか久しぶりのブログだけど、文章の書き方がなんだかわからないな。ちょっと戻します。
来店はもちろん旅をしていた時と同じ髪型。
髪の毛を「コの字」型に織り込んで結び、余った部分をヘアゴムの中にしまい込むお団子ヘア。
たぶんそこにいたスタイリストさんたちが全員
『うわっ..、変なヤツがやってきたな』
と思ったことだろう。
髪を切るにあたって僕には「テーマ」があった。
「いかにスタイリストさんに面白がって、髪を切ってもらうか」
だ。
僕は客であり、エンターテイナーとして椅子に座るつもりでこの店にやってきた。
伸ばしっぱなしで、おまけに
髪の毛どうしが絡まってドレッド化している毛束がある状態だ。
切るのが大変に決まっている。
そんな僕の髪の毛を楽しんで切ってもらえたらいいと思う。
出だしは好調だった。
喰い気味に担当のサイトウさんと話した。掴みはよかったと思う。
だが開始早々、雲行きは怪しくなってった。
頭にできたナチュラルドレッドは自分が想像していた以上にヤバイことになっていたのだ。
てっきり僕はドレッドヘアなんて縦に切れ込みを入れればすぐ解けるものだとばかし思っていたのだけれど、どうやらそうじゃないらしい。
髪を切るためには一度ドレッドヘアをほどかなければならなかった。
サイトウさん一人では到底ほどくことができず、手の空いたスタイリストさんの力を借りて僕のドレッドヘアほどきが始まった。

最初はノリノリだったのに..。
「頭皮すっごく赤いんですけど、これ痛くないんですか?」
「え..???いや、痛くないですけど?」
「なんか根元の方に白いのがついてるんですけど、これなんですか?」
「え..?
ほ、ホコリじゃないですか?」
サイトウさんはちょくちょく実況中継を挟んだ。
そして時々切ったドレッドヘアの破片を僕に見せたきた。
サイトウさんはきっと「S」なんだと思う。
ドレッドヘアの残骸はマカロンくらいの太さで、金属タワシのように絡み合っていた。自分でもほどけないくらいにコチコチに固まっていた。
僕のテンションを削いでいった。
終いには「スイマセン..」を連発していたくらいだ。声のトーンも一気に下がった。
たった数本のドレッドヘアをほどくのに一時間も時間がかかってしまった。

次のお客さんが来るまでのわずかな時間と隙間時間で僕の髪を素早くカットし、髪を洗ったあと、アシスタントを使ってパーマをかけた。カットからはほんとうにあっという間だった。さすがプロだ。
おれの個性が失われてしまった..。

髪型はもう決まっている。
ここを利用し始めてからほとんど変わらない。
ただ、髪を切ってみると
前髪の白髪が増えたことはわかった。
下の写真が三年前の僕。
ね?ほとんど変わってないでしょう?



髪を切り終わると、一度頭を洗い、パーマをあてた。


フツーーー…。
カットが終わった時は、残った客は僕だけになっていた。
人件費や設定されたカットの料金と比べたら、明らかにオーバーしているだろう。海外だったらチップとか払うべきなんだろうけど、ここは日本だ。
僕はサイトウさんにあまりに申し訳ない気持ちになって、なにか別の形でお返しをしたかった。
その気持ちをサイトウさんに伝えると、サイトウさんは「プリンとチーズケーキの差し入れお願いしますね♪」といたずらっぽく言った。
「あさってのシフト、店舗には9人いますから。楽しみにしてます♪」
それは無職の僕に言うセリフじゃない。
やっぱりサイトウさんは「S」だと思った。

後日。似顔絵もつけてお返しに参りました。サイトウさん!ありがとう!
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