「ヒッピーって知っとる?」

世界一周328日目(5/22)

 

カメラの修理
を依頼した

「alta service center」から
電話がかかってくるまで3~4日。

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それまで僕はここで待機していなければならない。

僕は観光マニアじゃないので、
教会だとかロープウェイだとかに興味はない。

じゃあ何すんの?沈没?
やることはあるのかだって!?
はっ?愚問だな。

 

 

漫画を描くに決まっておろう!

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だいたい短編を仕上げるのに3~4日。

カメラの修理にそのくらい
かかると聞いた時は、
まさに漫画製作にうってつけの時間だと思った。

そうなんです。

ひとつの場所にとどまっていれば
漫画が描けるというのが旅する漫画家のメリットだ。

『やべぇ…ヒマ過ぎて死んでしまう…』

っていう致死量のヒマな時間にまみれることもない。

 

 

 

描く話はなんとなく決まっていた。

ヒッピーが出てくる話。

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もうここ数日は製作日記になるから、
まぁこういうのもありだよね。

 

 

ねえ「ヒッピー」って知ってる?

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日本にいてもフェスとかファション雑誌で
時々目にする言葉だ。

東南アジアとかバックパッカー
してみるとわかるけど、
欧米人の集まる安宿に行ってみると、
時々薄汚い森の精みたいな人たち
に遭遇することがある。

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まぁ詳しいことはWikipediaとかで
調べれば一発で分かるんだけどね、
特に歴史的な背景とか。読んでみると面白いよ。

 

 

ヒッピー・カルチャーってさ、
昔はカウンターカルチャーの一種でね。
ほら、ロックとかもそうじゃん?

時代とか社会とかそれに抗うものがあってさ、

「なんだチクショー!なめんじゃねーぞ!
おれはおれの好きな様に生きる!!!」

ってメインストリームとは
違った生き方をする人たちのことね。

今のは冗談っぽく書いたけど、
「カウンター」ってのはただの括りであって、
その全てが闘志むき出しってわけじゃない。

たまたま自分たちの生き方が
時代と会わなかったってのもあるんだろうね。
僕もそうだ。(と思う)

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ヒッピーってヤツの最初の出発点は
拡大する資本主義経済と真逆にあった。
彼らは自然の中に戻っていき原始回帰的な生活をし始めた。

「愛と平和(とドラッグとセックス)

をかかげ、民族衣装のものみたいなのを着たんだね。

ヒッピーが全盛期だったのは60年代で、
沢山のヒッピーが世界中にいた。
中には「ヒッピーお断り」っていう看板を
レストランがかかげるような時代だった。

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時代はちょっと進むけど、
沢木耕太郎の「深夜特急」にも
ヒッピーに関する記述がほんの少しあったと思う。

「ヒッピーたちが
世界を放浪するルートを開拓した」

って。

そのころは今みたいなネットなんてなかったし、
クチコミが大事だった時代だ。
そのくらい世界中にはヒッピーたちがいたってことだ。

発祥はサンフランシスコの
ヘイト・アシュベリー地区ってとこらしい。

だからこれは欧米人が作った文化ってことになるね。

「世界中にいた」けど、
イラン人やモンゴル人のヒッピーはいなかっただろう。
すぐに西洋文化にかぶれる日本人には
チラホラいたかもしれないけどね。

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今では昔の様なヒッピーを
やっているヤツはほとんどいない(だろう)。

時代は変わった。

ドラッグをやれば捕まるし、
「色即じぇねれーしょん」みたいな
「フリーセックス」なんてワードは
もはやギャグくらいにしか聞こえないだろう。

それはファッションの一部になってしまったし、
誰もが「ヒッピー」を真似ることは容易になった。

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だけど、「考え方」は残っていると思う。

もちろん昔のようじゃなくて、
時代に合わせた考え方が。

 

 

「次世代ヒッピー」と言おうか?

それは単に言葉をキャッチーに当てはめただけの
ようにも聞こえるが、僕は彼らの考えに
賛同するところがいくつある。

一番は「自然に回帰する」というころ。

これは何も原始的な生活に
戻るとかそういうんじゃない。

僕たちは生活スタイルを
シフトしていかなきゃならない
ターニング・ポイントにいるんだと思う。

まだまだ世界全体は
大量生産大量消費みたいになってるけど、
それでずっと過ごすわけにはいかない。
僕はそう考える。

 

 

「いやぁ、楽しかったよ。
じゃあ次の世代はお願いね」

なんて好き勝手楽しんで次の子たちに
パスしていいものなのか?

サステナビリティイのある
ライフスタイルに切り替えてかなくちゃ
いけないんじゃないか?

オーガニックとかヘンプとかは
ひとつのファッションのように聞こえてしまうが、
僕はあれってけっこう
大事なんじゃないかなと思うのだ。

まだまだマイノリティーだけど、
似た様な、僕なんかよりももっとずっと深く考え込んで
自分の生活スタイルに落とし込んでいる人たちがいる。

これが今のヒッピーなんじゃないかなと思うわけだ。

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「ヒッピーになりたい」

 

 

僕の相棒が言っていた意味は
そういことだと思う。

世界は劇的には変わらないけど、
自分の周りから変えることはできる。

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は資料集め
から始めた。

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日本の女の子のファッション
としてのヒッピーではなく、
もっとコアなヒッピーの資料を。

カメラに収めにくい資料集めに
使うのはやっぱりインターネットだ。

「ちょっとコイツら
いっちゃってるんじゃないの?」

ってコアなヒッピーの写真を
タンブラーみたいな写真共有の
メディアサービスから集めていく。

セクシーで半裸に近いヒッピーの
女のコの姿などもチラホラ。

おっと、つきつめていくのはそこじゃないんだ。

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グダグダしているのか、
資料集めがちゃんとできているのか分からない。

そろそろ描き始めないとな。

ヒッピーの資料がある程度集まると、
トビリシ市内のメトロの画像も
ちょこちょこっと集めて
僕は原稿用紙に下描きを始めた。

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僕は比較的、楽観的なストーリーが好きだ。

なんだかんだで主人公が
前を向いて一歩踏み出す物語が。

高橋歩さんの本みたいに

「よし!とりあえずやってみんべ!」

そう思わせてくれるお話が。

 

 

でも今回はちょっと
暗い短編を描こうと思った。

日本の青年漫画で多そうな、
内向き思考をするキャラクターを。

それは自分の引き出しを広げるためでもあるし、
思えば今回で40作目の短編だ。

数的には多いけど、ページ的には
毎回3ページそこらの俳句みたいな
サドン・ストリーだ。

(村上春樹役の「超短編集」ってのがある。
形態としてはそれに似てるんじゃないかと思う)。

IMG_9111パンにかじりついてたらエリザさんがジャムくれた♪

 

 

一部の短編を覗いて毎回その作品ごとに
新しいキャラクターを作る。

ということは今回で
40人目の語り手を描くわけだ。

だけど、その主人公は後ろ向き。

 

 

短編を作る時にはそりゃもちろん考える。
どこか一カ所にとどまって、じっと考えるのは
内向きな思考に向いているのかもしれない。

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ロダンの「考える人」だって楽しいことを
考えているようには思えない。

「悩む」という言葉はあるけど、
「楽観的に考える」ということを表した
漢字はあるのだろうか?

まぁ、内向的なお話は
すぐに作れる気がするんですよね。

前を向く考え方、それを実行する方が
エネルギーいるもんね。

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雨が降ってきて洗濯物をとりこもうとすると
上に住んでいるおっちゃんが
自分の作品を見せてくれた。 
獅子と戦う戦士か

 

 

 

自然光が入る窓際へとテーブルを移動して
一日中原稿用紙に向かっていた。

今回は4ページ。
いつもより一ページ多い。
集中力や活力が途切れずに
いい感じで書き続けることができた。

明日はペン入れだ。

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あっ、そだそだ。

この前会ったアート・マネージャーのレヴァンの

名刺を描いたんだった。

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なんか宇宙っぺえ…
しばらくこのスタイルで行こう♪

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「宿から一歩も出ていない」です。

僕としてはやることをやっていると思っているので、
全く沈没してるだとかそういう感覚は
ないのですが、他の人からみると

『あの人一日中同じ場所にいる』

ってなってるでしょう。
ま、気にしないけどねー(笑)…
気にしないけど….。

 

いつもとは違った感じのブログでした。
読んでくれてありがとうね。

なんだかノれて描けたかな?
ヒッピーにおれはなる!!!(どんっ!!!)

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