世界一周145日目(11/20)
朝6時半置きで
パッキングを済ませると
僕はマンダレー行きのピックアップが出る
乗り場へ向かった。
ここへ来た初日と昨日で
2回も値段を確認したので
相場は分かっている。
3,000チャット。300円弱。
乗り場に到着して
自分の目的地を客引きのおっちゃんに告げると
「5000チャットだ!」
といつものようにボッてくる。
「いやいや!
相場は知ってるんだからね!
3000っしょ!」
「いや、4000だ…」
「3000!」
「…
あ〜、わかったよ。
3000な」
僕はいつもの地元の人とごたまぜの
「ちゃんぷる〜!」的な
ピックアップを想像していたのだが
連れて行かれた先には
オンボロバスがあった。

値段の差が大きいミャンマーの交通事情。
僕としては安ければなんでもいいんだけど、
この値段の差は
「快適さ」
なんだと思う。
ツアーバスのような
自分のスペースが確保されていて
空調も効いていて
ほんでもって
タイの映画(もしくはミャンマーカラオケMV)を
見させられるようなバスは
それなりの値段がする。
反対に、
風をびゅんびゅん切って
窓もないトラックの荷台で
ローカルの人とぎゅうぎゅう詰めで乗るような
ピックアップは安い。
あたりまえっちゃ当たり前なんだけど
よっぽどの長距離移動じゃない限り、
今のところミャンマーのツアーバスには
快適さを感じないんだよね。
まぁとにかく
オンボロバスと言ってもバスはバス。
3000チャット以上はするかなぁ?
とちょっとだけ申し訳なく思ったのだがー…
そこはミャンマー。
ばっちし
居心地が悪かった。

外国人だということで
座らされた助手席のシートには
妙におしりに当たってくるフレーム
があった。
早起きしたので
バスの中では眠りたかったのだが
その不快フレームのせいで
たびたび座り直さなければいけなかった。
うん。
あれは3000チャットのバスだった。
およそ5時間のドライブで
バスはマンダレーに到着した。

ミャンマー第二の都市。
はてさて、ここからまた
安宿を探さなくっちゃいけないぞ。
バスを降りる前から
バイタクの運転手たちが
「タクシー?タクシー?」
としつこくまとわりついてくる。
このグイグイいく感じ。
観光地化が進んでいる証拠だ。
どうやら降ろされたところは
ダウンタウンから離れているらしい。
僕はマップアプリを手に
自分の現在地を確認すると
彼らの勧誘をサラリとかわす。
とりあえず目に留まったホテルで
値段を訊いたあと(一泊30ドルだからもちろん却下だ!)
Wi-Fiをちょこっとお借りして
メインロードでおなじみのピックアップを捕まえた。
ダウンタウンまで300チャット(31yen)。
スマホの地図を見せて
「ここまで行く?」
って訊けばオッケー。
「地図を持っている」
というアドバンテージはデカい。
ここまで便利になって
「深夜特急」ほどの冒険味は
薄れてしまったのかもしれない。
世界中どこにいたってネットさえ繋げれば
必要な情報はほとんど手に入る。
僕が言いたいのは
現代において世界を旅することが
冒険味の欠けたものになってしまったとか
そういう話じゃない。
大事なのはそれらの情報との
「距離感」なんじゃないかってこと。
地図もなにも持たないで
旅をすることもできる。
でも、むやみに騙されたりボラれたり
する必要はないだろう?
僕はアホなのかマゾなのか
東南アジアに入ってから宿の情報は調べずに
ヒーヒー言いながらバックパックと一緒に
安宿を探しているけどね。
そんな感じで
偶然発見した安宿は
シングルで10ドル。

う〜ん…
探せば8ドルくらいもありそうだ。
とりあえずWi-Fiの調子を調べて
ここならなんとか溜まったブログの下書きの
編集ができそうな速度だと判断すると
値切って9ドルにしてもらった。
マンダレーに来て
ここだけは行ってみたかった場所がある。
ガイドブックは持ってないけど、
ミャンマーを紹介するアプリで知った
U bain bridge(ウーベイン・ブリッジ)
これを見るためにミャンマーに
やって来たと言ってもいいくらい。
ホテルのスタッフに訊くと
300チャットでピックアップが出ているらしい。
乗り場を教えてもらい
ピックアップに乗る。

このおっちゃんは
集金用のバッグも持たずに
「握りこぶしがおれの財布さ!」
とでも言わんばかりのファニーなヤツだったが、
それでいてジェントルマンだった。

バスから降りる子供や女性やお年寄りに
手を差し伸べる姿を見て
思わず感心してしまった。
日本にこんな紳士的なバス添乗員が
いるだろうか?

「ここで降りて
まっすぐ進めばウーベイブリッジだ」
おっちゃんは親切に
僕の進む方向を指差す。

こんなローカルな場所から
辿り着けるのだろうか?
観光客の訪れない様な
ボロボロの露店をくぐり抜け、
線路を越え、
民家を抜けるとー…

遠くの方に
大きな大きな湖に
長い長い橋がかかっているのが見えた。

アプリでみたような
幻想的に美化された印象とは
また違うものだったが
このとてつもなく長い木の橋は
歴史の重みを僕に感じさせた。
近くのレストランで
タバコを一本吹かし、
一息ついてギターを弾いた。
入場料も取られない。

タウンタマン湖を渡す
地元の人が日常的に使う橋。


橋はボロボロで
ところどころに落書きがみられる。



時々、橋の上には
物売りのおばちゃんたちが
アクセサリーを売っている。

向こう岸でギターを見つけると
彼らは僕に弾かせてくれた。

ミュージシャンの男の子と彼女に出会った。
交互に一曲ずつ歌い合い、

彼の歌は夕日に滲んで行った。

そうだ。
僕はここに夕日を見に来たんだ。
日本から出て来なければ
見られないものが沢山ある。

僕もまた
「旅に出る人生を選んでよかった」
と思わずにはいられなかった。

橋の上でCARAVANを数曲と
「Stand by me」を歌った。
観光客の欧米人のおばちゃんが200チャットを。
前で聴いていた男の子たちの一人が
1000チャットを入れてくれた。

そんな黄昏ムードの中
太陽はあっという間に沈み、
あたりは真っ暗。
僕は来たときと同じように
ピックアップ(乗り合いトラック)に乗って
宿まで戻ろうと考えたが、
来た時に通ったローカルな路地は
犬が恐くて通れない。
僕はツアーバスやタクシーに
追い越されながら
湖沿いの道をスタスタと足早に歩く。
灯りと言えば
湖の周りに住む民家の豆電球と
後続車や対向車のヘッドライトのみ。
『ぴ、ピックアップは
どこにいったら乗れるんだ!!?』
湖は意地悪なくらいにデカくて
いつまでたっても
メインの道路に戻ることができない。
やっとのことで
メインの道路まで出たのはいいが、
ピックアップがやってくる気配はない。
だからといって
前に進むよりほかはない。
いくらマップアプリで
進む方向が分かっていても
ただそれだけ。
前方にバイクが停まった。
メガネをかけたおっちゃんが
僕に尋ねる。
「おい、
どこへ行くんだい?」
「中心地です…
ピックアップで行こうとしてるんですけど…
どこに行けば乗れますか?」
「この道からじゃ
ピックアップには乗れないよ。
わたしがピックアップが停まる場所まで
乗せてってあげるよ」
「は、ハウマッチ?」
「フリーだよ♪」
か、かみさまっ…(涙)!!!
だが、
お礼を言っておっちゃんと別れた後、
ピックアップは
停まる気配を
見せなかった。
向こうからやって来る
ピックアップに向かって
手を振っても
僕のことなんかガン無視で
通過していってしまう!
近くにいた軽トラックのおっちゃんが
行く方向が一緒だからと
僕を乗せて行ってくれた。

助手席に座った僕は
お金を渡そうとしたが
おっちゃんは
「プレゼント!」
と言って
お金を受け取ろうとしなかった。

他の国だったら
どちらのシチュエーションも
お金のやり取りが発生して
ふっかける絶好の機会だ。
だけど、
ミャンマーでは違った。
最終的にお金を要求するための
プロセス的な親切なのではなく、
心からの純粋な親切。
やっぱり感謝の気持ちを
忘れたらいけないよな。
ありがとう。
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