「ナントと愉快な酒飲みたち」

世界一周496日目(11/6)

 

 

 ナントは
アートな街
らしいっ??!!

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そのまま素通りしようと思っていたナントだったが、
昨日マクドナルドでちょこっと調べてみたら、
ナントは住みやすいことでも有名らしい、

最近かどうかは分からないけど、
フランス人の住みたい街ナンバーワンに
なったとかならなかったとか。

 

 

 

 

 

一日の始まりは川沿いの芝生の上。

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テントをたたんでいると、
近くに犬のフンが落ちていることに気づいた。

おっぶね~~~。

昨日よく暗い中で
テントを立てていて踏まなかったな。

それとも、誰か朝方僕が寝ている間に
『へっへっへ。かましたれ!』って
セッティングしていったのか?

犬のウンコを踏まないように撤収作業をした。

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ここの目玉はなんと言っても、

あ、ギャグじゃないよ?

 

 

「マシーン・ド・リル
(Les Machines de l’ile)」

だろう。

 

 

 

ナントの街を流れるローヌ川に浮かぶ再開発地区。

そこにでっかい象の乗り物があるらしいのだ!

 

 

ナント島はアートに力をそそでいるらしい。

EU危機と言われるなか、
ここにお金をかけることに反対の声もあったようだが、
ここを観光地として生まれ変わらせようと
企画したアートディレクターのジャン・ブレーズは

「文化にお金をかけることを恐れてはいけない」
と言ったんだとか。

良い言葉だね。

 

 

しっかりとした観光地だったら、
何年も人を呼び込むことができる。

 

 

 

僕はそこに歩いて行ってみることしした。

ナント島は以前は工場だったみたいだ。
その面影がどこか感じることができた。

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超巨大なメジャー。

 

 

 

巨大なウォールペイントも
なかなか味がある。

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肝心の「マシーン・ド・リル」はというと、
遊園地のような場所にあった。

アーケードの中に機械の象が収まっている。

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これが動くのだとはにわかに信じられないけど、
最大40人を乗せて動くらしいのだ。

僕が行った時間はまだお昼前だったので、
人も少なかった。象にも休みが必要なんだろう。

日曜日とか賑わうんだろうな♪。

アーティスティックな街、ナント。

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僕はこれが見たかったから、もういいかな?

 

 

 

 

 

 

 

いつものように
街をフラフラして、一通り街を歩き終わると、
昨日とは違う路地でバスキングすることにした。

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この街にはバスキングにぴったしな
路地がわんさかある。唄うには気持ちのいい場所だ。

そして、他のストリートミュージックをする
バスカーが他にいないのもいい♪

 

 

 

僕は場所を探した。

だけど、
いい場所には先客がいるのだ。

 

 

 

彼らはバスカーじゃない。

手に紙コップをもって
しんどそうな顔でお金をねだる。

いわゆるジプシーって人たちだ。

 

 

さすがに彼らがいる近くで
僕はバスキングをすることができなかった。

目的はお金稼ぎじゃないし、
や、お金は欲しいんだけどさ、

よそからやってきた人間である僕が
彼らのシマを荒らすことはどうなのだろう?
と思ったのだ。

僕のせいで彼らが手に入れることのできるお金は
減ってしまうかもしれない。

 

 

 

 

バスキングの場所を見つけられないまま
街の中心地を歩いていると、
広場で地面に絵を描いているおっちゃんを見つけた。

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ボロボロのドロドロに汚れた服を着て、
一生懸命地面にクレパスで絵を描いている。

僕はそれを見て50セント入れた。

頑張ってね。おっちゃんってエールを送るように。

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昨日バスキングをやった通りを歩いていると、
向こうからシャボン玉が飛んで来た。

犬をつれた女の人が、
先端に紐のついた棒を二本持って
シャボン玉を飛ばしている。

女の人の足下は割れた
シャボン玉の液が飛び散っていた。

僕はコインを入れて写真を撮らせてもらった。

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あぁ、そうだよな。

 

 

バスキングって、本来こうあるべきなのかもな。

自分のできる芸で街に
活気を与えることができる。

まぁ、おれもちょっとやってみるか。

別にレスポンスがなくたっていいや。

街のBGMくらいの気持ちで
ギターを弾こうじゃないの。唄うの楽しいし♪

 

 

弾き語りだと、
ちょっと『おれの唄を聴け!』っていう
ジャイアニズムも働くんだけど、

まー、気にしてたらやってらんないしね。

一応そういうことも理解してますということです。

 

 

 

昨日とは違う場所でギターを構えた。

ほとんどの人は素通りしていくけど
それでよかった。

あまりにレスポンスがないので、
場所を移ったが、それでも10ユーロくらいは
コインとしてレスポンスを得ることができた。

バスキングを終え、ギターをしまっていると、
聴いていてくれたお兄さんが僕にバケットを
差し入れてくれたことが嬉しかった。

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僕は再びまたその辺をブラブラ歩いてみた。

大きな教会を見つけると中に入った。

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大きな教会はどっこにでもあるけど、
この独特の雰囲気が好きだ。

教会の中はどこか温かかった。

だんだんとウトウトしてくる。

やっぱり外で寝ていると、睡眠の質も落ちるし、
一日の別の時間で昼寝みたいなことを
しなければいけないのだろう。

ベンチを見つけると座ったまままどろんだ。

 

 

 

寝る時間までは、いつもようにマクドナルドで
作業をして時間を過ごした。

うまいこと僕の旅は一日が
前半後半に別れている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてと、
今日はどこで寝ようかな?

 

 

外に出ると小雨が降っていた。

ここはそんなに治安が悪くはなさそうだ。

またナント島に渡って
橋の下にでもテントを張ろう。

中心地からナント島へと続く橋を渡り、
橋の下で寝れるかチェックしていると
上の方から自転車に乗った女の子が声をかけてきた。

 

 

「何か探してるのーーー?」

「いやー!寝る場所をねーー。」

橋のすぐ近くにはバーがあった。

「よっかたら私たちと
一緒に飲みましょうよ」

 

 

ナントには建築大学がある。

2月には卒業らしく、学生たちが
バーで飲み会みたいなのをやっていたのだ。

ほほう。なんだか面白そうだな。

 

 

「じゃあ、せっかくだから。
ってか僕がいても大丈夫なの?」

「平気よ。みんなフレンドリーだから」

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近くにいた人たちに軽く自己紹介をして、
声をかけてきてくれた女のコの近くで成り行きを見た。

これからグループに別れて二次会があるらしい。

お酒を買った後、フラットで飲むみたいだ。

 

 

僕たちは中心地にお酒を買いに行った。

小雨はまだ降り続いている。

僕には打算があった。

 

 

 

 

 

このまま行けば
誰かがうちに泊めてくれるだろうと。

 

 

 

フラットって学生寮とかそんな感じだろ?

玄関とかでもいいから寝かせてくれねーかな?

もしかしたらシャワーも借りられるかもしれないぞ!

 

 

彼女たちは中心地で何軒かのお店を当たってみたが、
お酒を手に入れることはできなかった。

どうやらこの街には
「深夜になったらお酒を売ってはいけない」
というルールがあるみたいだ。

 

 

「まったく馬鹿げた決まりさ。
夜中にばか騒ぎさせないようにだと思うよ」

一応僕は近くにいた学生たちに、
玄関にでもいいから寝かせてもらえないだろうか?と
ソフトなニュアンスで尋ねてみた。

一人の女の子は
「じゃあ!うちに泊まればいいわよ!」なんて言って
電話をかけてくれたのだが、24時を回っていたため、
家の人たちは電話にでることはなかった。

 

 

雲行きが怪しい…。

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最初に声をかけてきてくれた女のコは
『あ~、酒手に入らねえ~』みたいな感じで
けだるくタバコふかしてるし、
なんだか飲み会そのものもなくなりそうだ。

そんな中、突然現れた小柄な男が
僕をうちに泊めてくれることになったいた。

学生のうちの一人は
「大丈夫!この人たちは私の友達だから!」って言う。

 

 

 

なんだ???この流れは???

 

 

「ほんとうにいいの?気にしない?」

「ああ!ノープロブレムさ!
さぁさぁ、おれたちのうちへ行こう!」

 

 

陽気な小柄な男はセドリックと言った。

どこかアジア人にルーツが
ありそうな顔立ちをしており、
セドリックは「タイに自分のルーツがある」と言っていた。

英語もどこか適当で
なんとなくしか意味が意味が分からない。

一緒にいるのは仕事仲間のフランス人が二人。
目の据わったヤツと猿顔のヤツ。

彼らの住む場所まではトラムで向かうことになった。

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1時前でもトラムが動いていることが少し驚きだった。

アルコールの入った若者たちの姿。

トラムに乗り込むと大合唱だ。

みんながみんな友達というわけではない。

それなのに、今この場所にる人間同士が
楽しいひと時をシェアしている。

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あ、これ僕の目らしいです。
僕も負けじと「クワッ!」と目を見開いてやりましたよ!

 

 

 

こんなん日本でやったらすっげー迷惑だし、
露骨に顔に出す人もいるだろう。

だけど、この街の人たちは
それに同調するばかりか、寛容だった。

深夜のトラムの一体感。

 

 

 

 

トラムを降りた僕たちは小雨が降りつける中、
セドリックたちの住む場所まで歩いた。

セドリックの仕事は木を、
それも高い木を切る(整える)仕事らしい。

彼らの住居は労働者が住む安アパートみたいな場所で
セドリックの部屋には洗面台とベッドと机。窓が一つ。
枕元にはラジオが置いていあるだけの簡素なものだった。

 

 

 

 

「今日一日君がここに寝てくれていいからね!」

 

 

シャワーを浴びたあと、セドリックと
目の据わったヤツと僕の三人は安ビールで乾杯した。

目の据わったヤツの名前はロメンと言った。
僕より歳上だと思ってたのに20歳らしい。

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さっきからセドリックがしきりに
フランス語で何か言っているんだけど
全然理解できない。英語もめちゃくちゃだ。

 

 

「セドリックはいつもこうなんだ。
おれらも何言っているか分かんないよ(笑)」

 

 

ロメンが苦笑いして言う。

そんなセドリックだったが、
寝る時は僕にベッドを与えてくれて、
自分は床に寝るという気を遣ってくれた。

寝袋もマットももっているし、
床に寝るのは僕の方なのに、
快適な方を譲ってくれる優しさはどこからくるんだ?

 

 

「明日は7時に起きて仕事に行くから目覚ましが鳴るよ?」

とジェスチャーを交えた英語でセドリックは僕に言う。

iPhoneで時刻を確かめると3時55分。

オイオイ嘘だろ?

あと3時間しかねーぞ?

 

 

 

40歳には見えない…。鉄人だよ。セドリック。

お礼を言って僕はさっさとブランケットを被った。

 

 

最後の最後にこれかよナント。

マジで最高だ…!!!

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や~、なんだかんだで、フランスの人って
優しいなぁって思うんですよね。

感謝の気持ちは忘れないようにしねーと。

なにかお返しがしたいなって思う今日この頃です。
今のところ名刺っきゃ描けないから。

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6 件のコメント

  • シミさん
    いいなあ、うらやましいな、こういう旅をしたかったなあ。
    始めまして72才のhiroといいます。7年前にリタイヤしてから、自転車旅で北海道2回、フランス縦断1回、バイク旅で北海道東北ツーリング、夫婦で半月間のパリ美術館と蚤の市めぐりを経験しています。
    2014年6月にフランスはボルドーを起点にして、ナント、ツール、オルレアン、バーゼル、チューリッヒをキャンプ旅で2ヶ月走りました。
    シミさんのブログにたまたま行き当たり、ナントとボルドーが出て来てなつかしくなりコメントさせて頂きました。
    66才まで機械関係の仕事と生活に追われていましたがリタイヤしてから、ピアノ、英会話、上記の旅をしていますがこの年になると体力と経済的な関係でなかなか旅も出来ません。66才で警官に注意されたり地元の人に注意されるのが嫌で2ヶ月のツーリングはすべてキャンプ場泊でしたが、若ければ野宿をやっていたと思います。
    シミさんのキャンプ生活を読みながら同じ経験をしてる身として共感する場面が多々あります。
    漫画とギター弾き語りの特技はすばらしいですね。
    これからも才能を生かして頑張って下さい。
    hiro

    • >hiroさん

      コメントありがとうございます!
      いやいや!hiroさんも十分素敵な旅をされているじゃありませんか。
      どんなに旅するルートが同じでも、経験はその人にしかできません。
      僕は自転車で旅する人はすごいなぁ〜って思います。
      せっかちなもんで、自転車をずっと漕いでいることができないと思います笑。

      また、歳に応じた旅がありますよね。
      僕はまだまだ漫画でお金を稼ぐことができていないので
      あれこれ実現できないことも多いですが、
      ああいったタフな旅ができたのも、20代中盤だったからだとも思います。

      ですが、66歳で旅をされているなんてすごいですよ。
      きっと多くの方々は年齢を言い訳にして何もしない方の方が多いはずです。

      ギターは最近さっぱり弾かなくなってしまいましたが、
      絵の方は相変わらず描き続けております。
      またよかったらブログに遊びにきてくださいね♪

  • 私の若い頃は映画と言えば、イタリア、フランスの名作が多くて、アメリカ映画は
    アクションやコメディも物ばかりで、詰まりませんでしたね。

    • >JOSANさん

      イタリア映画やフランス映画で名作だなんて
      ハリウッドの映画ばかり観て育った僕には
      想像つかないです。

      アメリカの映画以外では
      僕はイギリスの映画が好きです。

      まぁ、と言っても、メジャーなものなんですけど…。

      “Lock,Stock and two smoking barrels”
      というガイ・リッチー監督の作品は
      名作だと思っています。

      1998年の映画なんですが、
      構成と音楽がずば抜けていると思います。

      イギリスのクライムアクションは
      最後にどんでん返しがあるので、
      好きですね♪

  • ナントといえば、フランス映画好きなら、ジャック ドミー。ローラって映画でふる〜いアーケードをなめるようなショットでとってて、印象的。一回行ってみたいっす。

    • >youjiさん

      『フランス映画好き』ってそれだけで
      飲み会の時に女のコからモテそうに感じるのは
      僕だけでしょうか?

      くっそ!「アメリ」しかしらねえ!

      映画が好きな方には、
      色々な国のロケ地巡りは
      たまらなく楽しいと思います♪

      でもなぁ〜〜〜〜、
      僕はそんなに詳しくのです。残念ながら。

      最近観た映画は(iTunesでレンタルして観ました)
      ベン・ステラー主演の「Life!」です。
      ロケ地がアイスランドらしいので、
      行ったらテンション上がっただろうなぁ…。

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