世界一周41日目(8/8)
★
日本にいる時には、
『中国人は
日本のことが嫌いなんだろうな』
って思ってた。
そりゃあ、
あんなにデモだの反日教育だの
日経企業襲撃だの、
食品偽装問題だの
ニュースで伝えられたら
誰だってそんなイメージを持つだろう。
いつだったか
たまたま清水家に遊びに来ていた
弟のバイト先の中国人留学生に
訊いてみたことがある。
「ねえ、やぱっり
中国人は日本のこと嫌いなのかな?」
彼の答えはこうだった。
「いや、全然そんなことないよ。
デモとかの発信源は
やっぱりやめておいた方がいいけど、
他は全然そんなことないよ」
当時はそんな答えに
イマイチ実感が持てなかった。
日本に住む俺らが
過剰にネガティヴなイメージをもって
しまっているだけなんだって。
だけど
実際にここに来て
彼の言ってたことが理解できた。
★★
「旅する漫画家」
を名乗って、
僕は中国を旅してきたわけだけれど、
みんな僕の漫画製作風景に興味を示し、
気軽に声をかけてきてくれた。
「ニホンジン!」
西安(シーアン)のユースホステルで
会ったウェブデザイナーと
スポーツのコーチの資格を持つ彼は、
特に用もないのに
僕には声をかけてきてくれた。
———————
オハヨウゴザイマス♪」
重慶のホステルのスタッフは
自ら「日本が好き」と
僕には言ってくれて、
とても親しみが持てた。
———————
お金を浮かすために乗った
寝台のない、
1列5人がけの「硬座」では
必ず誰かが僕に声をかけてきてくれた。
自己紹介も兼ねて
自分が漫画家志望であることと
世界を旅していることを伝えると
みんな興味をしめして
僕のiPhoneの画像を見てくれた。
———————
同じ飲食店に
2回、3回と食べに行くと
お店のおっちゃん、おばちゃんは
親しみの目で
僕に笑いかけてくれた。
———————
楽器屋のおっちゃんは
ギターの弦を交換してくれた後、
僕の歌を聴いて
タバコを一本くれた。
懐かしい味を
ゆっくり味わった。
交換してもらった弦は
たった一日で切れたけど笑。
———————
重慶で話した
ホステルのスタッフは
僕の漫画家としての生き方を聞いて
「nothing lost
nothing gain」
と言う言葉をくれた。
リスクを冒すことを恐れるなかれ。
やらなきゃなにも始まらない。
———————
靴下を探してたまたま入った
「Jack Jones」
と言うお店で、
接客してくれたおねえさんは
僕にはノートを渡して
何か絵を描いて欲しいと言った。
「ねえ、彼の分も描いてくれる?」
「もちろん!」
———————
重慶北駅で行った路上ライブは
わずか2曲でストップがかかった。
ギターをしまっていると
鼻毛の飛び出た兄ちゃんが
パンダ保護の募金を募った紙を見せて
僕には話しかけてきた。
ギターを引く真似をして
親指を立てた。
そうさ。
稼げなくたって
それでいい。
★★★
自分からコミュニケーションを
とることは得意ではない。
特に英語で話しかける場合。
『会話が途切れちゃうんじゃないかな?』
『おれのボキャブラリーで
言いたいことを言えるかな?』
『もしかして
ウザったく思われてないかな?』
そんな僕に
「漫画」という媒体は
作者と読者を繋げるだけではなく
コミュニケーションのツールとして
新しいドアを僕に対して
開いてくれている。
全く話したことのない人とも
繋がれるんだ。
★★★★
「反日教育」
なるものが
中国にはあると言う。
中には日本を悪役にした
「抗日ドラマ」
というものも存在するらしい。
数々のネガティヴな情報たち。
…
オイオイ
ちょっと待てよ!
おれらが
中国を嫌いになるように
教育されてるんじゃないか⁉
伝えられてることは間違っちゃいない。
でも、
スポットの当てられている所が
偏り過ぎてるんじゃないか?
一人の人間としての付き合いには
余計なことはいらないんじゃないか?
———————
重慶から広州までの22時間の旅。
「硬座」の列車の中で
熟睡できない頭を抱えて
そんなことを考えた。
向かいの席のおばちゃんが
果物をくれた。
そうさ。
人の優しさは
どこの国でも
おんなじじゃねえか。
———————
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参戦しております。
今回はフラッシュバックの様に
ブログには書けなかった
シミの出会った人との出会いを
書いてみました。
音楽にも救われていますが
同様に
漫画にも救われているんです。
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