「バルーンと君と僕と」

世界一周140日目(11/15)

 

パタゴニアの
フリースのおかげで
凍えずに眠ることができた。

窓の外から差し込む光が
まるで映画のワンシーンの様に見える。

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タイとの国境の町タチレクから
飛行機でやって来たトンジーで
ようやくミャンマーを旅している気になれた。

昨日英語で僕のことを
迎えてくれた女のコの名前は

イイ(E.E)ちゃん。

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トンジー大学で英語を専攻し、
ガイドになるためキャリアを積んでいる最中だそうだ。

どうりで英語が達者なわけだ。

 

 

「顔を洗ったら朝食を食べに行こう」

 

 

と向かった先は青空食堂のような場所。

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近所のみなさんと一緒になって朝ご飯を食べる。

 

まぁ、大体こういう時に
訊かれるのが「コリア?」だ。

ここミャンマーでも
韓国ドラマは権勢を誇っている。

「いやいや、ジャパンなんですよ」と
軽く笑いながらみんなで食べる朝食は美味しかった。

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それにイイちゃんの気のきかせ方が
ハンパなく女子力が高いものだった。

僕の空いたグラスを見て
おかわりをついでくれたり、
スープをすすめてくれたり。

 

 

「この後、今日の予定はどうするの?」

 

「とりあえず、
近くの駅でマンダレー行きの切符が
買えるか訊いてみるよ。

もしダメだったら
バスで直接マンダレーに行こうかな?」

 

 

朝食を食べ終えた後、そのことを
イイちゃんのおじいさん(彼もまたツアーガイドだ)に話すと、

トンジーからマンダレーへ向かう列車は
出ていないことが分かった。

最寄りのShwenyaung(シェンヤン)まで
乗り合いトラックで向かい、
シェンヤン駅から列車を
乗り継がなくてはいけないらしい。

こういう回り道も
旅の醍醐味かもしれないな。

それに多少の回り道でも
ミャンマーでは交通費が抑えられる方がいい。

 

 

「私もついて行っていい?」

 

なんだか
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」
的な展開だな。
ありがたい。

僕はイイちゃんに
シェンヤンの町まで同行してもらうことにした。

 

 

「ちょっと待ってって!」

 

と言って、
しばらくして戻ってきたイイちゃんは
ちょっとオシャレになっていた。

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首からはツアーガイド初級の
ライセンスカードのようなものがかかっている。

そうか。
これもイイちゃんにとってはキャリアのうちだ。

 

 

 

おじいさんの話では
トンジーの町からシェンヤン行きの乗り合いトラックは
朝9時の一本しかないとのことだった。

 

僕たちが町に出るとイイちゃんは
すぐにシェンヤン行きを見つけた。

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僕一人だったらこんな簡単にはいかなかっただろう。

 

 

他の乗客を次々にピックアップし
乗り合いトラックは山道を走る。

一人500チャット(51yen)。

宿やツアーバスは高いが、
こういった地元の人が日常的に使うような乗り物は安い。

 

30分で乗り合いトラックはシェンヤンの町に到着した。

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駅には英語表記の料金表があった。

シェンヤンからマンダレーまで直通はなく、
僕は乗換駅のThazi(タジ)まで行くことになる。

切符は当日分しか販売していないらしく、
料金と出発時刻を調べて僕たちは駅を後にした。

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「それでマンダレーの後はどこへ行くつもりなの?」

 

「う~んと、全然決めてないんだけど、
インレー湖とかヤンゴンかな?」

 

「なんでそれを先に言わなかったの!」

 

「えっ?」

 

「それならここからタジに行くよりも
インレーに行った方が近いよ!」

 

行き先の名前しか調べていなかった
僕の脳内地図はほんとうにお粗末なものだった。

インレー湖って
マンダレーの近くにあると思ってたけど、
けっこう距離があるのね…

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと
友達の家
に寄ってもいい?」

 

「いいよ別に」

 

「そのコもね、私と同じ名前なんだ♪」

 

 

駅から少し歩いたところに
イイちゃんの友達の家はあった。

お父さんが消防士で
家には赤い色の消防車がおいてある。

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家の中に案内されると
僕は床の上に座ったが
椅子を勧められた。

お客さんは高い場所に
座ってもらうってことなのだろうか?

こうしてちょっとでも
おもてなしを受けると嬉しい。

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コーヒーをごちそうになり、
イイちゃんが友達と喋っている間、
僕は友達のコの写真を見せてもらった。

 

ミャンマーの人たちは
日本人と比べ細身で小柄な人が多いが、

ボディラインの出る伝統衣装を着た友達は
写真うつりが良いと感じた。

僕なんて笑いに走ろうと
すぐ変な顔するけどね。

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再び乗り合いトラックで
僕とイイちゃんと友達は
トンジーの町へ戻ることになった。

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今日は
ファイヤーバルーン・フェスティバル。

 

お祭りと言えば、

宿はほとんど満室で
外国人が訪れる場合には高いホテルか
「前乗り」して宿を確保しなくちゃ行けないけど、

こうしてイイちゃんのご家族に
寝床を提供していただいてほんとうに助かった。

宿の心配をしなくていいし、心に余裕ができる。

 

 

3人で食べた
「シェンドゥ」
というお米ヌードル。
300チャット(31yen)。
ローカルなごはんは安くて美味い♪

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お昼ご飯を食べ終わった後、
僕はイイちゃんの弟が作る
バルーンの製作現場にお邪魔することになった。

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折りたたまれた大きなバルーンが
弟くんたちによって広げられる。

このひとつのバルーンの製作に
沢山の人たちが関わっていたいたんだろうな。

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美術室を思い出させる様な木造スペースで
僕は最終チェックを受けるバルーンを見て
ふとそう思った。

 

 

 

ファイヤーバルーン・フェスティバルは
お昼過ぎから始まるらしい。

イイちゃんの弟くんのバルーンが飛ばされるのはお昼の部。

僕たちはバンに乗って
会場まで連れて行ってもらった。

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会場に到着すると暑い日差しの中
どんどんバルーンが空に放たれていく。

みんなおそろいの
クラT(クラスTシャツ)のようなものを着ている。

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そしてバルーンの打ち上げに成功すると
ドラや太鼓を叩いて、手を叩き合い喜び合う。

 

 

「青春だなぁ…」

 

 

この感覚、
僕は覚えている。

そう。
高校時代の体育祭や文化祭に似てるんだ。

みんなで「うわあ~」っとひとつになる
あの感覚だ。

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バルーンは「飛べない鳥」が多い気がした。
ニワトリやヒヨコやパンダやブタや

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…えっ!?パンダ?

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そうやって飛べないヤツらが
大空に羽ばたいて行くなんて
ロマンがあるじゃねえか。

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ようやくやってきた
イイちゃんの弟くんたちの番。

みんなで慎重ににバルーンを広げ、
火を灯した棒を使い、
中の燃料に着火する。

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一工程終わるごとに
彼らは手を叩いて歓声を上げた。

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あと少し…

あと少しでバルーンが飛び立つ。

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徐々に膨らんだバルーンが
ようやく地面を離れると
みんなの喜びは最高潮に達した。

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だがー…

 

 

 

バルーンは空の彼方に消えて行くわけでもなく
どこからか空気が漏れてしまったのだろうか?

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やがて力を失い、
近くの露店の真上に
ゆっくりと落ちて行った。

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急いでバルーンの回収に向かうみんな。
表情には悔しさを滲ませる。

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僕にとっても「うまくいかない」ことは
10代の青春の一部だった。
むしろその割合の方が大きかったと思う。

 

それでも彼らは一段落つくと、
今までの自分たちの努力をねぎらうように
ドラや太鼓や手を叩いて喜び合っていた。

僕たちの10代はどこの国でも一緒なんだ。

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朝から動きっぱなしだった僕とイイちゃんは
いったん家に戻り休憩をとった後、
ファイヤーバルーンフェスティバルの
夜の部を見に行くことにした。

夜の部が一番盛り上がるらしい。

イイちゃんの運転するバイクには友達が。
僕はお父さんのバイクで向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場は
昼間とは全く異なった雰囲気を発していた。

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自分の思うようには進めないほど
バルーンの打ち上げ場までの道は混み合い、
昼間以上に露店の数は増えていた。

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毎年この季節に8日間もこんなお祭りが続くなんて。
きっとミャンマーのひとたちは
こうやって一年に一回ハメをはずすんだろうな。

 

昼間みたバルーンとは違う、
重みをもったバルーンが時間をかけて準備され、
熱気を中にためこんでいく。

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観客たちはバルーンが膨らむと歓声をあげた。

 

 

バルーンが空に放たれる直前になって、お父さんが言った。

 

「ここから離れるぞ!」

 

僕の手を握るイイちゃん。

 

えっ!?

 

 

大きなバルーンはゆっくりと
地面から浮き上がり、
20メートルほど上がったところで
火を噴いた!

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大量の花火がバルーンに仕掛けられ、
上空に浮かびながら四方八方に花火を散らしていく。

絶対、アレ人に当たってる…

 

 

「私、以前花火が頭に当たったことがあるの。
だから怖くって」

 

とイイちゃん。

 

あぁ、なんだ。そういうことね。

 

 

お父さんの持ってきたシートを敷き、
会場を眺める僕たち。

 

 

「もしかして退屈?」

 

 

「いや、感動してるよ。
すごいなぁって…。

こんなに沢山の人で
にぎわっている会場を見るとね、
日本のフェスを思い出すんだ」

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明日の出発が早いので
10時になると僕たちは引き上げた。

 

人ごみの中で離れないように
僕はイイちゃんの手を握る。

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握り返してくる小さな手に
ちょっと切なさを感じずにはいられなかった。

 

僕は明日の朝、別の町へ行く。

きっとここには戻って来ない。

僕は僕の旅を行き
君は君の日常を生きるんだろうな。

 

人通りでにぎわう道を抜けるまで
僕たちはずっと手を繋いでいた。

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いろいろあったけど、
トンジーのこのお祭りに呼ばれた気がします。

ミャンマー中から沢山の人がこのお祭りを
観にくるそうです。

8日間も続くなんてすごいですね。
そんな体力もつのかなぁ?

 

それにちょっと甘酸っぱい思い出もできました。

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4 件のコメント

    • >まお

      ま、おれにはこういうのが合ってるよね。

      ロマンスを求めていこうじゃないか。

      あっ、Fコードで挫折しないようにね笑。

  • 私も、世界の終わり〜読みました(=゚ω゚)ノ

    最後なんか切なくてきゅんとなりました(=゚ω゚)ノ♫

    • >れーな★さんちゃん

      僕はあのお話の中で「胃拡張の女のコ」が好きですね。

      確か図書館に勤めていて未亡人の設定で、
      どうしてご主人が死んじゃったのかって言うと

      バスの中でパンクロッカーを注意したら
      逆上したソイツにぶん殴られて
      頭蓋骨が陥没して死んじゃったっていう
      妙な設定だった気がします。
      (あれ違ったっけ?)

      あぁ、久しぶりに村上春樹が読みたいな。
      それか「キャッチャー・インザ・ライ」
      もちろんハルキ訳で♪

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