世界一周236日目(2/19)
朝6:30
早く寝過ぎたせいもあって
アラームが鳴るよりも前に目を覚ましていた。
そしてまわりの山々を飲み込むような雲海。
「サーッ」と澄んだ雲が一面に広がる。
そこから頭を覗かせる山はまるで海に沈んでいるようだ。
「う~…さぶい」と言いながら、
アウターのポケットに手をつっこみ、
朝日が最後までヒマラヤを登り切るまで
他の人たちと一緒に朝日を見ていた。
この旅で何度サンライズを見ただろう?
日の出はー…
どこで見たって綺麗だ…。
宿の人には悪いけど、
貧乏バックパッカーの僕は
ここでご飯を食べる気にはどうしてもなれない。
ドミトリー一泊330ルピー(340yen)
というのは大変ありがたい価格なのだが、
その分を取り返すように
フードメニューが通常の3~4倍するんだから、
申し訳ないけど、僕には注文できそうにない。
ナガルコットの立地条件的に、
ここまで食べ物のを運ぶのに
コストがかかることは理解できる。
この日の僕の朝食は
少し離れたレストランの
野菜入りインスタント麺。50ルピー(52yen)。
カトマンズだったら
チョウメンが食べられるのになぁ…。
そう考えてしまうのです。
朝食を住ませ宿に戻ってくると
雲海はさらに雲のようになっていた。
ナガルコット
という場所において、
日本人の旅人の間で
ちょっと有名なカフェがある。
僕は昨日の夕方行ってみたんだけど、
お店には人の気配がしなかった。
「彼」はいないのだろうか?
「お~!日本人!カム!」
と僕の姿を発見して
二階から手招きする愛想のいいネパール人。
言われてみれば
『確かに!』だ。
僕は「◯◯に似てるね」と言われるのが
あまり好きじゃない。
だって僕は僕だ。
わざわざソイツを僕に重ねるんじゃねぇ。
むしろソイツがおれに似ているんだ。
認めてしまったら
自分のオリジナリティが損なわれてしまう。
そんな気がするのだ。
だが、顔がソックリという理由で
売り上げが伸びたことは間違いないだろう。
かく言う僕もこのカフェの名前を聞きつけて
わざわざやって来たのだから。
ほんの少しの日本語を話せるこのおっちゃんは
僕に何冊かのレビューノートを見せてくれた。
お店は2階での営業をメインとしているようだ。
メニューを見ていつものように
『高いな…』と思ってしまう僕におっちゃんは
「チーズ・オムライス(210ルピー/217yen)
がオススメ!」
と小気味良い接客をかましてくる。
や~!わかってるね~!おっちゃん!
「オススメ」に弱い日本人の性質
をよく理解してらっしゃる!
70ルピー(72yen)の
オーガニックコーヒーも注文して、
2階のテーブルについた。
こんな森の中で飲むコーヒーも
またいい感じだ♪
そしてやってきたチーズ・オムライス。
どんっ!!!
このボリューム!
かすかに香る
チーズのにおいが食欲をそそる!
てか誰だ!?
「オムライスにチーズ」っていう
組み合わせを考えたヤツ!
最高だぜぃ!あんた!
「うんめぇええええええ!!!!」
森に向かって思わず叫んでしまう(笑)。
おっちゃん!
笑っちゃうくらい美味しいよ!
チーズ・オムライスを食べながら
おっちゃんとお喋りした。
「そう言えば昨日、
日本人の男の子を見かけたんだけど、
私が声をかけたら「フンッ!」って感じで
行っちゃったんだよね…」
おっちゃんが残念そうに話す。
「あぁ、その子ね。
同じ宿に泊まってたよ。
今日カトマンズに行くんだって。
てかあの子じゃない?」
ちょうどその時カフェの下を
バックパックを背負った彼の姿が。
陽気に声をかけるおっちゃん。僕も声をかける。
彼は「それじゃあ…」という感じで
2階に上がってきた。
彼もまた「押し」に弱い人間だったのだ。
彼がチーズ・オムライスを
注文した事は言うまでもない(笑)
気をよくしたおっちゃんは
僕たちにコーヒーのおかわりをごちそうしてくれた。
そんなアキヒロくんは
僕よりずっとしっかりした大学4回生。
高速道路の会社に就職するんだとか。
今回も6割型の会話を僕が支配して
(いや、ちゃんと漫画の取材と称して色々質問したよ?)
楽しいひと時を過ごした。
あげた名刺をとても喜んでくれたのが意外だった。
今日は展望台に行く予定だったけど、
まぁ、こんな日もアリだ。
日が沈んで外には風が吹き始める。
僕は宿の隣りの小さなレストランで
25ルピー(26yen)のチャイをすすりながら、
置いてあったギターを弾いた。
首輪をつけた犬が
寒さから逃れるように店内に入ってきた。
お店のあんちゃんは猫を抱えたまま、
優しく犬の頭をなでた。
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ただのソックリさんがいるだけのカフェじゃなかったっす。
むしろメシが最高だった。
ネパールには美味しいご飯屋さんが他にも沢山あるみたいです。
このあとインドかー…
インド好きだけどー…
ここで食べたご飯はちょっと恋しくなっちゃうかもです。
『似てるって言われるの、
あんまり好きじゃないのよね。だって私は私でしょ?』っていう君は。
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