「うまくいかないのも旅」

世界一周395日目(7/28)

 

トリノ行きの電車は
あっという間に
僕をミラノから連れ去った。

 

 

一時間ちょっとの距離だった。

ウトウトした程度で全く眠れていない。

トリノの駅で寝ようかな…。
頭がボヤボヤするぜ…。

 

 

ここから今日はヒッチハイクするつもりだ。

マップアプリでスイスのジュネーヴへと続く
幹線道路の脇にあるガソリンスタンドに
マップアプリのピンを刺した。

カフェのトイレでうんちしてスッキリする。
路上生活者のトイレは至る所にあります。

 

 

カメラで駅の写真を残しておこうと
パシャパシャと適当にシャッターを切った。

最近読み込みが遅いのが悩みどころだ。

どうしたんだろ?

カードを入れているのに
「カードがありません」とか出やがる。

おかしいなネパールで差し込み口は修理したはずだぜ?

 

 

「カードの
読み込みができません。
カードを初期化するか
入れ直してください」

 

 

っち、んだよ?

イライラしながらSDカードを入れ直す。

 

 

 

 

「データがありません」

 

!!!

 

 

 

はっ?えっ?!!
ーいうこと?

SDカードを入れ直してもデータが読み込まれない。

確認のためSDカードをパソコンで
読み込んだが写真がほとんど消えているではないか!

 

 

 

ははは。

ようやく分かりましたよ。

SDカードに問題があるんだろ!
このクソだらぁっっっ!!!

 

 

 

このトラブルは前もあった。

データはカメラ屋に持って行けば復元できる。

SDカードを差し替えて僕はトリノの駅を出た。

やれやれだぜ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒッチハイクポイント
まで歩いて向かう。

時間もあるし、少しはトリノの町を見ておこう。

街並は綺麗に整備され、
どこか静かで上品な印象を受けた。

SDカードを入れ替えたカメラは
途端に調子がよくなった。

 

 

朝から睡眠不足の体で重たい
バックパックを背負うのは大変だ。

マップを見るて歩いていけそうだと思っても、
実際に歩いてみるとかなり遠かったりする。

一直線に続くトラムに乗って町のはしっこまで行った。

磁気カードが必要だったみたいで、
カードを持っていない僕は無賃乗車だ。

数駅なんでサービスしてください。

 

 

 

町のはしっこで幹線道路へ向かって進む。

イタリアのハイウェイに入るのは禁止されている。

だから僕が行くのはその途中にあるガソリンスタンドだ。

ハイウェイのゲートではたぶん止められるだろうから、
ハイウェイに侵入できる場所を探す。

畑をつっきり、あと少しまで行くのだが、
金網が行く手を阻む。

人が乗り越えられないように、
金網の目は足をひっかけるには編み目が小さく、
先端は切りっぱなしになっている。

フェンスが交わるところで
フェンスの向こう側に侵入。

気分はプリズンブレイクだ。

いや、僕はガソリンスタンドに行きたいだけなんだよ。

IMG_2744

 

 

 

 

そこからゲートの脇を通り、ハイウェイに出た。

車がすごいスピードで走り去って行く。

どこかで話したイタリア人が言っていた。

 

 

「時々ヒッチハイクしてるヤツが死ぬんだよ?」

「え??!!なんで???
ドライバーに襲われるってこと?」

「いや、轢かれるんだ」

 

 

その意味が身をもって実感できた。

ハイウェイには歩行者が通れる様な
スペースが白線でわずかに残されているが、
それほどのゆとりはない。

大型のトラックが横を通り過ぎると恐怖を味あわされる。

たまらずガードレールの外側に避難する。

地面は昨日降った雨でぬかるんでいた。

バックパックとサブバッグを背負い
総重量90kgの僕のからだが
地面にモスッと沈み込む。

サンダル履きの足のサイドと
ジーンズを踏みつけて穿いている
かかと部分は泥で汚れた。

これで警察に見つかったらアウトだ。

はやく!はやくガソリンスタンドに辿り着かないとー…

 

 

 

 

ガソリンスタンドは“あった”。

 

 

 

だが営業していなかった。

 

 

 

ってどういうことだぁああああああ!!!!なんで閉まっとんねーーん!くっそ!くっそ!もうっ!

 

 

すげーがっかりした。

今までのおれの苦労はなんだったんだ…???

マップアプリで確認する。
ちょっと先の分岐点で近くの町に戻るとしよう。

 

「ヘーーーーイッ!」

 

 

誰かが僕を呼ぶ声が聞こえた。振り返ると

警察。

 

あちゃーーーーー…。

 

 

 

「何やってるんだ?」

「やー、あのー、
バスターミナルどこかなーって。
てへぇ。
間違いちゃいましたーー♪」

「パスポート見せろ」

 

 

素直に従う僕。

ヒッチハイクしてたわけじゃない。

ここに侵入してしまったことがいけないのだ。

つまり僕は小学校の行程に迷い込んだ
野良犬みたいなもの。

そこまで大事にはなるまい。

きっと眉毛を描かれるくらいで済むことだろう。

IMG_2745

 

 

 

だが、4人の警察は
いつまでもウダウダと書類に何か記入したり、
タバコを吹かして軽口を叩き合っていた。

くっそ。ヒマ人に見つけられた。

 

 

暑い日差しの中、ガードレールが作る
わずかな日陰に入り込む。

バックパックを横に倒し、そこに座って頭を沈めた。

 

 

30分くらいその場に待たされ、
やって来たのは黄色い服を着た
高速道路のスタッフ。

僕の身元を引き受け、
ハイウェイの出口まで連れて行ってくれた。

「ノ~~~プロブレムさ!」
と陽気に言うスタッフさんに安心させられた。

 

 

「いいかい?この先にある駅で
ジュネーヴ行きの列車が出てるからね。
それに乗るんだよ?」

 

ここは助言に従おう。

スタッフさんにお礼を言って僕は歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁはぁ。

てかー、遠いよ…。

マップアプリで駅のある場所を確認したが
3km以上はある。
幹線道路を抜けるのに骨が折れた。

いつかー、
いつかこの借りは絶対返すぞ!
イタリア!

そう心に固く誓って、
1ユーロ、300mlのスプライトを飲み干し、
汗だくで駅に行った。

 

 

えっと、チケットはいくらだ?

券売機でジュネーヴ行きのチケットを確認する。

表示されない。ん?

 

 

一応窓口でもジュネーヴ行きのチケットがあるか確認する。

 

 

「ジュネーヴ行きかい?
ここからだとミラノ経由じゃなきゃ行けないよ。
ここから電車に乗るなら90ユ-ロ(12,309yen)」

 

なんですとーーーーーーーっっっ!!!

 

 

マジ、マジ払えんてー!
90ユーロなんて!てかなんでミラノなん?

こっちの方がスイスに近いやろー!

なんだ?フランス経由する電車はないってことか?

 

 

ジュネーヴはスイスの西の方に、
それもとびっきりはじっこにある町だ。

最短距離で目指すには
フランスを抜けなければならない。

 

 

 

 

 

 

いいよ!やってやんよ!
フランス抜けて
ジュネーヴ行ったる!

 

 

 

 

券売機で国境の町、
アオスタまでのチケットを
クレジットカードで購入した。
8.5ユーロ(1,163yen)。

乗り換えが2回ある。
券売機はご丁寧に乗り換えまで表示してくれた。

それをiPhoneで写真に収め、僕は電車に乗り込んだ。

 

 

 

窓の外を流れる景色はアオスタに近づくにつれて
自然豊なものへと変わっていった。

山を大きな雲が包み込む。

大きなうねりのある白い雲は
どこか僕を不安にさせた。雨が降りそうだ。

アオスタの町に着いて分かったことはここに
「モンブラン」が近いということだった。

あぁ、あのモンブランか。
万年筆とかで有名なモンブランも
ここから取ったんだろうな。

 

 

 

 

時刻は16時。

わずかな望みをかけて、
歩いてヒッチハイクポイントまで向かう。

今度はさっきみたいなドジはなしだ。

幹線道路の直前にあるガソリンスタンド。

ハイウェイ内に入らなければいけないわけじゃない。

 

 

数キロ歩いたところでついに雨が降り出した。

IMG_2749

 

 

 

小雨からだんだんと雨脚が強まる。

たまらず近くのスーパーマーケットに避難する。

パンとトマト2つとマーガリンを買って
2.3ユーロ(315yen)。

自炊はまだまだできないけど、
これはいいかもしれないな。

 

 

 

 

撤退しよう。

こんな雨じゃまずヒッチハイクなんてできやしない。

外でマーガリンをつけたパンと
トマトをほおばりながら考えた。

さっきお店のお兄さんに聞くところによると、
アオスタの中心地まで戻れば
フランスまで行くバスがあるらしい。

はぁ、また元の場所に戻るのか…。

 

 

 

バス停で「AOSTA」と
書かれたものに乗った。1ユーロ。

運転手は独り言を言うように、
イヤフォンとマイクを駆使して
誰かとずっと電話していた。

 

 

 

 

 

とりあえずバスターミナルで
フランス行きのチケットが帰るか尋ねた。

一日一本時刻は朝の7時45分。
17.4ユーロ(2,380yen)。

いいよ。買うよ。
買わなきゃ行けないんだろ?

 

 

イタリアに来てフィレンツェ以降の
移動費がかさむ。

なんでったってここまえ移動に
金がかかるんだ?日本もそうだったっけ?

そんなあっちこっち
行ったことないから分からないけど、
今はひたすら交通費高ぇとしか思わない。

それにバスキングでも僕のレベルじゃ稼げないから
マジイタリアなんなのって感じ。

お腹いっぱいピザ喰ってみたい。

ヨーロッパにいたら確実に痩せるなぁ。

 

 

 

 

 

チケットを買い、町の中心地へと行ってみることに。

ここも観光地で、日本人の姿も見ることができた。

自分の両親と同じくらい、
もしくはそれ以上の年齢に見える人たちだった。

仕事を退職し、ようやくできた自分たちの時間で
雄大なモンブランを楽しむ優雅な旅。

 

 

僕はイタリアで雑貨の
仕入れをしていないことに気がついた。

トスカナ地方(ここはトスカナじゃないけど)の
皮でできたスマートフォンケースに
羊のシルエットのクリップ。

IMG_2751 IMG_2752 IMG_2753

それでも高いぜ…。

 

 

 

 

バスキングを試みたが、雨にやられた。

雨が降るとなんにもできないな。

どこでも見かけるコーヒーチェーン
「illy」の外のテーブルに着き、
巻きたばこをふかす。

何も注文していないのに
スタッフさんがWi-Fiのパスワードを
教えてくれたのが嬉しかった。

 

 

その横の屋根のある雨に濡れない場所で、
おっちゃんがアコースティックギターを鳴らして唄い始めた。

バスキングだ。

大きな声だけど、耳障りじゃない味がある声。

英語の歌で何を唄っているのわからなかったが、
知ってるメロディが多かった。
OASISの「Don’t look back anger」だっけ?

IMG_2754

 

 

 

目の前のお店では店員さんが
おっちゃんの歌を聴きいっている。

雨が降っているのにも関わらず
観光客からコインが入った。

なんか他の人のバスキングを見るのも勉強になるなぁ。

てかおっちゃん稼いでんなぁ~。

僕も写真が取りたかったので10セント入れた。

 

 

 

 

 

 

20時にはカフェが閉まった。

雨をしのげるアーケードのベンチに座ってぼっとする。

久しぶりにほんのりとした寂しさを味わう。

静かに石畳に降り注ぐ雨が
余計にそうさせているのだろう。

 

 

こんなイタリアのすみっこにある町で僕一人。

僕はこんなところで何をやっているのだろう?

ここまで来てスイスに行かないという選択肢はない。

これも本来だったら予定外。

うまく短時間で街をまわることができるだろうか?

物価がとても高いらしい。それも心配だ。

 

 

人がいないところがないかと寝床を探したけど、
アーケードの外では見つけられなかった。

あいかわらずしとしとと小雨が降っている。

 

 

僕は諦めてもアーケードに戻り、
ベンチに座ってタバコをふかした。

そして濡れたままのジーンズで寝袋に入った。

IMG_2755

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シェンゲンさえなければなーって思います。
そしたらきっと何年も時間がかかるんでしょう。
ただでさえ延長しそうなのにな。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

「旅する漫画家」。世界一周後(2013-2016)、現在は海沿いの町に潜伏中。そろそろ旅がしたいぞ!