世界一周493日目(11/3)
僕の動物的直感が叫んでいる!
『ここで
寝ていたら
怒られる!』
しゃぁ~~~~~…、
そろそろ起きますかね。
寒いからポカポカするまで寝ていたいです。
でも、ここは
なんかの施設っぽいのが近くにあるので、
人気がないうちに撤収します。
テントから顔を出せば
エッフェル塔がこんにちは。
かなり贅沢な寝床だった。
昨日の小雨のおかげもあって、
よく寝られたと思う。
いつもよりかは、ね。
今日向かう先はモンサンミッシェル。
レンヌって駅からバスで
10ユーロもしないらしい。
だって地図で見ると
モンサンミッシェルって大分離れてるぜ?
それが10ユーロ(1,423yen)。安いっしょ?
僕はレンヌ駅へ向かうことにした。
今日でパリともお別れだ。
ちょっと歩くことにしよう。
パリ市内にはメトロの駅が山ほどある。
自分が行きたい駅に行くのに、
どう行くのが一番効率的なのかを考えてしまう。
まぁ、駅員さんに聞くのが一番なんだけど。
『たぶん、ここからレンヌ駅に直通で行けるだろう』
とマップアプリと照らし合わせて
メトロに乗り込んではみたものの、
乗り換えをしなくちゃいけないという
めんどくささだ。
なんだかんだでエッフェル塔から
レンヌ駅まで行くのに一時間以上もかかってしまった。
僕はレンヌ駅から50m離れたところにあるらしい
バスターミナルを探した。
地図を見てもバスターミナルらしいものは見当たらない。
っかし~なぁ?レンヌ駅だろ?
ここ、レンヌ駅だよなぁ…。
分からない時は人に訊くのが一番だ。
僕は駅員さんにモンサンミッシェル行きの
バスにどこから乗れるのかを訊いてみた。
「何言ってるんだい?
ここからモンサンミッシェルなんて行けないよ。
それならTGV(電車)でしか行けないよ」
「え…???
それっていくらかかるんですか?」
「さぁ?
100ユーロくらいじゃない?」
話が違う!!!!!!!!!
ひーーーふーーーひーーーふーーー。
落ち着け…、落ち着くんだっっっ..。
ちょちょちょちょ、ちょっと
どこかのWi-Fi入るカフェで
一人作戦会議しようっっっ!
なぜか時間を大幅にロスしてしまった気がした。
ブラックコーヒーを飲みながら
iPhoneの画面をタップする。
くっそ~…。なんでだ?
あれ?
レンヌ駅って他にもある。
発覚したのが、
モンサンミッシェルまでのバスが出ている
レンヌ駅というのはここから
300km以上離れた場所にある町だった。
なんだよーーーーー!!!
ってかどうする?
今日はバスで余裕綽々で行くつもりだったけど、
100ユーロは払えない。
いや、払いたくない。
マジダリィ~~~…、
もうこの際パリにもう一泊しちゃう?
いや、シェンゲンのリミットも迫ってるしーーー…、
ヒッチハイク
するしかない!
旅ノートを広げて急いで
ヒッチハイクの作戦を練った。
パリからRERという郊外線に乗って、
Dourdan(ドゥルダン)という駅まで行き、
そこから歩いてヒッチハイクポイトまで向かうらしい。
よっしゃ!やったる!
時刻は10時半。
僕は郊外線に乗って
ドゥルダン駅まで向かうことにした。
途中にイライラを収めるために、
メトロのプラトフォームにある
お菓子の自動販売機でワッフルやら
ハリボーのグミやらを買おうとしたのだが、
腐れポンコツのパリの自販機は
10セントなどの小さいコインに反応せず、
お菓子を買うのに総計1ユーロくらいの小銭が
自販機に巻き上げられた。直せし!
ドゥルダン行きの郊外線に一時間ほど揺られた。
iPhoneのジャックにイヤホンを差し込み、
CARAVANを流すといくらか焦りは静まった。
パリはあんなに都会だったのに、
パリ郊外は本当になにもなかった。
どこの国も首都だけが異様に発展してるのかなぁ?
普通に暮らしている人の方が多いんだな。
それは日本でも一緒だ。
ドゥルダン駅を出ると、
僕は最短距離でヒッチハイクポイントへと
向かうことにした。
距離にして約5km。
い、一時間くらいでつけるはずだ!
道を歩いていると、
通りかかった車がヒッチハイクポイントまで
乗せて行ってくれることもあるらしい。
歩行者用の道幅はあってないようなものだった。
後ろから来る車自体もそこまで多くないので、
車が来ると草むらへ避け、
あとはコンクリートの車道を大声で唄いながら歩いた。
今の所車は止まってくれそうにない。
左右はどちらも人の手に寄って
整えられた森林になっている。
途中、森の中に入る道が何度か現れた。
マップアプリを確認して、
そのまま森の小道をつっきって行った方が
早いことが分かった。
森の中を抜ける道の入り口には
車が侵入できない用になっている。
落ち葉が敷き詰められた道を
シャウトしながら歩いて行った。
時々ヒッチハイクする場所まで行くのが
アドベンチャーになる場合がある。
今回がまさにそれだ。
それでも、この遠回りが楽しかった。
こんなところでキャンプしたら面白いだろうな。
あれ?
行く手を遮る横たえられた木。
明らかに人為的なものだ。
これ以上先に行かせないようにするためか…。
よし。進もう。
道から茂みの中に入り、木をやり過ごした。
てか、ここもしかして
入っちゃいけない場所なのか?
さっきまで調子に乗っていた僕だったが、
だんだんと不安な気持ちになってくる。
早くヒッチハイクポイントに行かないと!
途中の分かれ道で
人の乗っていない白いバンが停車していた。
それがなんだか不気味に思えた。
こんなところで襲われたら逃げ場ねえな。
天気が悪いせいもあって、林の中はどこか薄暗い。
踏みしめる落ち葉の
「シャクシャク」という音だけがした。
ふと思い出したのは
「ノルウェイの森」の冒頭だった。
確か主人公のワタナベくんと直子が
こんな道を歩いているシーン。
直子は急に井戸の話をする。
原作ではそれは草原にある井戸なんだけど、
僕には「ノルウェイの森」のシーンが混ざり合って、
こんなところに古井戸があるような気になったのだ。
もし、仮に、ここに古井戸があって、
それに自分が落ちてしまったとしたらー…
考えただけでぞっとする。
死や心の深淵といった
ネガティヴな比喩として使われる「井戸」。
直子が話していた井戸が存在するとしたら、
こんな場所なんだろうと思った。
出口を見ると僕の歩調は早くなった。
なんだか遭難者が
ついに人里を見つけた気持ちーーーー…、
せ、線路が越えられない。
最短距離で向かったはずが、
行く手を線路に阻まれて越えられない。
地図を確認すると迂回すれば
線路を越えてヒッチハイクポイントまで
行けることが分かった。
そして、自分がわざわざ大変な道を通って
ヒッチハイクポイントへと
向かおうとしていたことも。
別の道から行けばずっと車道だったのだ。
小雨に降られながらも、
なんとかヒッチハイクポイントまで
辿り着くことができた。
フランスでのヒッチハイクは
ハイウェイ前のゲートでやるらしい。
ベルギーからパリに来た時に、
夜ここでコート着てボードを持っていた
女のコ二人を見て驚いた。
一体あの子たちは
どうやってあそこに行ったのか?って。
その時は知らなかったけど、
どうやらここがフランスで
ヒッチハイクする場合においての
一つの選択肢らしいのだ。
てかこんな場所で車が止まってくれるのだろうか?
ギターケースから段ボールを取り出して
「Rennes」と書いた。
このいくつもあるゲートのうち、
レンヌへ行く車が運よく自分が立っている場所を
通過しなくちゃ車に乗ることはできない。
一番車が通過するゲートを選んで、
ヒッチハイクを開始した。
ドライバーさんたちからのレスポンスはいい。
まぁ、こんな場所で
ヒッチハイクだなんてギャグだよなぁ。
「ブロオオォォォ…」
速度を落とす車。
え、
止まった????
開始三分でレンヌ行きの車に
乗せてもらうことができた。
名前を訊いてもよく聞き取れなかった。
ドライバーのお姉さんと弟くん。
弟くんの方は「マーグル」?みたいな名前だった。
お姉さんは「バター」ってことにしておこう。
自分でも驚きだった。
ここまでヒッチハイクポイントまで
2時間もかかったのに、
ヒッチハイクは三分で成功した。
ハイウェイを車は快調に飛ばす。
スコールに何度も遭い、
車は地面の雨水を煙のように巻き上げて走った。
僕はレンヌのショッピングモールで
降ろしてもらった。
お礼を言って二人と別れた。
時刻は18時過ぎ。
今日はここで一泊だ。
モール内のスーパーで食糧を買い込むと、
そのまま僕は町の中心地へと向かった。
新しい町に着くととりあえず中心地に向かう。
マクドナルドとかがあるからじゃないかな?
さっき彷徨った森でサンダルはグチョグチョだった。
おまけにまた小雨が降り出す。
ヘトヘトになってレンヌの中心地へと辿り着いた。
いつものようにマクドナルドへ逃げ込み、
コーヒーを注文する。
冷えきった体に、
1.3ユーロのコーヒーがじんわりと沁みた。
閉店まで作業をして、今日も寝床を探した。
この町でもほとんどの公園が
先端の尖った高い柵に囲われている。
マンションの前にある草むらにテントを張った。
明日も早起きして撤収だな。
いよいよモンサンミッシェルだぜ…。
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フランス、ヒッチハイクしやすいっすよ?
ただし、そこまで辿り着くのが大変ですけどね。
いやぁ~、なんだろ?簡単なんてないんだろうな。
感謝しかないんだよ。
今日もありがとうね。
乗せてくれて。
優しくなろう。
★Twitter「Indianlion45」
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