「僕は二日連続で盗難に遭った。チェコで」

世界一周422日目(8/24)

 

ハッと目を覚ますと、
誰かが枕元にいた。

『何してんだ?コイツ?』と頭に目をやると、
サブバッグが空いていることに気づいた

 

 

『ってー…何か盗っー…』

ダッシュで逃げて行く黒い影。

「オイッ!」

 

 

大声を出すことしかできなかった。

サブバッグから一眼レフと
眼鏡を入れたケースが抜き取られていた。

 

 

深夜4時。プラハ。

 

 

僕は急いで寝袋をたたんで、
ソイツが逃げて行った方へ走っていった。

近くにはサーカスみたいなテントがあり、
警備員がいた。

 

 

「さっきこっちに走って来たヤツが
いませんでしたか?」と訊くと、
「あっちに行ったよ」とことも無さげに
警備員は言った。

 

 

僕に何ができるだろう?

警察を呼んでいただけませんか?とお願いしたが、
警備員のヤローが言ったのは
「ノー(NO)」だった。

 

 

 

もう嫌だ…。

なんなんだよチェコ。

おれはお前に会いたくてここまで来たってのに。
あんまりじゃないか?

 

 

iPhoneを取り出し、マップアプリで
ポリスステーションを探して、そこまで行った。

夜番(というか明け方)の警察官に事情を説明する。

ポ、ポリスレポートを作ってくださいと。

しばらく署内に待機させられ、
別の警官が現場検証のため、
パトカーで僕をさっきの公園まで連れて行った。

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犯行の起こった場所を書類に書き込む。

そして再び警察署へ戻る。

レポートを作成する人は
8時にならないと来ないそうだ。

僕はここで待たせてくれとお願いする。

警察署内は外に比べれば格段に温かく、
ソファに座った僕は寝袋を敷いて、
寝させてもらうとした。

 

 

受付のポリスマンは言った。

「ここは寝床じゃない。
警察署だ。待つなら座って待て」と。

いや、分かってるけどさー、血も涙も、ない…。

 

 

ソファに座ったままウトウトし、
8時に英語の話せるコートにブーツ、
スカーフを首に巻いたお洒落マダムみたいな
女性がやって来た。

僕の被害に遭った状況を事細かく訊きだし、
レポートの作成を作成する。

1時間以上もかかった。
チェスキー・ブジョヴィツェに比べると大違いだ。

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レポート作成中に読ませられた英語の書類には
「被害者は最低限の権利を
保障されるうんてらかんたら」
とわけのわかんねーことがびっしり書いてあった。

それを読むと、大学受験を思い出した。

一応、前回作ってもらった
ポリスレポートを見せておく。
この書類がちゃんと僕の被害を
書いているのか気になったのだ。

それにこの「4,000-kr」ってのも気になる。

 

 

「あぁ、これは被害総額のことよ」

ってバカぁっ!
んな分けないだろっっ!!!

4,000コロナって言ったら2万円だぞ!
そんな少ないわけねえじゃねえか!

いくら価値が下がった
中古品だからっていっても、それはあんまりだ!

 

 

「そんな!
もっと被害にあってます!
書き換えていただけませんか?」

「残念だけど、
書類を作成した場所じゃないと
変更できないのよ。」

うぅーーーーーぅぅぅ…

 

 

どうする?
もう一度チェスキー・ブジョヴィツェに戻るか?

いや、たかだか書類を作成し直すのに、
あのやる気ゼロの警察がやってくれると思うか?

くそぅ…。

 

 

「それじゃあ、
私の仕事はこれで終わりだからー。
グッドラック」

「って!ちょっと、待って!
えっ?!もうこれで終わりぃ???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は二日連続で
盗難に遭った。

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「宿に泊まる」という選択肢はなかった。

ここまで続けて来たスタイルだったし、
宿に泊まったら負けかなー…なんて

って自分でもよく分かんないよ。
なんで野宿してるかだなんてさ。

ヨーロッパでお金を使ったらキリないじゃん。
一泊15ドル以上するんだぜ?
それに宿でも盗難あるとか言うし。

カンボジアのヤマトゲストハウスでお会いした
ウエダ兄さんはプラハのドミトリーで
寝ている時に盗難に遭ったようだ。

 

 

そんな話を訊いたら
プラハの宿になんて泊まりたくない。

自分でも誰かに説明するできるような
行動理由を持っていない。

ただ、僕は作ってしまった
自分のルールを壊したくなかった。

これはエゴなのは分かっている。

 

 

誰かが「命があってよかったよ」と励ましてくれた。

でも、盗難に遭った被害者から
言わせてもらえばそうじゃないんだよ。

 

 

物を盗むことについてのリスクについて考える。

しかも寝ているヤツから物を盗るのに
リスクなんてあってないようなものだ。

バレても寝ているヤツはすぐには動けないし、
気づかれたら逃げればいい。

そして意外に寝ていると
気づかないことが多いことが分かった。

つまり物を盗むのはリスクが低いのだ。
得にツーリストから。

捕まってもギャグみたいな冗談で切り抜けられる。
「ゴメ~ン!間違えちゃったヨ!」とかね。

そしてこの国では

「寝ているヤツからは
何でも持って行ってもいい」

というルールがあるみたいだ。

じゃなかったら、二日も連続で、
しかも寝ている間に盗難に遭うわけない。

 

 

あんなひっそりしたベンチで寝てたのに。
どんだけカモを見つけ出す嗅覚があるんだよって感じ。

「来たかった国」が
「二度と行きたくない国」
になりそうだなと思った。

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マクドナルドで
一人作戦会議をする。

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このままベンチで寝るスタイルを続けるのはだめだ!

よし!

テントを買おう!

 

 

 

 

と、その前に服買おう!

プラハの中心地まで行き、
とりあえずはパタゴニアへと向かった。

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パタゴニアはただいま絶賛セール中だった。

30%から70%も割引されている商品を
ここ10年の集中力をもって吟味するが、
欲しい服が見当たらない。

セールでも普通に高かったりするし、

もう!何が必要なのか逆に分からねえ!

 

 

何度も試着を繰り返し、クソ迷惑な客だった。

耳にピアスして、髪がツンツンの
パンクロッカーみたいなパタゴニアのスタッフには
到底思えなさそうな女性店員が
迷惑そうに僕の試着した服をたたみ直していた。

まぁ、僕みたいな小汚いヤツが店内で
試着を繰り返しているんだからムリもないか。

だけど、ついこの間までは
ちゃんとしたバックパッカーだったんだぜ?
野宿してたけど。

 

 

爽やかスマイルの別の男性スタッフさんに
二日連続で盗難に遭ったことを
言わずにはいられなかった。

リアルで誰かに自分の身に起こったことを伝えたかった。

男性スタッフさんは
「それはクレイジーな出来事だったね!」
と少しは同情してくれた。少しはね。

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だけど、僕の心はスッキリなんてしなかった。

悩みに悩んだ末、僕が手に入れたのは
セールのTシャツと、通常価格のボタンシャツだった。

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安い服ならH&Mでも行けば手に入る。

もっと安くあげたければ
そこら辺の無名ブランドの服を買えばいい。

だけど、僕が手に入れたいのは
長く使って行ける旅の仲間だ。

いくらでも安い服は手に入るけど、
それは僕のスタンスじゃない。

もう節約とか言っていてもしかたない状況だ。
合計12,000円分をクレジットカードで支払った。

必要経費だ。

 

 

 

お店のお兄さんにどこに行けば
安いテントが手に入るのかを訊いておいた。

すぐ近くのショッピングモールにテントが売っているらしい。

パタゴニアからわずか50mくらいのところにある
ショッピングモールのスポーツコーナーでテントを探した。

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一番安い型で45ドルくらい899コロナ。
二人用のテントで3kgのヤツだった。

 

 

テントを手に入れた僕は再び
作業場にしているマクドナルドで作業した。
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こういう時にSNSには助けられる。

誰かからのメッセージがたまらなく恋しかった。

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18時にはマクドナルドを出た。

パタゴニアのお兄さんから
どこでキャンプするのがいいかも訊いておいた。

川を二本渡ったところは
誰も来なくて静かなんだそうだ。

 

 

持ち物はサブバッグに、
寝袋とマット代わりの段ボールを入れたビニール袋。
そしてさっき買ったばかりのテント。
手荷物が増えた分、重く感じた。

 

 

やっぱりバックパックは必要だなぁ。

お兄さんに教えてもらった
寝床に辿り着くために公園を抜けた。

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この国には沢山のランナーがいる。
公園と言う公園で彼らの姿を見ることができる。

公園のベンチに腰を下ろして
アメリカンスピリットを巻いた。

一本分にも満たないわずかな量だった。
これで巻きたばことはしばらくお別れだな。

 

 

プラハは中心地から離れてしまえば
いくつかの公園にアクセスすることができる。

今日僕が訪れた新しい公園は広くて、芝が綺麗だった。

野宿できそうだったけど、
妥協せずにパタゴニアのお兄さんから
教えてもらった場所へと向かう。

 

 

野宿場所の見極めを怠ると
めんどくさい状況に陥るのはよく理解できた。

二本目の川を渡る時、橋から見える夕日と
それを反射する水面がアホみたいに綺麗だった。

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変わらない美しさはここにもあるのに、
僕の今の状況はすっかり変わってしまった。

今まであんなに重たい
バックパックを背負っていたのにー…

 

 

お兄さんから教えて
もらった場所に行ってはみたものの、
テントを張れそうな場所を見つけることはできなかった。

橋をもう一度引き返し、
テントが張れそうな茂みに入っていった。

 

 

あと1時間もすれば日が暮れる。

買ったばかりのテントを張るのには
明るいうちでなきゃだめだ。

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昔はー、テントって嫌いだったのになぁ。

張り方分からなくて、
キャンプが得意なヤツを指をくわえて
みていることだけしかできなかったのに。

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茜色の空の下、
初めて自分の力だけで張ったテントは
どこか誇らしげに見えた。
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6 件のコメント

  • お疲れ様です。犯人は同一犯か?な。今後これ以上の事が起こらないよう願っています。

    • >そらさん

      ははは。

      『アイツ、またこんなところで寝てるよ!』

      って感じですか。

      そ、どうりで。

      じゃなかったらピンポイントで
      狙われることもなかったかもしれませんね…。

    • >DKさん

      ざっす!
      そんな!毎日だなんて、
      読むのに疲れませんか?

      たまには息抜きしてもいいんですよ???

      ウソです。
      こんなクドクドしたブログを
      読んでくれてありがとうございます♪

      最近の目標はリアルタイムに
      おっつくことです!

  • 私の友人も去年イタリアで盗難に会ったけど、警察でポリスレポートを書いて貰う時に、「何で税金も払って居ない外国人の為に、我々イタリアの警察が苦労しなければ為らないの?。」と言われ嫌な顔をされて、警官にお金を払えと言われたそうです。

    外国では盗難に逢うのは、90%本人の不注意が原因だと、警察で言われますので警察は当てにしては駄目ですよ。

    シミ君テント良いかも知れませんね、中に誰が居るか判らないので、泥棒も手が出し難いかもですね、でもシミ君2日連続で泥棒に逢うのも、マジで珍しいですね!チェコはシミ君には合わない国ですね、早く次の国に移った方が懸命です。

    • >JOSANさん

      いつもコメントありがとうございます。
      てっきりコメントの返信をしたつもりになていました。

      まぁ、現地の警察の言い分も分かるといえば分かるのですが、
      もう少し犯罪が起こらないように頑張ってくれぬものかと
      思ってしまいます。

      二日連続も盗難に遭うだなんて
      これに何か意味を見いださずにはいられません。

      今はかなり身軽になって、
      長い距離を歩けるようになりました。

      そして、街に向き不向きもあると思います。
      プラハはー、

      言わなくてもお分かりでしょうー…。

      テントは快適です。
      3回野宿すれば元が取れます笑。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    「旅する漫画家」。世界一周後(2013-2016)、現在は海沿いの町に潜伏中。そろそろ旅がしたいぞ!