「週5ポンドで屋根裏部屋を借りて一日中タイプライターを」

世界一周474日目(10/15)

 

 

「リバプールは
治安がよくない」

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そう聞いたせいもあって
全然眠れなかった。

短い睡眠をとっては
起きることを繰り返していくうちに
6時になり、7時になり、8時になった。

ここまでくればもう安心だ。

せめて10時までは眠ろう…。

テントが風にあおられて
フライが半分以上ずれてしまったのも
気にしないで寝た。

 

 

 

 

 

「HeeeeeeeeeeeeeY!!!」

 

 

 

 

突然真上から声が聞こえて目が覚めた。

間髪入れずにこっちも
「ヘーーーーーイッッッ!!!!」
と返してやった。

朝方に声をかけられるのは
警察か地元の人だろう。

熟睡していたわけじゃないから
すぐに反応することができた。

分かったことはテントのフライが完璧に外れおり、
上から地元のガキが
僕のことを覗いているということだった。

 

 

 

「よぉ、お前、ホームレスかい?」

「いや、違う!
僕は今日マンチェスターに行くんだ」

 

 

散々ブログでは自分のことを
ホームレス呼ばわりしていたが、
実際にホームレスか?と尋ねられれば
「違う」と応える。
まぁ、相手の興味をなくすのが目的ですね。

 

 

「ホームレスなんかじゃないよ。
今日、バスでマンチェスターまで行くんだ」

「バス?」

「ばす(bus)」

「ブゥゥゥスな!
ブゥゥゥス!」

 

 

クイーンズ・イングリッシュの発音は
独特で、しかもそれに訛りが加わると、
もう相手が何言ってんのか
全然分からないことがあるのはまさにこの例だろう。

ガイ・リッチー監督の作品「Snatch」に
田舎の喧嘩師役のブラッド・ピットが
犬(Dog)のことを「ダァァッグ」
っていうシーンを思い出した。

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ちなみに悪ガキたちの後ろ姿だ。
あー、映画観てえ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テントを

たたんでこの日僕が向かった先は
ビートルズ・ミュージアムだった。

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おいおい、灰皿に「ガム」入れるとこもあるぜ!

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これはー、違うとこでした。

 

 

 

僕はビートルズのファンなんかではない。

バスキングではみんなが知っている
「Let it Be」くらいは唄うけど、
レノンの思想がどうとか、
マッカートニーの作曲スキルがどうとか、
そういうことは全然分からないし、
曲だって、有名な曲以外聴いたこともない。

そんな僕がビートルズの博物館に行くのだ。

 

 

僕のビートルズに対する想い出みたいなのは、
親父が持っていたビートルズの
バラード・ヒットのテープと、
ベスト盤のCD(青いやつ)だろう。

清水家の車は未だに
カセットテープのステレオがついているからね。

子供たちが好きな音楽が聴けない、
完璧親父仕様にカスタマイズされた車でかかる音楽には
良い思いでなんでなにひとつなかった。

 

 

ビートルズは
リバプール出身のアーティストらしい。

リバプールについて調べている時に、
「ビートルズを知らなくても楽しめる」
といった内容の記事を見つけた。

それなら僕も楽しめるかもしれないな。

 

 

 

イギリス旅にはテーマみたいなものがある。

「アートとカルチャーに触れる旅」だ。

1960年代に誕生して
一世を風靡したビートルズ。
せっかくここまで来たのに、
その歴史を素通りしてしまうのはもったいない!

 

 

 

 

海沿いにあるミュージアムに僕は足を運んだ。

ミュージアムの近くには沢山のお土産屋があった。

物価も高いし、どれも似た様な物ばっかりだし、
もうどれを仕入れていいのか分からないので、
リバプールはパス。

相棒のまおくんと企画している
「旅する雑貨屋 Drift」の仕入れは
ロンドンにかけましょう。

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ミュージアム

は建物の地下にあった。

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受付でバックパックとギターを預かってもらい、
入場料の12.9ポンド(2,224yen)をサっと支払った。

観光はほとんどしないけど、
何にお金を使うか?」だろう。

受付で日本語の音声ガイドを貸してもらえるのも、
このミュージアムがビートルズのことを
全く知らない人でも楽しめるように
なっている良いポイントだろう。

曲だってほとんど知らない僕だって、
ビートルズがどんな風にして結成され、
解散までにどういう軌跡を辿っていったのかが
よく分かる内容になっていた。

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中でも僕が面白いなと思ったのが、

「バンドの裏話」だ。

しかもビートルズの外で
動いていた人たちの話。

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リバプールで新しいムーブメントを起こしたかった
地元の新聞記者は(名前は忘れた)、
オフィスの屋根裏部屋を週5ポンドで借りて
朝から晩までずっとタイプライターを打っていたそうだ。

リバプールの街において初期ビートルズの
認知度を上げたのは
彼の功績によるところもあるだろう。

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音声ガイドの中には
メンバーのカリスマ性だとか、
スキルの高さだとか、人気だとか、
そういう言葉が何回も出て来たが、
もちろん売れるまでにはそれなりのプロセスがあった。

ドイツ、ハンブルグでの遠征や、
度重なる地元のライブハウスでのライブ。

マネージャーとイザコザがあったりだとか、

ドラムのヤツをクビにしたりだとか。

最初はほとんどのレコード会社から
見向きもされなかっただとか。

 

 

どんなに影響力を持ったアーティストでも
最初はそうなのかもしれない。

成功を勝ち取ったヤツらの
苦労話みたいなのは、
時に僕に勇気を与えてくれる。

 

 

『あぁ、アイツらも
最初はこうだったんだ』

って。

 

 

成功した人間の何倍もの数の人間が
挫折や苦悩を味わって、
そして打ち拉がれていったのもわかる。

だけど、僕は前に進むしかない。
やるしかない。

ビートルズは、
日本からやって来た自称「漫画家」に
勇気を与えてくれたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

満足して
ミュージアムを出た。

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マンチェスター行きのバスまで
2時間くらいあったので、
メインストリートまで戻り、

昨日も行った格安のファストフード店で
99ペンスのチーズとレタスのバケットを食べた後、
僕はバスキングをすることにした。

 

 

 

 

『1時間くらいか…』

 

 

いい場所はないものかと探したのだが、
昨日やった場所が一番だということが分かった。

別に稼げなくたっていいさ。

自分が楽しむことだろ。
どうせ一時間だ稼げやしない。

あまり期待しないように
演奏をバスキングを始めたのだが、
昨日よりもレスポンスがいい。

 

 

そして出会ったのは
リバプールの大学院に通う
日本人のレイくんだった。

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自転車に乗って颯爽と登場し、
「日本人ですか?」って
声をかけてきてくれたレイくん。

大学を休学して音楽活動をし、
卒業後は『音楽だけじゃ食っていくのは難しい』と
考えたらしく、音楽のマーケティングを
こっちで勉強しているそうだ。

レイくん曰く、

 

 

「あと2年で音楽の在り方が覆る」

 

 

らしい…。

どうなっちまうんだ??!!

 

 

ちなみにレイくんはボーカルとキーボード。
こっちでバンドも組んでいるらしい。

なんか超アツい!

「SOUNDCLOUD」という音楽共有サイトに
自分の曲もアップしているようだ。

聴いてみたんだけど、
「この声どっから出しての??!!」ってくらい
カッコいい声だ。曲自体もノれる!

 

 

ジャラジャラと2ポンド以上も
レスポンスをくれたレイくんにお礼を言って、
僕はバスターミナルへと向かった。

 

 

 

 

 

 

「ここにメガバスが来ますか?」

バス停で待っていたおばちゃんに確認してみた。

行き先は僕と同じ
マンチェスターだった小柄のおばちゃん。

タバコを吸っていたので
50ペンスくらいで一本売ってもらった。

 

 

おばちゃんはトルコ出身の人だった

あぁ、トルコですか!マジよかったっすよ!
ドンドルマ!ドンドルマって言ったら
カフマランマラシュが有名ですよね?

なんていつもの
ローカルトークを混ぜつつ、
お喋りをする。

おばちゃんはイギリスに
30年以上も住んでいると言った。

僕は今さっきビートルズの
ミュージアムに行ってきたばかりだったので、
LoveだのPeaceだのを口にした。

おばちゃんはリバプール在住で
ちょっとうんざりしたように言った。

 

 

「Love&Peaceなんてね、
あれは”ドリーム”よ。
良い言葉だとは思うけどね。

私たちが若いころは
戦争をなくすように訴えていたのに、
今では戦争を止めるように訴えているからね。
今もどこかで戦争が行われているもの」

 

 

「だけど、
僕に一本タバコくれたじゃないですか?

少なくとも、
僕を喜ばしてくれたことは確かですね♪
“Love&Peace”って、身近な人から
愛せってことなんじゃないですかね?」

 

 

「タバコもう一本いる?」

「あざっす♪」

 

 

 

そんなおばちゃんと話していると、
イラク出身のクルド人のお兄さんもやって来た。
僕たちと同じバスに乗るらしい。

お兄さんは、僕がトルコを旅した時に
イズミルとイスタンブールでお世話になった
クルド人のサジュークを思い出させてくれた。
アイツ、元気にしてっかな?

 

 

優しい気持ちでやって来たバスに乗り込んだ。

 

 

 

 

 

 

バスは

一時間でリバプールから
マンチェスターに着いた。

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ここへは2日間滞在するつもりだ。

調べてみると、
ここもアートが盛んなんだとか

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イギリスのアートに触れる旅だ♪

 

 

 

 

スーパーで2ポンドちょっとの
ビリヤニを買って食べた。

マンチェスターの街は、
リバプールよりも大きく思えた。

ここでもメインストリートはにぎわっている。
そんなメインストリートのベンチに座って
さっきかったビリヤニを食べた。

 

 

小雨が振り出し、だんだんと勢いを増す。

逃げるようにサブウェイに避難して、
23時をまわったころに、公園でテントを立てた。

雨が降ってれば、人はそんなに外を出歩かない。

それが僕をどこか安心させてくれる。

 

 

今日の寝床は静かな公園。

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痛っっっ!!!オールバックにして髪結んでるから、
頭皮凝ったぁぁああああ!!!

頭モミモミしながら今日の日記をお届けしました。
執筆先はもちろんマクドナルドです(笑)

 

 

リバプールで会った
レイくんの音楽が聴ける
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むちゃくちゃ
カッコイイ声してます。

逆輸入で有名になったら
自慢しよっと笑。

 

 

今日も読んでくれてありがとう。
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ABOUTこの記事をかいた人

「旅する漫画家」。世界一周後(2013-2016)、現在は海沿いの町に潜伏中。そろそろ旅がしたいぞ!