「思い出すのは三年前」

世界一周169日目(12/14)

 

ここにいると
ゆっくり時間が流れる気がする。

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ていうか
サンタナロッジさんの一日の流れと
僕らの一日が同化していく。

 

 

朝のチャイが運ばれて来る
8時までには目を覚まし、

9時の朝食をいただいた後に
「じゃあ外そろそろ外にでも出てますか」
となるわけだ。

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そうそう。
16時のチャイの時間も忘れてはならない。

19時の晩ご飯の時間には
絶対に戻って来なくちゃね。

 

 

 

部屋の中でも使えるWi-Fi、

美味しい食事、

日本の蔵書の山、

etc…

 

あぁ、
ここに長く滞在する人の気持ちが
よくわかるよ。

できることなら2週間ぐらい滞在して
ここにあるハルキ作品を読み返したい気分だ。

でも、僕は先に進む。

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三年前の旅の続き。

インド南下の旅。

もう次の町へ向かう
列車のチケットは取ってしまった。

 

目的地はBalugan。

昨日駅のツーリスト・オフィスで
立ち寄れる場所を訊いてきた。

そこにはティルカ湖という
大きな湖があって、
淡水に生息するイルカが見れるんだとか。

たぶんプリーからバスかなんかで
日帰りで行けるんだけど、
そんなこと知らなかったからさ笑。

 

まぁ前に進みます。

一気に行かないでちょっとずつ。

色んな景色を僕は見たい。

 

 

 

 

サンタナロッジには
どんなガイドブックも敵わない
最強のガイドブックがある。

近隣の見所から少し離れた場所まで。

おススメのカフェや
レストランの情報まで網羅している。

この町にこんなに見所があったなんて!

それさえ読んでおけばここの生活が
さらに濃いものになることは間違いないのだがー…

 

僕がそれに目を通したのは
列車のチケットを取ってしまって、
チェックアウトする日を
スタッフの翔さんに伝えた後だった。

 

「別に列車の席を予約したからって、
乗る必要はないんですよ?」

 

甘い誘惑に思わず延泊しそうになる(笑)。

 

 

 

 

 

食事をいただいた後、
宿の外を散歩する。

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いつものように地元の人たちが
元気よく挨拶をしてくれる。

僕も「ハロー!」と彼らに返す。

 

トゥクトゥクのドライバーや
仕立て屋のおっちゃんたちは
「ジャパーン!」と僕の気を引こうとする。

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へぇ、オリジナルの服が作れるのかぁ。
こういうのは一体誰が書いているんだろうね?

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小さなお店でチャイを飲んでぼっとしていると
三年前と同じ気持ちになった。

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そうだ。

あの時は一週間、相棒とインドを旅した後、
バラナシで別れて

僕は一人、ブッダ・ガヤーへ来たんだっけ?

 

なぜかあの時感じた気持ちを思い出した。

知らない場所で一人。

何かから解放された気分。

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「15 January 2010」

 

僕が生まれて初めて取ったビザだ。

日本で取った6ヶ月マルチビザ。

そして初めての海外旅行がインドだった。

 

 

よくこの話をすると

「よく初めてで
インドなん行こうと思ったよね!」

と言われる。

 

そりゃ僕だって、
ほんとならシンガポールで英語の実践がしたかった。

だけど、その話を相棒に言ったら

 

「じゃあ、
おれと一緒に
インドに行こう!」

 

と誘ってきたのだ。

 

 

「なんでインドなのさ?」

「インドには
今しか行けないだろ?」

 

 

その言葉に妙に納得させられて
僕はインドへ行くための準備を始めた。

お金はその夏に
杵屋(うどん屋さん/時給850円)で貯めたお金があったから、

後はおなじみの「地球の歩き方」を
大学の購買で手に入れ、

逆輸入のColumbiaのバックパックを
Amazonで買い(なんとスキー用のヤツだった!)

比較サイトを頼りに航空券を買った。
相棒の分まで。

 

 

 

あのやろう!
自分から誘っておいたくせに
準備は全くしなかったんだぜ?
『まぁ、行けるっしょ~♪』的な!

確かヤツがバックパックを買ったのは
1週間前とかだったと思う。
超マイペース。

 

出発予定日のチケットを調べたら
なんと残り2席!

ソッコーで代理店にメールして
予約して奨学金を使ってお金を振り込んだ。

 

出発前にお金は
ちゃんと返してもらえたんだけど、
それまでの気まずさ
って言ったらなんの!

あの時ばかりは
「友達にお金を貸しちゃダメだな」
と思わずにはいられなかった。

 

 

 

 

そんなドタバタで行ったインド。

あの旅が僕の世界を広げた。

 

別にインドを心の底から愛してるだの、
インドに同化しているだの、
インド・ラブ!だのそういうんじゃないんだ。

僕にとってこの国は
色々と「きっかけ」を与えてくれたんだよ。

だから思い入れが他の国よりあるんだ。

 

 

そんな旅の記憶を思い出しながら
外にある石造りのベンチに横になった。

ひんやりと気持ちいい。
ここはほんとうに時間がゆっくりと流れるな。

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宿に戻ると、
新しくここにやって来た
ヒデさんというお兄さんと
ひょんなことから話すことになった。

 

「旅はどれくらいの期間なんですか?」

「5年ですね。今一年くらい旅して来ました。」

「い、インドはどれくらい滞在されているんですか?」

「4ヶ月ですね」

 

 

 

ご、5年!
よ、4ヶ月…!!!

 

 

 

「いや、最初は2~3週間で
出ようと思ってたんですよ。
俺汚いの嫌いだから」

「じゃあなんで
4ヶ月もいる
んですかぁっ!!?」

 

 

世の中にはこのような旅人さんも
いらっしゃるんですね…

スケールが違う。

きっと日本で一生懸命
準備されてきたことだろう。

それに年上なのにも関わらず、
敬語で丁寧な口調だった。

 

 

一旦部屋に戻ってギターの弦を交換すると
どこからか管楽器の音が聞こえる。

メロディーでなく音を確かめるように
一音一音ひとつの音が長く続く。

中学校の校舎、木工金工室の前。

吹奏楽部の奏でる楽器の音を思い出す。

 

外に出てギターを弾いていると、
ヒデさんが出てきた。
手にはフルートが。

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「ほんとうはバイオリン
持って来たかったんですけど、
壊れたら嫌だから」

「フルート持ってる人は
たぶんヒデさんだけっすよ!」

 

バックパックの容量は90L。

ヒデさんの荷物は決して多くはないが、
フルートを守るためにこの大きさなんだとか。

 

フルートは精密な楽器で
落としたりしたら音が狂ってしまう。
そのためハードケースに入れているわけだが、
重さはフルートと同じくらいある。
楽器と同じ重さのケースって…

また、半年に一回
音の調整に出さなくてはいけないらしい。
インドじゃまずできない。

いろいろ大変なんですね。フルートって。

 

ヒデさんのパソコンには
PDFファイルで様々な楽譜が入っている。

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「ちょっと合わせてみましょうよ。
エヴァでも使われている有名なヤツ」

と画面に映し出された楽譜は
「Fly me to the moon」

 

新劇場版のエヴァの
予告編だけで使われていた
宇多田ヒカルが唄ってた曲。

めちゃめちゃ作風と合っているにもかかわらず、
本作には流れることのなかった名曲!

ガラケーでダウンロードしたなぁ。

もともとがジャズなのかなぁ?
よくジャズシンガーが唄ってる曲でもある。

 

 

何回か個人練習をしてサビまで合わせた。
楽器を持っている人と合わせるなんて初めてだ。
楽しい♪

 

フルートの音はけっこうパワフルで
他の人に迷惑をかけないか
内心ヒヤヒヤしてたんだけど、

翔さんは
「たまにはこういうのもいいんじゃない?」
とゆるい雰囲気でオッケーしてくれた。

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その後も、ヒデさんには
いろいろなお話を聞かせてもらった。

お互い村上春樹が好きだということや、

インド人の酒癖の悪さの話、

アイルランド流手鼻のかみかた。

インドに四回も訪れているのに
インドに対してネガティヴなイタリア人の話。

海外のツーリストとガンガン
コミュニケーションを取っているヒデさんは
ちょっとうらやましくも思えた。

 

 

「ビール飲まないと
一日が終わった気にならないんですよ」

お酒が飲めると楽しいこともあるよね。
ヒデさんがビールを空けてカクテルを注文したのを見て、
僕も海外へ来て初めてカクテルを注文した。

100ルピーのマリブミルクを飲んだ僕は
地元のバーに行きたくなった。

 

 

「でも、インド人じゃ
村上春樹のバーの描写は理解できないですよね。
『ジャズトリオの演奏を聴きながら
スポットライトの下でギムレットを飲む』なんていう」

「はっはっは!そうだね!」

 

ヒデさんの耳がほんのりと赤い。

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いかに自分の書いたブログの下書きを編集して
アップするかが重要になってきます。
(まあ安いんだけどね。)

だからさー、
ただでさえ時間かかるのに

写真貼っつけたり動画アップしたり
クオリティの高いブログを作ってらっしゃる
旅人の方のブログってすげえと思います。

そろそろ漫画描かなきゃ!
でも宿には机がない!

サンタさん!
僕に重くなくて持ち運びできて
それでいてかさばらない
質量保存の法則を無視した
四次元的な作業机を僕に下さい!

それかペンタブと描くヤツ!

 

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