世界一周170日目(12/15)
咳が出る。
鼻水もねばねばするし、
熱もちょっとあるみたいだ。
鼻風邪が悪化した。
ガイドブックにはちょこんとしか
載っていないようなマイナーな町に行って、
宿探しをする体力が今の僕にはあるのか?
どうしよう?様子を見てもう一泊しようか?
とりあえずパッキングを済ませ
同室のケイさんに風邪薬をもらって飲むと、
時間までベッドに横になった。
朝のインドは少し寒い。
寝袋はしまってしまったので
両手で体を抱きかかえるようにして体を丸める。
窓の隙間から差し込む朝日を見て思うのは
なぜか日本の冬の景色。
下北沢の町並みや、
通学に使った
小田急線新宿行きのいつもの車両。
無表情の人々が歩き回る表参道。
死ぬほどつまらない大学。
恵まれた日本という国の中で
僕が感じた閉塞感。
ここにいてもどこにも行けやしない。
「熱は安価な麻薬だ」
そんな文章が塾の現代文の問題であった。
確かにそうだ。
熱に浮かされるとでも言うのかなぁ?
頭がぼっとするし、
気持ちがいつもと違うところにある。
あの時と変わらないのは自分の将来に対して
漠然とした不安を抱いているところかな。
でも、安定なんてないんだ。
保身に走ってもつまらねえだろ?前に進まなくきゃ。
ここまではずれた自分の道。
切り開いて行くのは自分しかいない。
しばらく休むと
ずいぶんと気分が良くなった。
ケイさんにもらった薬が効いたのかな?
8時のチャイをいただき、宿を出る。
翔さんは
「じゃあ2日後に部屋を取っときますんで♪」
と冗談めかして言った。
はは。
まるで僕が泣いて戻って来るみたいな
言い方じゃないですか?
みんなに見送られて僕は歩いて駅を目指す。
体調の悪い時は喰って治す!
歩きながらクッキーやら食パンやら、
カレーを胃にぶっこんで、
駅に到着する頃には大分回復した。
汗をかいた体が風を受けるとひんやりと心地よい。
自分で手配して取れたチケットは
スリーパークラス。
距離は近いので156ルピー(259yen)。
それでも安いけどね。
9時に列車は動き出した。
次の目的地はBaluganという町。
だいたい2時間くらいで着くみたいだから
一眠りしておこう。
プリントアウトしたチケットのチェックが終わると、
窓から入って来る風が寒いので
パタゴニアのアウターを着て寝台の上に横になった。
胸のポケットにしまった
iPhoneのアラーム/バイブで目を覚まし
マップアプリを確認すると
目的地までまだ半分の距離があった。
それじゃもう一眠り。
体調を回復させるためにはやっぱり睡眠も大事だよね。
次のアラームでアプリを確認すると、
自分の現在地を知らせる矢印が
ぶっとんだ。
「ぴゅーん…」って
へっ?(ドドッドドッ…ドドッドドッ…)
いやいや!
列車の中にいるから
GPSがブレているんだろう。
とりあえず、寝台から降りて
窓の外を眺めるとまるで
海の様なティルカ湖が見える。
すげぇ…
で、僕の降りるところは
もうそろそろだろう?
マップアプリを確認すると
矢印はBaluganなんてすっとばした場所を示す。
あはは…
降り過ごした….。
気持ちを落ち着かせるために
車内販売の7ルピーのチャイをすすって考える。
このまま
チェンナイまで
行ってしまうか?
いや、他の乗客が入って来て
チケットの確認取られた時にめんどくさいことになる。
「私の席に変なヤツが
座ってるんですけどっ!」
ってインドの逆パターンかっつーの(笑)。
それに、おれ、
こういうのすぐにバレちゃうんだよなぁ。
ちょっとビビリながら
Baluganの次に行こうとしていた
Brahmpur(ブランパルって読むの?)
で降りることに。
泣いて逃げ帰るどころか、先に進んじまいましたよ。
あ~、宿あるのかぁ?ここ。
駅から町の中心地までは少し歩くかなくちゃならない。
トゥクトゥクを使おうか?
駅から少し出て歩くと、さっそくホテルの文字。
「いくらですか?」
「200」
「ヒンドゥーオンリー?」
「いや?部屋見てく?」
「泊まります!
ますぅっ!!!」
宿あんじゃねえかよ!
しかも駅近ぁっ!マジでありがたい!
どうやら町には
映画館があるらしい。
最近、インドでは新作が封切られたらしく、
コルカタや他の町でいくつかポスターを見かけた。
その中で気になっていた映画があったのだ。
それを見に行ってみようではないか!
タイトルは
「R…RAJAKMAR」
というもの。
このコメディなんだか
アクションなんだか分からないポスターが
気になってしょうがなかった!
ショートカットしようと思ったら
ローカルな場所で逆に遠回りしてしまったが、
この町にはいくつか映画館があるようだ。
行こうとしていた映画館より
ずっと近くに他の映画館があった。
しかも見ようとしていた映画の
上映時間ぴったり!
はは。やべえ、おれ運よすぎる!
ヒンドゥー語オンリーだと理解できないので
英語字幕が出るかと尋ねた。
チケット売り場のおっちゃんが言うには
なんか出るっぽい!
しかもチケット代50ルピー(83yen)。
う~!安い!
実際英語字幕なんて
どっこにも
出なかったんだけどね!
半券を片手に自分の席を見つけ出し、
座り心地の悪いシートに腰を下ろす。
席はスクリーンのど真ん中。
特等席じゃないですかぁ!
映画の宣伝が終わり、本編が始まっても
ワラワラと入って来るインド人。
スクリーンとモロかぶり。
おいおい時間は守れよ!
係員はペンライトでチケットを確認したり、
席の案内をしたりする。
そして、
主役が登場した時に
劇場内は一気に盛り上がった!
「ほぉおおおおおおおおお!!!!」
「きゃぁああああああああ!!!!」
「ヒィイイィィィイイイィ!!!!」
ここぞとばかりに指笛をかましてくるヤツがいる。
ていうか映画見てるより、
リアクション見てる方が面白い(笑)
アクション・ラブ・コメディという
おいしいとこてんこ盛りの映画だったので、
会話はわからなくても
ある程度の内容は理解できた。
インド人マジ、ダンスうめえ。
ラジクマールかっこいい…。
劇場の音響や観客の
「盛り上がりシーン」での
うるささもあって最初は気づかなかったのだが、
ちょっと注意すると
「アゲ声(盛り上げる声)」
が挿入されている。だぶん。
そして時々、
観客がはずしている…。
たぶん。
あ〜!
ラジクマールかっこよかった~。
英語字幕ならよかったのに!
野暮なことにはツッコまない。
それがシミさんです♪
満足して宿に戻った。
「えぇぇええ!!?
ねえ!あれ映画から聞こえてきたよね!!?」
「アメリカのホームドラマにも
ウケるところで笑い声入ってんだろ!」
「なーるほーど…ね」
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インドの映画はおススメです。
べつにヒンドゥー語でもアクションとかなら
内容分かりますからね!
英語字幕で見ればもうちっと内容わかるんだけなぁ…
もう一回みようかな?
てか今おれがネットカフェでランケーブルを
Macにぶっさして使ってると
インド人の男の子たちが興味津々に
くいついてくる!
えっ!なんだよいいじゃないか!
日本人がMac使っちゃいけないのかよぉおおお!!!
自意識過剰なシミさんが思い出すのは
「大根の国とニンジン国」
というお話です。
ここでは僕は笑い者さ!
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