「一呼吸おく。自分の周りを見渡す」

世界一周578日目(1/27)

 

 

スーダン

の三日間とエチオピアに入国してからここ数日間、

僕は毎朝長距離バスに乗るために毎朝4:00には起き
(それはこの国のほとんどに街灯がついていないから夜間に走れないためだ)

毎日何時間もバスに乗り(時には丸一日)、

 

 

そしてようやくここまで辿り着いたのだ。

今日くらいぐっすり寝てもいいではないか。寝よ寝よ。

 

 

 

ここはエチオピア、首都のアディスアベバ

地元の人間たちは「アディス」と呼ぶ。
字面だけ見るとなんだか「アディダス」のみたいだ。

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これは違うか。
時々「adis」って書いたのも見るのな。

 

 

 

二度寝、三度寝と繰り返した。

『ああ、まだこのくらいか』『もうちょっと寝れるな』
とiPhoneで時刻を確認しながら、スヌーズへ、
起きようとしている時刻へタイマーをセットする。

他の宿泊客が(たぶん欧米人だろう。この声は)
楽しそうに外でお喋りする声がさすがに気になりだした頃に
ようやくベッドから這い出た。

 

 

 

時刻は10時半。

あぁ~~、またこんなに寝ちまったよ。

 

 

 

ベッドから出ると中指に結んだヘアゴムをつかって
鏡の前でお団子ヘアを作り
(これをやらないと歯がみがきにくくてたまらない)、
歯を磨いて、この前ベッドバグに刺された腰をボリボリと掻く。

昨日着たTシャツと着て、
4ヶ月洗っていないお気に入りのnudie jeansに足を通し、
昨日履いた靴下を履いて、ブーツを履けば
もうどこへだって行ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

宿代

が高かったので、
僕はまずは安宿を探すことから始めた。

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綺麗なトイレとシャワーがあったのはいいけど、
Wi-Fiがクソ遅いから、もうここに泊まる必要も
ないと思ったからだ。

 

 

泊まっていたBARO HOTELの回りにはいくつか宿がある。

そして分かったことは
どこの宿もレストランやカフェが併設している
ということだった。

 

 

表向きはレストランに見えても、
看板に「HOTEL」と書かれているのであれば、
そこには大抵部屋ある。

 

 

僕はHOTELと書かれた飲食店に
「部屋ある?」と訊いてまわった。

始めに当たった宿は150未満の安宿ばかりだったが、
シャワーもトイレもおらず、部屋には窓がひとつだけで、
ベッドで夜中に痒い思いをすることは
間違いなさそうな宿ばかりだった。

それに電子機器を充電するために必要な
コンセントすらついていなかったので、僕は宿探しを続けた。

 

 

 

 

 

僕が歩いているとすぐに声がかかった。

 

 

「よう!ブロー!どこに行くんだ?」

「ん?宿探してんの」

「よし!それならついて来い!」

 

 

アディスアベバの街に住む者たちは
外国人にかなり興味を持っていると思う。

歩いているだけで「チャイナ!」と
フレンドリーに声をかけてくるし
(時には僕が日本人だと当てるヤツもいる)、
僕が挨拶を返すとみんな嬉しそうにニタッと白い歯を見せる。

 

 

話しかけて来たお兄さんは
僕と同い年のアウという名前ヤツで、DJをやっており、
自分のことをラスタマンだと言った

 

 

僕はマップアプリに表示された
ゴンダール・ホステル」という名前の宿を
当たってみようと思っていた。

アウに適当に話を合わせながら
ゴンダール・ホテルを見つけたのだが、
そこはバーの裏にある非常に分かりにくい場所にあった。

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安アパートよりももっとひどい、
ベッドを一台置いて、残りのスペースは
バックパックと体育座りで精一杯の監獄部屋だった。

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これはなんらかの精神的なダメージを与えることを目的
として作られた部屋に違いない。僕はそう思った。

 

 

 

天井に吊るされた赤いライトをつけると気が滅入りそうだった。

ベッドはおそらく何年も洗濯してないだろう。
日に干すことすらやっていないに違いない。

シャワーなんてもちろんない。

トイレは共同。どんな具合かは見なくたって想像できる。

 

 

ゴンダール・ホテルはそんな場所だった。

宿の(というかバーの)スタッフほとんど英語を喋れず
アウが通訳を買ってくれた。

でも、僕はこんなところで
ベッドバグたちと仲良くできる自信がなかった。

100ブル(580yen)という金額は確かに魅力的だが、ここはパス。

 

 

 

 

アウは別のホテルにも僕を連れて行ってくれた。

僕は予算を彼に伝えると、BARO HOTELから
歩いて5分くらいの近場に宿を見つけてくれた。

名前を「パーク・ホテル」といい、
ここも表にはカフェ・バーが併設されていた。

値段は115ブル(667yen)。かなり安い。

 

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まずは部屋を見せてもらった。

安宿なので、薄暗いく、埃っぽかったが、
電源のコンセントがあったこと、部屋がそこそこ広かった。

鍵を閉めるにはちょっとコツが要り、
鍵をかけても簡単に中に侵入できてしまいそうな
オンボロのドアだった。

 

 

だが、必要最低限の持ち物で旅をしている僕は
貴重品の入ったサブバッグさえ盗られなければ、
盗まれるのはバックパックとギターのみ。

ギターはさすがに盗られたら凹むだろうけど、
バックパックなんて盗っても役に立たないだろうし、
そこそこ値段の高い服持っているとは言え、
中古で汚れているには違いないし、サイズ全てSだ。

僕のヨレヨレのボクサーパンツなんて盗たってしょうがない。

それなら近くの道端で売られているパンツを
買った方がよっぽど快適だ。

 

 

僕は何か盗られて困る物がないか少し想像して、
すぐにこの宿に決めた。

バックパックとギターを部屋に置くと、
僕はサブバッグだけ持ってお金をおろしに向かった。

 

 

 

 

 

アウのヤツはまだ僕のことを待っていた。

 

 

「うん。ありがとう。ここにするよ」

「そうか!今度はどこに行くんだ?」

「お金がもうないから銀行のATMにお金をおろしに行くよ」

「ならこっちだ!」

僕が何か言う前に
「おれについて来い!」とばかりに先頭を切るアウ。

 

 

旅をしているとこういう
親切の押し売りを経験することがある。

全て自分一人で何かをするということはできないし、
自分一人で何かを成し遂げたとしても、
そこには必ず誰かの助けが存在している。

だけど、僕だって一人で宿くらいは見つけられたし、
なんでここまで外国人の僕につき合うのだろうと
考えずにはいられない。

 

 

彼らに共通するのは

「自分の目的を最後まで言わない」

と言うことだ。

 

 

 

アウが僕をつれていったのは
コマーシャル・バンク」だった。

外にはATMがあり、
ちゃんとマスターカードのマークもついていた。

 

 

アウは怪しまれない位置で僕のことを待っていた。

僕は彼のことなど気にしないでATMにカードを差し込んだ。

ゆっくりカードが飲み込まれていく。
ここは他の国のように磁気カードすり減らすような音をたてて
カードを飲みこまなかった。

僕は画面の表示が変わるのを待った。

 

 

 

「…」

『あれ?遅ぇな…』

 

 

 

「……」

『えっと、いくらおろそうかな?
とりあえず一万円分かな』

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

「ちょ、ちょちょちょちょっっっっっと!!!アウ~~~~~!!!」

 

 

僕の焦りっぷりを見てアウも自体を察知したようだ。

警備員に何か説明しているが、
警備員はよくわかっていなかった。

 

 

僕はこれでカードがATMに飲み込まれたらどうしようかと、
瞬時に頭でシュミレートしてみた。

手持ちのドルが25ドル。

それを崩して、とりあえず日本大使館か?
ウェスタン・ユニオンで送金してもらわないと
やってけねえかもな…。

 

 

ま、なんとかなるか…

 

 

 

アウが警備員をつれてきた頃に、
まるでそんな僕をからかうかのように
画面の表示は切り替わった。

 

 

「あ、ごめん、飲み込まれてなかった」

いつもと同じ手順でクレジット機能を使って
2000エチオピア・ブル(11,597yen)を引き下ろした。

 

 

 

はははは。

やっぱ助けがないとやってけねーっす。
調子乗ってごめんなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

お金

を下ろした後もアウのヤツは僕について来た。

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僕としてはやることをやってしまったので、
今日こそはWi-Fiの入るカフェで情報収集をして、
できることなら絵を描きたかった。

 

 

僕はそのことをアウに伝えた。

僕はこのあとカフェで作業をして絵を描きたいのだと。
自分はペインターで、
(自己紹介をする時はわかりやすくこう言っている)
絵の練習をしたいのだと。

 

 

アウはWUTMA CAFEにまでついて来た。

 

 

「別にいいよ。
だってこれはシミの時間なんだからさ。
自分の時間を好きに使うのは当然じゃないか」

「いや、だっておれ、
マジで2~3時間はカフェにこもるからね。
別におれにつき合う必要はないんだぜ?」

「オーケー。
じゃあ16:30に迎え来るからな。
レゲエ・ミュージックを聴きに行こうぜ!」

 

 

僕はそれに了承した。

コーヒーを一杯飲み終わるとアウは帰って行った。
意外に物わかりがいい。

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僕はアウが去ってしまったあと、パソコンを広げた。

店内には20席くらいあったが、4~5人しかいなかった。

それなのにカフェのWi-Fiはアホみたいに遅かった。

ちっともページを読み込まず、
僕はイライラして貧乏揺すりをしたり、
ふううと息を長く吐き不満をやりすごした。

あとから店に韓国人のお兄さんがやって来たが、
僕と同じようにスマートフォンの画面を睨んで
難しい顔をしていた。

「繋がりません?」「ああ。僕も」

 

 

それでもなんとか楽天銀行の
残高を確認するページまで漕ぎ着けた。

請求確定金額と、今月におろした金額を確認して、
その金額を支払い確定前の残高から引いた。

 

 

計算して出て来た金額は80万円を切っていた。

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そのリアルな数字を見てちょっとだけお腹が痛くなる。

果たして僕の思い描く世界一周はできるのだろうか?と。

これから南アフリカまでアフリカを縦断し、
7万円かけてカナダまで行く。
まだ航空券は買っていない。

 

 

カナダからアメリカを縦断し、
そのままメキシコ入りして南米へと渡る。

相棒のまおくんと企画している
「旅する雑貨屋”Drift”」も面白くなってきた。
南米の雑貨は買い漁りたい。

できることならオーストラリアとニュージーランドにも…。

 

 

アフリカの国々にはビザ代がかかる。
今までのように日本人はノービザで行ける国より
そうでない国が多い。

そしてビザ代の平均的な金額は50ドルだ。

アフリカを縦断するのに、
行きたい国全てに足を運ぶことはできない。

ツアーに参加してばかりいたらあっという間に
お金が尽きてしまうだろう。

 

 

マサトさんからFacebookの
メッセンジャーに連絡が入っていた。

ダハブで会った他のみんなと一緒に
ダナケルへとツアーで出かけていったらしい。

Facebookのポストにはマサトさんたちが
どこかの銀行の前でドル紙幣らしき束を
手に広げて得意げな笑みを浮かべている写真だった。
(あとで確認したところエチオピア・ブルだった)

 

 

僕は

「エチオピア ダナケル ツアー」

とGoogleに検索をかける。

少し時間が経って、
(じっとして待つにはアホみたいに長く感じる時間だ)
ダナケルのツアーの写真が出てくる。

 

 

「世界一過酷とされている砂漠ツアー」

というコピーとRPGの世界に出てきそうな
溶岩の写真が印象的だった。

 

 

僕だってお金があればこれに行っている。

今ままでだって、僕はあまり熱心なツーリストではなかった。

よっぽど行きたいと思ったツアーじゃなければ参加しなかったし、
世界的に有名なツアーでさえも、場合によってはパスした。

 

 

それよりも普通に街に立ち寄って、
そこを気ままに歩く方が自分の性に合っている気がした。

今までだってそういう風にして旅をしてきたのだ。

少しだけ気持が焦ってしまうのは、
みんながツアーに参加してる姿を見て

『自分も行かなければならない!』

と錯覚してしまうからだ。

 

 

自分には自分のスタイルがある。

他のみんなが自分のやり方でお金を貯めて、
彼らの旅を楽しむように、僕も僕のやり方でお金を貯め、
自分のイメージする旅をしている。

それでいいじゃないか。ツアーに参加しなくたって。

エキサイトする土産話を楽しめればそれでいいじゃないか。

僕は僕の旅をすればいいのだ。

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ちなみに口が「D・ri・f・t」になってる。

 

 

 

僕はアフリカの魅了をまだ理解していなかった。

なんでみんなアフリカに高い金をつぎこむのだろう?

あっちこっち行っていたらすぐに
お金が減ってしまうじゃないか?

3万かかるツアーに参加するなら、
その僕は雑貨を買ったり、行ける場所を増やす。

 

 

じゃあ僕はなんでアフリカを旅しようとしているんだろう?

 

 

旅ノートに自分の思考を書きだす。

文字に起こしてみないと自分の考えが整理されない時がある。

 

 

ここの場所を旅しているのは、
ここでしか出会えないものに出会うためだ。

 

 

そして「漫画家」という視点から今の自分を見たら、
それがかなり貴重な体験であることが分かる。

ここで

「リアル」に

「見る」ことが

重要なのだ。

 

 

 

日本にいながらネットや印刷された資料をかき集め
面白い話をひねり出す日本の漫画家たちが
今の僕の状況をどう思うだろうか?

キャリアをさっぴけば絶対にうらやましがるに違いない。

僕だって今の自分を知ったら

『あぁ、おれも色んなところに出て、
めちゃくちゃ吸収したいのに!』

と思うに決まっている。

そう。だから僕は先に旅に出たのだ。

 

 

絵は視覚情報から別の平面、主に紙や画面に描くものだ。

バンドのライブなんかもそうだけど、
「生」じゃないと伝わってこないものがある。

いつだったか相棒が
「インドのチャイを作りたいから
現地で材料を仕入れてきて」と頼んできたことがあった。

その話をサンタナ・バラナシに泊まっている人たちにすると、
「インドのチャイは、インドで飲むからあの味なんだよ」
と教えてくれた。僕は『確かに!』と思った。

DVDやYouTubeで見れるミュージカルも、
実際に自分の目でロンドンで観たものでは
伝わってくるものが違った。

あんなに「ウザい」と言われているモロッコも
実際に行ってみると、彼らのフレンドリーさには驚いた。

 

 

 

あたり前のことだ。

僕には僕のスタイルというものがある。

 

 

ほら見ろよ。
外で電話をかけているエチオピア人の兄さんを。

7cmくらいに伸びたチリチリの髪の毛が
スコーンみたいに固まってる。

あぁ、今はTシャツもジーンズも
スリムに合わせるのが主流なんだな。

使っているのはサムソンか…?

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僕は一呼吸置いて窓の外を見た。

あんなに来る前はビビっていたアフリカでも、
こうして彼らの群れの中にいると、
自分が彼らの日常に溶け込んだような錯覚を受ける。
(現地のヤツらからしてみたら面白いんだけど)

旅慣れて当たり前のように見える自分の回りが
どれほど「非日常」か。

 

 

そう考えると気持も大分落ち着いた。

昨日のようにここで夕飯を済ませ、
夜8時頃にパーク・ホテルへと戻った。

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パーク・

ホテルには僕以外の外国人は泊まっていない。

 

 

部屋でギターの練習をしていると、
隣りに泊まっているエチオピア人のお兄さんから
「うるさい!」と苦情が届いた。

部屋にはポツンといい感じの小さなテーブルと椅子があったので、
それを使って日記を書いた。

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ベッドバッグ対策で寝袋に入って寝ていると
深夜3時に痴話喧嘩の声が聞こえた。

なだめるような男性の声、
ヒステリックに嗚咽の混じった叫び声を出す女性の声。

しばらくすると他の部屋のヤツらが
「うるせぇ!何時だと思っているんだ!??」
的な苦情をわめいている。

 

 

ははは、ファニーなところだな。

 

 

僕はイヤホンを耳につっこみCARAVANのアルバム
「PANORAMA VISON」を聴きながら目を閉じた。

 

 

 

(あれ?なんでだろ?寝袋で寝てるのに、なんだか痒いな)

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★世界一周ブログランキングに参戦しております。

中には100カ国以上も旅したことのある生粋の旅人みたいな方もいらっしゃいますが、
「全てを網羅する」というのは到底無理な話でありまして。

だからこそ、自分のペースで自分の旅をすることが大事なんだと思います。

だから、旅人のみなさん。

僕にあなたの旅の話を訊かせてくれませんか?
きっと僕もみなさんほど壮大な体験談とまではいかなくても、
街で会った変なヤツが出てくる笑い話くらいはできると思いますよ?

 

 

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まだ出店するとも決まっていないお店なので、今後どうやって形になっていくか
追っていっていただければ楽しんでもらえると思います。

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てかアフリカのWi-Fi、クソ遅ぇぇっっっ!!!!

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