「そして僕はマラウィへとやって来たのです」

世界一周610日目(3/1)

 

AM5:00。

セットしたアラームが鳴った。

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体を起こすと、目の奥に疲れのようなものを感じた。

 

 

『これってまさかマラリアの予兆??!!』

 

 

額に手を当ててみるが全然暑くない。

荷物をまとめようとしたが、そのまま寝袋にダウン。

昨日キレたのが行けなかったのかなぁ…。
慣れないことはしねーほうがいいね。まったく。

 

 

 

ここはタンザニア、ムベヤ

昨日危うく偽物のチケットを掴まされそうになったが、
名演技(っていうかキレた素振りを見せただけ)で
なんとか返金してもらった。

これから向かう先はマラウィ。
僕が日本にいた頃から行きたかった場所だ。

 

 

 

 

一時間ほど寝ると動けるようにはなった。

テントから出ると、
かなりひんやりと湿気を含んだ空気が流れていた。

僕はギターケースからパタゴニアのアウターを取り出して羽織った。

のろのろとテントを畳み、バスターミナルへと向かった。

 

 

入り口の制服を来ているおばちゃんに
国境の町ケヤレまでのミニバンがどれか訊いた。

そして教えてもらったミニバンらしき車の集金係に
ケヤレに行きたいのだと伝えると、すぐに乗せてくれた。

車の中ではギターを前に抱えて目を閉じた。

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地元の人たちで満員のミニバン。

何も胃袋にいれていないはずなのに吐きそうだった。

ひたすら目を閉じて時間をやり過ごした。

集金係が開けるドアから冷たいかぜが吹き込んでくる。
身をこわばらせて、アウターのフードを被り
ジッパーを一番上まで引き上げた。

料金は2000シリング(131yen)だった。

 

 

 

 

 

「ここで降りな」

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言われるがままに降りて
そのまま次のバスに乗り換えさせられた。

どうやらミニバンは
ケヤレ行きのバス乗り場まで行く車だったみたいだ。

バックパックが別の集金係の手によって、
バスの一番後ろのトランクにぶち込まれるのを見届けて、
僕もそのバスに乗車した。

そして、このバスで5000シリング(327yen)支払った。
聞いていた通りだ。このバスが国境まで行くのだろう。

 

 

 

だがしばらく走ってまた乗り換えをしなければなからかった。

毎回集金係に行き先は伝えてあるので、
彼らは僕がどこで降りるのかをちゃんと知っている。

「ほら乗り換えだ」とさっきと同じように別のバスへ。
しっかりバックパックを移してもらってひとまず席に着く。

 

 

 

 

出発してからまもなく2時間が経とうとしていた。

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体調もいくらか回復し、
朝ご飯代わりのバナナとクッキーを食べた。

 

 

最近ほんとうに食が細くなった。

どこまでがエネルギー不足で、
どこからが必要最低限なのか見極めてみたいと思う。

 

 

日本にいた時からなんとなく思っていたけど、

「僕たちは一日に三食もとる必要は
ないんじゃないだろうか?」

と僕は考える。

 

 

成長期などエネルギーが必要な時期には
しっかり食べた方がいいと思うが、それを過ぎてしまえば、
あとは必要以上のエネルギーはとらないようにするのが
健康的なのではないだろうか?

「食べ過ぎは体によくない」と言われ、
当前のように感じていたけど、満腹感になる必要もないと思う。

満腹だと頭の回転も落ちるし、僕の場合はすぐに眠くなる。

 

 

問題は自分の周りに美味しいものが溢れていた場合だ。

日本なんて美味いものばかりだから、ついつい食欲が勝ってしまう。

これってなんなのだ??!!

体は食べ物がなくても大丈夫なのに、食欲は湧く。

うーーーむ。体って不思議。

 

 

今はそのような食の誘惑がないのもいい。
最近撮った自分の写真はどこか締まってきたような気がする。

体重計なんて持っていないし、体重を計る機会もほとんどないので、
自分の見た目がどうなのかそれくらいしか体重の変化を知るよしはない。

貧乏アーティストは体が資本だ。
病院になんて行く必要のない体を手にいれる必要がある。

 

 

とまぁ、僕の食に対する考察はこんなのだ。

「人間美味しい物を食べたいという食欲を除けば、
実はそんなに食わなくてもいいんじゃねーの?」って話。

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そんなことを考えているうちに
バスは国境に着いたようだった。

乗り換えたバスでは運賃を徴収されることはなかった。

最初から乗っていた他の乗客も払っていなかったのを見る限り、
乗り換え分は一台目のバスの運賃に含まれていたのだろう。

 

 

バスを降りるとすぐにバイタクの客引きたちが僕に越えをかけてきた。

タンザニアのイミグレーションまでは2kmあるらしい。
値段も1000シリングということだったので、
イミグレーションまで乗せていってもらうことに。

僕はマラウィの通過を持っていなかったので
両替がしたのだと伝えると、バイクの運転手は途中で両替商の所で止まり、
なぜかバイタクの運転手と僕は取引すりことになった。

 

 

「おい、いくらもってるんだ?」

「んっと…、
41000シリング
(2,680yen)くらいかな?」

「なら、ほら5000クワチャ(1,392yen)

「あー、どもっ…」

 

 

レートアプリで確認すると
かなり損をしていることが分かった。

 

 

「いやいや。これはいくらなんでもないんじゃない?」

そういってレートアプリを見せると
渋々追加のクワチャを渡す運転手。

はぁ~~~…、
タンザニアってこうなのかねぇ。
ムベヤから残念なヤツばっかりだよ。

 

 

無事両替を済ませて、
イミグレーションで出国手続きもサラっと終らせた。

 

 

 

タンザニア側のイミグレーションで用を足した。

トイレの使用料を払わなくてはならないのか分からないが、
トイレの目の前でおばさんが音楽をスマートフォンからガンガンにかけて、
死んだように眠っていたので、起こさないようにそっとトイレを済ませた。

 

 

そうしてお腹をスッキリさせた僕は、
歩いてタンザニアとマラウィにかかる橋を渡った。

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橋を渡るとどこか神奈川県の僻地にありそうな
うっそうとした森が視界に入ってきた。

入国審査を済ませ、ATMでお金を下ろそうと思ったのだが、
Master Cardは使えなかった

だからこういう時に備えて国境で負けてもいいから
両替をしておく必要があるのだ。

 

 

イミグレーションにいる人たちに
どこにマスターカードの使えるATMがあるのか訊ねると、
カロンガかムズズという町まで行けばいいらしい。

イミグレーションを出てすぐのところに、
カロンガ行きのミニバンが止まってたのですぐに乗り込んだ。
カロンガまで1000クワチャ(278yen)。

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こうして

世界一周45カ国目の
マラウィ

の旅が始まったのだ。

 

 

 

乗客で車が満るとミニバンは走り始めた。

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地元の道路の幅くらいのハイウェイが伸びており、
両側には背の高い草が茂っている。

時折すれ違うマラウィの人々の多くは自転車に乗っていた。

小さな集落や田畑、繋がれていない牛たち。

 

 

車の窓から見えるマラウィは
どこか日本の田舎を僕に思い出させた。

両親の実家の埼玉も、僕が小さかった頃には
これに似た風景がまわりにあった気がする。

 

 

ここを訪れた人たちがマラウィを好きになる理由が
なんとなく分かる気がした。

アフリカの町の喧噪はないし、治安が悪そうな感じもしない。
ここで野宿しても平気なんじゃないかと思ってしまうくらいだ。

 

 

カロンガへの道の途中では何度か検問があった。

銃を持った警察官たちが車の中を外から
簡単にチェックしたが、彼らはみな笑顔だった。

 

 

 

 

 

カロンガに到着したのは13時過ぎだった。

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バスターミナルから出てすぐのところに
スタンダード・バンクという銀行があり、
そこでマスターカードを使ってお金をおろすことができた。

一日に40000クワチャ(11,136yen)が
引き下ろしの限度額だったが、ここでは十分な額だろう。

 

 

 

お金を手に入れた僕はこの町に滞在してみることにした。

歩いていると、
Camping」と書かれた看板を見つけ
それに招かれるように歩いて行った。

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曲がり角や分かれ道ごとに宿の看板が立てられており、
どこまで行っても宿は見えてこなかった。

僕は浮気して他のホテルにテントが張れないかと訊いてみたのだが、
他の宿は10ドルとか冗談をかましてくる場所もあった。

僕は看板が示されるがままに歩いていくしかなかった。

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『くっそ!一体どこにあるんだ?!』

 

 

 

コンクリートで舗装した道路を自転車がスイスイ走る。

僕はそれ横目に汗だくになって歩く。

 

 

 

 

 

Lakeshore Loge

はバスターミナルから徒歩30分の場所にあり、
バックパックを背負って行くにはなかなかに骨が折れたが、

湖のすぐ近くの立地で、敷地も広く静かな場所にあった。

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超直前で案内してくれた心優しきお兄さん。

 

 

 

僕以外の宿泊客がほとんどいないようだった。

テント泊で1500クワチャ(418yen)。安い!

 

 

スタッフのお兄さんはフレンドリーで
僕のギターを代わりに持ってくれた。

僕がテントを立てる場所に選んだのは東屋のような屋根のある場所。
雨が降られてもいいようにだ。

ただ、そこには沢山の蟻がおり、
コンクリートの隙間にいくつも巣を作っていた。

それを指摘するとスタッフのお兄さんは
「それならセブン・セブンを使えばイチコロさ!」
と言って対処法を提示してくれた。

 

 

ここの宿ではテント泊だというにに、
なぜかシングルルームのシャワーとトイレを
自由に使っていいとのことだった。僕には鍵が与えられた。

 

 

ひとまず汗でベトベトになった体を水シャワーで洗い流した。

ジーンズからハーフパンツに切り替えて、
蟻の巣を避けてテントを張った。

テントの中に荷物を置いて、入り口をダイヤルロックで閉めると、
バスコと名乗る陽気なおっちゃんスタッフと一緒に
僕はネット屋がある場所へと向かうことにした。

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カロンガ

の町では今日はサッカーの試合が開かれていた。

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地元の人たちがぐるっとサッカーコートを囲んでいる。

中には固定した自転車のサドルの上に立って
試合を見る強者もいるくらで、
そのローカルな雰囲気が僕は好きになった。

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サッカーの試合よりも、
それを見ている人たちを観察する方が面白かった(笑)

 

 

 

 

バスコは「ショートカットだ!」と言って、
村を案内してくれた。

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まるで「隣りのトトロ」に出てきそうな
トウモロコシ畑が道の両脇にはあり、
地元の子供たちとすれ違うと
「ハロー!」と挨拶をして手を振ってくれる。

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小さな家や学校、ここで暮らす人たちは
どんな人生を送るのだろうか?

ここにはネット環境も整っていないし、娯楽も少ない。

でも、それが退屈でつまらない生活ではないように僕は思えた。

どうして彼らはあんなに幸せそうに見えるのだろう?
小田急線の通勤電車の中の人たちより、ずっと表情豊かだ。

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日曜日ということでネット屋は開いていなかったので
近くの”TESCO”でバスコと一緒に瓶のジュースを飲んで
そのまま宿に戻った。

夕食は宿の近くの小さな食堂で済ませた。

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何もないけど、心が落ち着く。

ここはそんな場所だと思う。

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あーーー、ここは来てよかったなぁ。ほんとうにそう思います。

アフリカ散歩旅の集大成かな?なんつって(笑)

今日も読んでくれてありがとうさん。

笑顔を忘れずにね。

 
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