「チャーーーッッッ!!!」

世界一周677日目(5/7)

 

 

キャンプサイト

の横にキャンプしていたことに対して
後ろめたさのようなものを感じなくもなかった。

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ただ、キャンプサイトと言えども
主にキャンピングカー専用の駐車場だったため、
朝に清掃員が見回りにくることもなく、

アラームなして8時に目を覚まし、
そのまま撤収してその場を後にした。

 

 

 

ここはアメリカ、ユタ州モエバの町外れ

 

 

 

ユタ州はヒッチハイクを禁止しているが、
ヒッチハイカーからの評価も高く、
見つかってもそこまで厳しくない州らしい。

昨日ヒッチハイクをやってみた感覚では
コロラド州に住む人々と同じようにヒッチハイカーに寛容だ
というイメージがある。

 

 

見事な景観が広がる橋を渡り、
すぐにヒッチハイクを開始した。

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途中までしか行かないけど、
と言ってのせてくれたイアンの車には工具がつまれ、
車内には色とりどりの旗が飾られていた。

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それはヒンドゥー語の書かれたタルチョだった。
僕はそれを見てネパールのことを思い出した。

つい先日ネパールで大きな地震があった。

僕が出来ることと言えば
『あぁ、大変だなぁ』と思いを馳せることくらいだ。

僕は2014年の2月の終わりに
震源地だったカトマンドゥーを旅していたのだ。
あの路地や沢山の雑貨屋。あれらはどうなってしまったんだろう?

僕のできることは限られている。そしてキャパシティーも。
だからこうして思い出すことくらいしか今の僕にはできない。

 

 

 

 

 

車で10分ほど走ったガソリンスタンドで
僕は車を降ろしてもった。

イランはそのまま仕事に向かいらしい。お礼を言って車を見送った。

そして僕はすぐにヒッチハイクを再開した。
朝から何も食べていないが、それは目的地に着いてからにしよう。

 

 

今日の目的地は”Salt lake city”。

モエバの町から300kmほど離れた場所にある。

僕は元気よくカードボードを掲げた。

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開始15分もせずに車がわざわざ引き返して止まってくれた。

車は中には僕と同じ様な顔をした夫婦が座っていた。

 

 

「ソルトレイク・シティて書いてあるのが分かって
戻って来たのよ」

というブランダさんと夫のネッドさんは
ナバホ族に起源があった

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明日は大学生の娘さんの卒業式だということで、
ソルトレイク・シティに戻る帰り道らしい。

二人は英語で会話をしていた。
部族の言葉はほとんど話さないらしい。

 

 

僕の漫画をブランダさんに見せると、ケタケタと笑って

「”Shit(くそ)ってのはナバホの言葉で
「チャーーッ!!!(イクラちゃんが駄々をこねるように)
って言うのよ」

と教えてくれた。

 

 

最初に停まったガソリンスタンドで
僕はコーヒーとクッキーを買った。

再び車は走り出し、ユタ州の広大な草原や、
谷の間を縫うようなハイウェイを走った。

コロラド州と似ているようでどこか違う。
州の境界線など単なる目安に過ぎず、
隣接する州同士にかかる自然が同じであることは間違いないのだが、
走れば走るほど、その景色は変わっていくのだ。

アメリカはこういうところが面白いと思う。

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僕はブランダさんに冗談で
「僕って臭いますか?」と聞いてみた。

ブランダさんは少しためらったあと、
「うん、ちょっとね」
と言った。

 

 

 

あふぅ…。

 

考えてみれば頭は洗うことはあっても、
シャワーは一週間も浴びていなかった。

連日の都市型キャンプ生活のツケとも言えるべきこの

「体臭」問題。

 

 

僕が落ち込んでいると、ブランダさんは

「よく言えば雨に濡れた子犬の臭いね!」

と言い直してくれたが、僕はその臭いをよく知っていた。
あぁ、そういう臭いですか。これは不味いな。

 

 

 

ある程度会話が落ち着くと、
僕は外の風景を見る以外にやることがなくなってしまった。

徐々に眠気を感じたが、僕はなんとかドライバーにつき合おうと
必死に睡魔と戦った。

僕がウトウトしているのを見ると、
ブランダさんはお菓子やフルーツを少し分けてくれた。

血糖値があがった始めの方は、
見つけた貨物列車にトレインホッパーがいないか
探すほどに起きれていたのだが、
またしばらくするとウトウトし始め、後半はほとんど会話もなかった。

後部座席に座っていたため、話をしにくかったということもあるだろう。

脳みそは本当に正直だと思う。退屈を感じると節エネに切り替わる。

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ソルト

レイク・シティに到着すると、
僕はダウンタウンで車を降ろしてもらった。

「気をつけてね!」と言ってブランダさんたちは去って行った。

 

 

町はかなり綺麗だった。規模もそれなりに大きい。
ホームレスの姿もチラホラと見かけたが、
ここが危険な街という感じはしない。

 

 

たまたま見つけたビジターズ・センターのトイレの個室で
温水で濡らしたタオルの反面を石鹸を少し泡立て、
体を拭くと大分さっぱりした。

ここで洗濯物もいくつか済ませておいた。
ボタンシャツも臭い始めていたからだ。

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洗濯した衣類は外で乾かすことにした。

靴下や下着くらいだったらバックパックに
取り付けてそのまま旅をするのだが、
それ以上になるとどこか日の当たる場所で乾かさなくてはならない。

宿に泊まっていれば、外出している間に干しておけばいいが、
都市型キャンプでは常に目の届く場所に
置いておかなければならない。

洗濯物が乾くまでの間、僕はギターの練習をして時間を過ごした。
もうそろそろ新しい曲ができそうだ♪

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時刻は15時を回っており、
街にはあまり出歩いている人もいない。

そんな中でギターの練習をしている僕に対して、
清掃員のおじさんたちは意外に好意的だった。

 

 

 

 

 

 

洗濯物

が乾くと僕はソルトレイク・シティを歩き回ることにした。

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なんと言ってもここはユタ州の州都だ。
これならいいレスポンスを得ることができるかもしれない。

僕は毎回同じようなことばかり言ってるな。

 

 

そしてこの街も他の州都同様、
規模の割には人があまりいない街だった。

平日ということもあるのだろうが、
ブレンダさんに路上演奏のスポットを聞いて向かった
ショッピングモールは
まるで日本のシャッター街のような静けさだった。

たまらず僕はその場を退散し、街歩きを続けたのだが、
歩けば歩くほどこの街に寂しさを感じずにはいられなかった。

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結局は別のショッピングモールにあるフードコートの
SUBWAYで野菜を摂取し、マクドナルドでおなじみのコーヒーを注文して
絵を描くこととなった。

だが、しばらく絵を描いていると、
セキュリティから「ここに長居しないでくれ」と言われてしまった。

 

 

場所によっては客が居座ることを嫌がる店もある。

だが、辺りを見渡しても空席は沢山あったのだ。
しかも僕が使っていたのは窓際のこじんまりとした席。

バックパッカーの肩身の狭さを味あわされた。

 

 

マクドナルドもフードコートに組み込まれてしまっているため、
僕は時間をつぶす場所を見つけ出せずにいた。

フラフラとスーパーに立寄り、
保存のきく穀物入りの食パンと2ドルのスープを買った。

食費しかかからないはずなのに、
その食費がじわりじわりときいて行く。

食費だけは削れない。
いや、これはそんなにかかっていない部類なのか?

ヒッチハイクでお金はもらうことがあっても、
やはり一日の出費をゼロに抑えることはできない。

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ヒッチ

ハイクポイントまで行ってしまうことに決めた。

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Googleルート検索でバスの番号を調べ、バス停で待っていた。

横に座っていたホームレスに
「タバコを売ってくれないか?」と頼んだのだが、
ホームレスは「ムニャムニャ」と呟いて、
僕と少し離れた場所でタバコを吸い直した。

きっと誰かの吸ったシケモクを吸っているんだろう。
そりゃくれないか。

 

 

太陽が沈む20時過ぎになると、ポツポツと雨も振り出し、
冷たい風が吹き付けるようになった。

 

 

やっとやって来たバスは番号が異なり、
「〇〇番はいつくるんですか?」と質問したところ、
返ってきた答えは

朝9時と夕方5時の2本しかない

ということだった。

ルート検索は間違った情報だったってことか…??
それより町外れに行くバスが一日に二本しかないだなんて。

 

 

 

 

僕はこの街でもナイトハイクをしなければならなかった。

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『いいさ。歩くのは好きだから。健康にもいいしね』

なんて前向きに気持ちを切り替えようとするが、

ヒッチハイクポイントまでは10kmもあるのだ。

 

 

総計22kgの荷物とギター。
これで長距離を歩くことがどれだけしんどいか…。

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フェス行きたい…

 

 

 

最初の数キロはスタスタと歩くことができた。

徐々に足首に痛みを覚え、iPhoneで音楽を聴きながら
そのことを忘れるようにして黙々と歩き続けた。

 

 

 

途中に見つけたガソリンスタンド
僕はトイレを借りることにした。

店員に「トイレを借りていいですか?」と言うと、
バイトらしきお兄さんは僕に鍵を渡してくれた。

トイレはガソリンスタンドの一部ではあるが、扉は外にあった。

 

 

僕はそこで用を足し、流そうとバーを倒したが詰まってしまった。
トイレットペーパーを沢山使い過ぎたようだった。

僕は意を決してトイレットペーパーを手で取り除き、
なんなら「ラバーカップ(カッポン!ね)」まで使って
水詰まりを直そうとしたのだが、
次にバーを倒した時、

不穏な空気が室内に充満した。

じわりじわりと水位が上がってくる。水の色も濁り始めた。

 

 

 

「退散だっっっ!!!」

僕は慌ててトイレから逃げ出した。

ドアを閉める瞬間、便器から水が溢れ出すのが見えた。

 

 

僕はそのまま店員には何も言わずに逃げるようにして
ガソリンスタンドを後にしたが、すぐに罪悪感に駆られた。

もう顔は割れてしまっている。
これからはあのガソリンスタンドでバックパッカーに
トイレは使わせないだろう。
僕のことは日本人だと思っているのか?

いや、そんなのどうだっていい。

 

 

 

 

『おいおい。待ってくれよ?
おれだって好きで10kmも歩いているわけじゃないぜ?』

 

 

1km先のスーパーマーケットの外にある自販機で
35セントのジュースを買って一息ついた。

今日ヒッチハイクで乗せてくれたブランダさんは
カルマ」について口にしていた。

因果応報。悪いことをすれば結局は自分に返ってくるってあれだ。

 

いや、そんなのは迷信に過ぎない。でも僕はできるだけ誠意であろうと勤めてきた。でも、今回のあれはダメだった。自己申告することができなかった。もちろん紙を使い過ぎた僕も悪いが、あれくらいなら他のトイレの許容範囲じゃないか。トイレが悪かったのか?いや、そもそもバスさえ来ていれば、ここのガソリンスタンドなんかに立ち寄ることはなかったんだ。いや、ってか、さっきのフードコートで僕がもう少し作業できていれば、あそこでトイレも済ませられたに違いない。

 

自分の行いの正当化を必死に頭の中で繰り広げる。

そして、あの後の惨事を思い浮かべると、
お菓子のヤケ食いせずにはいられなかった。

好きで詰まらせたんじゃない。故意じゃない。直そうと便器に手まで突っ込んだ。あれは仕方なかったんだよ。おれのせいじゃないよ…。

ごめん、お兄さん☆

勇気のなかった僕を許しておくれ。

 

 

 

 

足首がもげそうになり、
学生地区付近の「シュガー・ハウス・パーク」という
大きい公園を今日の寝床にすることにした。

24時をまわり、公園の中央に池の近くでは作業員たちが
芝生に水をやっていたが、こちらまでやって来ることはなかった。

僕はテントを張りさっさと寝てしまった。

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4 件のコメント

  • 今年1月カイロのスルタンでシミのライブに感動した40過ぎたおっさんです。覚えているかな?
    シミのブログ検索できてラッキー。
    カイロからケープタウンとアフリカ縦断して、今アメリカでヒッチで移動、マックで寝泊まりしてるみたいだね!元気で何よりです。
    シミのマンガもちょと見さしてもらいました。レベル高いね。
    まずはいろんな経験して、シミが漫画家として大成出来ることを希望します。
    残りの旅も楽しんで、またくれぐれも体を大切に!
    小田急線車内より送信

    • >オオダケさん

      いやいや、あの時は唄なんぞ聴いていただいただけではなく、
      投げ銭までしていただいてありがとうございました!
      ましてやブログを見ていただけるだなんて
      ブロガー冥利に尽きます。

      ただし、ひとつだけ訂正なのですが、
      24時間営業のマクドナルドは日本だけと言っていいでしょう。
      こちらは「24時」すなわち深夜12時で営業終了。
      追い出されます。

      だので僕はキャンプしてます。
      ホームレスってヤツです。
      うふふふふ♪

      絵も毎日描いてます。
      南米に入ったらまとめてアップすると思うので
      お楽しみに♪

    • >そらさん

      そりゃあもう、
      ここにファブリーズがあったのなら
      「ダブル除菌シリーズ」で完璧に
      僕の臭いは消え去ることでしょう。

      だがしかし!

      なんと言うことだ!
      ここんはファブリーズは売ってないじゃないか!
      いや、僕はファブリーズじゃないとダメだめなんだ。

      こっちのは臭いがキツくて、とてもじゃないが買えない。

      あれ…?
      僕の言っていることどこかおかしいですね?

      おつかれさまです。

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