世界一周695日目(5/25)
ここは
本当に良い公園だ。
ポートランドにはホームレスが比較的多いが、
アップタウンには彼らはあまりこないようだ。
時々公園の下の方でホームレスが二人ほど寝ている時があるが、
彼らは公園の上の方まではやってこない。
7時までにここを出て行けば、かなり安全な寝床と言えるだろう。
ポートランド滞在11日目。
これ、最初バスカーだと思ったんだよね。
フツーに銅像でした。
今日は自然に目が覚めた。
生活リズムも体に染み込んできたのかもしれない。
そのまま今日はフレッドマイヤーへは行かずに、
そのままアップタウンにあるスターバックスへと足を運んだ。
充電をしながら漫画を描く。
店員さんはバックパックを入店した僕に
かなりフレンドリーに接してくれた。
そりゃ誰だってこんな素敵な人ばかりじゃないんだけれど、
スターバックスではよっぽどのことがない限り
追い出されたりはしないのではないだろうか?
この漫画を描き終えたらポートランドを出発しようと思う。
メキシコのある南へと進んで行くのだ。
そこから14時まで作業して向かったさ先は
“Coava Coffee“だ。
ここに来たのは
ゆうこがおつかいを頼まれていたから。
日本のとある出版者から現地の厳選コーヒーを5つほど仕入れて、
日本に送るのだそうだ。
ここCoava Coffeehは店内は広いのだが、
席数は広く、何かホールのような場所だった。
自家焙煎のコーヒーを提供しており、
メニュー数は5つほどと少ないのが、淹れ方にもこだわりが観られた。
アルミのフィルターなんて始めて見た。
「そろそろ出発しようと思うんだ」と言うと、
ゆうこは「そんな急ぐ必要はないんじゃない?」と言う。
ここまでポートランドを楽しめたのは
本当にゆうこのおかげだと思っている。
僕はその感謝の気持ちをゆうこにちゃんと伝えたかった。
「お互いに頑張ろうぜ!」
とエール交換をして映画みたいな別れ方をしたいと思っていたのだ。
僕はロマンチストなのだ。
だがカフェで話したことは
コーヒー豆の郵送方法だったりだとか、
語学学校の話だとか、
こっちも似た様な話しか出て来なかった。
コーヒー豆
を仕入れたゆうこと僕が歩いて向かった先は
“BASE CAMP“と言うバーだった。
ここも個人経営のお店で沢山のビールを飲むことができる。
キャンプと言うべく、外にもテーブルが出ており、
BBQ場のような感じもする。
僕はインスピレーションに従って適当に注文したのだが、
出て来たのはスタウト(黒ビール)だった。
下戸なくせに強いアルコール度数の酒を飲む物だから、
僕はすぐに酔がまわった。
ゆうこさんはお酒が好きなくせに、
アルコール度数が低いものを選びやがる。
もう会話なんてない。僕はいい気分になって、
ふにゃっふにゃしてくる。
「あ、あの人の服よくない?」
そうゆうこが言うので、僕は振り返った。
そこには黒ベースの服に緑のスカーフを巻いた
妙齢の女性が店を出て行くところだった。
目が合ったので、僕は思わず会釈する。
向こうもニッコリと口角を上げる。
「あなたたち、日本人?」
「そうです」
「そう♪」
そういって彼女はきびすを返し、僕たちの席へとやって来た。
キャロルさんには日本人の旦那さんがいるそうだ。
それも、つい昨年結婚したらしい。
お相手は44歳の男性でアメリカに永住するのが目的なのだとか、
グリーンカードがどうのこうの言っており、
詳しい内容を理解することはできなかったが、
法的に言うのであればグレーなのかもしれない。
キャロルさん自身はポートランドに30年以上も住んでいるという
生粋のポートランダーだった。
ジブリが好きらしく、図書館でDVDをレンタルして
「魔女の宅急便」や「ハウルの動く城」なんかを観ていた。
そう言えばどこかハウルのおばあちゃんっぽい?
「40秒で支度しなっ!」
キャロルさんはとうとうと
僕たちに彼女のライフスタイルを聞かせてくれた。
もちものをあまり持たずシンプルに暮らし、作ることも楽しむ。
持っていたポーチからは編み物の本が出て来た。
中には野菜や生き物など、編み物でキャラクターを作るやり方が
書かれていた。
いいポーチ♪
楽しいお喋りを終えて18時頃には店を後にした。
キャロルさんとのお喋りを終えて、僕が思ったことは、
これこそがまさにポートランドの魅力なんじゃないかってことだった。
町は人が作るものだ。
そこに住む人がいなければ町は成り立たない。
そしてそこに暮らす人たちには独自の空気感のようなものがある。
ポートランドはその空気感が如実に現れていると思う。
オープンしたての小さなカフェや
レストランを受け入れる土壌なんてそうだと思う。
人は自分の知らないことを知っている。
話すこと、そして話を聞くことが楽しい。
彼らと話すことによって、
また新しい世界を覗くことができるからだ。
「てかゆうこ、けっこう英語聞き取れるよね。
おれなんて時々なんて言ってるか分からなかったもん」
「私全然分からなかったんだけど。
お店の騒音のせいかなぁ…?」
「え..??
だって超分かったように頷いてたじゃん」
「だってそうしなきゃ失礼でしょー!」
「演技派だね..」
日曜日ということもあって、開いている店は少なかった。
営業している店のほとんどがバーだった。
「今度来よーっと♪」
ゆうこのオススメの
「ノンちゃんのタイ料理屋(英語表記は忘れてしまった)」
でカオマンガイを食べた。
「明後日には出発しようかな?」
「VOODOO DONUTSにはまだ行ってないでしょ?
明日ドーナッツ食べに行かない?」
「あ、行きます♪」
ポートランドから出られる気がしないな(笑)
—————————————————
にほんブログ村
★「旅する漫画家」
若者は「これをやりに俺は生まれて来た!」と思える事だけを考えていればよい。
- ヘミングウェイ -
>JOSANさん
格言を知っている人に憧れますね。
結局はヘミングウェイは自殺しちゃいましたが、
彼の旅はかっこいいところがありますね。
大学時代に彼の短編集を読んだことがあります。
時々ヘミングウェイ自身がモデルの主人公が出てくるんですけど、
キャンプとか釣りとか、食事を作るシーンが好きでしたね。
さて、僕は何をやろうか?
もちろん「描く(書く)」ことですね。
そして「作る」ことだとも思っています。