世界一周700日目(5/30)
おおっっっ…!!!
いつも後から日記書くから旅立ってから何日経過しただとかは
分からないんだけど、気づけば
もう700日目ですか!!!
まぁ、同じ日付を二回書いた日記もあるから、うん。
単なるカウントに過ぎませんね。
いやぁ~~、700日か。数字で見るとすごいね。
もう700本も日記書いてるってことだもね。
先日
あまり寝ていなかったせいもあり、
僕は10時過ぎまで寝ていた。
外で寝ることには変わりないが、
キャンプサイトという気の休まるエリアでは
熟睡することができた。
ここはアメリカ、オレゴン州ニュー・ポートという小さな港町。
僕はアメリカを南下している。
サブバッグだけ持って、テントの入り口をダイヤルロックで閉めた。
ビジターズ・センターで無料のコーヒーを二杯いただき、
今度こそキャンプサイトから出る道をしっかりと確認して、
僕は町に向けて出発した。
今日はマラソン大会が行われるらしい。
もしかしたら人が集まるかも、とギターも持って行くことにした。
海沿いのトレイルを歩いてまずは橋を目指したが、
意外に距離があることが分かった。
だがいつもバックパックを背負いながらの移動にしてみれば、
こちらの方が断然に楽だ。
景観を楽しみながらスタスタと歩いた。
あちこちに「キャンプ禁止」の立て札を見るが、
今はそれを気にする必要はない。
ダウンタウンまで行くのには1時間もかかった。
町は昨日来た時と同じで、人通りも少ない。
僕はメイン・ストリートと思われる通りをそのまま歩いていったのだが、
マラソン大会が行われてる気配はない。
見つけた楽器屋さんで少しお喋りをして、
ステッカーをもらった。
しばらく行くと、駐車場で小さなマーケットが開かれていた。
テントが通路をつくるように立並び、
地元の人たちで賑わっている。
取れたての野菜やケーキやクッキーなどの軽食、
アクセサリーやタイダイのTシャツなんかも売られていた。
男の子がクラシックギターをポロポロと弾きながら
バスキングをしているのを見つけた。
最初はマーケットの端の方でギターを弾いていたのだが、
レスポンスがあまりよくなかったのだろう。
マーケットの中心の方に移動して来た。
椅子に座って、インストだけの唄はなしのパフォーマンス。
少し照れているようにも見える。
そんな男の子に地元の人たちは
ニコニコしながら1ドル札を入れていく。
僕が同じくらいの年齢だったら、
ギターケースにつもるお金に目がくらむだろう。
いや、今だって彼のポジションが空けば今度は僕が稼ぐ番だ!
とさえ思っている。欲張りなヤツなのだ。僕は。
コーヒーを飲んで一休みすると、
僕はニュー・ポートの町歩きを再開した。
おれはこっちだよな。
引き続きメインストリートを下って行ったのだが、
どんどん辺りには何も見当たらなくなって来た。
結局はマクドナルドを見つけて、僕は道を引き返すことに決めた。
マクドナルドは町はずれにあることが多いからだ。
このポストの感じ、なんかいい!
引き返すと、先ほどのマーケットはあっという間に撤収されていた。
もうそろそろマラソンが始まるのだろうか?
僕は昨日ここまで連れてきてくれたジョナサンさんが
教えてくれた、観光の港へと足を運んでみることにした。
町自体は小さいのだが、
端から端へ移動するのはなかなかに時間がかかった。
ここもバスキングには向かなさそうに思えた。
人通りはあることにはあるのだが、
いいポジジションを見つけられない。歩道の幅は狭く、
車道が通りの真ん中を走っているので、
ギターの音はかき消されてしまうだろう。
なにより気分が乗らない。
見るものと言えば、港を題材にしたウォール・ペイントと、
アシカだかオットセイ(ん?違いが分からねえ)が
人の手によってセッティングされたボードの上によじのぼり、
ひなたぼっこをしている姿くらいだった。
「オウッ!オウッ!」といつまでも、
そのオットセイだかアシカだかの声が響いていた。
やることのなくなってしまった僕は
どこか作業のできるカフェを探したのだが、
行き着く先はジョナサンのカフェだった。
そこまで2kmほど。
弾かないギターほど重たくて邪魔なものはない。
おれ、何のためにギター持って来たんだっけ?
カフェに行ってはみたものの、
今日は誰かの結婚式らしく店内は混み合っていた。
テーブル席を使うことは許されず、
僕はカウンター席へと追いやられ無駄に時間が過ぎて行った。
先ほどマクドナルドのWi-Fiを失敬して
ジョナサンにメールを送っておいたのだが、
今のこの時点で
「今日は忙しくて君に時間を割いている暇はない」
とメールが返って来ていた。
『引き時を見誤ったな…』
僕はそう思った。
どこで行われているかも分からないマラソン大会を見たいがために
(っていうかお金稼げるかもっていう下心があったんすけど)
この町に留まり、結果、何もすることもなく一日を無題にする。
今朝方この町を出発するのがよかったのだろう。
ヤケ喰いにスーパーでクッキーやらフルーツを買って食べた。
1ドルのクッキーは微妙で、特売のフルーツは痛んでいた。
僕は一気にテンションが下がった。
僕が大学時代に読んだサンクチュアリ出版の出すビジネス本で
著者の人が経験談を書いていたのだが、
マクドナルドでしなびたポテトが出て来た時に
『おれの人生ってこんなもんか?』
って思うらしい。
まさにそんな気分だった。
キャンプ
サイトに戻った僕はシャワーを浴びてテントを畳んだ。
ここにいるスタッフたちはボランティアのようだ。
20時には帰ってしまう。
そして毎朝8時にここへやって来る。
宿泊料の7ドルを払わずとも、朝早くここを出て行けば
バレることはないだろう。
たかだか7ドルに何考えてんだおれは?
どこでだって眠れるだろう?
22時に僕はキャンプサイトを出発した。
オレゴン・パシフィク・ハイウェイには
自転車用のスペースがあるので、僕はそこを歩くことができた。
交通量は少ないわけではなく、
後ろから車が1分に一台のペースで走り去って行く。
街灯の数は心もとないくらいにしかない。
車がいなくなると、虫の音やカエルの鳴き声が聞こえる。
シンシンとしたほんのり湿った森の空気。
僕はそんな場所を黙々と歩いて行った。
まるでハイウェイ沿いに出没する幽霊のように。
4kmほど歩くと、海へ出る小道を見つけた。
ハイウェイ沿いに立てられた数件の家の間をさりげなく続いている。
僕はハウィエイからビーチへと出た。
潮風が強く、火照ったからだがすぐに冷えた。
ほんの50m隣りでキャンプファイヤーが行われているのが見えた。
家族二組分だろうか?暗闇で人の姿が分からず、少し怖い気も下が、
僕はキャンプファイヤーへと近づいて行った。
そこには確かに二組分くらいの人数の家族がいた。
突然現れた外国人のホームレスに警戒している様子は
彼らの目から読み取れた。
僕は彼らの警戒心を解くため、
iPhoneのトーチでバックパックを照らし、
「ヒッチハイカーなんですけど、
たき火にあたらせてくれませんか?」
とフレンドリーに訊ねた。
移民系のがガタイのいいお父さんが
「これはプライベートなものだから。ダメだ」と言った。
「thank you..」そう言って僕はすぐにその場を後にした。
そりゃそうだ。誰もがみな僕にフレンドリーなわけじゃない。
当然のことだろうう?
さらに3km歩いていて、
僕は小さな見晴らしスポットに行き当たった。
ビーチに出るとそこにテントを張った。
夜の海の音はごうごうと重低音混じりで、
気になるほどにうるさかった。
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