世界一周716日目(6/15)
治安に
関して言うと何も問題ない町だ。キャンプもやりやすい。
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さすがにセキュリティや清掃員が見回りに来るような公園は避けるが、
それ以外での場所であればゆっくりと眠ることができる。
8時過ぎまでゆるりと眠り、ゆっくりと荷物を片付けた。
テントを片付け、そしてパタゴニアへと直行した。
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ここはアメリカ、ベンチュラ。
今日は待ちに待った月曜日。
ボタンシャツは果たして修理してもらえるのだろうか??!!
10時5分前に店の前の到着し、煙草を一本吸って中に入った。
コウスケさんが僕のことを迎えてくれた。
まず最初はオフィスを見学させてもらうことにした。
これも見たかったもののひとつだ。
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「場所によっては写真を撮っちゃいけないよ?」
見学前にコウスケさんはそう注意をした。
ここに来れただけでで鼻血がでそうなのに、
たかだか写真が取れないくらいどうってことない。
まず見させてもらったのはカフェテリアのある建物。
社員食堂では栄養に気を遣った
オーガニックフードを食べることができる。
すぐ近くに託児所があった。
子供たちが庭で元気よく駆け回っているのが見えた。
「僕は4歳からここで育ったんだよね」
そうコウスケさんが教えてくれた。
育った場所で働くってなんだか、
生まれた川に戻ってくる帰巣本能のあるサケみたいだなぁと思った。
カフェテリアをざっと見せてもらい、
次はよいよオフィスの方へと入っていくのだが、
入り口を入ってすぐの所にあるカウンターでは
チップさんという人が受付をしていた。
なんでもフリスビーの大会でチャンピオンになったことのある人らしい。
面白い人たちが働いているものだ。
チップさんは嬉しそうな顔で僕の話を聞いてくれた。
僕が漫画家であることを告げると、
「是非パタゴニア・ブックスから出版したらいいよ!」
なんて言ってくれる。冗談だとしても嬉しい。
パタゴニアは他のアーティストともコラボレーションすることがある。
もしかしたら何年か先に僕の描いた絵や漫画が
パタゴニアと関わることがあるかもしれない。
単なる漫画じゃなくて、自分の持ち味を活かす
そんな絵を身につけなくちゃだめだ。
うしっ!エールありがとうございます!!
立ち話を終え、僕たちは二階のオフィスを見てまわった。
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オフィスはオープンデスクとなっていた。
仕切りというものが存在しない。
オープンデスクが良いのか悪いのかは賛否両論があると思うが、
このような人と人同士の壁がないのはやはりパタゴニアらしいと思う。
別にオープンになっていてもここでは気にしないのだと思う。
なんだか大きな家族のようにも感じるのだ。
コウスケさんはオフィス内部を部署ごとに説明してくれたが、
正直な話、話の半分くらいしか分からなかった。
まぁ、デザインだったり、営業だったり、企画だとか、
部署に関して言えば特別なものはないと思う。
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生地のストック、サンプルが奥の方に置いてある。
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ガラス窓の向こうでは生地の耐久性みたいなのをチェックしていた。
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さながら美術館♪
オフィス内にはイヴォン・チョイナードが集めた絵が飾ってあった。
タッチや色使いがフランスの漫画家ジャン・ジローに
とてもよく似ている気がした。
コウスケさんに作者を訊ねたが、
さすがにそこまでは知らなかった。
またオフィスには
「patagonia」というブランド名になる以前に作られた
化石のようなラグビー・シャツなどが展示してあった。
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「これはチョイナードがヨーロッパを旅した時に
ラグビーシャツが向こうで流行っているのを見て
アメリカでも作ったものなんだ」
「へぇ..」
中には『さすがにもう着れないだろう』といういくらいに
ボロボロになった服が普通にハンガーにかけて飾ってあったりもした。
タグが「Chouinard(チョイナード)」になっている。
オフィス内にはスタッフの私物であるサーフボードが
まとめて立てかけられているスペースもあった。
これは話に聞いていた通りだ。
良い波がきたらサーフィンをしに行くのは
どうやら本当のようだ。
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これは社員さんの私物なんですってさ。
オフィスを見学させてもらったあと、
次に向かったのはサーフボードの製作現場だった。
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ボードを作る人を「シェイパー」と言うそうな。
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いやぁ…職場って憧れますね。
そこには映画の中で観てきた世界が広がっていた。
チョイナードの息子はここでサーフボードを作っているらしい。
何かが作られるそんな現場にくるとワクワクが止まらない。
先日挨拶はしたのだが、もう一度サーフショップの方にも
顔を出すことになった。
ここにはオリジナルのTシャツが置かれているのだが、
残念なことに僕の欲しいデザインのサイズ(XS)がない。
スタッフのショーンは
「サイズさえ合えば好きなのを一枚持って行っていいよ?」
と言ってくれた。
おいおいマジっすか!
薄いのはすぐに伸びて擦れてダメになってしまう。
Tシャツの中でも一番丈夫そうなものを
チョイスしていただくことにした。
ありがとうございます!うわーーっっやったよ!
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休憩時間にバレーしてた。いいね。
忘れてはならないのは、ボタンシャツの修理だ。
そっちはどうなのだろうか?
服を作る職場を見学しに行く前に、
一応バックパックからボタンシャツを取り出しておいた。
ここから先は写真撮影は禁止らしい。
オーケー。瞼の裏に焼き付けておくわ!
中は視覚的に萌える要素はなかったのだが、
そこにいる人たちが服を作るプロだということはすぐに理解できた。
少し空気がピリっとしている。
コウスケさんを通してボタンシャツを
直してもらえないだろうかと訊いてみた。
マリアさんという超ベテランスタッフさんが僕のシャツを
じっくり調べるように見た。
「これねぇ…。自分でパッチを当てたのね。
あぁ、こうなっているのね。ふむふむ…」
「せ、先生、うちの子は治(直)るんでしょうか?」
「あなたの当てたパッチ外しちゃうけどいいかしら?」
「お任せします!」
一時間半ほどでできるということで、
僕たちはカフェテリアにご飯を食べに行った。
ランチの時間帯でカフェテリアには他のスタッフたちが
集まって自分のプレートにご飯をよそっている。
僕とコウスケさんは外のベンチで昼食をとった。
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「普段なら服の修理の当日の受付はされないんだ。
君は本当に運が良いよ?」
「いやぁ、マジでありがとうございます!
二年かけてベンチュラに来た甲斐がありました!」
栄養満点の飯。外は少し肌寒かったが、
外で食事をとっているスタッフの方が多かった。
僕たちは昼食をとりながら色々なことを話した。
「僕は思うんですけど、
パタゴニアっていろいろなことにチャレンジできる
可能性がある会社だと思うんですよね。
服を作るだけじゃなくて、アーティストと繋がったり、
環境問題に取り組んだり。
そう言った意味ではとても魅力的な会社だと思うんです。
コウスケさんはここで何かやりたいことってありますか?」
「僕はサーフィンが好きなんだよ。
だからもっとサーフィン部門に積極的に取り組んで行きたいかな?」
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コウスケさんは
カリフォルニア州立大学サンタバーバラ校を卒業した後、
ここへ戻って来たらしい。
今後ロースクールに通ってMBAを取ることも考えているのだとか。
そういう専門的なことは僕はてんでダメだ。
世の中にはコウスケさんのような人の需要があるんだもんな。
いいな。僕も頑張らないと。
当たり前に思えるかもしれないけど、
パタゴニアで誰でも働けるわけじゃない。
数あるアウトドアメーカーの中でも人気のパタゴニア。
競争率も高いはずだ。
ここで働くことだけに満足するのではなく、
「ここで何がやりたいか?」
それが重要なのではないだろうか?
ちなみに日本は独自にマネジメントをしているそうだが、
新卒は雇っておらず、中途採用しかしていないと
相棒に訊いたことがあった。
だからこそ、日本のパタゴニアには
面白いスタッフさんたちが大勢いるのだと思う。
食後のコーヒーを飲んで修理が終ったボタンシャツを取りに行った。
マリアさんが渡してくれたのは、
もはや新品同然の新しいシャツだったのだ。
シカゴで直してもらった箇所や自分でパッチを当てた箇所は
残念ながら切り取られてしまっていたが、
代わりにより丈夫な生地が当てられていた。
それこそまさに職人の技だった。
僕はマリアさんにしっかりとお礼を言って
僕はボタンシャツを受け取った。
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こうなりました。
パタゴニアを出る前に、新しい服を仲間に加えた。
Tシャツをもう一枚と、ショートパンツを一枚。
前回もらった40%オフのクーポン券を使わせてもらい
合計60ドル。
Tシャツはこれからの南米の旅で、
ショートパンツは日本でも使えるだろう。
もう一度スタッフたちに感謝の気持ちを伝えて
パタゴニア一号店を後にした。
やっぱりこれだよ。だから僕はこの店が好きなのだ♪
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この日の
午後はカフェで作業をすることにした。
いや、いっつもそんな感じだな。
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ダウンタウンにあるコウスケさんのオススメのカフェで
コーヒーを注文して僕はイラストの製作にとりかかった。
今日はいよいよマサトさんの電子書籍の表紙絵の下描きだ。
店内はテーブル数が少なく、
手を置くと鉄の臭いが移ってしまうような
小さな丸テーブルしかなかったが、
Wi-Fiもサクサクでおまけにコンセントまである
(もうここまで来るとコンセントを見つけ出す
嗅覚のようなものが備わっているのかもしれない)
昼下がりのダウンタウン。
行き交う人々の雑踏に耳を傾け、
お気に入りのCARAVANの「アイトウレイ」を
YouTubeで聴きながら僕は絵を描いた。
アイディアはもうまとまっているので、
手も止まらずに動かすことができる。
あっという間にイラスト2本分を仕上げて、
下描きの写真をマサトさんに送った。
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![IMG_5332](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
マサトさんはと言うと
未だにモロッコのエッサウィラというビーチの町にある日本人宿で
管理人の仕事を手伝いながら執筆活動に専念しているみたいだ。
電子書籍であればあ、誰でも気軽に出版できるみたいだ。
パソコンからでもスマホからでも、
アプリさえあれば読むことができるみたいだ。買おうかな?
下描きを終え、マサトさんからのチェックももらうと、
僕はそのままペン入れに入った。
カフェの閉店時間19時で店を後にし、
そのまま今度はオススメのバーガー屋に行くことにした。
旅っていっても僕はこんなことばかりしている。
まぁ、いいのいいの♪旅先で描くことに意味がある。
自分が旅の中で感じたことが絵には活きるはずだ。
バーガー屋に行く途中で
僕は一人のギターをもったおっちゃんに会った。
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もっていたギターは僕が世界一周の旅に出る前に買った
あの「Martin Backpacker」だった。
トラベル用のギターで小振りな三味線のような形。
だが音はそれなりに出る。
あいにく僕のギター(一台目)はチェコで盗まれてしまったわけだが、
こうして自分の使っていたギターを見つけるとどこか嬉しくなる。
おっちゃんに話かけると、
彼は僕のもっているギターの音を聞きたがった。
こういう時に誰でも知っているベタな曲があるといい。
「Stand by me」なんてこの旅の中でどれほど歌っただろうか?
いくらかアレンジして歌っている箇所があり、
もう原曲がどんなんだったか忘れてしまった。
束の間の出会いを楽しみ、おっちゃんもいい演奏をしてくれたので
1ドルを渡しておいた。
路上でパフォーマンスする人の気持ちも、
自分もする側に立つことでより理解できる。
オススメのバーガー屋
「IN N OUT BURGER(イン・アウト・バーガー)」は、
アメリカで言う老舗バーガー屋で、食材に気を遣っているため、
マクドナルドに比べると少し高かった。
日本で言うモス・バーガーみたいなポジションだろうか?
メニューは6つほどしかない。
コーヒーとバーガー、
それにレジのお兄さんの接客が気持ちがよかったせいもあり、
ポテトまで注文してしまった。
テーブル席に着くと、旅ノートに活動記録を書いたり、
日記を書いて時間を過ごした。
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「君、パタゴニアが好きなのかい?
これよかったら使いなよ?」
いきなり声をかけられた。
アジア人顔のおじさんと
その同僚らしき人が僕の後ろの席に座ってた。
渡されたのは40%オフのクーポン券。
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「私は別の店舗で働いているんだよ。
ほら、君のノート、パタゴニアのステッカーが
沢山貼ってあるだろう?」
そう言われて自分のノートを見る。
そうだ確かに僕のノートにはニューヨークとサンフランシスコ、
そしてベンチュラの店舗のステッカーが貼ってある。
中には別の店舗のステッカーも貼ってあるくらいだ。
「ありがとうございます。でも大丈夫です」
自分がついさきほどパタゴニアで新しい服を買ったこと、
Worn Wearのコンセプトが好きなこと、
自分がここに来た経緯などを話すと、
おじさんは嬉しそうに僕の話を聞いてくれた。
「これ、使うかい?」
そう言ってライトダウンジャケットすら
プレゼントしてくれそうになった。
自分も別のを持っているのだと言っても、
「枕にすればいいよ」と僕にそれを
譲りたがっているようにも思えた。
改めて礼を言い、僕はその申し出を断った。
あ~~、やっぱりパタゴニアっていいな。
まさか最後の最後でこんなのがあるんだもんな。
なんでベンチュラの町外れにあるバーガー屋に
パタゴアのスタッフが来て、たまたま僕と鉢合わせするんだよ?
23時の閉店まで日記を書き、
いつものようにビーチにテントを張った。
これでベンチュラともお別れだ。
ここに来れてよかったよ。ありがとう。
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パタゴニアの内部は面白そうだね。
つい数日前にバンビエンで会った青年がパタゴニアのTシャツを着ていたので君がベンチュラへ向かってる最中だと話をしたところでした。もしかしたら彼も北米でステッカーを集めて回るかも。ところでこのブログを読んでいてイン・アウト・バーガーを食べたくなりました。しかし現在のチェンマイじゃ無理なので、お堀の近くのローカルバーガー屋に行くことにしますよ。ちなみにピクサーの「インサイドアウト」を観たいんだけど、チェンマイじゃまだやってないんだ。残念!
>citydeさん
パタゴニは確かに素晴らしいお店ですが、
誰かれと何かをいただけたりはしないように思います。
僕の場合はたまたまですね。
しつこいぐらいに「好きだ〜〜!」って言ってましたから(笑)
もしその方がパタゴニア・ストア巡りをされた場合に
『あれ?聞いていた話と全然違うぞ?』
ってならないといいのですが…。
チェンマイだと思い出すのは
“nanairo”という日本人の方が経営される服屋さんですね。
あそこで買ったTシャツは残念ながら盗まれてしまったのですが、
あぁ、新作欲しいな..。
ピクサーももちろんのこと
僕は映画そのものが観たいですね。
今一番映画館で観たいのは「マッド・マックス」です!