「ぐっどばいぶれーしょん」

▷12月5日/アルゼンチン、エル・カラファテ

 

 

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マサトさんは7:00には起きて支度を始めていた。

僕にとってはそれが朝の目覚ましだった。誰かと一緒に行動するとアラームをセットしなくて済む。

マサトさんは今日の11時の飛行機で僕より一足先にブエノスアイレスへと向かう。

 

 

エル・カラファテから空港に行くためには事前に連絡してシャトルバスに迎えに来てもらわなくてはならない。

バスは8時に来ることになっていたが、時間を過ぎてもバスはやって来なかった。

マサトさんは宿のママさんにバス会社に電話をしてもらった。パスは他の宿にもよって利用客をピックアップしているそうで、そのためバスが遅れているとのことだった。結局バスは9:00前にやって来た。

 

 

 

 

一方僕はちょっとしたトラブルに見舞われていた。

僕のブエノスアイレス行きの飛行機は明日なのだが、さきほど航空会社のホームページで予約状況を確認したところ、照会ができなかったのだ。

航空券はクレジットカードで支払ったので(盗難後クレジットカードを再発行したが、カードは手元にない)
ちゃんと銀行口座からチケット代が引き下ろされていた。

 

 

 

『これで飛行機に乗れなかったらどうしよう…⁇』

ネガティブ・シンキングモードになると、なかなか抜け出せない。

 

 

 

 

 

ストレスでお腹が痛くなった僕はすぐさま町のアルゼンチン航空の直営店へと向かった。

営業時間ぴったりに店に行くと、そこには既に8人ほどが順番を待っていた。

窓口は3つあり、そのうち真ん中の窓口にはマサトさんの時も担当した眉に皺を寄せた女性定員の姿があった。どう見ても隣の二人の方が愛想がいい。トラブルを担当してくれるのであれば、そっちの方がいいに決まっている。

 

 

こういう時に限って、僕の順番が回ってくると、ちょうど真ん中の窓口だったりするわけだ。意味わからん。

僕がプリントアウトしたeチケットを見せて英語で事情を説明した。女性店員はパソコンのキーボードをカタカタと叩き、あっさりと「予約できてるけど?」と答えた。

 

 

「ほ、ほんとにこのチケット使えるんですよね⁇」

僕は念を押した。

「ええ」

彼女は僕の目を見ずに答えた。

 

 

そんなに簡単に照会できるのであれば、ホームページもしっかりしてほしいものだ。朝から気を揉ませやがって。

こういう時は糖分を摂取するのに限る。適当に菓子パンをみっつほど買って宿に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

宿に戻ると僕は漫画を描く道具とギターを持って外に出た。

足を運んだのは気になっていたカフェだ。土産物屋やバーが立ち並ぶエリアにあり。二階にある。外から店内の本棚を見ることができた。

先日マサトさんがここを訪れたのだが「38ペソ(¥483)でエスプレッソみたいなコーヒーが出てきた」と驚いていた。さすが観光客が訪れる町のカフェだ。

それでも僕はここに作業をしに行くことに決めた。宿には宿泊客が増えており、テーブルで漫画を描くなんてできそうになかったからだ。

 

 

 

11:00にカフェに行くと店員たちが楽しそうにおしゃべりをしていた。まだ開店したばかりのようで客は僕はしかいなかった。

かかっている音楽はスペイン語のロックだ。どちらか言えば騒がしい感じだ。

 

 

僕はコーヒーを注文する前にカップのサイズを訊いてみた。話に聞いていた通りカップはかなり小さいサイズだった。念のため、それより高いアメリカーノのサイズも訊いてみたのだが、やはりこちらも小さい。思わず「ポキート!(ちっちぇ!)」と漏らした。

仕方なしにアメリカーノを注文しようとすると、気のいい腕にタトゥーのある店員がダブルサイズでコーヒーを出してくれた。エスプレッソマシーンで淹れた味の濃い美味しいコーヒーだった。

 

 

店には客がいないので僕も気兼ねなくテーブル二台を使って漫画を描くことができた。

本棚には様々な本が並んでいた。パタゴニアの景色を集めた写真集などを好きなだけ見ることができるのだ。

カフェに本があるのっていい♪カフェの値段は高いが、その分のアイデアを得ることができるだろう。

作業環境を変えるのはいい刺激になる。昨日に比べると大分はかどった。

 

 

 

たまたま店員の女のコが昨日僕がスーパーの前で似顔絵を描いていたことを知っていた。

しばらくすると「私たちの似顔絵を描いてくれない?」と僕に依頼してきた。

僕はコーヒーを一杯おかわりさせてもらうことでその依頼を引き受けた。

 

 

新しく買ったばかりのスケッチブックに四人分の似顔絵を描いた。コスタリカでアパレル店のスタッフを四人描いたことを思い出した。あの時みたいに壁に飾ってもらうようなヤツを描けば、きっと喜んでもらえるに違いない。

似顔絵を仕上げるとみんなは嬉しそうにしてくれた。僕もコーヒーをおかわりできたので満足だ♪

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しばらくすると店員の女のコが「これ、わたしたちからさっきのお礼」と言って100ペソを渡してくれた。別の男性店員も50ペソを僕にくれた。まさかチップももらえるだなんて驚きだ。

カフェは夕方になるにつれて客が入るようになってきた。ここはバーとしての役割の方が大きいのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

19:00にはカフェを後にして、エル・カラファテで最後のバスキングに向かうことにした。

四日間連続でやったんだ。まぁ、楽しめればオーケー。

 

 

昨日は警備員にストップがかけられたが、今日は何事もなく歌うことができた。土曜日ということもあり、ガンガンとお金が入った。

二時間歌ったところでパトカーから二人の警察が降りてきて、僕のもとにやって来た。

一瞬かなり焦ったが、単にストップをかけただけだ。にこやかに僕も退散した。

今日は何も買わずに宿に戻った。

 

 

 

 

 

誰もいないドミトリーで集金すると、なんと1,069ペソ(¥13,515)もある。

おいおい。マジかよ?

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残っている手元のお金を数えると、エル・チャルテン以降、僕は6000円しか使っていないことが分かった。

『よし!これでこの前宿に置き忘れたpatagoniaのハーフパンツを買おう‼︎』

僕はそう決心した。

だってアルゼンチンとはもうすぐにお別れだし、信用の低いペソなんて持っていても二束三文で叩かれるだけだもの。

 

 

 

この日は夕食は作らずにパンと一緒にバナナやリンゴを食べるだけだった。

キッチンが混み合って僕の番が回ってこなかったからだ。

 

 

さて、いよいよパタゴニアともお別れだ。

 

 


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