「マシュマロぼうやとヨシコさん」

▷1月4日/ニュージーランド、クライストチャーチ

 

 

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ヨシコさんと会った記憶はない。

僕がまだマシュマロのようにプニプニと太っていた頃に会ったことがあるみたいだけど、その時は2歳とかそんなんだったから、そりゃ覚えいないのも無理はない。

ヨシコさんは母親の大学時代の友達で、ニュージーランド人の旦那さん、デイヴィッドさんと一緒にクライストチャーチに暮らしている。三年前、夫妻は清水家に遊びにきてくれたようだけど、その時僕は世界一周の資金集めの真っ最中で忙しく、会うことはなかった。

 

そんな会ったこともないようなヨシコさんだが、僕には打算があった。

母親の代わりに挨拶をするということで、アポイントメントを取り「せっかくなんだからウチに泊まっていきなさいよ!」という流れに持ち込めるはずだ。よっしゃ!これでシャワーとフカフカのベッドにありつけるぞ!

 

 

本来ならニュージーランドに着いたその日のうちに連絡すべきだったのだが、ほら、入国の時は罰金を喰らってそれどころじゃなかったから、ついこの間クライストチャーチに着いた時にスカイプで連絡したのだ。

突然の電話にヨシコさんは驚いていた。当然だ。大学時代の友人の息子が今、自分の住んでいる街にやって来て、電話がかかってきたのだから。ヨシコさんは僕のことを「ヨウちゃん」そう呼んだ。僕の下の名前は「陽介」だからだ。

 

 

「それでー、ヨウちゃん、今どこにいるの?」

「へへへ。ダウンタウンにあるサウスシティっていうショッポングモールの中からWi-Fi捕まえて電話かけてます。もしお時間合いましたら母の代わりに挨拶をしたいと思っているのですがー、」

「あぁ、そうなの。うーん。本当だったらウチに泊めてあげたいんだけどね、ほら、この間の地震でウチが壊れちゃって、今工事中なのよ

 

 

『‼︎‼︎‼︎』

 

 

「クイーンズタウンからはいつ戻ってくるの?戻ってきたら必ず電話ちょうだいね。ご飯ご馳走してあげるから♪」

「あ、ありがとーございます…」

 

 

そんなやり取りをしたのだが六日前の2015年12月29日。

昨日ヒッチハイクで戻ってきてソッコーで僕はヨシコさんに電話をした。ヨシコさんは友達と会う約束があるらしく、ランチを僕にごちそうしてくれることになった。

 

 

 

 

 

 

待ち合わせ場所はサウスシティというショッピングモールの前。ヨシコさんは車で迎えに来てくるらしい。

二日前にシャワーを浴びたので、 トイレで体を拭いておいた。風に吹かれながらヨシコさんを待った。

 

 

 

ヨシコさんは時間ちょうどに僕を迎えに来てくれた。不思議なもので全然距離感というものを感じなかった。英語圏で暮らす人の持つフランクさだ。

ヨシコさんの車は少し故障していた。というのも以前横断歩道で歩行者が渡るのを待っている間に、後ろから車に追突されたらしい。

 

 

「乗っていたのはインド人だったんだけど、絶対あれよ。スマートフォンとかいじってたんだと思うわ」

「あ〜〜〜、インド人だったらしてそうですね笑。それに絶対非を認めなさそう」

「そうなのよ。それでね、今車の中でどこからか水漏れするようになっちゃったのよ」

 

車の中にはうっすらと水たまりができていた。後部座席のドアがないタイプの車の車で、僕は座席を倒すと荷物をそこのおいた。

 

「それで、今日はどうしましょうか?ほらケンコさんが新婚旅行で来た時に連れて行ったお店に行こうかとも思ったんだけど、 よく感がてみたらその店地震で潰れやったのよね」

「ケンコさん?」

「あぁ!そうだったわね。私たちあなたのお母さんのことを「ケンコさん」って呼んでたのよ。なぜだか分からないけど笑」

 

うちのお母さんの名前は「まさ江」だ。なんだかその話が可笑しかった。本名が嫌いだったのかな?まさか自分で名乗ってたとかね。

本名とは違う名前を使っているヤツは僕の周りにもう一人いる。相棒のまおもそうだ。まおは真言宗、空海の幼馴名らしい。彼が三歳の時に自分で命名したんだとか。どんな三歳児だっつーの笑。

 

 

 

 

ヨシコさんは川沿いにある小洒落たレストランに連れて行ってくれた。なんでもニュージーランドにある船着場らしい。内装もかなり綺麗で雰囲気があった。メニューを見ると平気で20ドルとか行くような場所だ。

 

 

「なんでも好きなものを注文してね♪」

「ええっと〜〜〜、じゃあサラダで♪」

 

おもちろん遠慮していたってのもあるんだけど、こういうシチュエーションでサラダ注文すること多いな笑。

 

 

 

外の屋根付きテラスにあるテーブルに僕たちはついた。

先にコーヒーを飲みながらぺちゃくちゃとお喋りをする。ヨシコさんは予定があるので二時間しかここにいられないと言ったが、話していると二時間なんかじゃ全然足りないような気がした。それだけヨシコさんは軽快でこっちの気分を明るくしてくれるような素敵な方だった。

 

運ばれてきたサラダは僕が旅の中で食べてきたどんなサラダよりも美味しかった。サラダの上にチキンが乗っていたのだが、口にしてみて驚いたのが、そのチキンがほのかに温かかったことだ。通常サラダと一緒に出てくる肉類は冷たいことが多い。僕がそう言うとヨシコさんは「日本じゃあまりみられないけどね。私もニュージーランドに来て温かいものと冷たいたいものを一緒に出していいんだって思ったの」と言った。

 

 

僕は今日のお礼の意味も込めてヨシコさんに似顔絵を描いた。僕がテーブルで絵を描いていると、他の客が「時間あったら私のも描いてくれないかしら?」と頼んできた。僕たちもその人もお互い時間がなかったのでオーダーを受けることはできなかったが、そういう風に「絵を描いて欲しい」と言われるのは嬉しい限りだ。ヨシコさんも完成した似顔絵にご満悦の様子だ♪

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レストランで食事を済ませると、今度はヨシコさんの自宅に向かった。ご自宅は中心地から車で5分ほど行った場所にあった。外観は全く自信のダメージを受けていないように見られた。

だが、中に入ると違った。床板が剥がされ、下の土台が露出している。というのも、四年前に起こった地震は直下型の地震でヨシコさんの家は土台ごとズレてしまったというのだ。四年も経ったのに、家が住めない状態にあるのを僕はいささかショックだった。

 

 

旦那さんのデイヴィッドが床下から出てきた。粉塵が入らないようじマスクをし、作業着を着ていた。本職は現役のプログラマーということだが、仕事が休みの時は大工さんの手伝いをしているというのだ。

ヨシコさんは少し興奮した様子で僕のことをデイヴィッドさんに紹介してくれた。僕は簡単に挨拶をすませると、今度はデイヴィッドさんの似顔絵を描くことにした。僕の場合はマジマジと見ないで印象だけで描くから、実物と比べてみると少し違っている場合が多いんだけど、まぁいい感じで描けました!

 

そうして15分くらい夫妻のご自宅を後にした。1日も早く家が直るといいですね。そう願っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨシコさんは僕をYMCAの前でおろしてくれた。もしかしたらここでシャワーを浴びられるんじゃないかと思ったからだ。

宿泊客じゃなければダメなんじゃないかと思ったが、そんなことは全然なかった。5ドルさえ払えばシャワー室の鍵を渡してもらえる。思う存分ホットシャワーを味わった。

ちょうどYMCAではストリートアートのエキシビションが行われていた。ニュージーランドには壁にばかデカく、おまけにハイクオリティなペインティングが多い。

 

一番面白かったのが部屋一面に画面があり、そこで早送りでウォールペインティングの一部始終を見れる箇所だった。世の中にはいろいろな絵を描くヤツらがいるけど、彼らもまたプロフェッショナルなのだ。筆に迷いがない。上手いヤツほど線を引くときに迷いがない。「シュッ」っと一発で綺麗な線を引くのだ。

 

 

 

エキシビションを満喫すると僕はそのまま歩いてリスタート・モールへと向かった。バスキングをやってみようと思ったのだ。

ヨシコさんの話によると、ダウンタウンには地元の人はほとんど行かないらしい。ここに来るのは観光客だけのようだ。それでも、人がいなくなるのは早く、初めてクライストチャーチを訪れた時はここを見て寂しい気持ちになったものだ。

 

僕がここに来たのは14時ごろで、リスタート・モールはそこそこ人で賑わっていた。荷物を置いていざ漫画を描き始めようというタイミングで、僕はペン一式をヨシコさんの家に忘れてきてしまったことに気がついた。ペンなんてどこでも手に入るけど、持っているのは日本製のペンやドイツメーカー「ステッドラー」とかで、こっちで買うとバカ高いのだ。7〜8千円相当のペンは入っていると思う。

 

運良くリスタート・モールでWi-Fiをゲットすることができたので、僕はSkypeでヨシコさんに電話をかけると、ペンを探してもらった。家のダイニングにでも置いてあると思ったが、ペンの入ったビニール袋があったのはなんと庭先だったらしい。そこに置いた記憶はほとんどない笑。

ヨシコさんはすぐにペンを持ってきてくれた。なんだか最後までご迷惑おかけしました。いずれにせよ、ペンが戻ってきてラッキーです。

 

 

 

そんな風にしてのんびり時間を過ごしているといつのまにか16時前になってしまった。リスタート・モールはだいぶ人が減ったような気がした。

それでもいつものようにバックパックに腰掛けて漫画を描いた。

話しかけてきてくれた人は少なかったけど、一枚の似顔絵を描いて、一枚の漫画が売れた。それに弾き語りでクライストチャーチお住いの日本人の方とその旦那さん(こっちはニュージーランド出身)から20ドルがいただけた。アガリは60NZドル(¥4,963)。意外にいきました!

その人たち(日本人とニュージーランド人の夫妻)はクライストチャーチからバスで40分くらいの場所にあるAkaroa(アカロア)という海辺の町がオススメだよと僕に教えてくれた。まだサウスランドを旅する時間もあることだし、明日はそこに行ってみようと思う。

 

 

 

寝るまでの時間はバスターミナルで充電をしながら日記を書いた。それで今日は別の場所にテントを張った。

一日の終わりは作業時間みたいなもんだから単調だね。

今日も満足いく一日のでした!

 

 


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ABOUTこの記事をかいた人

「旅する漫画家」。世界一周後(2013-2016)、現在は海沿いの町に潜伏中。そろそろ旅がしたいぞ!