「ワヘイくん、元気?」

2月9日/オーストラリア、ケアンズ-ブリスベン(乗り換え)-パース

 

 

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信じられるだろうか?

 

深夜1時過ぎに叩き起こされた。

その場で早朝発の飛行機を待っていた空港泊者たちは外に出ることを余儀なくされた。

 

夏とは言え、外には風が吹き荒れ、風の来ない場所にいようものなら蚊の襲来に耐えなければならなかった。僕はベンチに横になったのだが、風に当たり続けていることができずに、たまらず壁際へと逃れた。

空港が再び開くのは深夜三時。

 

ねえそれって24時間開放しててよくね?

 

 

 

 

睡眠不足のボヤボヤする頭を抱えて、僕は2時間前にチェックインした。

行き先はパースだが、ブリスベンで5時間のトランジットがある

安い飛行機だったこともあり、ヴァージン・エアーの座席は狭く、前の座席にモニターもついていなかった。ただ、ちょっとだけ嬉しかったことは機内食が出たということだった。

 

 

 

 

一度睡眠のリズムが壊れると翌日も引っ張る場合がある。

今日なんてまさにそれだ。機内では寝っぱなしだったのに、飛行機を降りてもまだ頭がボヤボヤする。

例のごとく航空内の物価は高騰しており、たかだかコーヒーを飲むのに5ドルも払わなければならなかった。一番安いのでもそのくらいするのだ。

それならばと、僕は美味しそうなカウンターでフラットホワイトを頼んだ。

コーヒーの味を楽しむのにはエスプレッソなんかが通なんだろうけど、僕はミルクがないとダメなのだ。うん。だってビールだって旅に出てから美味いなって思い始めたもんな。

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ブリスベンの空港はケアンズのものに比べればだいぶ利用者に優しかった。とりわけWi-Fiに関しては。

今の時代Wi-Fiを探そうとするものなら、見つからない場合の方が少ない。いくつかあるパスワードの要らないWi-Fiのうち、携帯電話会社と契約をしていなくても利用できるものを見つけ出す。

ブリスベンの無料Wi-Fiは一定時間ごとにログインし直さなければならなかったが、使う分にはなんの苦もなかった。

 

 

そこで見つけたのが、いつの日かネパールのポカラで会ったワヘイくんの姿だった。

珍しい名前なのでYouTubeで検索をかけたら、ディジュリドゥと中東の金楽器を演奏してバスキングをするワヘイくんの姿がそこにはあった。

 

 

 

そうか。なんだかそんな気がしたんだよな。

ワヘイくんはバスカーとして世界を旅しているようだった。

 

たぶん彼は僕のことなんて覚えていないだろう。

その時僕はトレッキングもしないで宿にこもってずっと漫画を描いていたからね。そのくらいのイメージなら持っているかもしれない。

当時のワヘイくんは柄もののパーカーにUNIQLOのデニムをお洒落に着こなしていた。ベルトループにはアサラトを付け、そしてディジュリドゥを持っていた。

 

そう。

ディジュリドゥの魅力を僕に伝えたのは彼だったのだ。

その時「サンタナ・ポカラ(僕たちが止まっていた宿だ)」にいた誰かにせがまれて、ワヘイくんはインドのリシュケシュで300ドルで買ったローズウッド製のディジュリドゥを披露してくれた。

 

それまでは飄々とした立ち振舞いをしていたワヘイくんだったが、ディジュリドゥを吹く瞬間になると一気に雰囲気が変わった。

そのプレイは僕が知ってたそれまでのディジュではなかった。明らかにクラブミュージックやEDMに影響を受けていることが分かった。まさか、ディジュリドゥにこんな演奏の仕方があったのかと僕はただただ驚いた。

演奏自体は五分にも満たないものだったが、そのプレイは僕の頭の隅っこにいつまでも残っていた。あそこでワヘイくんに会わなければ、僕は昨日ディジュリドゥなんて買わなかっただろう。

 

 

ワヘイくんは”Wahei Mario”という名前でバスキングをしているみたいだった。

え?ハーフなのかな?どうりで背高のっぽなわけだ。もしかしたらアーティスト名なだけかもしれないけど。

そんな現在のワヘイくんのYouTubeを観て、コメントしようかしまいかまよっていると、いつの間にか次の飛行機のファイナルコールになり、危うく僕は飛行機に乗り過ごすところだった。

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パースに到着した時はもうすっかり夜になっていた。

パースのWi-Fiはダントツで早く時間制限が存在しなかった。

 

 

僕は久しぶりに日本の仲間たちとスカイプで会議し、楽しい時間を過ごした。

僕が旅に出る前に相棒に持ちかけた雑貨屋企画がいつの間にか大きくなって、そして仲間も増えた。

まず最初に英語ペラペラのるりこと、バンド経験豊富で現在野菜の流通に関わっているふうたが仲間に加わった。そして最近新しく仲間に入ったのはいおりとトビーの二人。

っていうかー、日本にいた頃は全然絡みなかったんだよね。まぁ、日本帰ったらワクワクすることやろう!よろしく!

 

 

 

スカイプ会議が終わってもいつまでも起きていたかったが、それは睡眠のサイクルがずれているから。

寝ないと次の日に響くのはわかっているさ。

 

 

空港では寝泊まりする利用者の姿を何人も見かけた。

ベンチは大抵どこも使われていたため、僕は床に銀マットを敷いて寝袋にくるまった。

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