「Martin Backpacker」

ロシアビザ申請
些細なつまづき

ビジネスと外交の街、神谷町の雰囲気に
惨めな気持ちにさせられたシミは

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ビルの裏手にある広場で
野良Wi-Fiを拾い、

ある電話番号を確認したあと、

国際通話可能な電話ボックスに入り、
昔、友達がディズニーランドの
お土産でくれたドナルドダックの描かれた
テレフォンカードを使って
そこに電話をかけました。

 

 

これに賭けてた。

 

 

もし、おれに運があるのなら、
きっとここから前向きに
世界一周に踏み出せる。はず!

 

 

 

TRRRRRRRRRR

 

 

「ガチャッ」

 

「はい。
こちらトレジャーファクトリー
野川店です」

 

 

感じの良いおねえさんの声だ。
それだけで運がいい。

もし、ロシア大使館のような
業務オンリーの無愛想な人が出たら
気が滅入っちゃうところだったから!

 

 

 

「あの〜…

今日、野川店のブログに
マーチンのギターでバックパッカー
という
ギターが紹介されているのを
見たのですが、

それって、まだ店頭にありますか?

それと、もしあった場合、
お値段も教えていただけると
ありがたいです」

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僕はこのギターに懸けていた。

コイツがあれば、僕の世界一周は
何倍にも豊かになることを。

 

東南アジアとか物価の安い国で
トラベルギターを手に入れる方が
賢い選択なんだろう。

でも、コイツじゃなきゃだめなんだ。

 

ただ、頭を悩ませていたことがある。
その価格だ。

 

どんなに安くても3万円前後。

 

安く手に入れるには
リサイクルショップで売られいる
中古品しかない。

 

ロシアビザ申請の朝、
いつものように
「マーチン、バックパッカー」
と検索エンジンにかけ、

偶然このリサイクルショップ
行き着いたのだ。

 

しかも、行けない距離じゃない。

小田急線、登戸乗り換え。
南武線、武蔵中原駅だ。

 

 

2万円を切るようなら買いだ。

それ以上だったら、
秋葉原のハードオフか
お茶の水の楽器屋を
当たってみよう。

 

 

「少々お待ちください…」

 

 

 

どこにでもありふれた
待ち合いメロディーが
受話器から流れてくる。

 

 

心臓の鼓動が早くなる。

手に汗を握る。

 

 

それにしてもなんだって
電話ボックスは
こんなに狭いんだ!?

閉所恐怖症の人だったら
どうするんー…

 

「ガチャッ」

 

 

 

思ったより早い。

期待と不安な気持ちが入り乱れる。

 

 

「えっと…
もう一回ギターの名前
教えてもらってもいいですか?」

 

 

おいおい。おねえさん。
ビビらせないでくれよぉ。

 

 

「マーチンの
“バックパッカー”
ってギターです」

 

はやる気持ちを抑えて
愛想良く答える。

 

 

 

 

 

今度はさっきより長く待たされる。

受話器から流れてくるメロディーも
何週目だろうか?

 

ギターが紹介されたブログが
一週間前のものだったし、

もしかしたら
売れてしまったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

「ガチャッ!」

 

 

 

「お待たせしました!

ありましたよ!
お値段は19,900円ですね」

 

よしっ!きた!

ツイてるぞ!

 

 

でもここで油断は禁物だ。

なんてったってバックパッカーは
その希少価値から(安く手に入れられるという意味で)
早く売れてしまう可能性が高い。

ここで交渉に入る。

 

「ああ。そうですか。よかった!

それで〜、
ちょっとお願いなんですけど、

“おとり置き”
とかしていただけませんかね?」

 

「う〜ん…
うちではそういうこと
やってないんですよね」

 

くそぅ…

 

「今、僕は
東京にいるんですけど、

今からそちらに
伺おうと思っています。

ですが、
それまでに売れてしまったら

それは僕に
運がなかったってことですよね?

つまりは運次第ってことですか…」

 

「まあ、そうなりますね(笑)」

 

 

 

ここから武蔵中原まで、

そこからPennyで目的地の
トレジャーファクトリーまでいかに
最短で着くかが勝負だ。

 

 

「分かりました。

とりあえず、
そちらに伺わせていただきますね」

 

 

 

 

 

 

季節的には
梅雨だってのに
気温はぐんぐん上がっていく。

ビザ申請の勝負服の白シャツに
汗が滲む。

こりゃ帰って洗濯しなきゃだな。

 

 

 

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辿り着いた
トレジャーファクトリー野川店。

 

 

店内に入って
迷わず楽器コーナーに直行する。

 

 

 

だが、
バックパッカーは見当たらない。

 

 

見失うもんか!

あんなに焦がれて
何度も何度もネットで検索して
その姿形をまぶたの裏にまで
焼き付けたんだ。

見失うはずがない。

 

 

一縷の望みをかけて
感じの良さそうなおねえさんに
訊いてみた。

 

「あの〜、
ブログで紹介されていた
バックパッカーっていうギターって
もう売れちゃいましたか?」

 

「少々お待ちくださいね」

 

店員さんは別の店員さんの元へ
ギターの所在を確認しに行った。

 

これで売れてしまっていたら
バックパッカーのことは諦めよう…

 

 

 

 

すると奥から別のおねえさんが
小走りで僕の元へやって来た。

 

「あ!お電話の方ですよね!」

 

 

ってことは
もしや!

 

 

 

 

「こちらになります♪」

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おねえさんが店の奥から持ってきたのは

紛れもない、
僕が焦がれ、探し求めていた
バックパッカーだった。

 

 

おねえさん…

取り置きはできないって言ってたのに、
粋な計らい過ぎるよ…(涙)

 

 

 

 

だが
これで全てが終わったわけじゃない。

こっから値下げできるか
僕は最後の交渉に出た。

 

「これって、
この価格からさらに
下がらないですよね?」

 

 

「う〜ん…
ちょっと無理ですねぇ…」

 

「ちょっと弾いてみていいですか?」

 

 

(ずっと試奏してたら
もしかしたら根負けして
値下げしてくれるかも!)

 

なんてずうずうしくも思った事は
このブログ内だけにとどめておこうw

 

 

 

 

 

理想と現実
ギャップの話は
どんな分野においても存在する。

僕はそれが不安だった。

 

確かにネットのレビューは読み漁って
このギターがどんなものなのかは
承知していたつもりだったが

やはりストラップがないと
ギターは安定せず、
まともに演奏することができない。

 

 

30分くらい
ろくにコードも抑えられないまま
ピョロンピョロンと
情けない音を出してギターを弾く。

 

心なしか音も小さい。

 

本当に買うのか?これ?

 

 

 

待てよ。
なんでおれが今ここにいるのか
それを思い出せよ。

この値段で買えることは
そうそうないぞ!

おねえさんがわざわざ
取り置きをしてくれた理由はなんだ?

ここの運命性を活かさないで
どうするんだ!

 

 

 

 

たまたま安いギターを見つけたんじゃない。

 

そこには数々の偶然性があった。

 

ここのお店が行ける距離にあったこと。
これがもし北海道のお店だったら
太刀打ちできなかった。

1週間前のブログなのに
まだ売れずに残っていたこと。

取り置きできないはずのものを
おねえさんが取り置きしてくれたことー…

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「決めました。
これ、買います!」

 

選択はそれ以外に考えられなかった。

バックパッカーがおれを呼んでたんだ。

そう確信した。

 

 

 

 

 

ギターは本体のみの販売だったので
おねえさんに梱包してもらい、
それを抱えて
汗だくでPennyに乗って武蔵新城駅まで行き、

そのまま電車に乗って家に帰った。

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途中、女子高生が
ギター片手にPennyに乗っている僕の姿を
面白そうに見てきたけど、

全然そんなこと気にならなかった。

 

Martin Backpackerを手に入れたんだ!

それだけで今日は十分だ!

 

 

 

 

 

 

家に到着し、
ストラップを付けて音を鳴らすと

音はアコギのそれと同じくらい
だったことに驚いたし、

ストラップさえあれば
問題なく弾けることも分かった。

 

 

どっかの漫画の
主人公が言ってたように

ギターを持った瞬間、
自分が無敵のように思えた

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世界中でコイツをかき鳴らす。

コイツと一緒に世界を回る。

やってやろうじゃねえか!

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ABOUTこの記事をかいた人

「旅する漫画家」を目指す、清水陽介(シミ:24歳)の世界一周ブログです。