「ここは東南アジアじゃない。インドだ」

世界一周161日目(12/6)

 

空港で
うたた寝を繰り返した。

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空港内は冷房が効いており、
パタゴニアのアウターを着ていても寒いぐらいだ。

ベンチも横になれる様なものではなく、
ひとつひとつ区切られている。
チャンドラボース空港は居心地のいいものではない。

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ここに来て
「やってしまった!」
思ったのはタイバーツの両替だ。

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僕はATMで手数料を支払いたくないために、
タイでお金を10万円近く
キャッシュで用意していたんだけど、

レートのことは
全く考えていなかった。

 

なんとここでは
3000バーツ(9,499yen)からしか両替できず、
返ってくるのは5250ルピー(8,689yen)。
その上2%の両替手数料がかかる。

千円近くも損をするレートなのだ。
いくらインドがボってくるといっても、
レートがここまで悪いなんて…
マジでヤベェ…

せめてタイにいる時に
ドルに換えておくべきだったのか?
100ドルの両替で
もってかれるのは500円。

 

仮に手持ちのお金を
全て両替するとなると、
8千円も損をしてしまうことになる。

両替をしていたタイ人は
「街のレートの方がここよりはマシ」
と言っていた。

僕はとりあえず
3000ルピーを両替して空港から出た。
お金がないとなにも始まらないからね。

IMG_7506 後日談ですが、サダルストリートで空港よりも良いレートで
両替してくれる旅行代理店を見つけました。
空港の両替はやめておいた方がいい時もあるんですね。

 

 

 

 

 

7:00AM。
空港から外に出る僕。

飛行機の到着した深夜。
タクシーの客引きたちが入り口で待ち構えていたが、
朝方の空港はおだやかだ。

僕はマップアプリを頼りに
コルカタの中心地を目指すことにする。

行き先は
サダル・ストリート。

 

 

15分くらい歩きだしたところで
朝早くからバスが走り出していることに気がついた。
乗客たちは一カ所にまとまりバスを待っている。

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僕はサダルストリート付近の駅名を挙げ
ここまで行くかと尋ねると、
親切なインド人のおっちゃんは
「サダルストリートまでそのまま行けるよ」と
教えてくれた。

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バスの価格は10ルピー(17yen)。
バックパックがなければ8ルピーだった。安い。
タクシーだと、200~300ルピー。

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ここはもはや東南アジアじゃない。

朝から多くの人々が活気よく動き回り、
インドの朝を作って行く。
インドの香りがする。
自然にワクワクしてしまう。

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僕はとりあえず
近くの露店で3ルピー(5yen)のチャイをすすり、

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8ルピー(13yen)のカチョーリという
揚げパンにカレーをディップする
インド人の朝食を食べ、

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6ルピー(10yen)のパンを食べた。

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や、安すぎるぞ!インド!

 

 

「インドに来たら、必ずお腹をこわす」と言うが、
その心配はない。

もはや下痢気味だから笑。
タイで食べ過ぎた…

 

 

 

 

辿り着いたサダル・ストリート。

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「ホテル・パラゴン」が有名らしいが
安くても300ルピー(500yen)。

タイで5ドル以下の宿に
泊まっていた僕からしてみたら贅沢なホテルだ。
しかもWi-Fiがないんだから、
これは単に高いだけだろう。却下。

胡散臭い笑顔で
「インドへようこそ!」と言わんばかりに、
おっちゃんが

「うちの宿はどうだ?
ホットシャワーもついてるぞ!チープ!」
なんて言ってくる。

「200ルピー以下
のホテルを探しているんだけど」
と言うと

「そんな安い宿はない。話にならないな」
と呆れ顔で去って行った。

 

 

 

 

3年前に
客引きについて行って泊まった

「ASHOK HOTEL」

全然良い印象はなかったんだけど、
ついつい足を運んでしまった。

宿のスタッフは
「オーナーがまだ来ないから」
と言って僕を待たせ、

やって来たインド人(たぶんコイツはオーナーじゃない)
ふざけた金額を提示してきたので却下!!!

3年も経って悪くなってる。
そんなことインド人には関係ないか。

今思うとシングルに
シャワーとトイレがついてたから、
500ルピーもなくはないか…。

 

 

 

 

5件目あたりに見つけた

TIMIES HOTEL

200ルピー(331yen。)
工事中なのか壁からペンキのにおいがした。

案内された部屋はベッドが一台と
バックパックがやっと置けるスペース。
天井にファンがついていた。
もちろんWi-Fiはついていない。
宿のはしっこに共有トイレがある。

 

3年前はこんな部屋を見ると
『あぁ、なんて惨めな部屋なんだろう?』
と思ったが、今の僕にはこれで十分だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ宿に
父親と同じくらいの年齢の日本人の方がいた。

「日本人ですか?」
片手には日本語の文庫本。

「よかったら一緒にご飯食べに行きません?」

 

僕はインドに来たばかりで
少し情報が欲しかった。
その人にご一緒させていただくことに。
色々と興味深いお話、そしてチャイのごちそうありがとうございます。

 

 

ローカルなチャイ屋の前にあるベンチ。
そこで僕らはお互いに自己紹介をした。

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お会いしたのは

森川さん

という海外で働かれている方。
父親と同じ年齢だった。

コルカタには11ヶ月滞在されていたそうで、
明日にはネパールのカトマンズに行かれるそうだ。
「たまたま」ってすごいよね。

 

いっしょにいた
ビジネスパートナーのネパール人と
ものすごいブロークンイングリッシュで会話し、
それで仕事の話を進めてしまうのは凄い。
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話しているうちに、
仕事仲間のネパール人が
僕のタイバーツをレート通りに
両替してくれることになった。

なっ、なんなんだ!?この幸運は!!?
8千円の損失が千円に抑えられたなんて
マジでツイてる!

 

ネパールさんに残り9万円分のバーツを
全てインド・ルピーに換えてもらった。

僕はこの「幸運」を誰かにシェアしたいと思った。
道端で物を求める人たちに100ルピー札を渡した。

彼女たちは
「それなら子供のためのミルクを買ってよ!」
とさらに高いものをねだってきたが、
そこまでしてあげるのもまた違う気がする。

「ないより良いでしょ?
水は15ルピーだし、
食べ物は10ルピーで買えるじゃない?」
と言ってその場を収めた。

 

 

 

 

手持ちのお金を
バックパックなどに分散して隠していると、
ドアをノックする音。

ベッドの下にしまいきれなかった
お金をひとまず隠し、ドアを開けると
さっきの両替をしてくれたネパールさんが立っていた。

 

 

「ちょっといいか?」

ベッドの横に座る僕とネパールさん。
少し怖い顔をしている。

 

「あんな大金を
他のヤツに見せるんじゃない。
色んなヤツがお前のことを狙ってるぞ!

すぐには部屋から出ないで、
リラックスしてから外に出た方がいい。
それにさっきお前に話かけてきたヤツ。
あいつは気をつけろ」

と言ってネパールさんは僕の部屋から出て行った。

 

 

そういえばさっき森川さんと話していた時、
やたらフレンドリーに話しかけて来るヤツがいた。

僕が両替を済ませて
道端の人たちとのやり取りを終えた後、

「おう!フレンド!ここに座れよ!」
とか誘ってきたっけ?

ひとまず部屋に戻ってお金を整理したかったから
「またあとでね」って言ったけど
まさか両替しているところを見られていたなんて…。

 

 

 

 

 

 

 

 

ギターを弾いて
時間をつぶした。

30分くらいして外に出ると、
宿の入り口に2人の男の子が立っていた。

 

「やぁ、ようこそ僕たちのホテルへ!
僕はここのスタッフなんだ」
という英語を喋る男の子(26歳だった)と

「わたし、川崎で仕事してたね。
今は2つ仕事をしてて、
3ヶ月後に日本戻るよ」
という日本語ペラペラの男の子

タンタン。(19歳)。

 

「これからどっか行くの?」
と彼は訊く。

 

まぁ、あれだよね。

頼んでもいないのについてきて
ガイド的なことをして
最終的にはお金を請求するあれっしょ?

僕はまずそう思った。
だけどハナっから疑ってかかるのはよくない。

 

「あぁ、サンダルを修理しようと思ってね」

KEENのサンダルのかかとを留める部分が、
首の皮一枚で繋がっているような状態に
なってしまったので僕は修理したかったのだ。
かかと留めがあるとPennyに乗れるし、
安定感があるからね。

 

「それなら知ってるよ。
40ルピー(66yen)でできるよ」
タンタンが言う。

 

「言っとくけど、
君たちにお金は払わないからね」
と釘を刺す僕。

 

「何言ってるかぁ~。悲しいよ。
まだ、ちゃんと話してないのに
決めつけるなんて。

ちょっと話してみて良ければ
グッドフレンドになれるし、
嫌だったらやめればいい」

 

 

ん?なんかコイツ思ったより良いヤツかもな。
言ってることも中立的だ。
写真に写ることは拒んだけど、
そういうヤツもいるよね。うんうん。

 

サンダルを50ルピーで修理してもらった僕は
彼らとビールを飲む約束をして
ネットカフェでブログの更新をした。

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自分のパソコンを持って行って
1時間40ルピー。
インドにしてみたらちょっと高いけど、まぁいっか。

 

その後、森川さんと
チャイを飲みながらお話をして、
タンタンたちとの約束の時間になった。

 

 

 

「5時半に
ブルースカイカフェの前」

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土地勘のない僕は
逆方向に言ってしまったのだが

近くの露店でネパールさんが「アイツは気をつけろ!」と
注意するように言われた男の子が
欧米人と一緒にワイワイ楽しそうにくっちゃべっていた。

僕の姿を見ると彼は近づいてきてこう言った

 

「さっき君と一緒にいたヤツ。
アイツはマジで気をつけた方がいい。
ビールとか飲んでぶっ倒れて
身ぐるみはがされるかもしれない。

『きょうはお腹痛いから、もう帰るね』とか
嘘ついて逃げた方がいいよ。

ま、君が行きたいなら行けばいいけど。
僕は日本人の君だから注意してるんだ。
僕にも日本人の友達がー…」

 

 

 

 

 

マジか…!!!

 

 

 

ネパールさんに注意された
目の前にいるコイツをマークしただけで、
他のヤツに対しては警戒心を怠っていた。
てかそんなにヤバいのタンタンって?

真相を確かめるべく、
ブルースカイカフェの前に行く僕。
荷物はギターと財布とiPhone。バッグは宿に置いてきた。

 

 

タンタンたちの姿はない。

道端の人たちは
僕を見つけてこう言った。

「さっきあなたといっしょにいた男の子。
あの子にはついて行っちゃダメ!プロミス!
あなたが両替した後、
「ささーっ」とあなたの後を追いかけて行った。」

 

 

僕はギターを取り出し、
計算高く唄い始めた。

ここは稼げる様な場所じゃない。
だけど、まわりの注目を集めて
タンタンがどう僕に接触してくるのか、
相手の出方を伺おうとしたのだ。

僕のまわりに集まって来るインド人。
ここではレスポンスは全く入らないが、
歌を聴いてくれる。
100ルピーをあげた道端の人たちは
僕の代わりにお金を要求してくれた(笑)。

 

 

6時過ぎに
タンタンたちがふらっとやって来た。

 

「なにしてるの?」

「いや、君たちが来なかったから唄ってたんだよ。
みなさん!
僕は彼のことを待っていたので

ここらでお開きにします!最後に1曲!」

あざとくタンタンの存在をアピールする僕。

 

タンタンは僕が唄っている間に
「ぷいっ」とどこかへ行ってしまった。
なんだんだアイツ。
べつにちょっと聴いてくれてもいいじゃないか。

 

 

バスキングを終えると
ギターケースの中には30ルピーほど入っていた。

道端の人たちはずっと
僕の歌を聴いてくれていた。

僕はコインを2枚くらいとって
道端の人に残りのお金を渡した。

「ありがとう」と。

 

タンタンたちについって行って
ビールを飲む気は全くなかったけど
ギターに救われた。道端の人に救われた。

ここはもう東南アジアじゃない。インドなんだ。

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「さっきの唄よかったよ」

聴いてくれた人が後で声をかえてくれた。
教会でおっちゃんとセッションした。

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たまたま会ったバックパッカーたちと一緒に
Stand by meを唄った。

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チャイ屋のにいちゃんがタダでチャイを飲ませてくれた。

そういうところもまたインドならでは♪

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いやぁ、インド人の騙すプロセスは凄い!
始めっから騙そうとしない。

ちょっと親切にして相手のガードを下げておいて
警戒心を解いたところで「ガバッ!」とやられる。

道端の人とかいなかったら
ひどいことになってたかも…

まぁ、僕の「旅運」のよさは健在です♪

そう思わないとね。
メンタルもってかれちゃうぜ。

 

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