「幸先〜ヤッケンさんに会いに!〜」

世界一周391日目(7/24)

 

いい寝覚めだ。

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段ボールが
こんなに温かいものだとは知らなかった。

このロケーションがいいよね。

何百年も昔の古跡の横ってうのがさ!

よっしゃ!フローレンス行きますか!

 

 

次の目的地は別名
フィレンツェ。

こっちの名前の方が馴染み深いのかもしれない。

まぁ、みんなこっちか。
マップアプリだと「フローレンス」
って出て来たからさ。

 

 

僕はこれから
「ある人」
と会う約束をしている。

Twitter宛にメッセージをもらったのが
僕が丁度ギリシャを出る前日のことだった。

一週間以内にフィレンツに行ければ会えるらしい。
けっこうな長期滞在者の方。

ただいまイタリア4日目。まだ間に合う!

 

 

 

移動手段はもちろんヒッチハイクだ。

だって調べたら高ぇんだもん!
50ドル以上もすんの!!??

昨日カフェでネットで
ヒッチハイクについても調べてみたのだが、
こともあろうに「hitchwiki(ヒッチハイクのサイト)」は

「ローマからフィレンツェへの
ヒッチハイクは見込みがないから
やらないようがいいよ。
やるんだったらよく考えろ」

と言っている。

うぅ…、
だが僕のヒッチハイクに対する決意は固い。

 

 

 

ローマの街からの脱出の仕方だが、
イタリアくらい先進国になると、
Googleマップのルート検索で調べることができるのだ。

現在地から最寄りのバス停、
メトロ、乗り換え、所要時間。もう完璧だ!

 

 

僕は最寄りのメトロの駅からローマ脱出を計った。

チケットがどこで買うのか分からなかったので、
行き先を周りの人に確認してチケットを
買わずに乗り込んだ。

うん。無賃乗車じゃないよ?
分からなかったんだよ?確信犯じゃないヨ?

まぁ、ただか数駅なので勘弁してください。

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目をつけていたガソリンスタンド近くの駅で降りた。

駅の出口が分からずウロウロしていると、
日本人の女性に声をかけられた。

 

 

「あの、どうかしました?」

「あ、ああ。出口分からなくって。
あっちっスね!」

「どこ行くんですか?」

「フローレンスです。
ヒッチハイクで行こうと思って。
そこのガソリンスタンドから
直接ドライバーさんに行き先を尋ねるんですよ」

「私、車で送っていきましょうか?」

「いや、大丈夫ですって。
お仕事ありますよね?」

「気にしないでください。すぐですから♪」

 

 

そう言ってくださったので、
お言葉に甘えさせていただくことにした。

miniのシンプルなデザインの車。

海外のセダンには後ろの扉がないものがある。
この方の車のそうだった。

 

 

座席を倒してバックパックを後部座席に置き、
僕は助手席に乗り込んだ。

僕を乗せてくださったのは日本大使館の職員の方。

若い頃はバックパッカーで世界を旅したそうだ。

数年前に僕と同じように
外国人のヒッチハイカーをヒッチハイクできる
ポイントまで送り届けてあげたことがあるらしい。

 

 

「それじゃあ、ありがとうございました!」

「あ!お箸持ってる?持ってるよね!
よかったら、これ食べてね。
昨日のなんで早めに食べてくださいね」

 

 

渡されたのはお弁当だった。

日本語で「ちらし弁当」とステッカーが貼ってある。

きっとローマの日本食品が売っている
スーパーで買ったのだろう。

ありがたい。

 

 

 

別れ際にバックパックを後部座席に
起きっぱなしにして車を発進させようとした
お茶目っぷりをその方は発揮した。

「忘れないでくださいよ」と僕が笑って言うと、

 

 

「もしかしたら、
私が泥棒だったかもしれないじゃない?」

 

 

とその人は言った。

車が去っていった後に僕は思った。

もしかしたら、日本職員だってのは嘘で、
ほんとうは木更津キャッツアイに出てくるような
泥棒だったのかもしれないなぁ。と。

 

 

 

 

 

 

 

幸先がいいぞ。

僕は運命論者だ。

お願いしてないのに
ガソリンスタンドまで送っていただいて、
それにお弁当までもらった。

今日はいいヒッチハイクができるに違いない。

 

 

ガソリンスタンドの脇で
巻きたばこを一本吹かすと、
僕はドライバーさんに声をかけ始めた。

ものの30分で車を見つけることができた。

最初はサングラスをかけて
ちょいワルのイメージがだが、
話してみるとそんなことはまるっきしない。
アルベルトはそんなヤツだった。

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建築家(うちの親父がそうだった)で
日本の古い漫画を知っいて
(なんと「キャプテンハーロック」を知ってたのだ。
僕は読んだことない!)、
ギターとスケボーをやる。

送ってくれたのは
ほんの数キロ先のガソリンスタンドだったが、
共通点が沢山会ったので会話がはずんだ。

もう次のヒッチハイクが上手くいかないわけない。

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ガソリンスタンドでヒッチハイクをしていて
気になるのは働いている人の目だ。

だって僕は邪魔者でしかないんだから。

お仕事をしている最中にすいませんねぇと、
分かっていても、僕にはここで
乗せてくれる車を見つけるしかないのだ。

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ガソリンスタンドのおっちゃんは僕に好意的だった。

今のところガソリンスタンドでヒッチハイクしてきて、
邪見にされたことはない。

これもひとえに僕の演技力のたまものだと思う。

すいません、調子乗りました。

 

 

 

 

 

今回はどれくらいだっただろうか?

すぐには乗せてくれる車を
見つけることはできなかったが、
一時間はかかっていないと思う。

ガソリンスタンドにやって来た車に声をかけていくと、
ドライバーさんの気持ちを考える。

だって話しかけて来たのは同じイタリア人ではなく、
得体の知れないアジア人だもの。

 

 

第一声のをかける時、
いつもドライバーさんのリアクションが気になる。

訝しむ人もいれば、ビクッとなる人もいる。

できるだけ、フレンドリーに。

必死さをださず、コイツだったら
乗せてもいいかなって思えるようにだ。

ギターを取り出して練習する。

そしてやって来た車にギターを持ったまま目的地を聞く。

ミュージシャンには見えないだろうが、
危険なヤツには見えないだろう。

 

 

 

 

そんな風にして目的地を英語で訊くと、
ガタイのいいドライバーさんは

「スィー(YES)」

と言った。

脇にはお腹の大きな奥さんの姿が。

 

 

「えっとー、フィレンツェまで
乗せてくれませんか?」

「お前、何人だ?」

「ジャポネーゼです」

「オーケー。乗せてやる」

 

 

こういう時に、日本人であることはプラスに働く。

 

 

乗せてくれたのはフランス在住で
不動産業を営むロシア人のアレックス
(本当だと「アレクサンダー」か「アレクサィ」だか
最後の発音が難しい名前だった)と
奥さんのマリアだった。

アレックスは英語もペラペラで会話に困らなかった。

 

 

息子さんが二人いるらしく、
フランスにやって来た両親に
面倒を見てもらっているらしい。

二人はローマを旅行して、
これからフィレンツェに向かうとのことだった。

イタリアには3回も来ているらしい。

そして来年の夏は家族でアメリカの西海岸に行くんだとか。

車内での会話は途切れることがなかった。

もちろん車に人間が三人乗って
いたってのもあるんだけど、こちらも質問してみたり。

 

 

「なんで乗せてくれたんですか?」

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単刀直入な質問をアレックスにぶつけてみる。

親指を立てるのと、
直接ドライバーに行き先を訊くのとでは
どんな印象を持つのか。

 

 

「直接運転手に行き先を尋ねて来たほうがいいな。
それにフレンドーなスマイルを
浮かべていたのもよかったよ」

「そうよ。普通だったら、
私たち、道で親指を立ててる人なんか乗せないわ」

 

 

貴重な意見だ。

やっぱりイタリアは直接ドライバーさんに
声をかえた方がいいのかもしれない。

ただ声をかければいいってもんじゃない。

笑顔でいること。これは万国共通だ。

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降りる間際になって、
マリアは僕に1リットルの
ペットボトルに入った炭酸水とお菓子をくれた。

この数時間のドライブでお互いの距離がぐっと近づいた。

ヒッチハイクはそういうところがいい。

確かに車を運転している人たちの
好意に甘えることではあるんだけど、
降りる時にはそこに友情に近いものが
生まれているときだってある。

 

 

僕は口に出して言う。

 

「I’m very happy to see you」と。

 

口に出さないとその気持ちは伝わらないから。

 

会えてよかったです。

またロシアに行ってみたくなりました。
ここまで送り届けてくれてありがとう♪

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「その人」

と連絡をとるために僕はWi-Fiを探した。

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フィレンツェには無料のWi-Fiが流れており、
それがキャッチできるカフェで時間をつぶす。

描きかけの漫画の続きもやりたい。

 

 

Twitterにメッセージを送る。

1時間ほどで連絡がきた。

「20:30にシニョリータ広場の前の
ダヴィで像の前で待ち合わせしましょう!」と。

 

 

僕もその人もブロガーということもあって、
お互いのことは知っていた。

たぶん僕が一回だけ、Facebook宛に
ブログの感想を送ったくらいだろう。

こういう時にブログをやっていてよかったなと思える。

カフェで漫画を描きながら時間をつぶした。

 

 

時間より少し前にカフェを出て、
マップアプリで調べたシニョリータ広場へと向かった。

(会う前に15分バスキングしたんだけど、
ソッコー警察に止められた笑)

 

 

時間になっても「その人」は来ない。

やることがあるから遅れると言っていたしな。

 

 

 

 

 

 

「あ、ごめんごめん、遅れて。始めまして♪」

そう言ってやって来たのが

 

 

 

ヤッケンさんだ。
(ブログはコチラ)

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僕のヤッケンさんに対する印象。

・文章が長い。
ボキャブラリーがある
(ブログに「二律背反」って出て来たときにはビビった)

・バスキングとネットでお金を稼ぎながら旅をしている。

・会社の取締役だったらしい(すげー)

・イタリアに沈没している

 

 

イタリアに入る前に、
ヤッケンさんのブログを読んで
イタリアでのバスキングの情報を見ていた。

そんな時にTwitterにメッセージをもらったのだ。

なんだかそんな偶然に導かれて
フィレンツェまで飛ばしてきちゃいましたよ。

 

 

 

やはりブログとリアルでは印象が違う。

向こうも同じことを言ってた。

ブログでは何がやりたいのか
イマイチ掴みきれていなかったが、
ヤッケンさんの口から話してもらうと
ストンと理解できた。

高橋歩ばりのアツいトークを一時間半ほど繰り広げ、
僕はヤッケンさんが暮らしている
シェアルームに泊めてもらうことになった。

そういう風に
誘導した節もあるが(笑)、

ありがとうございます!

 

 

 

 

時間は22時になり、
ヤッケンさんがバスキングをする時間になった。

観光地の夜。

人の通りはあるが、
夜にバスキングなんてやってお金が入るだろうか?

 

 

ヤッケンさんはいつも夜にバスキングをしているようだ。

メイン通りをじっくり観察して、
よしっと言うふうにギターケースを出した。

 

 

唄っている歌のほとんどは英語の曲で、
数曲、僕でも分かるメジャーな曲も入っていた。

頭に被ったハットと低い声。

ギターに結びつけられた日本の国旗。

ギターケースの中にある自己紹介の看板。

 

 

キャラ作りがよく出来てる。

パラパラとコインが入る。みんな一様に笑顔だ。

道行く日はお金はいれなくても、
ヤッケンさんのことをニコニコしながら見ていた。

そして警察の姿が見えると
あっという間にギターをしまう早業。

 

 

 

「チッ…今日は警察が多いな。
あのパトカーも向こうまで行ったら
また戻って来るよ。
10時半で警察の仕事は終わりなのにな。」

 

 

す、すごい。

さすがはここに長く多剤されているだけあって、
警察の動きを知り尽くしている。

シェアルームでお金がかかるように思えるが、
長期的に見れば宿を取るよりも安いのだとか。

それでもヤッケンさんが
旅を続けていくにはお金が必要だ。

なにか「生きる知恵」のようなものを感じた。

 

 

それに夜に唄っているにも関わらず
レスポンスは好感触だ。

最後の最後にノリのいい
イタリア人たちがやってきて、
騒いでお金をいれて帰っていった。

こういう出会いもバスキングならでは!

 

 

2時間ほどのバスキングを終え、
僕はヤッケンさんの暮らしている
シェアルームに向かった。

 

 

 

 

 

 

シェアルームは

アルノ川沿いにある建物の2階にあった。

同居人のお二人が僕を迎えてくれた。

転がり込むようにやって来たのでそれが心配だった。

何も手土産持ってなくてすいません。

 

 

ルームメイトのリカさんの手料理を頂いた。日本食だ。

最後に日本食を食べたのは
いつだったっけと思い出す。

ネパール、カトマンズの絆食堂だったかな?

 

 

その後も少しグラスに入ったビール片手に
ヤッケンさんと喋った。

僕はお礼と言ってはなんだが、
ヤッケンさんの似顔絵を頼まれて描いた。

これをバスキングの時に使うらしい。

人からお願いされると頑張れる。よぉーっし…

 

 

眠い…。目がかすれる….

 

 

眠さもあり、思うようには描けなかった。

シャワーを浴びてベッドの間に
マットを敷いて寝袋に包まった。

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それで僕は十分さ。(ランキング上がったらもっと嬉しいけど笑)

 

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