「ここで寝ますからっ!!!」

世界一周257日目(3/12)

 

もう今日は歩かないぞ!

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そう心に固く誓って、
僕はシッキム最後の目的地
ガントックへ向かうジープ乗り場の近くの
食堂で朝食をとっていた。

出発前に学校へ行く前に朝食をとる
子供たちと一緒のテーブルについて、
チャイとモモで朝食を済ませる。

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「どこから来たの?」

「なんでそんな女のコみたいに
髪の毛が長いの?」

外国人に興味津々の彼らが使うのは英語だ。

ほんの十代前半くらいの歳の子供が
英語を話しているのはすごいと思う。

 

「それ何?」

とカメラの三脚、gorillapodや
ギターに興味津々だ。

ここでも、ギターを弾いて
彼らと仲良くなることができた。

こういう時に唄うのは決まって
ベン・E・キングの
「Stand by me」だけどね。

コードも5つくらいしかないし、
ずっと同じコード進行の繰り返しだから、
誰でも簡単に弾くことができるし、

サビの歌詞なんかワンフレーズだから、
誰とでも一緒に唄うことができる。

 

『旅でギターを弾けるようになりたい』

そういう人がいたら、僕は間違いなく
「Stand by me」をオススメするよ。

まぁ、僕もそのうちの一人だから
説得力はあるんじゃないかな?

YouTubeで動画も見れるし、
コードは調べれば出てくる。

いやぁ、ほんとうに便利な世の中ですね♪

 

 

 

 

「ほら!ガントック行きの
ジープが来たぞ!」

 

そう急かされて、
僕は残りのモモをすぐにたいらげた。

運転手を除いて、毎回10人の乗客で
ジープは山道を走る。

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後部座席とその前の席には
いつも4人ずつ腰掛けるため、
少し窮屈に感じる。

真ん中に座る人は肩をシートにつけて
座ることができないため、
気持ち前に浮くようにして
座っていなければならない。

だからいつも僕が座るのは窓際の席だ。

ここからなら外の景色も見ることができる。

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朝8時半に出発して
2時間ほど経った頃、
政権交代を訴えている(そのようにに聞いた)
座り込みのデモ隊に遭遇した。

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50人くらいの人たちが、道を占拠している。

彼らのおかげでジープが通ることができず、
デモ隊の前後に何台も止まっている。

まぁ、こういう時もある。

デモ隊のすぐ近くにある売店が
いつもよりも繁盛したことは
間違いないだろう(笑)。

 

 

一向におさまる気配のないデモに
業を煮やしたジープの運転手は
わざわざ迂回してガントックを
目指さなければならなかった。

川に沿うようにして存在する採石場の脇を通り、
デコボコした砂利道を
スピードを落として走った。
窓を開けるとパウダー状の砂が車内に入ってくる。

 

デモかー…、
自分たちの請願が
政権に伝わったのかどうかはわからないが、
それはジープの運転手とその乗客に
めちゃめちゃ影響を及ぼしたことは間違いない。

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遅れて到着した
ガントック。

ここが僕のシッキムの旅の最終目的地。
トレッキングや観光ツアーの
拠点となる町のようだ。

街は「耳をすませば」の
セイジくんですら音を上げるくらい、
急な山を巻くようにして成り立っている。
こんなんじゃ雫を乗せて10mも漕げないな。

 

そして今まで訪れたシッキムの中で
一番整備されている。

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石畳のメイン・バザールには
景観をよくするために植えられた植物があり、
路上喫煙禁止の張り紙がしてあった。

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僕はさっそく安宿を探し始めた。

だが、どこも
400ルピー(662yen)以上してしまう。

そんな中で見つけた、路地の裏手にある
「Hotel and lodge」の看板。

僕はレセプションを探して建物の中へ入っていった。

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レセプションらしきものは見つからない。

この街にある他の宿もそうだったけど、
必ずしも1階にレセプションが
あるわけではないのだ。

それにスタッフも席を
はずしていることが多かった。

そういう場合に僕は大声で
彼らを呼ばなければならなかった。

薄暗い建物の中で僕は
「ナマステ~!」「ハロー!」
と大声を出してスタッフを呼んだ。

 

薄暗い階段の上から出て来たのは
小柄のインド人顔のスタッフ

敬称の「サー」くらいしか
英語を解さず

「待たせてすみません。サー」

と僕を部屋に案内した。

 

案内されたのは物置の様な場所。

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これはいくらなんでもヒドい…

 

が、値段交渉の末、
一晩250ルピーまで値下げできたので、
僕は彼に「とりあえず一泊分」
500ルピーを支払った。

彼は

「ささ、重たい荷物を背負ってきて
疲れたでしょう?
シャワーでも浴びてください」

とジェスチャーして
お釣りの250ルピーを取りに
部屋から出て行った。

 

こういう時にすぐに
エクスチェンジ(お釣り)は帰って来ない。

あまり使用頻度が
少ないってのはわかるんだけどー…。
まぁいいか。

僕は汗をかいた服を着替えて
ギターとサブバッグを持って
バスキングに向かうことにした。

この街だったらいい感触が掴めそうだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

いつものように
唄ったはずなのに、
ここでのレスポンスの良さには驚いた。

僕を囲むように人垣ができ、
あっという間にギターケースの中に
10ルピー札が入った。

この街でバンドをやっている
バスとニマという2人組と仲良くなった。

もちろん僕なんかと比べ成らないほど
ギターが上手かった。

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一時間ほどの
バスキングを終え、宿に戻った。

さっき渡した500ルピーのおつり
250ルピーまだ返してもらってないんだよね。

さっきのおっちゃんは
両替を終えて戻って来た頃だろう。

 

だが、大声で呼べども
おっちゃんは姿を現さなかった。

僕の部屋の隣りに電気がついていたので、
「宿のスタッフを知らないか?」と尋ねたのだが、
隣りにいた宿泊客らしき男も
英語を解さなかった。

僕は宿の上のフロアにスタッフを探しに行った。

そして最上階に
別のスタッフたちを見つけた。

 

「さっき、
500ルピーを別の
スタッフに払ったんだけど、
250ルピーのおつり
返してもらえないかな?

それと、さすがに
あの部屋じゃ汚過ぎるから、
別の部屋に移ってもいい?」

宿のスタッフたちはみな
「?」
と状況を把握していないようだった。

 

「お前はどこの部屋に
泊まってるんだ?」

「どこって、
一番下の部屋だよ」

「?」

「いやいや、いいから。
とりあえず、別の部屋の鍵持って
一緒についてきてよ」

 

さっさと部屋を移りたかった僕は、
話を飲み込めていない
インド人顔の若いスタッフをつれて
さっきのボロ部屋へと戻った。

 

 

 

 

「ここは客を泊める部屋じゃない。
スタッフルームだ」

「えっ?だってさっき別のスタッフが
僕をここに案内したんだぜ?
そうそう。このバッグ。
ソイツが「自分のだ」って言ってたよ。
このバッグの持ち主だよ」

「何を言っているんだ?
そのバッグは僕のだ。
それに今ホテルは工事中で
お客は泊めてない」

 

ようやく事態が把握できた。
さっき僕がお金を支払ったヤツは
この宿のスタッフなんかじゃなかったのだ。

だが、僕としても
「あぁそうですか」と
引き下がるわけにはいかない。

 

「いやいや!
これは宿のセキュリティの問題だろ!
僕は騙されていない。
むしろ騙されたのはそっちじゃないか!
500ルピー返してもらうか、
ここに泊まらせてもらうからな!」

「だから、
今ホテルは工事中で
営業してないって
言ってるだろ?」

話は平行線。
向こうもいきなしやって来た日本人が
勝手にわめいていると思っている。

 

「ソイツはここが空き部屋だって
知ってたんだぞ!?
そっち側の責任じゃないか!」

宿の責任者が出て来たが、
話はますますややっこしくなるばかりだ。

「警察を呼ぶしかないな!」

軽くキレ気味のマネージャーが言った。

「あぁ!呼んでもらおうじゃねえか!」

 

 

 

宿のスタッフたちは
どこかへ行ってしまった。

いつの間にか外で雨が降っていたようで、
鉄格子の向こう側で
ごみだらけの地面が湿っているのが分かった。

 

僕は部屋の脇の椅子に座って
彼らが帰ってくるのを待っていたが、
警察どころかスタッフの一人も
戻って来なかったので、

僕はバックパックを部屋に置き、
自前の南京錠で部屋を締めて、
もう一度バスキングに向かうことにした。

今日一日寝床を確保できるのであれば、
あのボロ部屋でもいい。
250ルピーは今から稼いでやる!

 

と、騙し盗られた250ルピーを
稼ぐことに躍起になっていたが、
一度ギターを構えて路上に立つと
またすぐに人垣が出て、
僕は彼らを楽しませるパフォーマーになった。

「ここで演奏はやってはいけない」

 

開始10分でやって来た警察官。

素直に「ごめんなすって♪」と場所を代えて
メイン・バザールから離れた道路脇で
バスキングを再開した。

 

一時間半後に稼いだお金で
ちょっと高めのご飯にありついた。

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僕はギターを抱えて
メイン・バザールをふらついていた。

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このままあの面倒くさい
宿に戻るのは嫌だな。

お互い痛み分けというわけじゃないけど、
このままあのボロ部屋に
寝かせてくれないかな。

もう少し時間をおこう。

 

 

僕の姿を見つけた警察官が言う。

「ここでは
演奏してはいけないんだぞ」

「分かってますって。
やってないじゃないですか」

シッキムのパーミットを見せろと言われ、
言われた通りに見せる。

 

「お前はどこに泊まってるんだ?
宿の人間が呼んでいるぞ。
部屋にあるお前の荷物を
今から確認しに行くからついて来い」

 

ちっ…、なんだよアイツら。

ほんとうに警察呼んでたのかよ。
対応が全くないからバスキングに出たけど、

オイオイ、
部屋の荷物を確認するって
どういうことだ?

僕は確かに部屋に南京錠をかけてきたぞ。

 

 

 

警察と一緒に宿まで戻った。

どういうことだ?
部屋が空いている。

 

「ここにあったバックパックは
お前が部屋を離れた時の配置でいいな?

宿の人間はお前が帰って来ないから
錠を開けたんだ。
だが、荷物には手を触れていない。
中の荷物を触られていないかチェックするんだ」

パックセーフについてきた南京錠が開けられていた。

 

みたところバックパックが漁られた形跡はない。
そういう風に装うことは可能だけど。

貴重品はMacBook Proと隠した200ドルくらい。

とりあえず、パソコンの姿は確認できた。

 

「大丈夫…だと思う」

「そうか。
それなら今から
警察署に行くからな」

 

もう、こうなりゃ
ちゃんと解決してもらおうじゃないの!

「大丈夫だ。我々警察は
君の問題をちゃんと解決してあげるよ」

とちょっと頼もしい言葉をかけてもらった。

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「で、
あなたはなんで「その男」に
最初にお金を払ってしまったの?
普通だったら最初にレセプションで
パスポートを提示して
登録簿に記帳するじゃない?
それにホテルは工事中だったのよ?
なんで宿の人間が出て来ないのに
勝手に部屋に入ったわけ?
その汚い部屋を見てホテルだと思ったの?」

偉そうな女所長が僕にまくしたてる。
なんなのこの対応?マジでウゼえ。

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「最初に記帳だなんて、
宿によって対応が違うじゃないか。
それにちゃんと看板にはちゃんと
「Restaurant and Lodge」
って書いてあったんだ。
工事中ならその看板を取り外すべきだろ?」

 

このやり取りは英語。

スキルでは断然向こうの方が上手で、
ヒステリックに早口でわめきたてるから
時々なんて言っているのか聞き取れない。

自分の言いたい英語が
すぐには口にできないもどかしさ。

 

「・宿には看板があった(工事中なら取り外すべき)

・大声で何度も呼んだが、
スタッフは誰一人として出て来なかった(対応も不十分)

・「その男」はどこがスタッフルームか
知っていた(セキュリティに問題あり)

・マネージャーは僕を放置して錠を壊した」

 

こっちが話してるのに、
ギャーギャーとかぶせてくる女所長に
うんざりして英語で文書を書いた。

それでも、
話はどんどん僕が悪い
方向に持っていかれる。

錠を壊されたのでさえも、
警察の到着を待っていなかった
僕の責任になっている。

500ルピーは返って来ず、
ついには一緒にやって来た宿のマネージャーは
無罪放免ということでその場から去っていった。

 

 

あ~、マジお前らインド人だよ。
何がシッキム、自治州だよ。

せっかくいい感じでここまで旅して来たのに、
最後のガントックで台無しだ。

 

 

ふう…。
深呼吸。深呼吸ぅっと…。

 

確かに、僕の落ち度も
いくらかあるだろう。

だが、いくら僕だって
不法侵入なんてしないし、
宿の看板を見て入って来たんだ。

今回みたいなチェックインの仕方や
お金の受け渡しなど、
安宿の対応なんて
そんなもんだろう?

これは全て僕の責任なのだろうか?

 

若い警察官が
僕の代わりに宿を探してくれたが、
時刻は21:30。どこも空き部屋はない。

困った様な顔をして若い警察官が言う。

「僕にどうしろって言うんだ?」

こっちが訊きたいわ!

 

てかなんだ?
僕をここへ連れて来た警察官たちは
「問題を解決する」だとか
「警察署に泊まっていきな」とか
ヘラヘラして抜かしてたくせに、

今僕は新しいホテルを探して
さらには宿泊料まで
払わなきゃいけないことになってるぞ。

 

 

宿は見つからず、僕は警察署に戻った。

 

「今夜はここで
寝かせてもらいますから!」

 

女所長は飽きれた顔で返事をした。

「はいはい。どうぞご勝手に」

————————————————
★世界一周ブログランキングに参戦しております。

まぁ、結局は
「500ルピーで警察署に泊まった」
ってそういう話ですね。

あ~、今回も長かったね。ごめんね。
でも、楽しんでもらえたかな?うん。そうかい。
そいつはよかった。じゃあポチもしてくれるよね笑?

旅する漫画家シミの世界冒険記。

 

ちなみに、警察署のソファで寝たんだけど、
ばっちしシラミがいて、夜中体が痒かったよ。
ふぁっく…。

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★最近は動画編集に凝ってます。
相棒のまおくんが作ってくれたFacebookページ
旅する漫画家」もよろしくね。

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呟くっていうか、綴ってます。
御託を並べるのが好きなんだ。僕は。 

2 件のコメント

  • なんかおもろいことやってるなwww

    お前の弟は今ベルギーにおるで。
    こっちは財布はローマでパクられるわ、イタリアの警察にはおれの英語がクソ過ぎて通じないわで楽しくヨーロッパ一周を楽しんでおります。

    ヨーロッパ行くときはスリに気をつけてなー
    チェコがなかなかによかったで

    ではでは体には気をつけて!
    ブログ読んでるからな!
    簡単なイラストでも毎回載っけてくれろ!

    オルヴォワール♪

    • >とし

      ははは。そっちも楽しそうじゃないか(笑)
      まぁ、財布スられたのは痛いけどね。

      それと、英語の大切さが
      身にしみてわかたんじゃないかな?
      (おれもさしてできたわけじゃないけど)

      北欧ね。今のところスウェーデンに興味がある!

      あと、イラストね!
      毎回写真とるのがめんどくさいんだけどー…
      ブログのクオリティを上げるためにも
      チャレンジしてみるよ。

      コメントさんきゅー♪
      引き続き旅を楽しんで。

      アクティヴな弟がいると
      なんか妙に期待しちゃうぜ。

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