「バラナシは出会いを引き寄せる」

世界一周266日目(3/21)

 

まさか
同業者の方と会うとは思わなかった。

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朝食ジャストの時間に起きて、

誰が一番先に朝食にありつくか、
みんなが日本人の謙虚さを発揮して

小学校のレクリエーションの時にやった
「爆弾ゲーム」って知ってる?みたいに
楕円形のテーブルの上で
朝ご飯をパスし合っていた時のことだ。

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僕はトースト三枚と野菜スープと
チャイの乗ったプレートをパスしながら、
新しくこの宿にやって来た
メガネをかけた男の人と
当たり障りのない話をしていた。

どこから来たんですか?
どれくらいインドを旅しているんですか?
今日は何をする予定なんですか?
とかそんな当たり障りのない会話だ。

その時僕は

「あ~、今日も漫画を描く
カフェを探しにいかなくちゃなぁ」

みたいなことを喋ったんだと思う。

 

 

メガネをかけたその人が言った。

「僕も漫画を描いているんですよ!」

マジで!!!???

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いやぁ~、そりゃ、
僕以外に漫画を描いている人なんて
ごまんといるけど、

まさか、インドで出会うとは

世界ってどんだけ狭いんだっつーの。

 

 

「もみじ真魚」さん。

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というのが
その方のペンネームだった。

外見からは全然そのようには見えないが、
自らのことを「オタク」と言っていた。

秋葉系のイラスト・漫画を
描いているとのことだ。

今現在は、20日ほどの期間で
海外に取材をしに行き、
その国の食事に関する漫画を描いているらしい。

ちなみに僕の相棒のまおくんと同じで
名前の由来は
真言宗の開祖、空海の幼名
だっていうんだから、

この奇妙な偶然性は
ひょっとしたら偶然じゃない
別の力が働いているのかもしれない。

いずれにせよ、僕はここバラナシで
現職の漫画家さんに会った。

 

 

 

ラブリー(っていう表現の仕方がしっくり来る気がする)
な絵を描く方だった。

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僕の漫画の写真を見せると
「うわぁ~!超うめぇ~!」
と言ってくれたものの、

断然僕なんかよりも絵のレベルは高い。
美術大学で油絵を専攻していたそうだ。

漫画もアナログではなく、
パソコンやペンタブを使うデジタル。

見せていただいた漫画は
全て着色してあった。

油絵科の色使いと現在の漫画の技術が
いい具合にマッチングしている。

 

「今はそっちの方が
スタンダードですね」

その道でメシを喰っている人が言う
説得力のある一言を聞いて、
僕は自分が時代の流れと
逆行しているんだなぁと呟いた。

 

 

「でも、やっぱり
手描きの方が味がありますよね」

 

そうだ。
時代の流れが正しいのだというなら、
油絵なんてとっくに
廃れてしまっていることだろう。

それに、何百年も経った今でも
僕たちがダヴィンチやゴッホなどの絵画展に
足を運ぶのもそういった理由からではないだろうか?

大丈夫。

僕は自分のことを信じている。
絶対やれるって。

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もみじさんは日本で漫画を描くのと平行して、
世界100カ国を旅することを目標としているらしい。

漫画を描きながら
旅をするスタイルは僕と同じだ。

それにもみじさんも
世界をテーマにした漫画を描いている。

一人の人間が
世界のすべてを見に行くとはできないし、
同じ場所を訪れたとしても、

旅自体は100人いれば、
100人分もの考え方や感じ方がある

と僕は考えている。

 

 

 

いい出会いだった。

お互いに名刺交換をして
僕は今日の作業場所を探しに出かけてた。

「人から描いたものを
もらうなんて初めてだよ♪」

ともみじさんは言った。

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昨日7時間も居座った
CHANDAN CAFEは今日はやめておこう。

最初のうちから
作業禁止のカフェ(実質「出入り禁止」)を
作ってしまうをよくない。

今日の作業場所に選んだのは

「スパイシー・バイツ」

だ。

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店内は薄暗い照明なのだが、
テーブル数もあるので
すぐに満席になることはない。

奥の方には吹き抜けがあり、
日差しよけのシートが
4メートルくらい上空に貼ってあった。

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この日の漫画製作は練習用の
1ページ漫画を完成させることだった。

そしてできることなら
描きたいと思っている話の
下描きにとりかかりたい。

吹き抜けにはファンはついていないため
額に汗がにじんだが、日差しよけのおかげで、
そこまで苦労せずに漫画を描くことができた。

 

 

とりあえず、僕が最後の仕上げのベタを
筆ペンで塗っていると、
日本人の女性に
「ここでタバコを吸っていいですか」
と声をかけられた。

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頭に巻いたターバンが印象的な人で、
暑い日差しの中を歩いてきたのか、
顔が少し火照っていた。

 

 

そう言えば昨日、
作業場を探しの一環で
シバ・ゲストハウスの屋上に
上がらせてもらった時にこの人の姿を見たな。

 

「そう言えば昨日、
シバ・ゲストハウスにいましたよね?
ビール持ってませんでした?
『これ300ルピーで売れるよね!』
とか言ってましたよね?」

「ああ、そうなの。
昨日みんなで買い出しに行ってね。
売らないで冷やして飲んだよ」

 

こんな会話からスタートし、
分かったことはこの人が
大のインド好きだってこと。

かれこれ5回もインドを
訪れているそうだ。
英語は全然喋れなくても、
ヒンドゥー語なら少しは喋れるらしい。

この人だったら間違いなく

「I LOVE(もしくはハートマーク) INDIA」

と書かれたTシャツを着れることだろう。

 

 

 

お話を聞かせていただくと、
まさに漫画になりそうなエピソードばかりだった。

タクシーの運転手にキスをせがまれ了承し、

「恥ずかしいから目を閉じて…」

と相手の視界を封じた上で
トンズラをかます話など
思わず大声を出して笑ってしまった。

 

 

そして気になるこの人のご職業は

「メヘンディ・アーティスト」

あの2週間程度で消えるヘナ・タトゥーを
職業にされている方だった。

代々木公園で活動する時もあるらしい。

ってー、代々木公園!

僕もごみゼロナビゲーションで活動していましたよっ!

 

と、ここでも名刺交換させてもらい、
メヘンディアーティスとのMASUさんとは別れた。

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僕はここでも遠回しにスタッフから
「出て行ってくれ」と言われてしまった。

シバ・ゲストハウスの屋上にあるレストランで
漫画の下描きをして、この日の作業を終えた。

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数奇な巡り合わせだ。
一日でアーティストに
二人も出会ってしまったのだから。

ここバラナシはひょっとして
「出会い」に満ちあふれているじゃないだろうか?

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そして、相手の活動をリスペクトする気持ちっすね。
僕はまだまだ無職に近い状況ですが、メシが喰えるってすごい!

僕が描きたいのは「旅漫画」。
だから今、こうして旅をしています。
そして、旅をすることで、沢山の人たちに出会えるわけです。
やっぱ旅ってすごい!

僕に様々なきっけをくれた国インド。
4年ぶりに戻ってきても、その不思議なパワーは健在です。

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