「バスカー冥利」

世界一周368日目(7/1)

 

爆睡。

だろう。いつもの睡眠時間に比べれば。

 

 

やっぱ宿での安らぎ様はハンパないですねぃ~♪

おっと朝食の時間に間に合わなくなっちゃうよ。
どこで食べられるんだろう?

パッキングすらしていない
ベッドの二つしかないドミトリーで(しかも自分一人)、
僕は朝食を食べに4階のテラスへと上がった。

ここでの朝食もボリューム満点だった。

 

 

一泊する予定のなかった
パムッカレのホテルに滞在したのは、
その安さと屋外プールがあるということだった。

あ~、旅が始まったと時は
あんなに節約にはげんでいたのに、
だんだん金銭感覚が麻痺、というか上がってきたなぁ…。

なんで僕東南アジアで節約してたんだろ?
そう思わずにはいられない。

まぁ、日々の節約は大事です。

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さて、今日もヒッチハイクで
次の街へ向かうとしよう。

そろそろこのヒッチハイクの行程も残り少なくなってきた。

次に向かう先はイズミルという街だ。

世界史で「イズミルの戦い」というのを学んだ気がする。

どんな戦いかはとっくのとうに忘れちゃったけど。

行っておきたい有名な見所以外で、
僕が次の街に行く理由なんてそんなもんだ。

『あっ、なんか面白そうじゃん。行ってみよう』

そんな感じ。

 

 

 

宿のスタッフの兄ちゃんは
ヒッチハイクポイントを教えてくれた。

この兄ちゃん、昨日客引きをしてきた時は
ちょっと胡散臭く感じたけど、いいヤツだったな♪

日本語で下ネタ連発してくるファニーなヤツだったよ。

 

 

僕と顔を合わせる度にそれがまるで
日本語の挨拶のようにゲスなワードを口にした。

その度に僕は「あはは…」 と苦笑いした。

思わず

「日本人の女のコに言ったら
ドン引きされるから気をつけろよ」

と注意したほどだった。

 

 

 

 

 

「ホテル・ギョレメ」自体町はずれにあったので、
宿を出発してすぐにヒッチハイクが
できるというものだった。

パムッカレは小さな町だ。

幹線道路というよりは次の町に続く一本道って感じ。

果たしてこれで車が止まるのだろうか?

 

 

もちろんパムッカレは観光地なので、
ここから長距離バスが出ている。
イズミルまで25ドルくらいだった。

僕はそのお金を浮かすためにヒッチハイクするんだけど、
ヒッチハイクをするとき、時々迷いが生まれる。

『おれの選択は間違ってたんじゃないのか?
お金を出し渋ったために
時間を浪費してしまうんじゃないか?』

って。

 

 

いやいや違ぇだろ。

お金を節約する意味もあるけど、
ヒッチハイクでそれ以上の物が
手に入ることを僕は知っている。

向こうからやって来る一台の乗用車。

僕はバックパックを背負ったまま元気よく手を振った。

 

 

 

「ブロオオオォォォォ….」

 

 

 

今日もヒッチハイクの旅が始る。

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乗っていたのは近くでツアーをしている
キャオズンさんという方だった。

町から少し離れた駐車場で、
仕事があるからとドライバーさんを交代してまで
5kmは離れたアッキョイという町まで
僕を送り届けてくれた。

道すがら、パムッカレは棚田以外にも
温泉も入れるんだなーと、
交代したドライバーさんと話していて
そんなことを発見した。

そう言えばパムッカレの水も温かかったもんな。

 

 

 

いい流れだ。

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隣町のアッキョイで僕は再びヒッチハイクを再開する。

僕がいるのは町の交差点のような場所だった。
ここから次の町へと道が続いている。

僕はやって来る車に向け親指を立てた。
爽やかスマイルも忘れない。

二台、三台と車が車が通り過ぎていき、
そしてすぐに一台のトラックが速度を落として止まった。

 

 

運転手のムスタファさん
別にラマザンを気にしている様子はなかった。

数日前からラマザンが始まっているけど、
トルコのラマザンは比較的ゆるいみたいだ。

やりたい人はやればいい。そんな感じ。

ヒッチハイクでドライバーさんたちに話を訊いてみる限り、
トラックの運転手でラマザンをやってる人いないと思う。

ムスタファさんは僕に青リンゴをくれた。
お礼を言ってシャクシャクとたいらげる。

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ムスタファさんのトラックは
サルヒルという町まで行くようだ。

トラックは自分が計画していたルートとは別の道を走った。

それもまた旅だ♪

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外には一面、畑が広がっているのが見えた。

こういう土地の大きさに対して
住む人の圧倒的に少ない場所を見ると
どこか寂しさのようなものを感じてしまう。

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ここに住み、農業を営んでいる人は
毎日をどんな風に過ごすのだろう?

スーパーマーケットも離れているし、
服屋なんてもちろんのこと、
僕の好きな本屋や雑貨屋もない。

友達と一杯やるようなお洒落バーなんてのもない。

もし、ここで僕が暮らすことになったら
どうなるだろうか?

その「何もなさ」を
僕は受け入れることができるのだろうか?

そう考えた時に、僕はまだまだ
街や都会の暮らしを恋しく思ってしまうのだ。

いつも新しいライフスタイルって
なんなんだろうと考える。

大事なのはどう自分の生活を
デザインしていくことなんじゃないか?

なければ創ればいい。

毎日をワクワクして過ごせばいい。

 

 

広大な畑を見てそんなことを考えた。

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サルヒルの手前で

僕はムスタファさんと別れた。

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ムスタファさんは畑の間を走る道へと
トラックを走らせていった。

僕は舗装されたコンクリートの上に立って親指を立てる。

開始5分で次のトラックに乗せてもらった。

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バックパックを背負って歩くと
汗だくで足が痛くなる距離も、
車に乗ればほんとうにあっという間だ。

すぐ隣りのサルヒルで降ろしてもらう。

ここからイズミルまでは一直線。

あと一息だ。

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本日4台目のヒッチハイクもトラック。

乗用車よりはトラックの方が止まってくれることは多い。

お礼を言って助手席にギターとサブバッグを先に乗せ、
バックパックを背負ったまま助手席へとよじのぼる。

運転手は首にタオルを巻いた
優しそうなおっちゃんだった。

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いつものように自己紹介を済ませたあと、
ジェスチャーを交えておっちゃんと会話するも、
あまり伝わらなかった。
おっちゃんの名前も訊きだせてない。

向こうもトルコ語一方的に喋って来るんだけど、
そう言う時は漫画家に備えられた妄想力を駆使して
『あ~、こんなこと言ってるだろうな?』

と自分勝手な解釈で適当に相づちを返したりする笑。

 

 

 

ガソリンスタンドでトラックは止まった。

おっちゃんがジェスチャーで
「水飲むか?」と訊いてくる。

「あざっす!」

おっちゃんが買ってきた1リットルの
ペットボトルの水をカップで分け合って
飲んでいる時に僕は思った。

『あ、トイレ行っとこう』と。

 

 

「おっちゃん!
トイレ行って来ていい?」

「ああ」

「ダッシュで行って来るわ!」

 

 

助手席の扉を空けると、
15メートル離れた先にトイレがあった。

「BAY」
と書かれた男子トイレへと駆けていく僕。

後ろからおっちゃんが叫んだ。

 

 

 

「お~い!
そっちは男子トイレだぞ!」

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言葉は分からなくても
「志村ぁぁぁ〜〜〜!後ろ!後ろ!」
くらいの意味は分かる。

もちろん僕はそのまま男子トイレで用を足した。

「あはは。ごめん、女のコだと思ってたよ」
とおっちゃんは笑って僕に謝った。あははは…。

 

 

 

トルコに入って、一年以上切っていない髪を
ゴムでまとめてお団子をつくるようになった。

うざったかった前髪も気にならないし、
視界も良好、旅人かヒッピーみたいじゃん?

こんなに髪を伸ばすのは初めてなので
個人的には気に入っているのだが、
トルコのみなさんにけっこうな確率で
女のコと思われることが多くなった。

いくら僕の顔が母親似だとしてもだ、
この汚いかっこうを
見てくださいよ!

てか胸ねえだろ!
“まつげ”だって短い!

 

 

トルコでのヒッチハイクがうまく言ってたのは
髪が長かったからなのか…?

因果関係は少なからずあるだろう。

いずれ男に襲われるんじゃないかと少し不安だ…。
濃い髭が生えないのが悩みでもある。

 

 

 

 

その後、イズミルの手前のブルノバという街で
トラックを降ろしてもらい、
短い距離をヒッチハイクで移動した。

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最後はたまたま横を通りがかったミニバス。

幹線道路を歩いていたら止まってくれた。

そんな風にして僕はようやく
イズミルの街へとやって来たのだ。

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ミニバスが

最後に止まったのは長距離バスターミナルだった。

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おおっ!今日の寝床を探さなくても済むぞ!

マップアプリで自分の現在地にピンを打った。

ターミナルにいた人に街の中心地へ行くには
どうすればいいのかを尋ねると、
コナックという場所へ直通のバスが出ているという。

よし!じゃあまずは街の中心地へと
行ってみようじゃないか!

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バスに乗るためには磁気カードが必要だったが、
そんなの持ってない。

運転手に2リラ握らせて僕はバスに乗り込んだ。

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バスはどんどん街の中へと入っていく。

海が見えた時、僕の心は踊った。


 

 

街の中心地であるコナックで降ろされた僕は
行く先も決めずにプラプラと歩き出した。

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けっこうな人の多さだ。

こりゃ稼げるっしょ!

僕は今すぐにでもギターを弾いてその場で
シャウトしたい気持ちに駆られたが、
警察の姿がすぐに目に入った。

いきなりここでリスクを冒す必要は無いな…。

僕はバザールの方へと入っていった。

活気のある海沿いの街。この雰囲気がたまらない。

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すぐにここが
他の街と違うことに気づく。

どこを見渡しても
警察がいる
のだ。

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ひとつの通り起きに警察が
配置されていると言ってもいい。

な、なんなんだ??!!この街はっっっ!!!

ここが街の中心地だということもあるのだろうが、
ここまで警察がいるのに驚きだ。

 

 

それでも彼らの姿が見えないところで僕はギターを構えた。

暑い日差しの中、アホみたいに
ニコニコしてパフォーマンスを開始する。

パラパラと入るレスポンス。

おっー…!

神出鬼没の警察。

「はい。やめてね~」とストップがかかる。

ははは。そうですよね…。笑顔で撤収。

やっぱりダメか。

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だが街の中心から離れれば離れるほど
警察が少なくなっていくのが分かった。

それに実際、彼らもけっこう暇を持て余している。

テーブルを囲んで4人くらいの
警察がチャイを飲んでいる姿を見かければ、
制服のままスカーフをかぶった彼女と
デートしている人もいたくらいだ。

それにバスキングに対しても、
そこまで目くじらをたてることもなかった。

 

 

僕は何カ所かでバスキングをしていった。

まぁ、そこまで稼げないかな?

明日にはこの街を出よう。
なんたって勝負はイスタンブールですからね。

 

 

人が一番多くいるメインの通りから
2本ほど離れた通り。

ここで弾き語りをしていたら
絵になりそうな絶妙なポジションを発見した。

周りに警察の姿はない。ここなら歌える。

最後の自己満足のパフォーマンスで
締めくくろうとギターを構える。

 

 

自分の見込みとは違い、
以外にもレスポンスが入った。

おっ、おおお???

こっちも嬉しくなってノれる♪

 

 

どこからともなく、
小柄でモジャモジャした髪の毛のヤツが
近くで僕の演奏を聴いてくれていることに気がついた。

 

 

「どっから来たんだい?」

英語で僕に尋ねてくる。

「ジャポンだよ」

「ふーん。ジャポンか。
日本人のバスカーの友達がいるんだ。
それより今どこ泊まってるんだい?」

「オトガー(バスターミナル)さ笑。
宿は高いからね」

「よかったら
うちに泊めてあげるよ?」

 

 

おっ…、おお!!!

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なんだこのシチュエーション?

その場の流れで
「それじゃあ一泊…」とお願いしてしまった。

まだもう少し唄っていたかったので、
あと15分だけやらせてねと演奏を再開した。

時刻は19時を周り、
周りのお店はシャッターを閉め始めた。

細い路地なのに、車の通りも多くなった気がする。

ワゴン車が目の前を通過する。

ギターケースが踏まれそうになって
慌ててを引っ込めた。

 

 

 

ぐっ…、遅かったか…。

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アルメニアで20ドルで買った
ギターのチューナーがオシャカになった。

一番大事な液晶画面がタイヤに踏まれて割れてた。

調子に乗ってバスキングしたために
20ドルの代償を払うだなんて…。

や!これはラッキーだ。

ギターケースの中に入れてる
レックスくんは無傷だったんだから!

はぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

モジャモジャ頭は
サジュークと言った。

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友達のカフェでお喋りをした。

変わってしまった日本の憲法や、
新しいライフスタイルとはなんぞや?
みたいなこと。

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英語が喋れるので、
コミュニケーションには苦労しなかった。

むしろ僕の方が
「あれ?なんて言ったらいいんだろう?」
って言いたいことは言えずに辞書アプリで
単語を調べたりするくらいだった。

「おれも、都会の暮らしには
うんざりしているんだ。
いつかは故郷の村に帰って
ナチュラルな生活を送ろうと思う」

どこか最近僕が考えていることと
同じ考えをするヤツに会えた気がした。

 

 

サジュークはそのあと、
パスタを作ってごちそうしてくれたり、
隣りのカフェでギターを披露してくれたりした。

ガットギターかた繰り出される運指の
華麗さには驚くばかりだった。

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「ディヤルバクルでクルド人は
シミになんて教たんだ?」
「ビジ!アポ!(独立万歳!)」
「はっは〜〜〜!」

 

 

 

23時を回ると市バスでサジュークの家へと向かった。

お金を払おうとすると「いいからいいから」と
僕の分までバス代を支払ってくれた。

な、なんなんだこのホスピタリティーは???

 

 

街から3kmほど離れた場所でバスを降りる。

そこは時間なんて忘れさせるようににぎやかだった。

この時間にも多くの人が道を歩いている。

そして路上には何組かのバスカーを見つけることができた。

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中でも度肝を抜かれたのはブラスバンドだ。

近隣住民から苦情が来ること間違いなしの大音量で
トランペットやクラリネット、ドラムの演奏が
イズミルの路上に響き渡る。

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何十人も人が集まり、
中には踊りだす人もいたくらいだ。

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街の中心地から少し離れただけで、
バスキング通りみたいなものがあるのか…。

 

路上から出会いが繋がり、
僕はイズミルのバスキング事情を覗くことができた。

その後も、楽しい夜は続いた。

バスカー冥利に尽きる。
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よく思うのは
『もし漫画だけしか描いていなかったら
どうなっていただろうか?』ということです。

その場合もそれなりに面白い出会いがあったのかもしれませんが、
やっぱり音楽の持つパワーはすげーなぁと思います。

だからね、楽器持ってるってそういうことなんだよ。

 

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6 件のコメント

  • まじですかー!
    僕はずっとタクシムでやってましたよ!
    確実に新市街のほうが稼げるかと、、、

    残念です今日トルコ人のMVに出演させてもらうんですけどあと1人アジア人探しててもしよろしければとおもってました!!

    • >だいすけさん

      新市街でできたんですね。
      セキュリティが厳しいと聞いていたもので
      ビビってバスキングしませんでしたよ。

      しかもMVって。
      くっそー、惜しいことしたなぁ。

    • >dすけさん

      ちなみに僕の実力では
      イスタンブールはメタメタでした。
      イスティカル通りでやってたんですけど、
      全然ダメでしたね。
      切なすぎて泣けてきましたよ。

      アジアサイドの方が稼げるって聞きました。

      dすけさんは何の楽器を使って
      バスキングされているのですか?

      (ちなみに僕はギターまともに弾きだしたのは
      ここ一年なので、セッションとかできるような
      スキルは持ち合わせておりませぬ笑)

    • >Dすけさん

      実は今ギリシャなんです。
      7月13日にイスタンブールを発ち、
      国境の町、イプサルで一泊。
      そして14日からギリシャに来ました。

      なるたけリアルタイムに追いつこうとしているのですが…。
      かなりタイムラグができちゃいました。

      お会いできなくて残念です…。

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