世界一周372日目(7/5)
リビングに置かれた
ソファ・ベッドが
ふたつ。
![IMG_2083](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
隣りを見るとサジュークにお母さんが
覆い被さってほっぺたに
キスをしているのが見えた。寝よう。
次に目を開けると姪っ子が
彼を揺さぶっているのが見えた。寝よう。
ここはトルコイスタンブールの郊外にある
クルド人サジュークの両親が住む家。
僕は昨日彼と一緒にイズミルから
ヒッチハイクでここまでやってきたのだ。
その距離400km以上。かなりの長旅だった。
イズミルで彼のシェアルームに
泊まらせてもらう予定だけだったのに、
「両親の家にも泊まりにおいでよ!」とか
「イスタンブールの友達の家に
泊まらせてあげるよ」とか
節約旅をしている僕にはありがたいお話だったので
お言葉に甘えさせていただくことにしたのだ。
それにしてもすっかり昼夜逆転したような生活だ。
彼と行動を共にするようになって僕の起きる時間も
12過ぎが当たり前になってしまった。
ベッドから起き上がり、顔を洗ったあと、
サジュークママに用意してもらった
ブランチを食べる。
![IMG_2086](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_2087](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
イズミルで一人暮らしをする息子が
久しぶりに帰ってきた。
彼の両親はとても嬉しそうな顔をしている。
僕もおもわず同じテーブルで
ついつい笑顔になってしまう。
温かさを感じる。いい家族だ。
![IMG_2096](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
何があった??!!!
サジュークの一家、クルドのみんなは
ムスリム教ではないようだ。
彼ら独自の宗教があるみたいで、ラマザンは関係ない。
トルコは規律のゆるいムスリムで
ラマザンなんてやらない人の方が多いみたいだけど、
近隣の住民の何人かは日の沈むまで
飲み食いしない礼の戒律に従っているらしい。
ここ数日間で一気に時間が変わった。
日本人の僕だったら少し罪悪感を感じてしまう
ゆっくりなスローライフだ。
まぁ、ひさしぶりの帰郷なんだもんな。
せかせかしたとことろで何も変わりはしない。
ブランチを食べた後、
まったりしていると
ご近所のお兄さんがやって来た。
サジュークと同い年の29歳。
僕の伸びた髪の毛とおでこの狭さを見て
お兄さんはうらやましがった。
「だいたい僕たちは
おでこから禿げていくからね」
そんなお兄さんには
美人の奥さんがいた。
![IMG_2094](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ふふふ。謙遜か…。
![IMG_2101](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
お隣さんが帰った後は
家の庭になっているイチゴを食べる。
今日もスローな時間が流れる。
![IMG_2104](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_2102](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
「よし。それじゃあ出かけようか」
![IMG_2108](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
サジュークママと一緒に少し歩いた所にある、
サジュークのお姉さんの運営する美容室があった。
まだオープンして一ヶ月も経っていないそうだ。
お店の中は仲の良い友達が
足を運ぶ憩いの場のようになっている。
そこにいた彼の姪っ子ニーサを見つけると、
サジュークはキス魔に豹変した。
![IMG_2110](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
「ぎゃ~~~~!!!
やめて~~~!!!」
![IMG_2114](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_2115](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ニーサが嬉しそうに大声で叫ぶ。
「ム~~~~~~ッチュ!!!」
いやぁ…
ほのぼのするよ♪
![IMG_2117](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
サジュークのお姉さんは離婚しており、
娘のニーサちゃんと一緒に両親の家で暮らしている。
父親は養育費を払って二人の生活を
サポートしてるらしいけど、
お父さんの存在ってやっぱデカいよなぁ。
ニーサが家族のみんなから
大事にされていることが分かった。
サジュークの家に引き返す帰り道、
近所の子供たちが僕に興味を示した。
![IMG_2118](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
こういう時に長男の血が騒いでしまうのが僕なのだ。
彼らの持っていたサッカーボールを奪い、
「メッシ!メッシ!」と叫んで
架空のゴールにシュートをぶち込む。
「ゴォォォォオオオオルッッッ!!!」
「うわぁ~~~~!」
「いぇ~~~~~!」
「ロナウド!ロナウド!」
ふっふっふ。
ガキンチョにはやっぱりサッカーだよな♪
「よしよし。
じゃあお前はメッシな。
君はロナウドだ。チーム分けすんぞ!」
なかなかまとまらない
ガキンチョどもを二つに分けた。
上から苦情を言いたそうに
にらみをきかせているおばちゃんの気配を察知し、
近くのコートに移る。
草サッカーのトルコ国内線の開幕だ!
![IMG_2120](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_2121](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_2122](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ちょっと動いただけでジーンズが汗で濡れた。
そしてビーチサンダルで走り回っていたので、
気づいたら足の爪の付け根から血が出た(笑)
![IMG_2123](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
「ちょっと待っておれ!着替えて来るから!」
そうガキンチョでもに言い残して
着替えてピッチに戻ると誰もいなかった。
大声で盛り上がっていたのがダメだったらしい。
近所のおっちゃんが耳に手を当てて
「うるさいから辞めろ!」と僕にジェスチャーした。
サジュークの家の前で
またガキンチョが集まるのをしばらく待っていたが、
冷めてしまった遊びの熱は元に戻らなかった。
僕も同じ様なシチュエーションを何度も経験して来たよ。
遊び場はあってないようなものなのかなぁ。
元気いっぱいかけまわるのも子供だと思うけどね。
いつまでたっても童心を忘れない25歳の無職だ。
![IMG_2124](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
家に帰ると
さっきのお隣のお兄さんと奥さんがいた。
![IMG_2128](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
「これ、シミにプレゼントだよ」
![IMG_2125](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
渡されたのは
「LC WAIKIKI」と書かれた青いビニール袋。
中にはTシャツが二枚入っていた。
サーファーたちのプリントがされた赤いTシャツと
文字でバイクの形が描かれたネイビーのTシャツ。
サイズはL。
![IMG_2126](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
「冗談でしょ?
これ、本当にくれるの?」
「冗談なんかじゃないさ。
もし感謝しているのならハグしてくれって」
「ありがとう」と言ってお兄さんとハグをする。
たまたまここに着た僕は他人でしかないはずなのに。
この優しさはどこから来るんだろう?
色々な国々でいろんな人たちから優しくしてもらった。
その度に僕は同じことを考えた。
そして自分に何ができるのかを今もまだ問い続けている。
荷物はこれ以上増やしたくなかったので、
日本から着て来た無印良品のVネックを
ここに置いていくことにした。
![IMG_2130](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
すっかり色あせヨレヨレになったTシャツ。
おへその横くらいに小さな穴が空いており、
バックパックを背負った際に擦れたために
左肩にも穴が空いていた。
![IMG_2131](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
このボロボロ具合を気に入っていたのもあるけど、
これからヨーロッパに入るんだ。
ここでコイツとはお別れしよう。
一年間僕の旅につき合ってくれてありがとう。
夕食をサジュークの家族とお隣さんと
彼のいとことその彼女で食べた。
![IMG_2135](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_2134](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
相変わらずご飯の量は多い。
僕が太っていることは間違いないだろう。
日記を書く時間なんてない。
それでも別に構わない。
だってこれは僕の旅なのだから。
—————————————————-
★世界一周ブログランキングに参戦しております。
そして後日、一気に数日分の日記を書き上げるのでした。
ほら?これでも一年間続けて来たわけでしょ?
続けることが大事なんだよぉ~~~…。
はぁ、おれは小説家か何かか?
バナーをポチしてページの読み込みが完了すると
ポイントが入る仕組みです。
にほんブログ村
★Facebookページ「旅する漫画家」もよろしくお願いします。
★Twitterもね「Indianlion45」
コメントを残す