「旅する水墨画家、シンペイ兄さん」

世界一周508日目【出会い編】(11/18)

 

 

うぉっ!
寝てた!

 

 

時刻はAM4:15

 

 

だって、宿に泊まるだなんて
すっげー久々だったからさ、
ベッドの寝心地のよさにやられたよね。

昨日歯磨きせずに眠っちゃったんだ。
シャワーも浴びてねーや。

 

 

 

ここはモロッコ、タンジェ
日の出前辺りは真っ暗

 

 

 

 

 

『これって朝イチのバスに乗れるんじゃね?』

 

 

ここからフェズの町に向かうバスの始発は
5時45分だった。

昨日買ったチケットは次の便のものだったが、
今から行っても乗せてもらえるだろう。

 

 

歯を磨いてパッキングを済ませて部屋を出た。

一回ではベッドの上で宿のおっちゃんが
テレビをつけていた。

電気のついていない部屋にテレビの灯りが
チラチラと部屋とおっちゃんの顔を照らす。

お礼を言って鍵を返すと
僕はバスターミナルに向けて歩き出した。

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マップアプリを見ているのにも関わらず
道を間違ってしまったりと少し焦ったが、
無事にバスターミナルまで到着することができた。

場所にもよるのだろうが、
今のところモロッコは危険な感じがしない。

野宿はしないけど(笑)

 

 

 

日の出前だというのに、
バスターミナルには人が沢山おり、
料金係が行き先を叫んでいた。

ターミナルにはバスのスタッフに
昨日買ったチケットを見せて
一本早い便に乗せてくれないかと頼むと、
あっさりオッケーしてくれた。

 

 

フェズ行きのバスがどれか訊きだし、
バックパックを預けようとすると、
ガタイのいいおっちゃんにお金を要求された。

バスに荷物を預けるのに別途お金がかかるらしい。

ふーん。それでも
10ディルハム(133yen)くらいなんだけど。

 

 

 

 

時間になるとバスはゆっくりと走りだした。

ターミナルの料金表に書いてあった
フェズまでの所要時間は4時間半らしい。

これならフェズに着いて町も歩けそうだ♪

ちなみにフェズまでの料金は
70ディルハム(971yen)。

僕は再び目を閉じた。

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時間になっても
バスはフェズに到着していなかった。

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マップアプリで確認しても
あと3分の1くらいの距離が残っている。

とくにやることもなかった僕は再び眠りについた。

って言っても全然眠れないんだけどね。バスってさ。

 

 

 

 

結局フェズに到着したのは12時過ぎだった。

6時間くらいかかっている。

 

 

なんだったんだ?

あの「4時間半」っていう表記は。

 

 

 

 

ボヤボヤした頭を抱えて、
とりあえず地図を確認する。

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ここがどこで、
どこに向かえばいいのかもよくわからない。

ここにはそこそこ大きい
マーケットがあると話を聞いていた。

で、そのマーケットとやらはどこにあるんだ?

 

 

 

 

目についた城壁の中に入ってみた。

壁の向こう側は活気のある市場になっていた。

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すぐに陽気なあんちゃんたちから
「ヘイ!ジャパン!ホテル?」と声がかかる。

え?ここにホテルなんてあるの?

 

 

どうやらここが旧市街のようだ。

っていうか、
バスターミナルのすぐ側に旧市街があるなんて!
なんてツーリスティックな国なんだ!

イランのあの立地の悪さに比べたら超楽勝だよ!

 

 

ホテルの勧誘はどこか信じられなかった僕は、
ひとまずカフェで10ディルハムのコーヒーを注文して
タバコをくゆらせた。

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目の前ではフードの先のとんがった
ジュラバを着た地元の人から、
それに混じって首からカメラを提げた
欧米人のツーリストの姿も見えた。

カフェのすぐ目の前がホテルだったので、
ダメもとで値段を訊いてみた。

 

 

「すいませーん。シングルいくらですか?」

「60ディルハム(801yen)

 

 

 

安っっっ!

 

 

 

ヨーロッパから比べると安っっっ!

てか昨日泊まった
70ディルハムのより安い宿があるだなんて!

 

 

すぐにこの宿にチェックインした。

ベッド荷台分くらいの小さな部屋に
窓がひとつだけついている。

 

 

僕はギターを取り出した。

バスの荷台に預けると、
壊れてやしないかと不安な気持になる。

サウンドチェックの意味を混めて
チューナーで音を合わせる。よし大丈夫だ。

それにモロッコの宿の壁がいい感じに
音を反響するつくりになっていた。

 

 

CARAVANの「Sweet Home」を唄うと、
外から声がかかった。

やべっ!苦情か??!!

 

 

窓のすぐ後ろはテラスと繋がっていた。

テラスの椅子に日本人らしきお兄さんと
欧米人の女のコが座っているのが見えた。

 

 

「よかったらこっち来なよ~」

「えっ?いいんですか?
仲間内では
話の終着点が
どこか分からないって

言われる僕
がそっちに言っても?」

 

 

 

何を言うとるんだおれは?

 

 

 

最近日本語しゃべってないから、
あれ?日本語の会話ってどんなんだったけ?
ってなってる。

部屋の鍵を閉めて、
ギターとサブバッグを持って
お兄さんたちの方へ行った。

 

 

 

 

 

「唄よかったよ!」

サングラスをかけた欧米人の女のコも
「グゥ~ッド!」みたいなレスポンスをくれた。

宿のおっちゃんは
「部屋ではギターを弾くなよ(そして唄うな)」
とやんわり僕に釘を刺した。さーせん。

 

 

 

シンペイさん
は僕と同じ世界一周をしている方だった。

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簡単な自己紹介から始まり、
まぁいつものように自分が
漫画を描いていることを伝えた。

 

 

「え?そのブログおれ、
見たことあるかも!
てかコメントしたよ!
『どこかで会えるかもしれませんね』
って送ったらほんとうに会えたよ。すげー」

「シンペイさんは何をされているんですか?」

「ん、おれ?水墨画」

「水墨画!!!!???」

 

 

 

お互いの旅の話を夢中になって話あった。

あとからアナ(欧米人の女のコ)の彼氏の
アルゼンチン人のフアンもやって来て、
4人でフェズの町を歩くことなった。

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なんだかこういう集団の町歩きも、
久しくやってねーな。

 

 

 

この何も考えずに人に
ついて行けばいい感覚って
超楽っっっ!!!

 

 

いつもならケチって素通りしてしまうような
モスクの見学も4人だと
楽しめてしまうから不思議だ。

精巧な装飾を見てシンペイさんは
「『細部に神が宿る』か…」と
水墨画らしいセリフを口にした。

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この町にすむモロッコの人々も
ツーリストに対してフレンドリーだった。

歩いているだけで
「ジャパン!」「コニチハ!」「アリガト!」
と声をかけてきてくれる。

そこから胡散臭いビジネスに
持って行くような気配はまるで感じない。

ただ、知っている日本語を
話しかけてきてくれるだけ。
みんなニコニコしている。

それだけでフェズの町が好きになれた。

 

 

 

それになんだ?
このいい出会いは?

なんで旅ってこんなに面白いんだろう?

 

 

民族楽器を持った男の子が、
僕の持ったギターに興味を示してきたので、
いつものスタンバイミーを披露すると、
かなり喜んでくれた。

そして、自分の持っている
モロッコの低音を出す二弦の楽器を弾いてくれた。

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そのまま地元のカフェに遊びに行ったり、

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シーシャを吸ったり、

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一日が何倍もの長さのように感じる。

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「なんすかそれ?」
「トランス音楽にいきなりノリだすヤツ」

 

 

あー、こりゃ今日も日記なんて書く時間ねえな♪

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22時に再び
待ち合わせすることにして
僕たちは一度宿に戻った。

 

 

「よかったらさ、
明日セッションしようよ!」

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シンペイ兄さんは僕にそう誘ってくれた。

水墨画家のシンペイ兄さんは
世界一周の旅の中で路上で
水墨画を描くパフォーマンスをしている。

キャリーバックにもなるバックパックは
80リットルという大容量だったが、
その荷物の半分は画材。

くっそ重いらしい。
僕にもその大変さが理解できた。

 

 

さきほどシンペイ兄さんの
ストリートパフォーマンスの
写真を見せてもらったのだが、
その完成度が高過ぎる。

毎回一時間そこらで仕上げてしまうという
スピーディーさにも驚きだ。

頻繁にストリートパフォーマンスを
するわけではないようだが、
パフォーマンスを行った場所は
トルコのブルーモスクの前やら、
イスラエルやら、
ダライラマが生まれた場所だったりだとか、
ロケーションも面白かった。

 

 

中国には2ヶ月も滞在していたらしい。

チベット仏教の色濃い場所にも
足を運んだのだとか。

 

 

 

話していて感じたのは
シンペイ兄さんの持つエネルギーだった。

この旅の中で僕より喋る日本人に
初めて会ったかもしれない。

 

 

「水墨画は禅の思想と繋がりがあってさ…」

話は聞いているだけで面白かった。

考え方は僕以上にポジティヴ。

些細なことにも、自分がいいと感じたものに対しては
「いいねぇ~!」とレスポンスを送る。

決して上から目線ではない語り口。

 

 

 

それもこれもシンペイ兄さんが
師事している水墨画の先生、
土屋秋恆先生の影響が大きいらしい。

シンペイ兄さんは何度も話の中で
「あの人は天才だよ」と言っていた。

描くだけじゃかく、自己プロデュースも秀逸。
アーティストとしての哲学がどのようなものかを
シンペイ兄さんの口から聞くのはためになった。

 

 

そのお師匠さん曰く

「日本には現時点で「アーティスト」として
食べて行けている人間は600人ほどしかいない」
というのだ。

それも日本が欧米に対して
アートにお金を払わないのも原因のひとつらしい。

日本で「アーティスト」として
食べていくにはほんとうに難しいようだ。

 

 

「アーティストとして大事なのは、
作品を作り続けることなんだ。
そしてそれだけじゃなくて、
それを発表していくことも
同じくらいに大事なんだ」

 

 

その言葉を聞いて、僕ははっとした。

分かっているんだけど、
なかなかおざなりにしがちな自己プロデュース。

僕はそんなマーケティングの
スキルなんてないし(経営学部出身なんだよ。これでも)、
『いつかは自分のことを認めてくれるだろう』
なんていう甘い考えもある。

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シンペイ兄さん
と話しているとあっという間に
時間は過ぎていった。

22時になると
アナとフアンが僕たちのことを迎えにきた。

さっき会ったモロッコの2人組と旧市街から
タクシーで向かったのは、ちょっと高そうなレストラン。

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入り口の前には警備がいる。

中では大音量でキーボードと
ボーカルのモロッコ・ミュージックライブが行われ降り、
お金を持っていそうな大人たちが席についていた。

カメラを取り出してレストランを
撮ろうとするとスタッフに止められた。

 

 

というのも、
モロッコはイスラム教の国だからだ。

トルコ以上に戒律にはゆるい印象を受けるが、
それでも堂々とお酒を販売するには
抵抗があるみたいだ。

 

 

バケツに子便のビールが
10本くらい入れて運ばれてきた。

フアンやアナは音楽にノってテーブルの外で
ダンスしだしたけど、僕はふつーに
宅飲みとかでもよかったなぁ~。

 

 

モロッコの彼らはビールが
飲みたかったからここに
連れてきてくれたのかなぁーーーー。

 

 

音楽にノってる素振りをしながらも、
頭の片隅ではそんなことを考えてしまう。

そんなリッチなところに連れてきてくれなくても、
十分楽しかったのになと。

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レストランの尾客さんはほとんどノっていなかった。
そのくせ音楽のボリュームは大きく、
同じテーブルの人間と会話をするためには
大声を出さなければならなかった。

今日はお開きかと思われたが、
連れて行かれた先が

まさかの二件目
だったのには
胸焼けのようなものを覚えた。

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若い子二人は
「ここで女のコを連れ帰ってもいいんだぜ!」
なんて言ってたけど、ここにいるのは
バストとヒップの大きい巨体の女とそれに
視線をそそぐおっちゃんしかいない。

音楽もどこかで聴いたことのあるテクノ。

 

 

シンペイ兄さんは
「1時半まで我慢して逃げるぞ!」と企てたが、
このグダグダ感に「もう作戦変更!なるようになれ!」
だなんて自暴自棄になっていた。

 

 

僕もいい感じにアルコールが
まわってきてもう眠いよ…。

 

 

 

 

宿に着くと歯を磨いてベッドに倒れこんだ。

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「モロッコの人はスペインとかのクラブに行って
もっと勉強してきた方がいいんじゃないですかね?」

「いや、逆に「このくらいでノれる」
ってことは健全なんじゃない?」

確かに。あの延々とドコスカ繰り返す打ち込み系の
音楽じゃないとノれないってのもおかしな話だ。

ただね、あの場にいたお客さんたちの中で、
僕たちのテーブルが異様に盛り上がっていたのは
間違いないですね。

 
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ABOUTこの記事をかいた人

「旅する漫画家」。世界一周後(2013-2016)、現在は海沿いの町に潜伏中。そろそろ旅がしたいぞ!